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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

「月明かりの聖夜」前編

最終更新:

rozen-yuri

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だれでも歓迎! 編集

「…さっきからニヤニヤしてて気持ち悪いわねぇ」
 嬉しさが表情に表れていたのか、水銀燈は着ていく服を選んでいるめぐの顔を見て呆れたように言った。
 自覚はなかったが、そんな表情を浮かべていたのか。まあそれも無理は無い。

 今日は十二月二十四日…学校の終業式で明日から冬休みであり、そしてクリスマスイヴ。
 去年までめぐには無縁と言っても良いような日だったが、今年は違う。
 病院を退院し、そして愛しののりと過ごす、初めてのクリスマスイヴだ。
 そしてこれからはそののりとクリスマスデート…そう思うと、表情が緩むのを堪えられなかった。
 そんな様子に、水銀燈はフッと笑ってめぐの顔を見る。
「ま、幸せなら良いけどねぇ。あなたがそんな顔するなんて、昔は思いもしなかったわぁ」
「そう? …まあ、昔の自分は死んだと思ってるから。これものりに会えたからね」
「…ごちそうさま」
 喜色満面で惚気る、そんなめぐの表情が水銀燈は何だかんだ言って嬉しかった。
 死にたがりで毎日暗く過ごしていた、あの頃を知っているからこそだ。
 そこで会話は区切られ、めぐはクローゼットの方を向き服選びを再開し始めた。

 しばらくして服が決まり、それに着替え始めためぐへ水銀燈はふと気になっていたことを聞いてみた。
「ねえ、ちょっと聞いてもいい?」
「なに?」
「…あなた達ってどこまで行ったのぉ?」
「えっ!?」
 あまりにも突拍子の無い水銀燈の質問。
 いきなりそんな事を聞かれて動揺し、ジーンズを履こうと片足を上げていためぐはバランスを崩してしまった。
 転びそうになったが壁に手を付き何とか体勢を立て直し、驚いて乱れた息を整えながら水銀燈を睨む。

「い、いきなり何聞くのよ…」
「ごめんなさぁい。で、どうなの?」
 台詞では謝っているが表情は完全に楽しんでいてニヤニヤと笑みを浮かべている。
 ジーンズを履き直し、次にめぐは呆れたように目を背けて上着に袖を通す。
「何で私がそんな事言わなきゃいけないのよ…」
「いいじゃなぁい。あなたは私のミーディアムなんだからぁ」
「だからって、そこまで教える必要ないじゃない。プライバシーよ」
「教えなさいよぉ。私とあなたの関係じゃなぁい」
 尚もしつこく聞いてくる水銀燈に、めぐは呆れ気味に頭を抱えた。
 だったら、とめぐは口の端を上げて水銀燈へと顔を向ける。
「それじゃあ、あなたと真紅はどこまで行ったのよ」
「私?」
「私だけが聞かれるのは不公平だから。あなたが答えないなら、私も答えないわよ」
 これならさすがの水銀燈も恥ずかしくて言い返せないだろう。
 そう思い余裕になって着替えを再開する。だが。
「当然最後までやったわよぉ。この前もねぇ」
「…よくもまあそんな平然と…」
 さも当然、そんな様子で水銀燈は恥ずかしげも無く答えてしまった。
 人形だから恥と言う物が無いのだろうか、半ば呆れ気味にそう思わざるを得ない。
「で、あなたはどう? 私はちゃんと答えたわよぉ」
 ヤブヘビ、とはこの事か。起死回生かと思われた質問で自分の首を絞めることになろうとは。
 こうなると水銀燈は答えるまで離してくれないだろう、めぐは観念し顔を赤く染めると、目を逸らして呟くように口を開いた。
「…キス…」
「え?」
「…キスまでよ、まだ…」
「そうなのぉ!?」

 意外と言った様子でやや大袈裟気味に驚かれ、少しカチンと来て半ばヤケ気味に続ける。
「そうよ、まだキスまでよ。何でそんなに驚かれなきゃいけないの?」
「いや、あなたの事だからもうとっくに何度も手を出してるかと…」
「…あなた私をどう思ってたのよ…」
 水銀燈の中にある自分のイメージ像を疑い、めぐは大きな溜息を吐いた。
「…しかし意外ねぇ。もう大分経つのに、どっちともまだ手を出してないなんて」
「…いいじゃない、別に…」
 恥ずかしそうに口を噤むめぐに、水銀燈はどこかいやらしい笑みを浮かべる。
「ひょっとしてぇ、向こうが手を出してくるのを待ってたの?」
「そんな訳じゃないけど…」
「良い? のりみたいなおっとりしてるタイプは自分から待ってちゃダメよぉ。もっとガーッと押し倒すような勢いじゃないと」
「ガーッと、って…」
「お互い愛し合ってるんでしょう? だったら迷う事無いわぁ。やっちゃった者勝ちなんだから、さっさと…」
「…水銀燈」
「なに?」
「オバサン臭い」
「オ……」
 そう言われて、ヒートアップしていた水銀燈は完全に固まってしまった。

―※―※―※―※―

(もう、水銀燈も余計な事ばっかり気にして…)
 待ち合わせのいつもの広場で、めぐはさっきの水銀燈へ呆れ気味に溜息を吐いた。
 …とは言え、確かに水銀燈の言う事も理解出来る。
 のりと付き合い始めてもう四ヶ月近く経つ…それなのに未だにキス止まり。
 本音を言うとそろそろ次のステップへ進みたいと言う欲求もあるのだが、なかなか踏ん切りがつかない。
 体を求めて拒絶される事は無いだろうが、万が一拒絶されたらと思うと、やっぱり怖い。

(…そういう体験って私の歳じゃ早い…? いや、愛し合ってるんだから歳なんて…ああ、でもなあ…)
「めぐちゃん待った?」
「は、はい!?」
 ベンチに座って一人考えていると不意に声を掛けられ驚き、思わず間抜けな声が出てしまった。
 顔を見上げると、さっきの声に驚いたのかのりが少し目をパチクリさせてめぐを見つめていた。
「ど、どうしたの? 何かあった…?」
「い、いや、ちょっと考え事してただけから…気にしないで」
 ははは、と作り笑いを浮かべて鼻の頭を掻いて立ち上がる。自分でもあんな声を出した事に少し驚いていた。
 笑ってその場を誤魔化すとのりはそれ以上詮索せず、いつもの優しい表情に戻っていく。
「なら良いけど…寒くなかった?」
「大丈夫よ。今日は暖かいから」
 今日はクリスマスなのに空は晴れていて、夕日が辺りを茜色に染め上げていた。
 クリスマスと言えば雪が定番なのだが、雪を降らすような雲は見えず、とても降るような気配は無い。
「本当ね。でも…はい」
 そう言うとのりは嵌めていた手袋を片方外して差し出し、それを受け取ってめぐは手に嵌めた。
 のりの体温で温められた手袋が心地良く、もう片方の手袋をしていない手でのりの素手の方を握る。
 冬場になってからのデートではこれがもはや定番になっていた。
 寒いなら手袋を買いに行けばいいだろうと思うだろうが、こうやって手を温めるのが二人とも好きだった。
「手は温まった?」
「ええ。とっても」
「じゃあ、行こうか。早くしないとお店込んできちゃうわよ」
 めぐは頷き、二人は並んで街へと繰り出して行った。

 それから街中を歩いて行くとすぐに日は落ち、辺りは夕日に代わって人工の明かりに照らされていく。
 その明かりには街路樹に付けられたイルミネーションも含まれていて、LEDのライトが美しく道を彩っていた。
「…綺麗…。近くで見るとこんなに綺麗なのね…」
 イルミネーションを初めて間近で見て、感嘆と言った様子でめぐがそう漏らす。
 去年までは病院の窓からしか見たことが無かったから、間近で見るイルミネーションはとても新鮮だった。
「本当ね。…でも、めぐちゃんの方がよっぽど綺麗で可愛いわよ」
 恥ずかしげも無く言われた、定番中の定番な台詞。
 のりの顔はあくまで無邪気で、思ったことを素直に口にしたのだろうがめぐには少し恥ずかし過ぎた。
 でも同時に嬉しくて、めぐは頬を赤く染めたままはにかんだ笑顔を浮かべる。
(…だったら、のりも綺麗よ…)
 そう思ったが、さすがにそんな事を平気で口に出せるめぐではなかった。

 イルミネーションされた街路樹の歩道を歩いて行き、食料品店で買い物をすると、二人はめぐの家に向かって行った。
 今日のデートはこれからが本番。これから二人一緒に料理を作り、二人だけでちょっとしたパーティをしてそのままお泊りだ。
 大人だったらちょっと洒落たレストランでディナーというところだろうが、学生の二人にそんなお金などあるわけが無い。
 でも、これはこれで楽しそうだ。
 それからすぐにめぐの家に着き、二人は家に上がって行った。
「お邪魔しまーす」
「今日は私しかいないから、遠慮しないでね」
 父親は出張中、水銀燈は真紅と過ごすからと今は家に誰もいない。
「相変わらずお父さんは忙しいのね」
「まあね。でも、のりと二人きりになれるから、かえってラッキーだったかな」
 二人きり、という言葉に反応して二人は少し照れて頬を赤らめた。
 それから二人はとりあえずリビングに荷物を置き、エプロンを付けてキッチンに立ち夕食の準備に取り掛かる。
 準備といっても、クリスマスに定番のチキンは既に買ってあるから、あとは付け合せにスープとサラダを作るだけだ。

 二人で和気藹々と作っていき、簡単な物ばかりだったから一時間もしないうちに二つとも出来上がった。
 それらとレンジで温めたフライドチキンをテーブル上に並べて夕食は完成し、二人ともテーブルに着いた。
「結構な時間になっちゃったわね。お腹も空いたし、早速食べようか」
「そうね。それじゃ、これ開けるわね」
 そう言ってめぐが取り出したのはさっき一緒に買ったシャンメリー。クリスマスの定番アイテムだ。
 ハンカチで蓋を包み、そのまま力を入れるとポン、という小気味の良い音が響いて蓋が開いた。
 中身をのりと自分のグラスに注ぎ、それを持ってお互いに見詰め合う。
「じゃあ、私達の最初のクリスマスに…」
「乾杯」
 グラスとグラスをチンと鳴らして乾杯し、一口飲んでから料理を食べ始めた。
「ん、このスープ美味しい。やっぱりのりの料理は美味しいわね」
「ありがと。いつもそう言ってもらえて嬉しいわ」
 笑顔一杯で料理を食べて行き、二人だけの幸せな時間が過ぎていく。

 そうして料理を食べ終えて食器を片付け、リビングで残ったシャンメリーを二人で飲んでいるとめぐが先に話を切り出した。
「あ、あのね、のり」
「どうしたの?」
 ソファの隣に置いてあったバッグの中から丁寧にラッピングされた小包を丁寧に取り出した。
 それを手にして、のりの顔を見上げる。
「その…クリスマスプレゼント。受け取って」
 少し照れ臭そうに差し出すと、のりはぱあっと笑顔になってそれを大切そうに受け取った。
「ありがとう。開けてもいい?」
「ええ。開けてみて」
 めぐの返事を聞くとラッピングを丁寧に剥がしていき、現れたのはベージュ地にデフォルトされたウサギがプリントされたエプロン。
 それをじっくりと見つめるのりに、めぐは口を開く。
「実用的なものが良いかなって思った時に、浮かんだのがエプロンで…。のり、よく家事するからって選んだんだけど…喜んでもらえた?」

 少し不安げに尋ねるめぐだったが、のりは愛しそうな笑顔で見つめ返してきた。
「ええ、本当にありがとう。これから大切に使わせてもらうわね」
 喜んでもらえたようで、めぐは少しホッとして肩から力が抜けた。
 のりはそれを丁寧に畳みラッピングを戻すと、のりも鞄からラッピングされた小包を取り出した。
「じゃあ私も。クリスマスプレゼントよ」
 小包を受け取り、そこに付けられた“Dear めぐちゃん”と書かれた小さなカードを見てそれだけでも嬉しくなってきた。
「ありがとう、のり」
「ね、開けてみてよ」
 のりに促され、ゆっくりとラッピングを剥がしていくと、黒と白のチェック模様をしたマフラーが現れた。
 シックかつ可愛らしいデザインのそれを手に取り、じっくりと見ていくと右下縁の所に“M.K”と刺繍されているのに気が付いた。
 M.K…一瞬何かと思ったが、それはすぐに分かった。自分のイニシャルだ。
 それと同時に、じっくりと見て分かった事があった。
「これ、もしかして手編み?」
 最初は市販の物かと思ったが、良く見てみると市販の物とは少し異なっていた。
 パッと見では市販の物と見間違うぐらいの完成度だ。
「…私、お金無くって。それで手編みにしたんだけど…ごめんね、安物で」
 申し訳無さそうなのりの台詞。だが、それを聞いてめぐはマフラーをしっかりと抱きしめてのりの顔を見つめる。
「そんな事無い…どんな高級な物よりも、ずっと素敵なマフラーよ」
 嬉しさで目に涙が浮かび、それを指で拭うとマフラーを自分の首に巻きつけた。
 暖かく柔らかい感触が首の周りを包み、心の底から温まってくるようだ。
「すごく暖かい…大切にするわ、ありがとう」
 心の底から嬉しくて満面の笑みで礼を言うと、のりからも不安そうな表情が消えて笑顔に戻っていった。
 この人と出会えて本当に良かった、言葉で表せない愛しさがめぐの胸を包んでいく。

―※―※―※―※―

 プレゼント交換をした頃にお風呂が沸き、先にめぐが入り今は入れ替わりでのりが入っているところだ。
 めぐは自分の部屋に戻り、ベッドに座って窓から見える煌々と輝く満月を眺めていた。
「…水銀燈も今頃真紅と一緒に過ごしてるのかな」
 真紅と過ごすからとnのフィールドに消えた水銀燈。
 気を使っているのかそうじゃないのか分からないが、今頃真紅と一緒だろう。
 そう思っていると、あの台詞を思い出した。
『私? 当然最後までやったわよぉ。この前もねぇ』
 恥ずかしげも無く答えたあの質問。
 だとすると、二人とも今頃体を重ねているのか…その場面を想像すると、また別の台詞を思い出し顔が熱くなってきた。
『のりみたいなおっとりしてるタイプは自分から待ってちゃダメよぉ。もっとガーッと押し倒すような勢いじゃないと』
(…そう言われても…)
 ちょうど今は二人きり、誰も邪魔する物などいない…こんな時は何回かあった。
 だがそのどれもが悶々としたまま手を出す事もアプローチをする事も出来ず、ただただ無駄に過ごしてしまった。
 意外と自分が弱気だという事に気付かされ、「このヘタレが」とでも言いたそうな水銀燈の顔が目に浮かぶ。
(…やっぱ自分から行かなきゃダメなのかな…でも…どうやって…)
「めぐちゃん、お風呂ありがとね」
「はっ、はぃ!?」
 間抜けな声、本日二発目。
 声の方を向くとのりが立っていて、そのまま髪をタオルで拭きながらやってきてめぐの隣に座った。
「どうしたの? 何か考え事?」
「う、ううん。月が綺麗だったから、眺めたただけよ」
 動揺していたことを悟られないよう、窓から見える満月を指差す。
 するとのりは満月が見えるように、めぐの更にすぐ隣まで来て指差す方を眺めた。
「本当。クリスマスって言えば雪が定番だけど、こういうのも神秘的で良いわね」
「そ、そうね」

 満月を眺めるのりの横顔はどこか大人っぽく見えて――実際年上だが――いつにも増して綺麗に見えた。
 同時にのりの湿った髪からシャンプーの匂いが漂って来て、それが更にめぐをドキドキさせる。
(…こうして見ると本当に綺麗…ドキドキする…)
 気付かれないよう横目でのりの顔を見つめる。
 しばらくそうしていると不意に手を握られめぐの心臓が一瞬高鳴り、のりは少し顔を赤くして俯いた。
「…のり?」
「あ…あのね、めぐちゃん。…本当はもう一つ、クリスマスプレゼントがあるの…」
「え、そうなの?」
 まさか二つも用意してくれてるなんて思わなかった。
 だったら自分ももう一つ何か用意しておくべきだったかと、そんな事を考えるが、のりはプレゼントを取りに行く仕草を見せない。
 めぐが不思議に思い始めた頃、のりは絞り出すように声を出して更に顔を赤くしていった。
「そ、そのプレゼントっていうのは…」
 そこでのりは区切り、数秒経つと意を決したように上着を脱いで白い肌がめぐの目に飛び込んできた。
「ちょ、ちょっと、のり!? いきなり何を…!?」
 いきなりののりの行動にめぐの頭が付いていかず、完全にパニックになってしまった。
 しかしのりは顔を真っ赤にしたまま、上着を着ようとしない。
「…その…プレゼントに、私をあげる…!」
「な…ええ!?」
「…私、めぐちゃんの事大好きだから…それで、もっと喜んでもらいたくって…」
 後半はほとんど消え入りそうな声だったが、それでもめぐにはしっかりと届いた。
 それでもめぐは混乱気味で、どうするべきか分からず固まったままだ。
(…ど、どうすれば良いの…のりはこう言ってるんだからこのまま…でも…)
 さっきまで性的なことを考えていたのだが、実際こうなるとどうして良いのか分からない。
 そうしばらく固まったまま思案していると、のりは耐えられなくなったのかさっき脱ぎ捨てた上着に手を伸ばした。
「…ご、ごめん。いきなりこんな事しちゃって…変だよね私ったら…」
 自嘲的な笑顔を浮かべた、悲しそうなその表情…今ここでこのまま終わらせたら確実にのりを深く傷つけてしまう。
 そう思ったとき、めぐは思わずのりを思い切り抱きしめた。

「のり!」
「めぐちゃ…んぅっ」
 急な事で驚いた事もお構い無しに、乱暴に唇でのりの唇を塞いでそのままベッドに押し倒した。
 もうどうにでもなれ。更に抱きしめる力を強くし、舌で唇をこじ開けるとそのまま中へ滑り込ませていく。
 初めてのディープキスに驚いていたのりだったが、事態を飲み込むと自分からもめぐの舌に舌を絡め始めた。
 生温かく湿った舌がお互いの口の中で動き回り、淫らな水音を立て二人を興奮させていった。
 やがて息苦しくなって口を離すと、唾液が二人の口と口でアーチを引き、それに光が反射して酷く淫らに見えた。
「…ごめんなさい、今まで待たせて…でも、もう我慢出来ない。…良いのね?」
「…うん。めぐちゃんの事、愛してるから…」
「私だって、のりの事を心の底から愛してる…。だから、私も…私をのりにあげる…」
 お互いに見詰め合って最後に確かめ合い、もう一度口付けようとのりに顔を近付けていく。
「ちょ、ちょっと待って…」
「え?」
 あと少しと言うところでストップを掛けられ、まさかここまで来て中止になるんじゃないかと不安になる。
 そんな切ない表情に気付いたのか、のりは少し微笑んで首を横に振った。
「…部屋、暗くして」
 一瞬呆気に取られためぐだったが、確かにこういう時は暗い方がムードがあるなと納得し、部屋の明かりを消した。



 後編につづく

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