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「月明かりの聖夜」後編

最終更新:

rozen-yuri

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「月明かりの聖夜」

前編はこちら→前編


 部屋の明かりを消し、光源は枕元の小さいライトと差し込む月明かりだけになった。
 そこでようやく心に余裕が出来、改めて上半身裸になったのりの体を見る。
 薄明かりに照らされた白い肌と、自分よりも一回りほど大きな胸、くびれた腰が目を引いて思わず生唾を飲んだ。
「のりの体、綺麗…」
「恥ずかしいから、あんまり見つめないで…。…めぐちゃんも…」
「うん…」
 言われて自分もパジャマを脱ごうとボタンに手を掛けようとするが、その前にのりがめぐのボタンに伸ばしてきた。
「私が脱がせてあげる」
 少し笑顔を浮かべるのりに頷き、パジャマのボタンが一つ一つ外されていく。
 自分で脱ぐのと他人に脱がされるのでは緊張の度合いが全然違う。ボタンが外される度に胸がドキドキしていく。
 程無くしてパジャマが脱がされると、今度は肌着シャツに手が掛けられる。
「ね、バンザイして」
「ん…はい」
 大人しく従いシャツを脱がしやすいように手を上げると、のりがシャツを捲り上げてきた。
 脱がせやすいように身を捩り、ついにめぐの上半身は完全に隠す物が無くなってしまった。
 首裾が抜けたことで乱れた髪を軽く整えてお互いに目を合わせると、恥ずかしくて照れ笑いを浮かべる。
「…やっぱ恥ずかしいわね」
「ふふ、そうね。…あ…」
 お互いに少し笑うと、不意にのりの視線がめぐの胸の一点に留まった。
 その視線の先を辿ると、すぐにのりの想いが分かってめぐは少し微笑んだ。

 視線の先にあるめぐの左胸には、心臓手術の時の傷痕が残っている。
 見るのは初めてだから、驚くのも無理は無いだろう。
「これ以上は消えないんだって。これでも、大分目立たなくなった方なのよ」
「そう…」
「正直最初は嫌だったけど、今はこれも良いかなって思ってるわ」
「え?」
 穏やかな笑顔で言った台詞に、のりは少し意外、と言った顔をした。
「これはのりと逢った事と、勇気を持つことが出来た証…そう思ってる」
 のりの手を取り、自分の左胸に押し付ける。
 それに少し驚いた様子だが、すぐに柔らかい乳房を通じてその手に伝わる感触を意識して感じ始めた。
「分かる? 凄くドキドキしてるの…」
「うん…感じる、めぐちゃんの鼓動…」
「この傷は勲章みたいな物。それに…見せるのはのりだけだから」
 少し照れ臭い告白に二人ともはにかみ、のりに覆いかぶさってもう一度口付けた。
 さっきの勢いに任せたキスではない、甘くて濃密なキス。
 お互いの口の中を、舌が一つの意思を持った生き物の様に動き回りそれとそれが絡み合う。
 舌と共に送られてきた唾液を飲み込むと、まるで麻薬のように甘い痺れが背中に走るような気がした。
 舌と舌を絡め合わせたまま手を滑らし、右胸へと伸ばして手を添えた。
 のりの胸は思っていた以上にやわらかくて温かく、少し力を加えただけで指が食い込んでいく。
「んっ……」
 指と手を動かす度にのりが官能的な声を上げ、それで更に甘い痺れが体に走る。
 めぐの手の中で形を変える胸がひどく淫らに見えて、その感触が心地良い。

「可愛いわ…。それにのりの胸、すごく気持ち良い…」
「んっ…! 恥ずかしい事言わないで…!」
「だって本当だもの。…もっと気持ち良くなって…」
 両胸を弄る手へ力を込めると、指は更に食い込んでいきのりの声も大きくなる。
 そうしている内に乳首がツンと自己主張してきて、それを指で軽く抓む。
「ふぁっ! っくぅ…!」
「ご、ごめん。痛かった…?」
 さすがにこれには驚いて思わず手を離してしまったが、のりはそれに首を横に振る。
「大丈夫、続けて…」
 涙目で縋るように言われて離した手を再び胸に添え、胸と乳首を愛撫し始めた。
 手の平で胸を揉みしだき、指で乳首を抓る度にのりが官能的な声を上げる。
 しばらくそうして胸を愛撫していたが、胸を掬うように掴んで強調させるとその先端を口に含んだ。
 そのまま更に乳首をチュッと吸い立てると、これまでとは違う刺激にのりの体がビクンと跳ねる。
「ああっ、ん…! はぁ…!」
 初めて吸うのりの乳首にこれまで無く興奮し、どこと無く甘く感じて夢中で口の中で舐め、甘噛みする。
 もちろん、もう片方の胸も愛撫したままで、口と手でのりの胸を堪能していく。
「何だか赤ちゃんになったみたい…ミルク出ないかな」
「出るわけ無いじゃない…! んぅ…!」
 尚も乳首を吸いたてながら、片手を胸から離して下半身へと手を滑らす。
 それにのりも気付き、めぐは乳首から口を離して顔を見つめる。
「こっちも、良い?」
「うん…」

 のりは頷き、それを確認してズボンとショーツを脱がしていきのりの秘所が露になった。
 秘所は既に十分濡れていて、ショーツには染みが出来ていて透明な糸を引いた。
「もうこんなに濡れてる…」
「やだ、そんな事言わないで…」
 台詞を聞いてのりは恥ずかしさで首を横に振り、めぐは「ごめん」と呟いて唇に軽く口付けた。
 それからのりの秘所に指を這わせると体がビクンと震え、そのままゆっくりと中指を中へ入れていく。
 そこは何の抵抗も無くめぐの中指を飲み込んでいき、すぐに第二関節まで入っていった。
「んっ…めぐちゃんの指が…」
「のりの中、あったかい…」
 のりの体温を感じつつ、解すように指を中で少しずつ動かしていく。
 指を動かす度にのりが可愛らしい声を上げて、最初はゆっくりだった指の動きを少しずつ大きくしていった。
「あっ、あぁ、うん…!」
 動きに反応して身悶えるのりが愛しく、指を動かしながら体中にキスを降らせる。
 首筋や鎖骨、胸…余す所無く口付けをしていき、そこが紅く色付いていく。
 まるでのりが自分のものである事を示すように。
 その一つ一つに可愛らしい反応を示していき、やがて指を締め付ける肉壁がヒクついてきたのが分かった。
「のり、いきそうなの?」
 めぐのその問に、のりは快感で口で答えることも出来ずに首を何度も縦に振った。
 それを確認し「分かった」と答えると一気にラストスパートを掛ける。
 指を中で何度もピストンさせ、のりの口から声にならない声が溢れてくる。
「はっ…あぅ、もう…!」
「良いわよ。私で感じて…」
「め、めぐちゃ…ああぁぁん!」

 一際甲高い声と共にのりの体が強張り、指が肉壁にギュウッと締め付けられて果てた事を知る。
 しばらくしてのりの体から力が抜けて指を中から抜くと、乱れた息を整えようとしているのりを抱きしめた。
 自分で果ててくれた事が嬉しくて愛しくて、のりの顔を覗きこむ。
「気持ち良かった?」
「…ええ…とても…」
「…なら良かった」
 優しく微笑み掛けるとのりも微笑み、向こうから手をめぐの頬に添えてそのまま口付けてきた。
 今度は舌を絡めない、優しいキス。数秒間して口を離すと、のりは口を開いた。
「私だけが気持ち良くなったら悪いから…今度はめぐちゃんも…」
「うん…」
 頷いてめぐもズボンとショーツを脱いで一糸纏わぬ姿になると、今度はのりが覆いかぶさって来た。
 更に太股を開かせると、そこにのりの下半身が滑り込んできてお互いの秘所と秘所を重ね合わせる。
 まだ濡れていたのりの秘所がくっ付いてきて、めぐの体に静電気が流れたような感覚が走った。
「一緒に気持ち良くなろうね…」
 軽くキスをすると、のりが腰を動かして秘所と秘所を擦り合わせてきた。
 愛液で吸い付き合うお互いのそこが、動く度に擦れて淫らな水音を立てて扇情的だ。
「うっ…ん…! クチュクチュいってる…!」
「のりのと擦れて…気持ちいい…!」
 お互いの襞と襞が絡み合い、その度に二人の体に強い快感が走り抜ける。
 めぐはのりの首に腕を回して抱き着き、何度目とも分からない深いキスをした。
 舌を絡め合わせながら腰を振り、絶え間なく快感が送られて来てクラクラしてきそうだ。

「うっん…! のり…好き、大好き…!」
「めぐちゃ…あんっ…! 私もよ…!」
 お互いに強く抱き締め合って、無我夢中で腰を振って快感を貪り合う。
 そうしているとのりの襞がヒクついて来ているのが分かり、同時に自分も目の前が白くなってきた。
 そして、自分の腰に何かが集まりつつある感覚…もう絶頂まで近いだろう。
「のり、のり…! もう…!」
「わ、私もまた…!」
 ギュッと抱きしめる腕に力が篭り、クリトリスとクリトリスが擦れて強い快楽が走った。
「のり…! うああぁぁ…!!」
「ああっ、やあぁぁん…!!」
 そして同時に目の前が真っ白になり、全身が強張って二人同時に絶頂を迎えた。
 そのままのりがめぐの体にもたれてきて、二人とも放心状態で肩で息をする。
 やがて何とか乱れた息が落ち着くと、手をのりの頬に添えて見詰め合った。
「二人同時にいっちゃったわね…」
「うん…。めぐちゃんと一体になれた気がして、嬉しかった」
「…私もよ、のり」

「…ねえめぐちゃん」
「何?」
 事が終わって服も着ないまま布団の中で二人まどろんでいると、のりがめぐの方を向いて来た。
「…喜んでくれた? このクリスマスプレゼント…」
 期待と不安が入り混じった目で見つめられ、めぐはのりを抱き寄せて微笑みキスをした。
「最高のクリスマスプレゼントよ。…ありがとう」
「良かった…」
 それを聞いて安心したのか、のりはめぐの腕の中でそのまま眠りに着いた。
 めぐは布団を被り直し、のりが寒くないように抱きしめたまま同じく目を閉じた。

―※―※―※―※―

「ん…」
 カーテンの隙間から差し込む朝日でのりは目を覚ました。
 隣にめぐの姿が無い所を見ると既に起きているようだ。
 体を起こして枕元の目覚まし時計を見ると、時刻は既に九時近い。少し寝過ぎてしまった。
 布団から出たことで冬の寒さに身を震わせて、床に脱ぎ捨てられた自分の服が目に付いた。
 同時に昨日の情事を思い出し、のりの顔が赤く染まる。
「そっか…昨日はめぐちゃんと…」
 初めて体を重ねた事を体中に付けられた紅い証が示していて、少し恥ずかしくなった。
 とりあえずいつまでもこの格好でいる訳にもいかない。
 他に着る物も無く床に落ちている服に着替えて、リビングへ向かう。

 リビングに入ると香ばしい匂いが漂ってきて、そこからキッチンを見るとめぐがそこに立っていた。
「おはようめぐちゃん。何してるの?」
「あ、のりおはよう。珍しく私のが早く起きたから、今日は私が朝ご飯作ってみたわ」
「めぐちゃんが?」
「ええ。もう出来上がりだから、ほら」
 そう言ってフライパンから皿に盛り付けられたのはフレンチトースト。
 見た目も綺麗に焼けていて、ほんのり甘くて香ばしい匂いが食欲をそそる。
「わあ、美味しそう」
「のりには及ばないかも知れないけどね。…そう言えばさ」
 フレンチトーストが盛られた皿をテーブルに並べると、めぐは眩しい朝日に目を細めつつ窓に近付いていった。
 それに着いて行くようにのりも隣に並び、窓の外の景色を眺める。
 空は昨日と同じく雲一つ無い気持ちの良い空だ。
「昨日の予定ばっかり考えてて、今日の予定を何にも考えて無かったわね。いい天気だけど、どうしたい?」
「そうね、本当にすごくいい天気。…でも」
 そこで区切るとめぐを抱き寄せて、その肩に頭をもたれさせてそっと目を細める。
「今日は何もしないで、ずっとめぐちゃんとこうしていたい気分…」
 小動物のように甘えてくるのりに、めぐは微笑んでのりの肩に手を回し抱き寄せた。
「…それも良いわね」
 決定。
 クリスマス本番の予定は、家で何もせずにずっと一緒に過ごす事――。

―※―※―※―※―

 時間は遡り、二人が体を重ね合わせ始めた頃、nのフィールド。
 真紅と水銀燈は鏡からこっそり二人の様子を眺めていた。
「…やっと一線を越せたわねぇ。まったく、うちのめぐもヘタレなんだから」
「あれものりのアプローチがあったからね。…でも、あんな大胆に行くなんて…」
「私もビックリしたわぁ。あののりがあんな事するなんてねぇ…」
「いくら“自分からもっと積極的にアプローチしなきゃダメよ”って言ったからって…どうなる事かと思ったわ」
「ま、何はともあれ結果オーライじゃなぁい。私達の努力も実を結んだわね」
「そうね。良かったわ」
「それじゃあ…あの二人も始めた事だし、私達も…」
「…ええ。メリークリスマス、水銀燈…」
「メリークリスマス、真紅…」

終わり

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