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ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

アリスになる方法

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rozen-yuri

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「本当に・・・・・・・・よかったね、水銀燈」
その涙の訳はいったい何なのか、水銀燈にはわかっていなかった。
でも目の前で蒼星石は自分を見てなぜか涙を流している。
「何なの?一体。新しい遊び?突然来て泣くなんてあなたらしくないじゃない」
「それとも、過保護な双子のお姉さんと喧嘩でもしたのかしら?」
すこし皮肉を交え嘲るようにいってみる。
それでも目の前のショートカットの妹は目に涙をためてそれを頬に流すだけだ。
水銀燈はここ最近少し困惑していることがあった。
自分が復活してからというもの真紅もおかしかった。
今の蒼星石も真紅と同じようにおかしい。
それがなぜだかもやもやして胸に引っかかるのだ。
「なんなのよ!訳が分からないわ。私、あなたに何かしたかしら??」
少し強めに泣いている妹に投げかけるが効果がない。
落ち着くまで少し時間が要りそうだった。

「少しは落ち着いたかしら?」
入れたての紅茶の香りを確かめながら水銀燈は尋ねる。
目の前に差し出された紅茶を蒼星石は「ありがとう」と一言だけいって両手でカップを包んだ。
「―――水銀燈は覚えているかい?」
不意に蒼星石がポツリと語り始める。
「僕が君と初めて会ったとき。君はまだ歩き始めたばかりの無垢なドールだったね」
「そうだったかしらぁ?」
ぷいっと明後日の方角を向く水銀燈に少しやり辛そうにでも嬉しそうに続ける。
「僕と真紅の戦いに途中参加してきて・・・・でもアリスゲームなんて知らない純粋なそんな君を僕は傷付けた」
「・・・・・・・・・・・・」
「僕がすべてを始めちゃったから君を傷つけ、君と真紅の仲に溝を作ってしまって・・・・」
「また時代が移ってからも君が真紅を憎み、戦い。僕は臆病でそれを止めることも出来なくて」
水銀燈はちょっとイライラしながらカップを受け皿にぴしゃりと置いた。
その無言の圧力に蒼星石はちょっとびっくりする。
「あ、あの、何を伝えたいかというと・・・・僕が始めなければ君と真紅は今の僕たちみたいにずっと仲良く出来ていたかもしれなかった。僕のせいで本当にごめん、水銀燈」
すべてをいい終わった蒼星石は再び視線を手に持ってるカップの中身に移す。
時折、水銀燈の顔色を伺いながらもこの沈黙が耐え難いものには間違いない。
新しく注いだ紅茶を一口すすって水銀燈が口を開いた。
「何を言い出すかと思えば・・・・あなたって意外とおバカさん?」
口元に笑みを浮かべながら見つめてくる水銀燈に蒼星石は戸惑った。
「水銀燈・・・・怒っていないのかい?」
「何で私が怒らなくちゃいけないの?あなたが始めなくてもアリスゲームは始まっていたわ」
「それにあの時の真紅は私に言ってはいけないことを言葉にしたから嫌いになっただけよ」
蒼星石は状況が理解できないのかぽかんとしていた。

「で、でも僕は君と真紅の戦いを止めるべきだったのに・・・・それさえもしなかったんだよ!?」
「何故?あれは正式なアリスゲーム。あなたに止める理由なんてないでしょう?」
少しの沈黙。水銀燈は再び紅茶の香りを楽しみながら続ける。
「それで、あなたは私にどうしてほしいわけ?」
ちょっと意地悪に、悪戯っぽく蒼星石に問いかける。
何故だか急に蒼星石をいじって遊びたくなってきた。
蒼星石の子犬のような目が水銀燈の何かをゾクゾクと刺激していたようだ。
「みんなと・・・・仲良くしてほしいんだ。姉妹みんなと・・・・真紅とも仲直りしてほしい」
「ウフフ、私もあなたたちとおままごとのような生活を送れというの?」
言葉では蒼星石たちの生活を否定しているようにいっている水銀燈だが、口調はどこか楽しそうだ。
どんどん攻めてくる水銀燈に蒼星石は「あうあう」と返事に困りながらあたふたしている。
一頻り蒼星石のリアクションを楽しんだ水銀燈は満足したのかフッと瞬時に姿を消して蒼星石の背後に移動する。
「いいわよ。蒼星石の望み、聞いてあげる」
「真紅とも仲直りしてあげる」
真紅からは蒼星石と会う前に「ごめんなさい」と謝られているのでとっくにわだかまりはないのだが、
蒼星石で遊びたいという水銀燈の悪戯心がそれを利用した。
「その代わり少しだけ私のお人形さんになってもらうわ」
背後から蒼星石を軽く抱きしめる。
びっくりしたのか蒼星石は手に持っていたカップを落としてしまう。
「あっ」
カップを落としてしまったことに小さな声を上げてしまう。
闇に消え行くカップを見つめながら蒼星石はつぶやいた。
「お人形さんって・・・・何をするんだい?」
「フフ、私と仲直りしたいのでしょう?だから私なりのやり方で仲直りしてあげる。こっちよ」

水銀燈に手を引かれるままに目の前に現れたベッドへ。
そこへポスンと座らされる。となりへ水銀燈も腰をかけた。
「私はこうすることでしか誰かと仲良くなんてなれないから・・・・」
そういいながら蒼星石の頬に手をかける。
少しひんやりするその手が今の蒼星石には心地よかった。
そっと蒼星石の帽子を取る。
「ひゃ」
帽子を取られたくらいで自分でもマヌケなくらい変な声を出したと思った蒼星石は顔を真っ赤に染め上げる。
「フフ、かわいいわ。蒼星石」
ちゅっと頬に軽く触れるだけのキスを降らせる。
ピクンっと蒼星石は身体を反応させている。
その唇がだんだん自分の唇に近づいていることを感じた蒼星石はギュっと目を閉じる。
「蒼星石、怖い?」
「・・・・ううん、怖くないよ」
精一杯のやせ我慢でにっこりと笑みを作る。
それがとても健気に見えたのか水銀燈の何かをかき立てた。
ちゅっちゅとわざと音を立てながら蒼星石の唇に口付ける。
「あ・・・・んふぅ・・・・んんっ」
ちょっと苦しそうに、でも心地よさそうな表情を見せる。

蒼星石のちょっとした変化が水銀燈は面白かった。
いつも気丈に凛としている彼女が今自分の腕の中で悶えている、そんな妹がとても大事に思えた。
「・・・・水銀・・・・燈?」
少し不安げに上目遣いで見てくるこの妹に胸がくすぐったい。
こんな気持ちになるのはいつ以来だろう・・・・初めてだったろうかと思案する。
「蒼星石、あなたこんなにかわいかったのね」
ちゅ、ちゅっと再び水銀燈がキスの雨を降らせる。
そして今度は唇へのキスが先ほどよりディープになっていった。
緊張して硬くなっている蒼星石の閉じた口を水銀燈の舌が強引に割り込んでいく。
「んっ!・・・・んんっ!」
驚いていたようだが次第に身体の緊張が少しずつほぐれていく。
慣れてきたようだ。まだ遠慮がちではあるが蒼星石も舌を動かして進入してきた水銀燈の舌に絡める。
「んぅ・・・・・・・・!」
キスをし、舌を絡め合う淫靡な音と漏れ出るため息だけが響き渡る。
「ん・・・・んく・・・・んはぁ」
二人の顔と顔が離れた。

「あ・・・・ん・・・・」
蒼星石が少し名残おしそうにしながらゆっくりと呼吸を整え始める。
「これが・・・・水銀燈の仲直りの仕方・・・・?」
まだ瞳がとろんとまどろみながらも水銀燈にもたれかかりながら蒼星石がつぶやいた。
「ええ、そうよ。キスは信頼のおけるものとしか出来ないものだから」
「私のことを心配してくれるかわいい妹だからしたの」
水銀燈が甘い言葉をかけてくれるときは本当に表情が優しい。
アリスに執着を持ってアリスゲームをしに来ていたときの表情とは断然違っていた。
「僕も・・・・分かったよ。水銀燈は本当は優しくて温かい姉さんだったんだね。嬉しいよ」
「フフ、嬉しいこといってくれるわね」
優しく微笑んでくれる水銀燈がすごく嬉しくて前よりずっとずっと好きになった気がする。
「奪い合わなくてもアリスになれる方法も見つけないと・・・・」
「そうね・・・・私は戦うことでしかアリスになる方法を知らないから手伝えるか分からないけど・・・・」
「大丈夫だよ・・・・水銀燈も一緒に・・・・でも安心したら・・・・眠くなって・・・・」
不安が全部吹き飛んだ反動か急に蒼星石に睡魔が襲ってきた。
水銀燈はそっと蒼星石を横たえて膝の上に頭を乗せて上げた。
「少し眠ると・・・・いいわ」
穏やかな自分の声に少し戸惑う水銀燈だが今は何故だか胸が温かくなる。
「水銀燈は・・・・温かい・・・・ね・・・・」
今なら分かる。奪い合うことだけがアリスになることじゃないということ。
そうでなければお父様はローザミスティカを分け合うはずがない。何か他に方法があるはず。
これからは姉妹を大切に、一緒にアリスになれるように努めたい。
すやすやとまどろむ蒼星石のやわらかい髪を撫でながら水銀燈はそう心に誓ったのであった。

おしまい

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