『灯台下暗し』
ある日のトレセン学園、ジュニア級ウマ娘のシンボリレクイエムは、中庭にあるベンチで手作りの大福を食べながらスマホをじっと見つめていた。
「うーん…これもピンとこない…」
「なに考えてるのー？」
そんなレクイエムに近づく小柄な影、トウカイテイオーだ。レクイエムにとっては先輩で、シンボリルドルフに憧れる同士でもある。
「ああ、テイオーか…いや、グローリアがウマスタを開設したのは知っているな？」
「もっちろん！期待の新星の情報はチェックしないとね！レクイエムも一緒に映ってたし！あ、大福ちょーだい？」
ごく自然に隣に座りながら流れるように大福を取ろうと構えているテイオー。レクイエムが「いいぞ」というとすっと手を伸ばして満面の笑みで頬張り始めた。
「んー♪やっぱレクイエムのお菓子は美味しいよ♪ねぇねぇ！今度はちみーのお菓子作って！」
「は、はちみーのお菓子って…」
「あ、そういえばウマスタがどうしたの？」
無茶振りのことは一旦置いておいて、レクイエムはテイオーに悩みを相談する。
「いや、グローリアに負けてられないと思って私もウマスタのアカウントを作ったんだが…その、何を投稿すればいいのか、いまいち分からなくて…」
グローリアと同じ内容でも芸がないし、そもそも後発なら自然と埋もれてしまう。ネットで色々調べてみたけど、どれもしっくりこなくて…と続けるレクイエム。
だがそんなレクイエムをテイオーは信じられない物を見る目で見ていた
「レクイエム…それギャグで言ってる？」
「なっ…私は真剣に悩んで」
「あるじゃん！グローリアちゃんになくてレクイエムにはあるウマスタ向けの要素！」
そう言ってテイオーはレクイエムの膝に乗せられたモノ─箱に詰められた大福を指差す。あまりにも自然にあるせいでそれを投稿するという発想がなかったレクイエムは思わず「あっ」間の抜けた声が出てしまった。
「うーん…これもピンとこない…」
「なに考えてるのー？」
そんなレクイエムに近づく小柄な影、トウカイテイオーだ。レクイエムにとっては先輩で、シンボリルドルフに憧れる同士でもある。
「ああ、テイオーか…いや、グローリアがウマスタを開設したのは知っているな？」
「もっちろん！期待の新星の情報はチェックしないとね！レクイエムも一緒に映ってたし！あ、大福ちょーだい？」
ごく自然に隣に座りながら流れるように大福を取ろうと構えているテイオー。レクイエムが「いいぞ」というとすっと手を伸ばして満面の笑みで頬張り始めた。
「んー♪やっぱレクイエムのお菓子は美味しいよ♪ねぇねぇ！今度はちみーのお菓子作って！」
「は、はちみーのお菓子って…」
「あ、そういえばウマスタがどうしたの？」
無茶振りのことは一旦置いておいて、レクイエムはテイオーに悩みを相談する。
「いや、グローリアに負けてられないと思って私もウマスタのアカウントを作ったんだが…その、何を投稿すればいいのか、いまいち分からなくて…」
グローリアと同じ内容でも芸がないし、そもそも後発なら自然と埋もれてしまう。ネットで色々調べてみたけど、どれもしっくりこなくて…と続けるレクイエム。
だがそんなレクイエムをテイオーは信じられない物を見る目で見ていた
「レクイエム…それギャグで言ってる？」
「なっ…私は真剣に悩んで」
「あるじゃん！グローリアちゃんになくてレクイエムにはあるウマスタ向けの要素！」
そう言ってテイオーはレクイエムの膝に乗せられたモノ─箱に詰められた大福を指差す。あまりにも自然にあるせいでそれを投稿するという発想がなかったレクイエムは思わず「あっ」間の抜けた声が出てしまった。
それからしばらくして『くーちゃん』という名前で自作のお菓子を投稿するウマスタのアカウントが製菓界隈で密かに話題になり始める。その正体を知るものは極僅かだった。
