走り続けて、走り続けて、その先にゴールが見えるのはいつ?
『目指す、距離』
「もっと一歩一歩を刻むように!思い切り踏み込んでちゃロスが増えるばかりだぞ!」
「は、はいー!!」
「言ってる側から踏み込みを延ばすんじゃないよ!」
「す、すみませーん!」
「は、はいー!!」
「言ってる側から踏み込みを延ばすんじゃないよ!」
「す、すみませーん!」
あの模擬レースから2ヶ月
教官とカランドローネのコーナリング克服練習は熱を帯びていた
教官とカランドローネのコーナリング克服練習は熱を帯びていた
「だから踏み込み過ぎないで!もっと刻む!」
「ひーん!!」
「ひーん!!」
結果に繋がっているかは横に置いておこう
「ううー、今日も上手くいかなかった……」
放課後の練習を終え、がっくりと肩を落としつつ寮への道を歩くカランドローネの後ろから声が掛かった
「カランお疲れ様、頑張ってたね!」
「あ、くーちゃん!お疲れ様ー!」
「お疲れ様、ってカラン本気で疲れてない?」
「あ、くーちゃん!お疲れ様ー!」
「お疲れ様、ってカラン本気で疲れてない?」
シンボリレクイエムに気づき、ぱっと雰囲気が明るくなるカランドローネだが、表情に疲労の色は濃い
「そうかも、コーナリング練習っていつも足も頭もこんがらがりそうになるよー、しんどいよー」
姉(?)に泣き言を漏らすカランドローネ
「いや、コーナリング得意じゃないのは知ってるけど、そこまで苦手だったっけ?
シンボリ家で走ってた頃はそんな苦手にしてなかったよね?」
「子供の頃と比べられても……」
「でも走法もフォームもそこまでは変わってないよね、カラン?」
「そっちは変わってないけど体型とパワーが変わっちゃったと申しますか……」
シンボリ家で走ってた頃はそんな苦手にしてなかったよね?」
「子供の頃と比べられても……」
「でも走法もフォームもそこまでは変わってないよね、カラン?」
「そっちは変わってないけど体型とパワーが変わっちゃったと申しますか……」
シンボリレクイエムに、その頃からお前の体型に変化はないと指摘するような残酷な真似は出来なかった
「あー、うん、えーと、パワー着いた分一完歩が広くなってるから曲がれないって事?」
「そういうことだと思う
4年生くらいから、学校のレースでもコーナーで抜かれることが増えてきたし」
「そこでウチにきた時に相談してくれたら良かったのに」
「その頃はそこまで考えてなかったからね……
とにかく直線で抜いちゃえばいいんだ!ってスピード上げることばっかり考えて練習してたよ……」
「そういうことだと思う
4年生くらいから、学校のレースでもコーナーで抜かれることが増えてきたし」
「そこでウチにきた時に相談してくれたら良かったのに」
「その頃はそこまで考えてなかったからね……
とにかく直線で抜いちゃえばいいんだ!ってスピード上げることばっかり考えて練習してたよ……」
レベルを上げて物理で殴るウマ娘、カランドローネ
トレセン学園に入学出来たことはやはり奇跡の類であったのかもしれない
トレセン学園に入学出来たことはやはり奇跡の類であったのかもしれない
「でもその直線でのスピードは今でもカランの長所だもんね、それを活かす為にもコーナリング練習はやっぱり必要だよ」
「日本にも直線2000mレース出来ないかなあ……」
「イギリスでメイクデビューするの……?
(チャンピオンステークス/イギリスのアスコット競馬場で行われる2004m直線のG1レース)」
「あいあむあウマ娘」
「日本語じゃん」
「ぐろーばるなじんざいにはなれなかったよ……」
「カラン、凹むのかボケるのかどっちかにしない?」
「くーちゃんがいじめる……」
「これ私が悪いのかなあ……」
「日本にも直線2000mレース出来ないかなあ……」
「イギリスでメイクデビューするの……?
(チャンピオンステークス/イギリスのアスコット競馬場で行われる2004m直線のG1レース)」
「あいあむあウマ娘」
「日本語じゃん」
「ぐろーばるなじんざいにはなれなかったよ……」
「カラン、凹むのかボケるのかどっちかにしない?」
「くーちゃんがいじめる……」
「これ私が悪いのかなあ……」
凹む妹(?)を宥めようとするシンボリレクイエムの努力をバックスクリーンへと打ち返すカランドローネ
どうしようもない緩い空気が流れる中、姉(?)が話題を切り替えて話しはじめた
どうしようもない緩い空気が流れる中、姉(?)が話題を切り替えて話しはじめた
「カラン、今日来たのはね、私のメイクデビューの日程が決まったからなんだ」
「え!とうとう決まったの!?」
「うん、7月2週の福島レース場土曜日の5レース、芝1800mメイクデビュー戦に出るよ」
「くーちゃんおめでとう!」
「まだ勝てそうかどうかも判らないのにおめでとう言われても」
「デビュー出来るだけでも今の私からしたら雲の上の話だよう」
「そこはカランが頑張らないとね」
「くーちゃんがいじめる」
「こう言うの天丼て言うんだっけ
話を戻すとそのレースで、私の同室の子もデビューする事になったんだ」
「え?同室の人ってあのグローリアさん?」
「うん、あの子も凄い子だから是非とも本気のレースで戦ってみたくて、トレーナーさんにお願いしたんだ
同じメイクデビューに出させてくださいって」
「そんなこと出来るの?
って言うかグローリアさんとグローリアさんのトレーナーさんはそれをOKしたの?」
「させた」
「くーちゃん……」
「え!とうとう決まったの!?」
「うん、7月2週の福島レース場土曜日の5レース、芝1800mメイクデビュー戦に出るよ」
「くーちゃんおめでとう!」
「まだ勝てそうかどうかも判らないのにおめでとう言われても」
「デビュー出来るだけでも今の私からしたら雲の上の話だよう」
「そこはカランが頑張らないとね」
「くーちゃんがいじめる」
「こう言うの天丼て言うんだっけ
話を戻すとそのレースで、私の同室の子もデビューする事になったんだ」
「え?同室の人ってあのグローリアさん?」
「うん、あの子も凄い子だから是非とも本気のレースで戦ってみたくて、トレーナーさんにお願いしたんだ
同じメイクデビューに出させてくださいって」
「そんなこと出来るの?
って言うかグローリアさんとグローリアさんのトレーナーさんはそれをOKしたの?」
「させた」
「くーちゃん……」
サクラグローリアさん達へその内お詫びのお菓子を差し入れに行こう
変なところでお嬢様育ち故の横暴さを発揮する姉(?)のドヤ顔はカランドローネに謝罪の決意を固めさせるだけのものがあった
変なところでお嬢様育ち故の横暴さを発揮する姉(?)のドヤ顔はカランドローネに謝罪の決意を固めさせるだけのものがあった
「と言うことで見に来るのは無理でも中継くらいは見てて欲しいから、カランに会って伝えとこうと思ったんだ」
「福島レース場かあ、行きたいけど私だけじゃ外出許可出ないよね」
「おじさんやおばさんに迷惑かけるのも嫌だしね、テレビの前で応援しててよ」
「うーん、くーちゃんがそれで良いのならそうする」
「うん、グローリアに負けないように全力で走ってくるから
カランが応援してくれるならきっと勝てる」
「福島レース場かあ、行きたいけど私だけじゃ外出許可出ないよね」
「おじさんやおばさんに迷惑かけるのも嫌だしね、テレビの前で応援しててよ」
「うーん、くーちゃんがそれで良いのならそうする」
「うん、グローリアに負けないように全力で走ってくるから
カランが応援してくれるならきっと勝てる」
そう言って笑うシンボリレクイエム
その満足そうな闘志に溢れる笑顔は己のライバルを見つけたアスリートのもので、
まだ競技人生の入り口に立ったばかりのカランドローネには残酷なまでに眩しかった
その満足そうな闘志に溢れる笑顔は己のライバルを見つけたアスリートのもので、
まだ競技人生の入り口に立ったばかりのカランドローネには残酷なまでに眩しかった