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  • 甘い、ティアラの乙女達

【オリウマ】サクラグローリアを語るスレ@wiki

甘い、ティアラの乙女達

最終更新:2022年08月15日 01:40

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
ガシャガシャガシャガシャ

砂糖とバターと卵白を丹念に混ぜる音が調理室に響きます

じー
じー
じー

もう慣れきったラングドシャクッキーの作成手順、
普段ならこんなに音をたてることもないのですが流石に衆人環視の中でやると手元が狂いそうになります

じー
じー
じー

上から順に、キラキラした美味しそうなものを見つめる食欲全開の視線
私の一挙手一投足を見逃すまいと真剣に見つめる学習意欲満々の視線
そんな二人の行動と私がどんなリアクションをするのかをニヤニヤと楽しむ野次馬根性フルオープンな視線

『熱いまなざし』ってこういう事を言うんでしょうか
確かにこれはレース中でも結構なプレッシャーになりそうです

じー(食欲)
じー(学習意欲)
じー(面白半分) 

TVやUMATUBEの料理研究家の人達は凄いなあ、私ならこれ以上の人数に見つめられながら料理とか逃げ出したくなります

じー(わくわく)
じー(フムフム)
じー(にやにや)

程よく混ざったタネにバニラエッセンスと薄力粉を加え、ゴムべらでさっくりと混ぜていきます
混ぜすぎて空気が抜けても美味しくないし、
混ぜなさすぎて食感が悪くなっても台無しです

普段なら鼻唄混じりでできる加減が妙に難しいように思えます

チャッチャッチャ

「おおー、鮮やか」
「上手に作るにはああすれば良いんだね……」
「グローリア嬢、そうは言っても見ただけでホントに真似できんのか?」
「う゛っ」
「ぐっちゃん大丈夫!ダメならアタシが食べてあげる!」
「何でダメな前提なのー!?」
「「夏前の調理実習」」
「うううう、くーちゃん、ラルちゃんとおーばちゃんがいじめるよー」

そんなサクラグローリア先輩の泣き言に反応して、鍋につきっきりでさつまいも餡を練っていたくーちゃんがフォローを入れます

「ゴメングローリア、
飛翔ハンバーグ神拳についてはフォローは無理だ」

訂正します、くーちゃんもサクラグローリア先輩の味方ではなかったようです
というかなんなんだ飛翔ハンバーグ神拳って

「カランドローネちゃん、私にも出来るようになるかな!?」

サクラグローリア先輩の必死な目線と残り3名の「いや、無理だろ」と言いたげな表情が悲しいコントラストになっています

この状態で私は一体、何を言えば良いのでしょうか
ゼロは何も答えてくれません
いや、何だよゼロって
どこからこんな電波受信した、私

私が現実逃避を続ける間にも生地は滞りなく完成し、サクラグローリア先輩の必死な目線の圧力も重さを増していくのでした


『甘い、ティアラの乙女達』


『・シンボリレクイエム舌禍事件』
デビュー二戦目にしてUMA〇EDIAに単独項目を作られる偉業を成し遂げたくーちゃんの放言騒動の日
サクラグローリア先輩当人も中山レース場にいたそうです
しかも放言の真っ最中に、アップしながら中継を見ていたとのことで
『頭が真っ白になったよ』
と零していた辺りくーちゃんの罪は重いです
たまたま私のかけた電話で現実に帰ってこれたそうなので、あの時連絡しておいて本当に良かったと思います
そして第9レースの芙蓉ステークス

中山レース場の全観客の目線と他の出走者全員の敵意を一身に集めたサクラグローリア先輩は
見事に最終コーナー最後尾からの大外一気で突き抜けてオープン戦初勝利を手にしたのでした

ちなみにその頃くーちゃんは舞台裏で、URAの偉い人達からの聞き取り調査とお説教をこってりたっぷり頂いていたそうです
尚本人は
『あんなことよりグローリアの走るところを見たかった』
と全く反省の色の見られないUMAINを私に送ってきていたので、トレーナーさんにチクっておきました
良い薬に、なれば良いなぁ……


そんな事があった翌日
サクラグローリア先輩の元にまたお詫び(兼折檻の内容相談)で足を運んだ私が目にしたのは不思議な光景でした

サクラグローリア先輩は中等部の2年生で、くーちゃんと同じ私の1年先輩にあたります
ですから中等部の教室に居ることはおかしくありません、しかし

何故この先輩は昨日のレース中以上に必死な表情で家庭科の教科書に向き合っておられるのでしょうか

そして、何故その先輩の周りに見慣れぬ先輩方とくーちゃんが座って明らかに面白半分で色々吹き込んでいるのでしょうか

「だからグローリア、料理を練習するより先に君のやるべきことは目的を見失わないようにする事だ
五里霧中、目的を見失ってしまえばまともな結果は得られないのは自明の理だぞ」
「そーそー、キャベツ千切りしてる最中に気が付けば全部超細かいみじん切りになってたりするのは
それ以前の問題だとアタシも思うよ」
「お前ら好き勝手言ってるけどな、グローリア嬢の超集中はアレもう習性だろ
レースに出る上では凄いメリットになってることを料理の為にスポイルするのは
それはそれで現役競走ウマ娘としてどうなんだ?」
「そうなんだよねー
ぐっちゃんの揺さぶりに動じない鬼メンタルの根っこもその集中力なんだから」
「難しい所だな
上手いこと切り替えられるようになるのが一番なんだろうけど」
「「「ムリだな」ね」ろうな」

なんだこの集中砲火
イジメか?
サクラグローリア先輩、教科書に隠れて半泣きになってるじゃん
ここは一つ逃げる手助けをするべきでしょうか

「失礼します!サクラグローリア先輩はおられますか!」

四人分の視線が私に集中します
見知らぬ芦毛の先輩と栗毛の先輩は「なんだコイツ」と言いたげな不審そうな顔をしていますが、
あからさまに「やべっ」と言いたげな顔をしているくーちゃん
そしてすがるような切ない表情で私を見つめるサクラグローリア先輩

やめて下さい
貴女ただでさえ美人なんですから
そんな表情されると悲愴感マシマシになるんです

「中等部1年のカランドローネです、初めまして、先輩方」
とりあえず初手は挨拶から入ります
挨拶は大事、古事記にも書いてある

「カランドローネ?」
おや?何故か芦毛の先輩が反応しましたよ? 

「もしかしてお前さんがグローリア嬢が言っていた、シンボリののオカンかい?」

思わずサクラグローリア先輩に視線を飛ばすと
さっきまでの悲愴な表情を引っ込めてあからさまに目線を逸らす先輩がそこに居ました

「オカンて」
「違うのかい?シンボリのがメイクデビューで負けてド凹みしてた時に尻蹴っ飛ばして立ち直らせたのが、カランドローネってえ1年だって聞いたがね?」
ニヤニヤと私に尋ねる芦毛の先輩
しかしサクラグローリア先輩もそうだけど、この人本気で顔が綺麗だな
こんな表情なのに絵になること絵になること

「ラルちゃん私そんな風には言ってないよお」
「でも『完全に謝り方がお母さんだった』とは言ってたよな?」
沈黙するサクラグローリア先輩
ブルータスまた貴様か

「あ、思い出した!
ぐっちゃんがくれた凄い美味しいクッキーを作ってくれたって子だ!」
今度は栗毛の先輩が反応しました
こちらの反応はまだ常識的でありがたいです

「ねーねー!折角だからあのクッキーアタシらにも作ってくんない!?」
常識的だと思った私が間違いでした
「お礼はちゃんとするからさ!」
間違いではなかったようでした
「ねーねー頼むよーう、スッゴク美味しかったからさー、また食べたいんだよーう」
いや、でも初対面でこの距離の詰め方どうなんですかね、この先輩
ねーねーと同時にすんごいスピードで私の横にやって来て、今にも肩を掴んで揺さぶりそうな勢いです

「あー、パストラルもオーヴァチュアもその辺にしてやってくれないかな
その子は私の妹分なんだ」
ここでやっとくーちゃんから助け船がでました

「その妹分に尻叩かれるまで凹んでた奴が姉面して出てきてもカッコつかないぜ?シンボリの」
「くーちゃんもこの子のクッキーこないだたくさん食べてんでしょ?
アタシらにはないとか不公平だー!
アタシだって昨日勝ったんだぞーう!」

助け船は即座に沈没しました
本気で役に立たねえな、この姉



とりあえずくーちゃんを楯にして場を乗り切り、一から仕切り直します 

「改めまして中等部1年、カランドローネと言います
よろしくお願いいたします先輩方」

挨拶をやり直すと今度は皆さんキチンと対応して下さいました

「2年のパストラルだ、さっきはイジメて悪かったな
良ければ許しちゃくれないかい?」
そう言って爽やかに笑う芦毛の先輩
笑顔はあくまでも爽やかなのに、体中から何だかドラマに出て来る一流ホストみたいな空気が流れてます
なんか背中辺りから特殊効果出てません?
この先輩はやばい人ですね
自分の顔の良さを自覚して世渡りしてそうな雰囲気がバリバリしてます
その辺に警戒心持っててもそれでも許したくなるこの雰囲気が一番怖いですね

「アタシはオーヴァチュア、皆と同じ2年だよ、カランちゃんヨロシクゥ!」
こちらの栗毛の先輩はもう開けっぴろげというか、ド直球で陽性の雰囲気ですね
有り体に言ってパリピのにおいがします
どこまでも賑やかで、人との距離のない、付き合うと疲れるのと同じくらい楽しそうな先輩です

「えっと、サクラグローリアです、よろしく?」
「先輩、今更自己紹介する必要ないじゃないですか」
「グローリア嬢、そんなとこ合わせなくて良いんだぞ」
「グローリア、それ何か違う」
「ぐっちゃんて、こー言うとこマジ天然だよね」
総攻撃を受けてちょっと涙目になるサクラグローリア先輩
それでも美人なんですから同じウマ娘としても嫉妬心すら沸いてきません
もうホント、レベルが違います

「で、申し訳ないのですが、サクラグローリア先輩今お忙しいですか?
よろしければ相談させて貰いたい事がありまして」
「うん、私は大丈夫だよ?」
と本題に話を持って行こうとする私を引き留める相手が一人

「カラン、それはちょっと困る」
「くーちゃん、先輩方と何かやってたの?」
「私がやってたんじゃなくてグローリアが何かやってたんだよ、家庭科の提出物対策会議」
なるほど、それで教科書開いて必死な表情だったんですね
「提出物ってハンカチとかですか?」
「いや、今回はグローリアが調理実習の日に抜き打ちドーピング検査でURA本部に行かなきゃならなくなった(※捏造設定)から、
その分の課題として何でもいいから料理作って提出なんだ
だからグローリアでも作れるものはないかを教科書開いて相談してたんだ」
「先輩でもって、くーちゃん酷い事言いますね?!」
余りの失礼さに思わずくーちゃんを叱責しようとした私ですが、
他の先輩方の表情をみて考えを改めます

半泣きになっているサクラグローリア先輩と、
諦念を浮かべるくーちゃんとパストラル先輩
辛い思い出を回想するような沈痛な表情のオーヴァチュア先輩

この空気感を見ると、どうやらくーちゃんは本当の事を言っているのだと判断せざるを得ません

「先輩、料理苦手なんですか?」
ビクゥ!!とサクラグローリア先輩の肩が跳ねます
「う、うん、ちょーっと苦手かな……?」
「グローリア嬢はな、走りについてはマジで天才なんだけど日常生活ではマジで不器用なんだ…」
パストラル先輩が悲痛な表情を浮かべます
「ぐっちゃんはね、ぶきっちょなとこさえなければ完璧超人なんだけどね…」
オーヴァチュア先輩が涙目で呟きます
「グローリア」
くーちゃんが重々しく口を開きました
「我々の総力を持ってしても、君を救うことは出来なかった
汗顔の至りだ…」

「くーちゃんも先輩方も、面白がってますね?」
「「「勿論」」」
三人ともしれっと表情を元に戻して返事してきます
あんたらダメなとこで仲良いな

「ふええええ」
サクラグローリア先輩がガチ泣き一歩手前の表情になっています
あんな崩れた顔でも美人とかホントこの人どうなってんだ

でも、これはある意味チャンスです
くーちゃんがやらかして掛けた迷惑をここでお返しせねば!
「先輩、よろしければ私が簡単なクッキーの作り方ならお教えしましょうか?」
「いいの!?!?」
サクラグローリア先輩の表情が文字通り地獄で仏を見たような感動の面持ちになりました
この人騙されるタイプだなあ……
私はそんな事しませんが

「オイオイオイ、待ちなよカランドローネ嬢」
「そーだよカランちゃん、無理はしない方が良いよ」
「カラン、人間にもウマ娘にも限界というものはあるんだ」
野次馬三人が焦ったように私に言ってきますが聞く耳持ちません

「くーちゃん、こういう時にお手伝いしないと昨日の失態のお詫びにはならないんじゃないの?」
「あ、今それを言う!?」
「おー!そうだよな!その位はやらないとお前さんがグローリア嬢に掛けた迷惑は返せないよなー!!シンボリの!!!」
「ぐ、コイツここぞとばかりに」
「ならていあーん!!
こないだぐっちゃんにあげたクッキーの中で一番作り方簡単なのを教えてあげて!
そしたら失敗しても私らがお腹に片付けるし!」
「おーばちゃん失敗前提で言うのはやめてよう」
「あ、それはいいかもね
元々グローリアの課題がなければ私達三人の祝勝会しようかって言ってた所だし
グローリアが作ったのがダメでもカランのクッキーは食べられるし」
何だかドンドンと話が進んでいきます
しかし一つだけは言っておかねば

「くーちゃん、くーちゃんも昨日のお詫びとして何か一品お菓子作ること!
そうじゃなきゃ許さないからね!」
「カラン?!?!」
そこにオーヴァチュア先輩の声が響きました
「えー!?くーちゃんもお菓子作れるんだー!?
教えてくれても良かったのにー!!」
「あれ?皆さん知らなかったんですか?元々私のお菓子作りの師匠はくーちゃんですよ?」
「カラーン!!!???」
「何よ、別に秘密にしてるわけでも無いでしょ?」
すると、パストラル先輩が笑いながら話し掛けてきます
「いや、カランドローネ嬢、コイツ俺達にそんな事今までひとっことも言わなかったぜ?」
「へ?」
「うううう、言いたくなかったのに……」
くーちゃんが椅子に座ったまま黄昏ています

「え?なんでくーちゃん秘密にしてたの?」
「……笑うなよ?」
「そりゃあ内容によるなァ、シンボリの」
パストラル先輩はこの時点で満面の笑みです
笑う気しかありません
「クラシック三冠挑戦者の趣味がお菓子作りってカッコ悪くない……?」
私達は思わず真顔で全員の顔を見回した後に4人揃ってツッコミました

「「「「今のアンタが一番カッコ悪いよ!」」」」


そして冒頭に戻ります

「大丈夫ですよ、先輩
仮に失敗したとしても、材料はまだありますし、もっと初心者向けのレシピもありますから」
「それは嬉しいんだけどカランドローネちゃんまで失敗するって言ってるよね」
「お菓子作りは最初は失敗するものですから」
なるべく目を合わせずに答えます
目を合わせてしまうと罪の意識に飲まれそうです

生地をボウルからスプーンで掬って天板の上に一口サイズに広げていきます

「本当は絞り袋でやるのがキレイにできるんですけど、絞り袋はサイズを揃えるのが難しいんですよね」
「だからスプーンなんだね……」

サクラグローリア先輩が真剣な顔で生地を並べて広げていきますが、確かに形が不揃いなものが圧倒的に多くなっています

「厚みが大体同じなら上手く焼けますから、形は気にしないで良いですよ」
「はい、わかりました!」
オープン戦を昨日勝ってる先輩に敬語を使われるとか物凄く恐縮するのでやめて貰いたいです

生地を並べ終わり、あらかじめ180℃に暖めておいたオーブンに天板を入れます

タイマーを6分にセットして完了です

「これで6分後にオーブンの温度を100℃まで下げて3分焼いたら完成です」
「う、うん」
「ここまで来たら焼きすぎない限り失敗しませんから大丈夫ですよ」
「でも焼きすぎたらダメなんだよね」
「そこはタイマーを信じましょう」

私達がそんな会話をしている隣で、くーちゃんは鮮やかな手つきでさつまいも餡を布巾で丸めていもきんとんを量産しています

「シンボリの、お前さんマジで手際良いな」
「そりゃあ子供の頃からやってるしね」
「こんだけできるならカッコ悪くないとアタシ思うんだけど」
「うるさいなあ、それはもう良いだろ?!」
「いや、マジでびっくりしたわ
お前さんの腕前舐めてた」
「それは食べてから言ってくれよ」
「あ、今のちょっとカッコ良かった」

あちらもあちらで仲良くやってるようなのでオーブンに集中しましょうか

「はい、あと一分ですね、タイマーがなったら一回扉を開けて、温度設定を100℃にしてから扉を閉めてまた3分焼いて下さい」
「は、ハイ!」
サクラグローリア先輩は肩にガチガチに力が入っています
これは逆に良くないかな……

チーン!!
「ではオーブンを開けて下さい」
「はい!熱っ!」
「熱いなら少し待ってからで大丈夫ですよ」
「はい!」
ガチャン
「では左のダイヤルを100℃に合わせて下さい」
かり、かり
「あわせました!!!」
「では扉をゆっくり閉めて下さい、熱いから気を付けて」
「はい!」
バタン
「後は点火ボタン押せばOKですよ」
「はい!」
ガチャ
「ではタイマー3分掛けますね、これがなったら火を消して冷めるまで待つだけです」
「はい!」
よし、上手く行きました
余計な事を考えさせないようにしたのが正解でしたね
「ふう、緊張したよー」
「先輩凄い気迫でしたもんね」
「はじめてだしね、つい集中しちゃった」
確かにあの気迫で集中してる人に揺さぶりとか効かなさそうですね
でも日常生活だと集中しすぎというのもわかる気がします

チーン!!
「よし、火を止めて下さい」
「はい!」
ガチャン
「ではこれで冷ませば完成ですね、お疲れさまでした」
「え、もうおしまい?」
「冷ますだけですからね」
私がそう言うと先輩の顔がそれこそ満開の桜のようにほころびました
「やっったああぁぁ!!」
そのまま胸の前で両手を握って可愛くガッツポーズ
これ写真に撮ったら一財産にならないかな?

「カランちゃん!ありがとう!これで何とかたすかるよー!!」
「いえいえ、アッチの姉モドキがかけた迷惑のお返しが出来たなら良かったですよ」
「もーそれどころじゃないよー!
私初めてキチンと料理作れた!
ちゃんと教えて貰えたら何とかなるんだ!!
カランちゃんホントにありがとう!」
ちょっとこちらが引きそうな勢いで大喜びしておられます
でもその満面の笑顔は確かに私のお手伝いがこの先輩のためになった事を実感させる輝きに満ちていました

「言われてるぜ、姉モドキ」
「グローリアが1人で何とかなるとはねえ、カランもしかして私より教えるの上手いかもなあ」
「くーちゃんは教え方厳しすぎるんじゃないの?」

完成したラングドシャクッキーを提出し終え、残ったクッキーといもきんとん、後はパストラル先輩が淹れてくれた紅茶で昨日の祝勝会の始まりです

「それじゃあ、みんなの勝利を祝ってかんぱーい!」
「「「「かんぱーい!」」」」

お菓子片手にいろんな話に花が咲きます

「オーヴァチュア先輩も昨日の未勝利戦で勝っておられたんですか?」
「そーだぜー!アタシもやっと未勝利脱出だよ!」


「カランドローネちゃん、さっきはつい勢いで呼んじゃったけど、今度からカランちゃんって呼んでも良いかな?」
「勿論良いですよ先輩!」
「良かった!ならカランちゃんも私のことグローリアって呼んでね!くーちゃんみたいに!」
「い、いやーそれはちょっと……グローリア先輩と呼ばせて頂きます」
「私の料理の先生なんだから別に良いのに……」


「パストラル先輩はもう重賞勝っておられるんですか!」
「ああ、先月札幌で勝ってきたよ
来月にはG2挑戦だ」
「凄いですねー」

「くーちゃん昨日の事はちゃんと反省したの?」
「なんでシンボリ家で長老方を説得するのに言ったのと同じ事言ってあんだけ怒られるのかイマイチ腑に落ちないんだけど」
「……くーちゃん……?」



この日の事は私にとって一生の思い出となりました
後にG1戦線でその名を轟かせる名ウマ娘達の、まだ幼い頃のあの無邪気な喜怒哀楽を思い出すだけで、私は今でも中等部1年の頃に戻れるような気持ちになるのです

まだ未熟な、修羅場を知らぬ乙女達の
ただただ幸せに笑っていられる時間

あれこそがトレセン学園という箱庭で過ごした日々の中の最も美しい時間だったと今でも思えるのです

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