「おーい、皆コップ持ったかー?貰ってない奴はいねえなー?」
「大丈夫だよ、こっちのテーブルは皆持ってる」
「こっちも全員おっけーですよー」
「ヘイ、パっちゃん!早いこと始めようぜー
アタシお腹減ったー」
「主役さし置いて喰うんじゃねえぞ、オーヴァー
ボス、そっちのテーブルはOKか?」
「こちらは問題ない、始めてくれ」
「よし、んじゃ始めるか
あ、あー、ハイ注目!
先日は皆さん宝塚記念出走お疲れ様でした!」
「「「「お疲れ様でしたー!」」」」
「言いたいことは数々ございますが!
まずは勝者に!
グローリア嬢、復帰第1戦でのG1勝利おめでとう!
そしてお帰りなさい!」
「うれしいよー!みんな、ありがとう!
それとただいまー!」
「次こそはぶっ倒してやるから首洗って待っとけよコノヤロー!」
「「「「次は倒すぞコノヤロー!」」」」
「ふえ!?」
「あー、それでは諸々のおめでとうをまとめまして!
グローリア嬢の宝塚記念制覇に!
おめでとうございます!
カンパーイ!!」
「「「「カンパーイ!!!!」」」」
「大丈夫だよ、こっちのテーブルは皆持ってる」
「こっちも全員おっけーですよー」
「ヘイ、パっちゃん!早いこと始めようぜー
アタシお腹減ったー」
「主役さし置いて喰うんじゃねえぞ、オーヴァー
ボス、そっちのテーブルはOKか?」
「こちらは問題ない、始めてくれ」
「よし、んじゃ始めるか
あ、あー、ハイ注目!
先日は皆さん宝塚記念出走お疲れ様でした!」
「「「「お疲れ様でしたー!」」」」
「言いたいことは数々ございますが!
まずは勝者に!
グローリア嬢、復帰第1戦でのG1勝利おめでとう!
そしてお帰りなさい!」
「うれしいよー!みんな、ありがとう!
それとただいまー!」
「次こそはぶっ倒してやるから首洗って待っとけよコノヤロー!」
「「「「次は倒すぞコノヤロー!」」」」
「ふえ!?」
「あー、それでは諸々のおめでとうをまとめまして!
グローリア嬢の宝塚記念制覇に!
おめでとうございます!
カンパーイ!!」
「「「「カンパーイ!!!!」」」」
『それはまるで夢のような』
ここは府中の駅前からほど近い、地元ではソコソコ有名なイタリア料理店
『andiamo a mangiare 』
そこを土曜日の昼というかき入れ時に貸し切って、サクラグローリアの復帰祝い兼宝塚記念祝勝会が行われていた
パストラルの少々砕けた挨拶で始まった宴は前菜、サラダ、魚料理、肉料理、パスタ、デザートと進み、
今はコーヒーや紅茶、トレーナー組はアルコールを片手に各テーブル席での話が弾んでいた
『andiamo a mangiare 』
そこを土曜日の昼というかき入れ時に貸し切って、サクラグローリアの復帰祝い兼宝塚記念祝勝会が行われていた
パストラルの少々砕けた挨拶で始まった宴は前菜、サラダ、魚料理、肉料理、パスタ、デザートと進み、
今はコーヒーや紅茶、トレーナー組はアルコールを片手に各テーブル席での話が弾んでいた
「あのサラダとその前の前菜の盛り合わせ、すっごい美味しかったねー」
「良い野菜を使ってるんだろうね、トレセン学園の食堂のも美味しいけど、ここには負けるよね」
「お前ら食べ放題で出してくれてる食堂のと、一品幾らで作ってるこう言うお店のとを比べるなよ……」
「どっちも美味しいで良いじゃん
アタシはどっちも好きだよ」
「それはそれでここの店長さんに失礼じゃないのかなあ……」
「その考えも食堂の調理師の人達に失礼になるかもよ?」
「あ、私のトレーナーさん」
「どうしたんです?グローリアに何かご用ですか?」
「いや、あっちのテーブルがちょっと盛り上がり過ぎててね、避難してきた」
「良い野菜を使ってるんだろうね、トレセン学園の食堂のも美味しいけど、ここには負けるよね」
「お前ら食べ放題で出してくれてる食堂のと、一品幾らで作ってるこう言うお店のとを比べるなよ……」
「どっちも美味しいで良いじゃん
アタシはどっちも好きだよ」
「それはそれでここの店長さんに失礼じゃないのかなあ……」
「その考えも食堂の調理師の人達に失礼になるかもよ?」
「あ、私のトレーナーさん」
「どうしたんです?グローリアに何かご用ですか?」
「いや、あっちのテーブルがちょっと盛り上がり過ぎててね、避難してきた」
グローリア達が指差す先を見つめると、そちらには熱く激論を交わすトレーナー達の姿があった
「姐御の言うことも判るがそりゃ無茶ってもんだろう
普通のウマ娘にやらせたら間違いなく潰れるよ」
「確かにその通りだ、トロイメライも長距離はどうにもならなかった
ミホノブルボンの時代じゃあるまいし、坂路とプールだって万能じゃないのはとうの昔に結論出てる」
「うちのパストラルならやり遂げるから問題無い」
「いや、姐御、そう言う問題じゃないでしょーよ
それ言ったらオレんとこのオーヴァチュアなんてどーなるんです」
「問題ない、今私はパストラルの話をしている」
「ダメだ、姐御が惚気モードに入ってる(ヒソヒソ)」
「珍しいなこんな早くモード切り替わるの
いつもはもっと酔ってからだろう?(ヒソヒソ)」
「呑んでたのも単なるレモンチューハイだよな?
姐御そんなに強くは無いけどここまで弱かったか?(ヒソヒソ)」
「お前達何を男同士で内緒話している、そんな事よりパストラルがどれだけ努力したのかを聞け」
「「「ハイ……」」」
訂正する
議論ではなく酔っ払いの介護担当の押し付け合いが
熱くなっていた
普通のウマ娘にやらせたら間違いなく潰れるよ」
「確かにその通りだ、トロイメライも長距離はどうにもならなかった
ミホノブルボンの時代じゃあるまいし、坂路とプールだって万能じゃないのはとうの昔に結論出てる」
「うちのパストラルならやり遂げるから問題無い」
「いや、姐御、そう言う問題じゃないでしょーよ
それ言ったらオレんとこのオーヴァチュアなんてどーなるんです」
「問題ない、今私はパストラルの話をしている」
「ダメだ、姐御が惚気モードに入ってる(ヒソヒソ)」
「珍しいなこんな早くモード切り替わるの
いつもはもっと酔ってからだろう?(ヒソヒソ)」
「呑んでたのも単なるレモンチューハイだよな?
姐御そんなに強くは無いけどここまで弱かったか?(ヒソヒソ)」
「お前達何を男同士で内緒話している、そんな事よりパストラルがどれだけ努力したのかを聞け」
「「「ハイ……」」」
訂正する
議論ではなく酔っ払いの介護担当の押し付け合いが
熱くなっていた
俯きながら1人サッサと逃げたグローリアのトレーナーに目線で助けを求める男三人
求められた方はニッコリ笑って自分の担当へと向き直った
「グローリア、今日は楽しんでいるかい?
リハビリの都合とは言え君には長い間友達と話す機会も無い環境で不便を強いてしまったからね、こういう時くらいは存分に楽しんで貰いたいのさ」
「ありがとう、私のトレーナーさん
十分に楽しませて貰ってるから、気を遣わなくても大丈夫だよ?」
後から逃げたと言われないように担当のメンタルを甲斐甲斐しくフォローする姿は間違いなく一流の立ち回りであった
求められた方はニッコリ笑って自分の担当へと向き直った
「グローリア、今日は楽しんでいるかい?
リハビリの都合とは言え君には長い間友達と話す機会も無い環境で不便を強いてしまったからね、こういう時くらいは存分に楽しんで貰いたいのさ」
「ありがとう、私のトレーナーさん
十分に楽しませて貰ってるから、気を遣わなくても大丈夫だよ?」
後から逃げたと言われないように担当のメンタルを甲斐甲斐しくフォローする姿は間違いなく一流の立ち回りであった
「おい、この少女漫画空間どうにかならねえか?(ヒソヒソ)」
「こう言う時のグローリアに声掛けたいか?
私は何があっても嫌だぞ(ヒソヒソ)」
「ぐっちゃんトレーナーさんとラブコメってる時に邪魔するとオーラがヤバいもんね(ヒソヒソ)」
「グローリアさんてトレーナーさんに甘えるときはこんな感じになるんだ……
初めて知ったよ……(ヒソヒソ)(エモスギ…シュキイ…)」
「オレ「私「アタシは知らないままで居たかったよ……(ヒソヒソ)」」」
余波で甘ったるい空気のお裾分け(強制)を喰らった各担当の方も辟易とした顔で俯いていた(1人除く)
「こう言う時のグローリアに声掛けたいか?
私は何があっても嫌だぞ(ヒソヒソ)」
「ぐっちゃんトレーナーさんとラブコメってる時に邪魔するとオーラがヤバいもんね(ヒソヒソ)」
「グローリアさんてトレーナーさんに甘えるときはこんな感じになるんだ……
初めて知ったよ……(ヒソヒソ)(エモスギ…シュキイ…)」
「オレ「私「アタシは知らないままで居たかったよ……(ヒソヒソ)」」」
余波で甘ったるい空気のお裾分け(強制)を喰らった各担当の方も辟易とした顔で俯いていた(1人除く)
しばらく後、グローリアのトレーナーが立ち去ると同時にオーヴァチュアが声を掛けた
「ところでぐっちゃん、1つ聞いて良い?」
「え?どうしたのオーバーちゃん」
「ぐっちゃん、トレーナーさんの実家にずっと居たんだよね?」
「うん、マスコミ避けにってトレーナーさんが招いてくれて」
「ずっとトレーナーさんのお父さんお母さんとも暮らしてたんだよね?」
「そうだよ?」
「それって嫁入り修業って言わね?」
「ふえぇぇ!?」
頓狂な悲鳴を上げた今日の主役になんだなんだと周囲のテーブルからも視線が集中するが、パストラルとオーヴァチュアは手を振って誤魔化した
「ところでぐっちゃん、1つ聞いて良い?」
「え?どうしたのオーバーちゃん」
「ぐっちゃん、トレーナーさんの実家にずっと居たんだよね?」
「うん、マスコミ避けにってトレーナーさんが招いてくれて」
「ずっとトレーナーさんのお父さんお母さんとも暮らしてたんだよね?」
「そうだよ?」
「それって嫁入り修業って言わね?」
「ふえぇぇ!?」
頓狂な悲鳴を上げた今日の主役になんだなんだと周囲のテーブルからも視線が集中するが、パストラルとオーヴァチュアは手を振って誤魔化した
「グローリア」
「うううう、くーちゃん、助けて~」
「実際、何処まで行ったの?」
「くーちゃん!?」
「誤魔化さないで、今私達は大事な事を聞いてるんだ」
「確かに大事な事だけどお友達相手でも話せることと話せないことがあるよう……」
「つまり、話せねえ事があったんだな」
「ラル?!」
「さあ、ネタは上がってるんでえ!キリキリ白状しろい!」
「オーバーちゃん何でそんなノリノリなのぉ!?」
「そりゃー面白いからだぜ?グローリア嬢」
「そうそう、悲しき女子高育ちの私達の周りにいきなり少女漫画飛び越えてレディースコミックの世界に脚を踏み入れた友達が出来たんだよ?
そりゃ聞くよね?」
「そー言うのはキングダムちゃんに聞いてよう……」
「「「「だってアイツ堂々としてるから追及しても面白くないし」」」」
「ふえぇぇ?!?!」
散々もてあそばれたグローリアが尋問官から開放されたのは、宴がお開きになってからだった
「うううう、くーちゃん、助けて~」
「実際、何処まで行ったの?」
「くーちゃん!?」
「誤魔化さないで、今私達は大事な事を聞いてるんだ」
「確かに大事な事だけどお友達相手でも話せることと話せないことがあるよう……」
「つまり、話せねえ事があったんだな」
「ラル?!」
「さあ、ネタは上がってるんでえ!キリキリ白状しろい!」
「オーバーちゃん何でそんなノリノリなのぉ!?」
「そりゃー面白いからだぜ?グローリア嬢」
「そうそう、悲しき女子高育ちの私達の周りにいきなり少女漫画飛び越えてレディースコミックの世界に脚を踏み入れた友達が出来たんだよ?
そりゃ聞くよね?」
「そー言うのはキングダムちゃんに聞いてよう……」
「「「「だってアイツ堂々としてるから追及しても面白くないし」」」」
「ふえぇぇ?!?!」
散々もてあそばれたグローリアが尋問官から開放されたのは、宴がお開きになってからだった
夕焼けの府中駅前からトレセン学園正門までは、ゆっくりと歩けば10分程度の距離である
そんな少しの距離を惜しむように少女達は歩く
本気で走れば2分も要らないような距離でも、そこには確かに宴の終わりを名残惜しく思う空気があった
そんな少しの距離を惜しむように少女達は歩く
本気で走れば2分も要らないような距離でも、そこには確かに宴の終わりを名残惜しく思う空気があった
「グローリア」
「どうしたの?くーちゃん」
「折角だから今聞いておこうと思ってね
君の怪我の事だ」
「怪我の事?」
「うん、グローリアの怪我の中で一番重かったのは脱臼だろう?」
「うん、そうだよ?」
「なら、靱帯や関節周りの軟骨なんかはどうだったんだい?」
「うん、その辺の怪我も勿論あったけど、靱帯が切れたりとか、軟骨が砕けたりとかの歩けなくなるような本当に致命的な症状は無かったってお医者さんは言ってた」
「そうか……」
「どうしたの?くーちゃん」
「折角だから今聞いておこうと思ってね
君の怪我の事だ」
「怪我の事?」
「うん、グローリアの怪我の中で一番重かったのは脱臼だろう?」
「うん、そうだよ?」
「なら、靱帯や関節周りの軟骨なんかはどうだったんだい?」
「うん、その辺の怪我も勿論あったけど、靱帯が切れたりとか、軟骨が砕けたりとかの歩けなくなるような本当に致命的な症状は無かったってお医者さんは言ってた」
「そうか……」
夕焼けの歩道をシンボリレクイエムはとぼとぼと歩く
宴の終わりを惜しむと言うよりは、何か重い荷物を背負ったように
「お医者さんにも、出来ることと出来ない事があるんだよ」
グローリアの言葉は、誰を指しているかは解らなかった
でも、レクイエムとグローリアの間では、その言葉で全ては通じていたようだった
宴の終わりを惜しむと言うよりは、何か重い荷物を背負ったように
「お医者さんにも、出来ることと出来ない事があるんだよ」
グローリアの言葉は、誰を指しているかは解らなかった
でも、レクイエムとグローリアの間では、その言葉で全ては通じていたようだった
少女達は歩く
夕焼けの歩道をとぼとぼと
もうすぐ訪れる
日暮れに向かって
夕焼けの歩道をとぼとぼと
もうすぐ訪れる
日暮れに向かって