夜の闇は深く
私の胸の痛みを強くする

すがりつきたい腕は
私のものではないから
長い年月を
越えてなお消えぬ苦しみを
私はただ
独り抱きしめる

降りしきる雨が
私の胸の痛みを強くする
あの夜もこんなふうだったと

不在
存在がないこと
不在
呼んでも返事がこぬこと
不在
そこに確かにいたという証

七年前のこの日には
確かに君はいたのに
もう顔も声も
はるかかなたの霞の向こう

また巡る春の別れのあの日
最終更新:2007年04月26日 20:50