風邪をひいた
キミの声は
少し低くてかすれてて
あたしの耳に甘い
いつも元気な
キミだから
そんな声聞いたことなかった
鼓膜をとおって
私の心を震わせる
その声
名前呼んで欲しいな
話しかけて欲しいな
冗談でからかってくれないかな
そういう日に限って
あたしは余裕なく
あちこち行かなくちゃいけなくて
ほとんど聞けなかった
残念…
そう思ったとき気づいたんだ
気づかなくて良かったのに
風邪をひいたキミの声は
少しだけアノヒトに似てる
耳慣れたアノヒトの声
もういいのに
呟いて
あたしは下を向く
アノヒトから
あたしを離さないのは
アノヒトじゃなく
あたしの心にいる私
なのかもしれない
最終更新:2008年03月18日 21:15