「キミの手」
患者さんを座らせて
支えるためにキミが背中にまわした手
浅黒い肌と
きれいに整えられた爪
あまり長くはないけれど
しなやかな指
後ろから患者さんを
支えるあたしの手とは
全然違う
オトコノヒトの手
あたしはその手に触れたくなって
思わず目をそらした
キミの手と
私の手
ほんの数センチしか離れていないのに
まるで遠くて
セラピストの仮面をつけ直して
今は仕事中だといいきかせて
セラピストの如月沙羅として
キミに接する
その手が
あたしに触れるのは
いつになるかな?
あたしが
キミの手に触れることができるのは…?
そんな不埒なことを
考えるあたしを
許してね
恋するがゆえの
アヤマチだと
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最終更新:2008年10月31日 23:23