闇の中
 眠れずにいるあなたを
 寝かしつける手を
 持っていたなら

 安らかに
 夢の中へと誘える
 私のこの手が
 そんなものであったなら

 でも残念ながら
 私にはそんな力はなくて
 寝ぼけ声のまま
 あなたの話に耳を傾ける

 眠りを探して
 さまようあなたに
 私が出来ることは
 電話口で
 話をすることだけ
 現実と夢が
 交差する時間に
 つかのまあなたの
 孤独を紛らわせる
 その手伝いをするだけ

 はるか遠いこの地で
 私が出来ることは
 ただそれだけ

 夜の闇に
 溶けてしまいそうな
 あなたの幻を
 描きながら
 今日もまた
 深夜の電話に
 付き合うのでしょう

 それが少しでも
 あなたの孤独を癒すなら
 授業中の眠気なんて
 なんてことはないのだから

                         ←back
最終更新:2006年07月25日 19:39