<未練>

  • 君想いもう泣くまいと決めたゆえ心の底に澱つもりゆく

  • きつくきつく目を閉じてみる君想い胸の痛み抑えがたくて

  • 「嫌いだ」と言い切ることができたなら想いつつ描く君の横顔

  • 暗闇に一人いて我君想う携帯電話をもてあそびつつ

  • 君のこと想う私はいなくていい君にとっても私にとっても

  • 優しさは時に凶器となりうる振り子のように揺れる我には

  • 真夜中は君を想うと厄介だメールがしたくて電話したくて

  • ゆるやかに我は君を殺めゆく未練を残すそぶりをしつつ

  • 振り返る四年のうちの半分はあなただらけで少し笑える

  • いつの日か過去になると言いきかせ君なき日々を我は生きる

  • 「期待しないで待ってて」と君は言う旅立つ我のための花束

  • 期待もせず待ちもしないでいた我にやっぱり君は花束くれずに



                   <You were mine>

  • 半年でまるで私の知らない人私が残した欠片隠して

  • あの人の肩を抱きて信号待ちひかえめだった君はどこへ

  • 柔らかな君の声を愛してるたとえそれが誰かのものでも

  • カメレオンのように君は色を変えあの人の前と私の前と

  • ちくちくと嫉妬の針が胸を刺す隣にいたのは私だったのに

  • 大切にしたいと言っていた君だけどやっぱりそれはその場限り?

  • いつのまに以前に戻ってしまったの人生すべてを投げていた日々

  • 「来年もともに」花見の約破り私一人見る五分咲きの桜
最終更新:2006年08月19日 21:38