風呂に入り、明日の授業の準備を終えて、自分のベッドで眠っている…はずだった
わけだが、どういうことか、誰もいない教室にいた。前にも似たようなことがあった。
そう、恐らく閉鎖空間だ。そうだとすると厄介だ。また世界崩壊の危機ってことか。
そんなことを考えているとガラガラと教室に誰か入ってきた。
「やぁ、久しぶりだねキョン」
佐々木だった。成程、この空間の主は佐々木か。
「今日君にここに来てもらったのは君に言わねばならないことがあるからなんだよ」
「わかった。で、要件は何だ?」
古泉は閉鎖空間は不満やらストレスやらで出来ると言っていた。そして佐々木は俺に話
があると言う。てことは、俺が佐々木に悪いことをしたってことか?
「なんとなく理解した様だねキョン」
「まぁな。しかし、俺がお前に何かしたか?悪い事をした覚えが無いんだが」
そう言うと佐々木は君ならそう言うと思ったよと、呆れた様に言った。
「中学の頃からずっと言おうと思っていたんだけど、君は鈍感過ぎなんだ。まず、君
はあれだけのフラグを立てておいて、自分でまた折にいくようなことばかりして、あれ
では君の周りの女性が可哀想だ。それも、君は天然でそういうことをしてしまうから、
いつか気づいてもらえるのではないかと期待してしまう。僕だって一応は女だよ。それ
は少し、いや、かなり期待したさ!だけど、いくらアピールしたところで全くスルーさ
れるし、一度君の視点から僕を見てみたいね。そんなに魅力がないかい!?」
まるで機関銃だな。しかし一度宥めるべきだな。さすがに酸欠のようだ。
「佐々木、ちょっと落ち着け!言ってることがよくわからんのだが・・・」
「まぁ、分かってくれるとは思っていなかったさ・・・」
ここまでとは、もう意図的としか思えないな、等と、佐々木はブツブツと言っている。
何かを意図的にしたというのか?俺が?さっぱりわからん。
「佐々木、なんだか知らんが頑張れよ。親友としてできることがありゃ力になるぞ」
そう言うと、佐々木は深く溜息をついた。
「キョン、なら親友としての忠告だ。今のままだと、いつか後悔するよ。二兎追う者
はなんとやらだよ。」
「わかったよ。一つにしぼるんだな、なにかを」
「そうゆうことさ。それから…たまには僕と遊んでほしい・・・かな」
なぜか耳まで真っ赤にして、俯きながら佐々木はそう言った。
どうやらこの空間も崩壊するらしい。やれやれ、なんで神様ってやつらは俺に不満をぶ
つけるのかね?
目覚まし時計のアラームで目が覚める。しっかり8時間睡眠をとったはずなのに、
なぜか疲れた気がする。昨日何か変な夢でも見たんだろうか?といっても夢なんか覚え
てないわけだが。今日は金曜日だし、とにかく今日を乗り切ってしまおう。
「日曜は佐々木と遊ぶかな」
なんとなく、意味はないが佐々木と遊びたくなった。今日一日頑張れそうな気がしてき
た。
最終更新:2008年10月15日 06:24