「キョンの箪笥の中は実に乱雑だね」
「どこに何があるかは何となく分かるから別にそれで構わん」
「くっくっ、それでは僕が整理してみるとしよう」
「お、おい!」
「気にしないでくれたまえ。服を折り目良く畳むのは得意なんだ」
「いや!大丈夫だ!」
「無頓着な割には意外と服があるね」
「箪笥は大丈夫だから」
「では、机の整理整頓といこうではないか。おや?何故、ここだけ鍵が掛かっているんだい?」
「いや、別に…鍵を無くしちまって開かないんだ」
「問題は無い。僕も一応、女なのでね。ヘアピンくらいは持ち合わせている。これで…」
「いや、駄目だ!」
ガチャ
「この程度の鍵ならば開ける事に雑作は無い………」
「………」
「………」
「………すまなかった、キョン」
「いや、いいんだ……」
「一応、君も思春期の男性だという事を失念していたよ…」