佐々木「期待されるというのは必ずしも素晴らしいことだとは思わない。
確かに人に望まれることで実力以上の力を発揮出来ることは多々あるだろう。
しかし、人はある程度の結果を見ると、更にその上を見たくなるものだ。
前より上手くいけばさらに上手く、より上手に、高みへ、至高へ、と望んでしまう。
望まれた方は次々と寄せられる期待に応えようと努力し、やがては押し潰されるだろうね。
だが、見ている側は情けをかけない。『なんだ、大したことはないじゃないか』と見限る。
そうなれば、望まれた者はもう二度と実力を発揮することは叶わないだろうね。
僕が発展を望むのはあまりいいこととは思えないというのは、こういうわけだからさ。
ならば今のままでいい、このままずっと続けばいい、そう思うのは、逃げだろうか…………
くっくっ、話がずれたね。
いつの間にか、何かに重ねてしまうのは僕の悪い癖かもしれないね」
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最終更新:2009年10月10日 00:20