「佐々木!!」
そういって燃え盛る炎にキョンは駆け寄る。
炎の中から気を失った佐々木を抱えた男がポンジーを現した。
「ストップ…だ。君達はまぁ……良いコンビだが、そこまでだ。」
ふんふふふふ……と男は不敵な笑みを浮べた。
「キョンそして涼宮ハルヒ」
ポンジーはリモコンのようなものを取り出して続けた。
「このスイッチは軽いからねぇ?
打たれても切られてもスイッチを押すくらいの事はできる。
こいつのフラグの程はハルヒ君はよく知っているだろう?」
くっうう……ハルヒは歯軋りをして悔しそうにしている。
恐らくあのリモコンを押した瞬間恐ろしいほどのフラグが立つのだろう。
「ステージの廊下で見せたアレ。覚えてるか?」
キョンがハルヒに向かって話しかけた。
「ぁあ?」
ハルヒは何かを思い出したようだ。
「アレなら……指を動かす間も与えない。」
「距離が違うわ。それにその傷。」
「出来るさ。だからその後を頼む。」
炎をバックに男とキョンたちはにらみ合いを続けている。
「さて……じっとしていてもらうよ?」
ポンジーは絶対に拒否できない状況に佐々木が自分のものになることを確信しながら、
佐々木を抱えたまま動き始めた。
『ダアアアアアアァッッン!!!!!』
近くで小規模の爆発が起こった。
何かに炎が引火したらしい。
男は一瞬動きを止めて炎のほうを見た。
そして、それが一瞬の隙に繋がった。
「っく……」
キョンの目が鋭く細められた。
(奥義の極)
それを極めたフラグクラッシャーの前には全てのフラグがゼロになる。
大きさも数も種類の差も。
ポンジーの前からキョンの姿が消える。
(フラグクラッシャーキョン流)
『スパン!!』
小気味良い音を立ててスイッチが――
(破壊)
――消えた。
そして次の瞬間、
破壊されたキョンの負けフラグの余波を食らってポンジーが血を吐きひざを突いた。
「佐々木さん!!」
ハルヒがいつの間にか佐々木を抱えていたキョンから佐々木を引き受ける。
「ふふふふふふ……ふ、ふふふ……ふ、ははははは……」
いつもどおりの様子に戻ったキョンは突然笑い出したポンジーに目を向けた。
ポンジーがキョンに向かって拳銃を向ける。
『ドガン!!!!!』
――側頭部にハルヒの痛烈なけりを受けポンジーが向けていた拳銃は地面に落ちた。
「良いねぇ、、、実に良い。なぁ?楽しくないか?こういったやり取りは」
「終わりだ……」
「ふはぁはぁはぁ……ははははは……はははははは!!ははは……」
「目が覚めたら法の裁きが待っている――」
そういってキョンは少し悲しい目をしていた――
最終更新:2007年11月08日 11:38