26-67「赤い糸」

君の小指の赤い糸は誰とつながっているかな?
まー、判らないだろうな。
人は、結ばれる運命にある異性と左手の小指に結ばれた赤い糸でつながっているらしい。有名な話だが。
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佐々木やハルヒ達に「誰を選ぶ?」と詰め寄られ、佐々木を選んだ俺だった。

「キョン、僕を選んだ、僕を選んだ。エヘヘ。
キョンと僕は赤い糸でつながっていたんだ」
選ばれた佐々木は幸せそうな顔で、はっきり言って馬鹿面だった。


「キョン、晴れて夫婦となったからには、これからは毎日やらしてあげるよ」
夫婦?今のところ恋人では?

「その代わり、浮気したら、、、
わかるね?

閉鎖空間に幽閉だからね。くつくつ」
そう言った佐々木には、女神の美しさと残酷さが同居していた。

その時、俺は初めて、神:佐々木を怖いと思った。それとも、これは女の怖さなのだろうか。
今まで、普通に会話できたのが不思議だ。


その後の俺は、常に閉鎖空間に囚われた、いや見えない鎖に縛られているようで、自由を感じることは無かった。
早まったか?いや、誰を選んでも同じだったはず。
それに、これは本来、結婚している人すべてが縛られている鎖のはず。俺だけじゃない。
佐々木に不満を持つなんて贅沢だ。
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君の指の赤い鎖は誰とつながっているかな?
(終わり)

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最終更新:2007年12月09日 21:04
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