27-798「デレキョン→佐々木の憂鬱プロローグ」

デレキョン→佐々木の憂鬱プロローグ

諸君は雲の上の人:つまり自分よりはるかにレベルが上の人に恋をしたことあるか?
俺はある。
その女:佐々木は顔も良ければ頭も良く、さらに誰にでも優しい、ときたもんだ。
もし僕っ子の変な口調がなければ、クラスの男子の半分は佐々木に恋した、と思う。
いつ頃からだろうか、佐々木は俺なんかとは全然釣り合わないと思ったのは。
正直に言うと、最初からだ。
佐々木が誰か他の男に恋してる噂を聞いたわけでも無いのに、聡い俺は既に自分を客観視していた。

いつか佐々木が魔法の力か何かで俺に恋する。あるいは、俺の成績がまともになり、顔もハンサムになって佐々木と釣り合うようになる。
そんな妄想が毎晩のように夢となって現れたものだ。
しかし、そんなことは物理的にありえないことは馬鹿な俺にも判っていた。

「だったら友達として付き合い、段々好感度を上げていけば良いじゃん。俺ってなんて頭良い」
そう思って作戦を変更したものだった。
そして、勉強みてもらったお礼という名目で、佐々木を俺の自転車の後部座席乗せ、塾に送ることが日課になった。
ただの知人からアッシー君、そして親友というポジションになるのは早かった。
しかし、その後居心地の良い親友ポジションに胡座をかき
「なーに、時間ならまだたっぷりあるさ」と思いながら、さほど進展しないぬるま湯の関係を続けて日々怠惰に過ごし。
気が付くと卒業して既に別々の高校に行き、手遅れになっていた頃。
 ・
 ・
涼宮ハルヒに出会った。
(終)

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最終更新:2008年01月19日 16:44
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