| + | 祈り |
| + | かくとだに |
| + | 幾千幾万の星が降る夜 人は願う |
| + | このまま月の光が、星の光を打ち消せば |
| + | この年月を通してずっと |
| + | 地に足がついてない夢は現実 |
| + | 心の奥に潜む願い |
| + | 水銀燈と女の子 -1- |
| + | 水銀燈と女の子 -2- |
| + | 水銀燈と女の子 -3- |
| + | 待ちぶせ |
| + | わたしのおうち |
| + | 銀色 |
| + | 神様は |
| + | 病院の窓 |
| + | 箱に目覚めてあたたかい太陽に、気付くことない私はまだジャンクなの? |
| + | 灯火 |
| + | 透明なチューブの中の細かい泡 |
| + | あいなどいらぬと心を殺し |
| + | 灯 |
| + | 祈り |
第一の姉妹
冷たい石像を抱くような孤独が
私の熱を奪う
黒く冷たく
まっすぐ私は墜ちていく
夜に溶けきれず
朝日はしらじらしすぎて いつも夕暮れ時を彷徨う 色彩はあいまいに転じて 動脈色の水彩絵具
大地のひび割れのように、あるいは布の裂け目のように
あちこちに不吉なヒビが走る 肘関節から球体関節を通されたワイヤーが 無様に露出してしまっている
どんな強さも
どんな誇りも 醜くさの前に成す術ない
些細な事柄が両の翼を苛み
いじけた意見が靴底をすり減らす わたしはずっと歩いてきた道を振り返り 静かにかぶりを振る 日々消えていく自分を 誰かが天使と例えた
最後に辿り着いた
希望の荒廃した地平と ヒトだけが衰退したアスファルトジャングルの境界で 遂に私は膝をつく
祈ることをやめない
|
| + | かくとだに |
/.:.:.:.:::::::::::::,::::::::::::::::::::::::::::::、ヽ
!.:.:::::::l::l:l:::/l::::::::::::ハ:::::、::::::::',:', l:l.:::::::l::l:レ'_」::ハ:::l _」:/_';:::::::l::| |:l:::::::l::N,. ==r V t==、::::/:::! |:l:::::::l::| く廴ソ 廴j>l/::::::! ^:Nハ:! .:i l/lハ! ヽい __ /ノ かくとだに えやはいぶきの さしも草 ``ゝ、 `ー' ,.イ ヽ:N> -- <l:/ さしも知らじな 燃ゆる思ひを ノ^ソ V^ヽ ,. ィ´ 〈 〉 `ゝ、 _,. '´: :/ ヽ- 、 , / !: : : `ヽ、 ,rく: : : : : : / _ _/ \__/ \_l: : : : : :/7ヽ、 /^ヽヽ: : : : : : : < .rt===┐フ: : : : : // ヽ l ヽ1: : : : : : : : : : | |チケット .|: : : : : : : // i | 1: : : : : : : : : :|」 ト、: : : : : ::l/ レ'´ リ / .l: : : : : : : : :(⌒ ー‐'"´ l: : : : ::.:l レ'´ { / .:::l: : : : : : : : : 〉、 !: : : ::.::l/ ! / .:::::::|: : : : : : : : : 〉、 人: : : :/ !
恋に火をつけたのは 僕の心を知らないあなたなのです
さしも草が炎となって燃えあがり 僕の胸を焦がすのです この思いを告白できずに悩んでいます
藤原実方朝臣 (?年~998年)
|
| + | 幾千幾万の星が降る夜 人は願う |
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_rfヒラ}ミ{二ー- 、 ∠ 弋ゞ匕ノニ丶\ \ < ======廴\L\ ヽ く〆/ 〃ハ ヽ\廴\Lヽ ハ ////〃// イi i \廴ヽ〕l 斗- 、 〃 / // / 川 jハi >' ニ Y く⌒ヽ | i i i ィiイ !i /川/-、i〈〈 | j | ト 二 イ | i i i 从ハ !i / ム≦ミメ、ト ニイ| i \く l i i iヘ{≠ミメ V 弋_沙 リ //j.| i ヽ\ ヽヽノハ ゞ'  ̄´ // //¦ 「 } }\ |\{ ヘ ヽ ///イ ; i 〈ノ 丶、 , ´ l i ヽ \ ー ' く∠イ⌒/ i \ ー- .,,____,,.. イ ノ 人 i ___` 、_ < // /! / i \ / / ヽイ r―┐V /⌒Vイ厶厶/ 小、 、 `二二 ー----- '' / _/ | L.//ト、ー/ / | i { | \ \ー- ..,,_  ̄ ̄ ̄ ̄_>< -一…― / 厶 <__」  ̄/ | 人 \ヘ \ \  ̄ ̄ ̄ 丶 二二 >一'  ̄ _-っ/ ⌒ヽく / \ ー ― \ `ー― _ ̄_ > 、 \
_厶イ´ ̄ L// >-‐┼ ヽ く二二二>‐ _____ ______ ) _ ノ
幾千幾万の星が降る夜 人は願う 思いを込めて様々な事を 月が明らかな夜 星は稀になり 祈るものとて いないけれど あなたを好きと言えない私には 貴方を想いながら 飛ぶ事が許される夜 私はきっと見つけ出す 幾千幾万の灯(ほし)の中から |
| + | このまま月の光が、星の光を打ち消せば |
このまま月の光が、星の光を打ち消せば
銀様が私の元に飛んできてくれるかもしれない 私は密かに、月の光に希望をいだく
でも、星が稀になっているのは、月の隠になっているだけ
星は変わらず、そこにある
月の光に惑わされず、星の光を見つけ出し
銀様が探している方の元に辿りつけるように 私は迷わず、星の光に願いをかける |
| + | この年月を通してずっと |
この年月を通してずっと
忘れられない場所がある 幾つかはひどく変わってしまった 失くなってしまった場所 今も変わらない場所
どの場所にも思い出があった
なつかしい街や風景 私は今でも思い出せる 消えてしまった場所 まだ残っている景色 そんな全てを 私はずっと愛していた
けれど 過ぎていったどんな事よりも
今の私に大切なのはあなた これからの二人を想う時 思い出はみな色褪せてゆく
私は時々立ち止まって そして思い出すだろう
失ってしまったものたちや 消えてしまったものたちを けれど この人生でいちばん大切なひとはあなた・・・ |
| + | 地に足がついてない夢は現実 |
地に足がついてない夢は現実
愛の陰謀
もうすぐ思考能力もなくなる
それは紛れも無い自分
俺がファンを名乗って貴方と握手をしたときに
|
| + | 心の奥に潜む願い |
心の奥に潜む願い
夢は目ざとく探し出し まぶたの裏に映し出す
まぶたの裏で見た夢は
無防備な壁を通り抜け 心の中に沈み込む
夢は現実
現実は夢
意識の海の深い底
2つは静かに混ざり合い 微かな光が燈される 圧倒的な闇に抗するように |
| + | 水銀燈と女の子 -1- |
夜も更けて、人通りの絶えた街角。
通りにはただ青白く灯る水銀燈がポツンと立っているだけ。 誰も、その灯火を必要とはしていない・・・帰る場所のないノラネコでさえ。
水銀燈は青白く冷たい光を放つことしかできない。
それは人間たちに、どこか無機質で冷酷だという印象を与える。 暖かくやわらかい光で、家族の団らんの場に必要とされるろうそくとは違うのだ。
水銀燈は、でもろうそくをうらやましがらない・・・少なくとも無関心を装う。
ろうそくなんて、ちょとした風でもすぐに消える弱い存在にすぎない。 自分の方が勝っているのだと、自分に言い聞かせる。 だから、誰にも必要とされなくても全然かまわない、そう信じているふりをする。
*- *- *- *- *- *- *-
月もない漆黒の夜、水銀燈はいつものように通りに一つポツンと立って、
...。 ぼんやりとした冷たい青白い光を放っている。 i そして、いつものように誰にも必要とされることはない・・・はずだった。 ,人,. く,r个、ゝ でもその夜は違った、女の子が一人、水銀燈の光を頼りにやってきて、 ..ヽ_|_/ その元に膝を抱えて座り込む。そして顔をうずめてすすり泣く。 ..Ψ || 水銀燈はその女の子に声をかけようか迷うが、話しかけるのをやめる。 || 自分はろうそくではない、人を暖かい気持ちにさせることは出来ない。 || どうせ拒絶されるくらいなら、最初から関わらない方がいい・・・今までみたいに。 || |
| + | 水銀燈と女の子 -2- |
しかし、女の子のほうから話しかけてくる。
「わたし、あなたの冷たい光は好きよ。本当の暗闇――多分ほとんどの人は知らない
暗闇だけれど――では、そういう光が必要なの・・・それがないと・・・」
水銀燈は黙って女の子の言葉を待つ。
「そういう光がないと、闇に飲み込まれてしまうの・・・」
女の子はちょっと苦しそうに黙り込む、ゆっくり呼吸を整える。
そして再び口を開く。
「ろうそくの光は嫌い、しあわせな家庭を押し付けてくるから・・・
あの光は不幸を覆い隠して、偽りの幸せとか幻の暖かさを私たちに見せるの」
「あなたは今、幸せではない・・・」
「ええ、でもそういうのって心の持ちようだと思うの。私だって幸せを願って、
今の状況に不満を持たず感謝すれば幸せになれるんだわ、多分ね」
「でも自分の心を偽りたくない・・・」
「いいえ、出来ないのよ。いろいろな不幸から目を逸らして、幸福な光だけみて
感謝の心を持つ、自分は幸せと思い込む・・・それはとても素敵なことなのだと思うわよ、 でも私には出来ない・・・宿命的に」
「宿命的に・・・」
その女の子は自分は心臓の病気で、長くは生きられないのだと告げる。
そして、現実はあくまで冷たく、明日にでも無機質的に終わってしまう人生を、 いまさら幸福という花で飾る必要はない、と付け加える。 |
| + | 水銀燈と女の子 -3- |
女の子は静かに目をつぶっている。
水銀燈はドキっとするが、かすかな寝息を確認して安堵する。
この女の子は自分に似ているのだろうか、と水銀燈はふと考える。
共通点はいくつかある、でも根本的に何かが違う。
この女の子が最初に言った「本当の暗闇」というものは、
街角に立ち通りを照らし続けてきた水銀燈にも、おそらく想像が及ばないくらい 深くて寒くて、そして純粋な闇なのだ。
そこでは地の底から吹き上げる冷たい風が唸りを上げていて、
体の力を抜いた途端に命の灯は吹き消され、抜け殻となった体はバラバラに四散し、 どこかに吹き飛ばしてしまう。 黒を塗り重ねたような闇の中で、一人で吹き荒ぶ暴風に耐える女の子・・・。 ろうそくのやさしくて頼りない火なんて役に立たない。
この女の子の抱える闇は深すぎて自分の光で道を照らすことはできないのだろうと、水銀燈は想像する。
それでもこの女の子は水銀燈の光を必要としている。 おそらく明かりとしての光ではなく、何か目印となる光を。 絶対的な闇に自分の体が溶け込むのを妨げ、肉体の存在を思い出させてくれる光を。
*- *- *- *- *- *- *-
やがて夜明けを迎える。
通りに敷いてあるレンガにも店の看板にも、街全体に色が戻る。 だが、黒く塗られた水銀燈の支柱は、夜が明けても色は与えられない。 太陽が、水銀燈の存在を奪う。 昼間は誰も水銀燈の存在に注意を払わない。
女の子は、いつの間にかどこかに行ってしまった。
おそらく、帰ったのだろう。
<完>
|
| + | 待ちぶせ |
この町には まだ紅葉の季節は来てはいない
そんなことは知っているんだ それでもイチョウの木の下に立ち そっと見上げてみる
あるハズもない、黄色く染まったイチョウの葉
それでも顔は天に向けたまま 本当は、葉っぱなんかさがしていない その先の空を見ているだけなんだ
空にはあの人がいるかもしれないから
秋の深い空では、ずっと高くまで見通せる でも、見上げた青空に黒い翼を見出すことは出来ない ううん、最初から来ないことはわかっているんだ
それでも空を見続ける
きれいなイチョウに見とれていたら 偶然、飛んでいる貴女をお見かけしたのですよ 心の中で、静かな笑顔をくれる貴女に、そう告げるため |
| + | わたしのおうち |
わたしのおうち
わたしにはおうちがない おとうさまはわたしにだけは おうちをくれなかったの だからおうちが欲しいだけ
わたしの1つめのおうち
かわいいおうち ケーキにのった苺みたいに ぱくりと一口で食べてしまいたい そんなおうちに住んでみたい
わたしの2つめのおうち
凛凛しいおうち 蒼い風が通り抜けるみたいな さわやかなお部屋でお昼寝したい そんなおうちを作ってみたい
わたしの3つめのおうち
やさしいおうち 緑いっぱいのお庭を作って そこにお花を咲かせるの そんなおうちを奪いたい |
| + | 銀色 |
神様は
黒色から少しずつ汚れを取り除いた 丁寧に、慎重に、長い間取り除き続けた その結果白色が完成した 強く光る真っ白 神様はなんとなく物足りなく感じた 一滴の黒の雫を加えた 白色の一歩手前の色ができた 銀色と名付けた 銀色はどんな色よりも輝いていた 光が輝きに変わるには 一滴の黒が必要だったと 神様は気付いた 完成してはダメなのだと 気付いた 未完成の完成
強く光る真っ白に
ほんの少しの黒一つ 白色の 一歩手前の 未完成 それ故に どんな色より 儚く 強く 美しい 輝く色 悲しい色 銀色 |
| + | 神様は |
神様は
昼を創ったときに輝く白も作り出し 夜を創ったときに深い黒も作り出し ずっと後になってから 銀色という美しい色を作り出しました
神様は
銀色のもつ輝きを深く愛して 儚さ強さ悲しさ美しさを愛して 6日目に自分を模して作った人間たちにも 銀色を美しいと感じられる心を与えました
だから私たちは
銀色の美しさを感じることができるのです それはとても自然なことで素敵な感情
でも銀色自身は
自分の美しさに気がつくことはできないのです 自分は輝く白にしてもらえなかったのだと泣いています 自分は未完成の色だと思い込むのです
どうして私を完成させてくれなかったの?
白になれないのなら黒になってみせましょう……
神様は今はいない
でも誰かが伝えないいけません
だから私たちが教えてあげないといけないのです
銀色さん、あなたは美しい……と
白色の未完成ゆえの美しさ
多分、銀色本人にとっては辛いことです
だから私たちが教えてあげないといけないのです
銀色さん、あなたは美しい……と
参考:一つ前の「銀色」の詩に対して
|
| + | 病院の窓 |
病室の窓
それが私の世界 私の世界は四角い世界
病室の窓
それが私に届く手紙 空の色を届けてくれる
病室の窓
それが私の出口 病室にあるのは入口だけだから
病室の窓
それは私の希望 黒い天使さんが今日も来てくれますように・・・ |
| + | 箱に目覚めてあたたかい太陽に、気付くことない私はまだジャンクなの? |
箱に目覚めてあたたかい太陽に、気付くことない私はまだジャンクなの?
真紅からもらった感情表現。形態反射に過ぎないというのに。
箱に逃げ込みあたたかい太陽に、気付きたくない私はもうジャンクなの?
めぐからもらった感情表現。形態反射に過ぎないというのに。
私が覚えた子宮と棺桶は、とても広くて青空に思う。
私を手招くアリスとお父様に、伝えて欲しい。
透明な面影を――――。
|
| + | 灯火 |
空高くに浮かぶ、真っ赤に燃える太陽の光は
全ての人を暖め、照らしましす 太陽の光は全ての人に与えられます 生まれたばかりの小さな灯火の小さな明かりは 自分の周りの狭い範囲だけを暖め、照らします けれど、小さな明かりは太陽の光にかきけされ、見えません 灯火は自分の明かりが見える様にと、暗闇を目指しました
一人ぼっちの人がいます
その人は生まれた時から光を見ることが許されていません それと同時に、誰にでも与えられる遠い場所からの光に辟易しています 光を見ることが許されないのなら逃げてしまおう 唯一の光が誰にでも与えられる光なら捨ててしまおう 一人ぼっちはそう思いました
暗闇の中、灯火はポツンと一つ、小さな明かりを灯します
誰もいません。誰も暖めることも照らすこともできません それでも、自分の明かりが消えることを恐れて暗闇の中に居続けます
一人ぼっちは誰にでも与えられる光から逃げました
それ以外の光をもっていなかった一人ぼっちは真っ暗闇に包まれます
寒いくて暗い闇の世界で
永い時間が過ぎたころ 一人ぼっちと灯火は出会いました 灯火は一人ぼっちを照らしました。暖めました。
深い深い闇の中
小さな小さな灯火一つ たった一人を暖めて たった一人を照らしてた 暗い暗い闇の中 小さな小さな灯りの中に 幸せそうな笑顔が二つ |
| + | 透明なチューブの中の細かい泡 |
透明なチューブの中の細かい泡
吸い込まれて 瞬間の暗闇 血 血 チューブに繋がれた少女 逆さまの十字架 黒羽根を運ぶ風
誰もいない
誰もいない海に浮かぶ月 緑 美草 もげた腕 壊れた人形は廃棄されねばなりません |
| + | あいなどいらぬと心を殺し |
あいなどいらぬと心を殺し
けだかき翼は天をとらえる まだ届かぬ高き地を夢見て しゅらとなりて姉妹と戦い てんしはほのおに包まれる
おとずれし少女が願を架け
めの前の現実が組み替わる であいが新しい道を差示し とおくへ飛ぶこと能ずとも うしないし心の鼓動を感ず |
| + | 灯 |
春の便りが届いてる・・・
だからなに?
そんなものに期待しない
背中の翼で空を翔け 雪雲の上まで飛んでいけばいい
黙って春の訪れを待っていたら
雪に埋もれてしまうだけだから
雲の上に出た
月の光は明るいけれど 地上にいるときよりずっと寒い 見渡す限り白い世界
雲の隙間から街の灯りが見える
めぐのいる病院も 真紅のいる家も あの光の中の1つ・・・ |
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