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ローレンシア=イヴルフェイト

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所在 ニュクス
本名 ローレンシア=イヴルフェイト
役職 「ニュクス」幹部(ロイヤリスト)
アルフヘイム光王国総監督
スヴァルトアルフヘイム闇帝国総監督
種族 人間
年齢 16歳
所有装具・武具 アレクサンドロスクローク?

詳細

【兇穏】の渾名で知られる【ニュクス】〝十三夜想会〟の幹部四席にして、盟主より〝イヴルフェイト(禍つ運命)〟のベリティを与えられ、アルフヘイム光王国、スヴァルトアルフヘイム闇帝国の二国総監督を任されている。

金髪碧眼、小柄な容姿に丁寧な物腰と口調で、心優しい聖女のような人物だが、人を疑うということを知らないのが長所であり短所でもある。
語尾に「です」をつけて喋るのが特徴で、多少無茶な文法でも「です」を使ってみせるという、ある意味で猛者だ。
二年前に【ニュクス】へ加盟し、現在の年齢は十六歳である。

あらゆる事柄において、余すことなく完璧を追求する〝十三夜想会〟に在っては、戦闘に関係しない分野に特化した幹部も多い中で、ローレンシアは戦闘それのみに突出する女性党員として、見た目からは想像も付かないほどの力を有している。
齢十六の幼さにして、補佐や協力者、支援を一切拒否した単独での敵陣拠点攻略戦を得意とし、ローレンシアに陥落できなかった敵陣は存在しないとまで謳われている。
彼女が支援や協力を拒む理由は、所有宝具である『アレクサンドロスクローク』の性質に原因がある。
『アレクサンドロスクローク』は、使用を目撃したすべての存在に対して効果を及ぼしてしまうため、仲間や無関係な一般人を巻き込まないようローレンシアが考え出した苦肉の策が、単独戦だったのだ。
故に、完全な敵陣以外を戦場にしたことはなく、都市攻略戦などに駆り出されることはない。しかし、常に敵陣でのみ戦闘行為を行なう彼女の孤独な戦場は、なによりも過酷なものだ。

また、剣技にも優れており、【金猫眼】イガの唯一の弟子にして最強の徒弟である。
本当は、ミッドナイトから剣を教わりたかったようだが、彼の剣は万難を排するためだけに存在する力そのものであり、なにかを守るには向かないものだ。
それは、ローレンシアの気質から大きく外れ、性質は永遠に相容れないだろうと語り、弟子入りを断った。だが、そのことにローレンシアは悲しい表情を見せたと云う。
シュトルツ曰く、「言い方が悪い」ということで、その後、ミッドナイトは相容れないという件が、あくまで剣の話だと確り謝った上で、もっとも性質の近いイガに教わるように助言したようだ。
現在では、魔術師なども使用する五十センチ程度の片手剣、バゼラードを愛剣とし、〝闇夜の護剣〟直伝の究極守勢剣術を駆使して、あらゆる攻勢を受け流すほどの実力を持ち、アサトが修めるネーデルラント流剣術と、五分に打ち合ってみせるほどの高い技量を有する。
余談だが、ローレンシアのバゼラードは、宝具に数えられることはないものの、大陸でも希少とされるイルメナイト鉄鉱を使用した刃を持ち、鉄よりもはるかに軽く、そして強固な刀身で創られている。
更に、イルメナイトの特質として、属性要素を付与することに特化した能力を有し、ローレンシアのバゼラードは、ガード(鍔)部分の窪みに魔力結晶を収めることで、刀身に属性効果を顕現させることが出来る一種の魔道具でもあるのだ。
当然、市販品ではなく、ミッドナイトオーダーによる特注品であるが、ローレンシアは、これを一種のプレゼントだと理解しているようで、手入れには余念がない。
もっとも、ミッドナイト的には、彼女の特性に合わせた剣を用意しただけのことで、必要経費と考えているようだから、おそらくローレンシアの内心には気付けてもいないだろう。

剣などの戦闘能力とは裏腹に、日常生活の才能に乏しいようで、料理の才能は皆無であり、ライスボールを三角に握ることが出来ないという致命的な欠点を持つ。
更には、ステーキを焼けばガリガリに焦がしてしまい、それを食したミッドナイト曰く、「シュトルツの胸板と同じくらいの硬さ」らしい。
しかし、ライスボールに関しては、三角に握れない割に絶対の自信を持っており、中身の具材は六十八通りを豪語し、〝飽きのこない味〟を自称している。
自慢の〝飽きのこないライスボール〟は、よくミッドナイトの口に押し込まれて、いや、食べられている。
ローレンシア自身は、食べた分だけ見事に太る体質のようで、体重管理を気にしており、あまり自分で作って食べることはないようだ。もっとも、それが料理の腕前が上達しない理由の気がしないでもない。

実は、意外にもミッドナイトの周りに存在する女性の中で、唯一異性としてミッドナイトを意識している人物であり、彼に対して恋愛感情を抱いているという自覚がある。
ローレンシアがミッドナイトを慕うのは、過去の出会いから積み重ねられた年月の賜物だが、ローレンシア自身は、過去に自身が引き起こした事件を悔やむあまり、自分には自らが選び取る幸福など在ってはならないと頑なに信じてしまっている。
そうした背景から、ミッドナイトの傍にあろうとする彼女だが、直接的なアプローチをしたことはない。
そういう理由もあってか、ただでさえ恋愛の機微に鈍感なミッドナイトには、当然にして想いも伝わっていないのだろうが、一応、他の女性と仲良くしている場面に出くわした場合、一発お見舞いする程度には意欲的である。
シュトルツなどは、イガとミッドナイトの恋人説という根も葉もない出鱈目を語るたびに銃器で撃たれたりしており、一度射殺されたことがある。(そのときは、ラウンドが近くにいたために、奇跡の恩恵を享けて一命を取り留めたが、一瞬、場が騒然となったのは云うまでも無い。)
だが、やはり寄り添いすぎて自分が幸福になってしまうことに関しては、好ましくないと思っているようだ。
因みに、シュトルツが彼女を焚きつけるような出鱈目を語るのも、そんなローレンシアの心情を察してのことであり、彼女には一日も早く、過去の呪縛から解き放たれて欲しいとシュトルツは願っている。

ローレンシアは、ミッドナイトのことを〝ミッドさん〟と呼んでいる。盟主というよりも、異性として慕う感覚が強い彼女らしい呼び名である。

【ニュクス】の活動が活発化して以降、〝十三夜想会〟に名を連ねる幹部たちは、皆が各国の監督役を任され、各地に散っているが、そんな中にあって、未だに古巣である【宵闇の降魔亭】に住み着いている面子がいる。
それが、アルフヘイム光王国兼スヴァルトアルフヘイム闇帝国の監督役を任されているローレンシア、そして、ニダヴェリール亜種連邦の監督役を任されるエリザベスだ。
エリザベスは、ある種の特例として、自身の管轄を離れ、【宵闇の降魔亭】に住むことを黙認されているが、ローレンシアの方は事情が異なる。
彼女は、当然ながら言葉にしないが、明らかに好意を持ってミッドナイトの許に控えており、過去の経緯が彼女自身を抑制しているとはいえ、その感情に疑うべきところはない。
更に、過去に交わしたミッドナイトとの出会いの語らいで、ローレンシアは、彼の盾になることを己に教示しており、他国へ移るより、ミッドナイトの傍らに控えていなければならないという観念が強いことも、ミドガルドを動かない理由である。
そういった決意を察しているミッドナイトだからこそ、彼女がミドガルドに止まることを黙認しているのだろう。
しかし、色々と無念なことに、恋愛からくる好意に関しては、シュトルツ曰く〝鈍感帝王〟であるミッドナイトが気づいているとは到底思えず、その心には、毛ほどのむず痒さすら感じていないと容易く推察できる。
この奇妙な関係が始まってから二年近く、一切の進展もなければ終焉もない。ある種のカオス状態が続いているのだ。
もちろん、カオスを創りだす原因の一端は、エリザベスやイガが担っているのだが、この二人の感情は、ローレンシアが抱えるような恋愛とは明らかに異なるものであり、現状解決は不可能、あるいは解決済みとして現在のミッドナイトとの関係を形成しているため、実質、ローレンシアのみが宙ぶらりんの放置状態にある。
そういった理由もあり、他の幹部連中も動向を見守っているため、【宵闇の降魔亭】を出て、任された国の支部へ移るようにと、強く進言する気がないという現状もあるようだ。
そもそも、アルフヘイムとスヴァルトアルフヘイムは、どちらもエルフの国であり、【ニュクス】に対する敵性としての重要度は、それほど高くないと考えられているのも、要因の一つだろう。
前者は、例え敵対したとしても、アスガルズの従属国であり、動くとすれば、先ずアスガルズの筈であり、そこはシュトルツがカバーしている。
後者に至っては、自国の安定にのみ重きをおく現闇皇帝ならば、無駄な敵対行為などありえないと解りきっていた。
故に、ローレンシアが二国を離れていたとしても、特別に困窮するような事態が訪れることはないのだ。そして、それを理解し、ミッドナイトに降り掛かる火の粉を払いのけることの方が、より重要であると、ローレンシアの冷静な部分が判断しているからこそ、ミドガルドに残り続けているとも言え、決して、一時の感情からのみで動いている訳ではない。
もっとも、ミッドナイトが移るように親告すれば、問題はないのだろうが、色恋を見守る皆とは異り、決意を察するという先述の理由から、移ることを強要しておらず、また、移すにしても、現状の問題(無論、決意云々ではなく恋愛の方)を決着させねば、幹部連中も納得しないだろう。
そのためには、一日も速く盟主に気付いてもらう必要があるのだが、ミッドナイトは、心優しいローレンシアが、時折自分のことで怒り出すのは、組織の福利厚生に不満があるからだと信じて疑っていないため、話にもならないのが現状だ。
一時期も、「いい加減に気づけ」と突っ込んだシュトルツに対し、「福利厚生については可能な限り対応する準備がある」と真顔で言い切ったことがあるほどで、当然一波乱あったのは云うまでも無い。
もっとも、裏の社会に存在する組織の盟主としては、党員の幸福と利益(福利)、生活の豊かさ(厚生)の二点が、表社会でも通用する善良な形では纏まらないだろうという危惧もあり、密かに、皆を心配しているらしいミッドナイトの心情も解らなくはない。
そして、弱者を助け、悪を討つローレンシアが、そういった真っ当でない金に手をつけるのを嫌がっているのでは、と考えるのも理解は出来るが、とりあえず気の回しすぎだろう。シュトルツ曰く、「それ以前に気付くところがあるだろ」という話だ。

【ニュクス】加盟以前、彼女はニダヴェリールの辺境、人間の街に暮らす孤児だった。
親を失った。或いは捨てられた多くの子供たちと共に、孤児院に住み、不手際ながらも、もう十四歳の年長者として、家事を手伝いながら、穏やかな日々を過ごしていた。
しかし、幸福な日常は、前触れもなく終わりを告げる。
自身の家でもあった孤児院に、快楽殺人者が押し入り、子供たちに襲い掛かったのだ。
ローレンシアは、子供たちに向かう凶刃を前にして、咄嗟に果物ナイフを持って殺人者を刺してしまう。
子供たちを救ったローレンシアだったが、その手には、味わったことのない寒くて気持ちの悪い感触が残った。それでも、子供たちを宥めると、自分たちを救ってくれたローレンシアに感謝するように「ありがとう」と繰り返してお互いに抱きしめ合った。
だが、悲劇は、それのみに止まらなかった。ローレンシアが咄嗟に刺し殺してしまった殺人者とは、孤児院に無償で働きに来てくれていた青年であり、ローレンシアが淡い想いを抱いていた人物でもあったのだ。
青年は、前々から孤児院を狩り場として定め、獲物を物色するために侵入していたのだろう。
しかし、ローレンシアには、そんな事実は関係がなかった。ただ、彼を、なんとなく、そう、なんとなくだが気になっていた。なんとなく笑う顔が、なんとなく仕草が、なんとなく話し声が、なんとなく、なんとなく、それでも好意を持って接してきた筈の男が、本当は殺人者で、眼の前に転がって、今は息をしていない。
そうなるように手を下したのは、自分なのだと理解すると、もう堪らなかった。
そのとき、ローレンシアは一度壊れた。彼女の嘆きに、『アレクサンドロスクローク』は確かに鼓動を高め、染み渡った血液を飲み込むかのように、真の力が発動したのだ。そうして、彼女が暮らした優しい街は、この世から跡形もなく消滅した。
一度は壊れたローレンシアの心が、今も穏やかに在り続けるのは、彼女が捕らえられ、ただ死を願い続ける最中に在って、訪れた黒衣の青年と、そこで交わされた会話に重きをおいているからに他ならないのだろう。
ローレンシアが、現在も、人々を助け、悪に敵対するのも、すべては贖罪故の行いかもしれない。

彼女の扱う宝具、『アレクサンドロスクローク』の真の力とは、使い手が殺した人物の血をクロークにかけることで発現する。
ただし、血の主は、聖者でないことが絶対条件となるようだ。
『アレクサンドロスクローク』の真の能力とは、あらゆる運命の否定であり、能力の有効範囲に存在する使い手以外のすべてに効果を発揮する。
その力は、運命を持つすべての存在に有効力を持ち、人間はもとより、建造物、石、草木にさえ適用され、おおよそ、この世すべてに影響力を持つ。
影響を受けたものは、〝この場所には、運命など始めから存在しない〟という運命否定の法則によって、始めから存在していなかったことにされてしまう。
それによって、ローレンシアの街は、人はおろか、建造物、草木、大地にいたるすべてがその場から消滅してしまった。

街一つを消滅させた事実は、一度拘束され、事情聴取を受けた際に告白しており、その真実を踏まえた上での指名手配である。
ローレンシアの名に科せられた【兇穏】の渾名は、〝彼女という人は穏やかであるが、しかし、その存在が災いである〟という意味を持って与えられたという。
かつての都市消滅に加え、単独戦による神族拠点破壊などの罪状が加わり、現在、一億ドラクマの賞金が掛けられている。
この額は、罪状以上に、所有する宝具の危険性を考慮して、早期決着を望む形での高額設定であるようだ。

普段は、【宵闇の降魔亭】に住む住人として、店の手伝いをしており、丁寧な接客で評判も上々だ。ただし、当然ながら料理は作れない。
しかし、実際のところ、店内の従業員は、すべてが【ニュクス】の党員である。
そんな中に在っては、イガにしてもローレンシアにしてもエリザベスにしても、最高幹部の三名が同時に店を切り盛りするとあって、なにか失礼があるのではないかと、気が気でないらしく、出来れば裏で指示をもらえるくらいが丁度いいと思われているようだ。
もっとも、古参のスタッフからすれば、もはや慣れたものということだが。

彼女が担当するアルフヘイムとスヴァルトアルフヘイムは、互いが長い戦争状態にあった過去や現在の膠着状態などから、それぞれの情勢に、両国が密接な関わりを持っており、切り離して考えることが難しいため、二国の統率を一人に任せるという形で、同時監督という役職が生まれている。
もっとも、細かな指揮を執っているのは、ローレンシアではなく、ローレンシアの側近数名な訳だが。

枝話となるが、アルフヘイムとスヴァルトアルフヘイムの支部料理を紹介しよう。
まず、アルフヘイムの名物料理は、〝音楽を奏でるサラダ〟だ。
アルフヘイムにのみ生息するモンスター、音野菜族(ソングベジタブル)という歌う野菜を使った料理である。
サラダとして食される際も、美しい歌を口ずさむ、少し気持ち悪いが必見だ。
一方、スヴァルトアルフヘイムは、名産を使った料理ではなく、監督役の得意料理が看板メニューとなっているらしい。
もちろん、〝六十八通りライスボール〟である。
云わずと知れたローレンシアの得意料理にして、〝飽きのこない味〟を自称する究極オニギリだ。
ただし、ローレンシアは、握ったライスボールが文字通りボールになってしまうという弱点を持つ。そのため、このオニギリも、それを忠実に再現して、完全なボール型で作られているという徹底振りだ。具財はもちろん六十八通り存在するが、当たるも八卦、当たらぬも八卦だろう。
正直、どちらの料理も食べてみたいが、一番槍は御免こうむる。

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