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アルト=ディストール

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所在 ニュクス
本名 アルト=ディストール
役職 「ニュクス」幹部(ロイヤリスト)
ヘルヘイム大冥王国総監督
種族 人間
年齢 12歳
所有装具・武具 タルムード?
ミシュナの耳飾?
ゲマラの指輪?

詳細

【白堊の枉駕】の渾名で知られる【ニュクス】〝十三夜想会〟の幹部七席にして、盟主より〝ディストール(歪曲)〟のベリティを与えられ、ヘルヘイム大冥王国の総監督を任されている。

かつて、古き人々が有していた奇跡の力と、超人的な能力を剥奪された断罪の日〝パラダイスロスト〟、しかし、人が弱き者へと堕としめられる以前、人々は神人と呼ばれ、偽りなき至高神の落とし子として、文字通り神の能力を操った。
現代には失われた超常の力、しかし、その片鱗をわずかながらも我が身に纏い産まれくる者たちが、今も稀に存在する。
それが、土、水、火、風、氷、雷の六属性を操る〝フォーンファクター(角もつ者)〟と、神聖の加護をその身に宿した聖者、聖痕者、聖女などと呼ばれる〝スティグマ(聖痕者)〟の二種類の特異能力者たちだ。
その数は、現代において数千人に一人か、それ以上に少なく、彼らは纏めて〝先祖返り〟と呼ばれた。
アルトは、〝先祖返り〟の一人として、火のリゾーマタに属する特異能力を持ち、〝ホーンファクター〟に区分される存在だ。
角とは、牙や爪、即ち武器のことであると同時に、古くは悪魔が有しとされる魔力を発する源としての角、即ち、エレメント吸収の機関という二つの意味を込めて呼ばれる名と云われ、その在り様は角として、より原始的な武器であるという人間への蔑みの意味を持ち、神々が付けた呼び名である。
本来、〝フォーンファクター〟が操る属性の数は、ファースト、セカンド、サード、フォース、フィフス、シックスの六つによりランク分けがなされるが、現実として、セカンド以上の能力者は現存せず、人類最高峰と呼ばれた〝フォーンファクター〟も、最大四属性を操るフォース・エレメントを限界とした。
その中で、アルトはファースト・エレメントにランク分けされるが、少ないということが、直接的戦力の不利に繋がる訳ではない。
結局のところ、使いようと能力の形状が、戦局を左右するのだ。
〝フォーンファクター〟の特徴は、単純にリゾーマタを操るのではなく、それぞれの属性の範疇にありながらも、発現は個々によって異なった条件付き能力で現れることだろう。これは、同じくエレメントを駆使する精霊術師とは一線を画すところであり、むしろ、聖魔の獣が固有のスキルを有する現象に近いとされる。
アルトの能力では、腕に超高熱を纏わせることができ、その高熱故に腕から純白の光を放つことで〝白堊の手〟と呼ばれている。
このように、〝フォーンファクター〟の能力は、単純明快な力であることが多く、宝具などのように複雑化することはない。

若干十二歳の見た目明らかな美少年である。
白髪と真紅の瞳、そして雪のように白い肌というアルビノの特徴を持ち、優しい顔立ちの穏やかな少年である。
代々アサトの家を護る騎士の家系として産まれ、赤子の頃よりアサトと共に育ってきた。
アルトにとって、アサトとは護るべき主人であると同時に鬼姉でもあるようだ。
気が弱く、心根も優しいことから、アサトにあごで使われているらしく、党内でも屈指の苦労人として知られている。
普段の気質から、側近や部下に玩具のようにされることも多いようで、苦労が絶えないのも頷ける話だ。
常にオドオドビクビクしているが、無手での近接格闘戦において、幼くしてニュクストップクラスと謳われ、徒手空拳の格闘技術と〝白堊の手〟を持って、近接格闘最強の呼び声も高い人物であり、地上もっとも古く、もっとも過酷な世界最強立ち技格闘技とまで呼ばれる〝ラウェイ(ビルマ拳法)〟の使い手だ。
しかし、無手格闘の実力とは裏腹に、騎士の家系にも関わらず剣術の腕はからっきしである。
もっとも、騎士というのは名ばかりで、アサトの家が没落して以後は、アルトの家系も剣術を受け継ぐ後継者が廃れていき、二代前の家長からは剣術を教てることをしていないということで、アルトが剣術下手であるのも頷ける。
因みに、アルトに〝ラウェイ〟を仕込んだ師は、『金枝篇』を使用したアサトであったが、アルトの〝先祖返り〟たる能力と天才的格闘センスによって、わずか三年でアサトを打倒したという。
だが、そんな強靱な面とは裏腹に、普段は直属の部下たちのパシリになったり、女性党員に玩具にされたりと、結構不憫な待遇を受けている少年であった。
アルトはアサトの家臣のようなものだが、実際には、遠い親戚という括りで、血縁関係もあるらしい。

一見完璧に見えるミッドナイトの内面的な危うさを幼いながらに理解しているが、現在の皆で築いた関係と秩序の世界が壊れるのではと恐れ、心情を口に出すことができず、心配を募らせている。
しかし、時折、ミッドナイトに心情を吐露してしまうこともあり、その度に「お節介なヤツだ」と云われつつ、そんな幼い気遣いをミッドナイト自身は在り難いと感じているようだ。

アルトは、ミッドナイトのことを〝会長〟と呼ぶが、これはアサトに倣って呼ぶようにアサト自身から言われてのことである。
ただし、彼の場合は正しく〝会長〟であり、発音も確りしているようだ。
それ以前には、〝チェア〟と呼んでおり、これは会長を表すイングラス語である〝チェアマン〟からきていたと思われる。
ミッドナイトとの出会いは三年前、神の化身たる神獣を討滅した事件で関わったのが最初であり、それ以後は、アサトが面白いものを嗅ぎつける嗅覚に従って、【ニュクス】へと加盟した。
アルトは、ミッドナイトのことを第二の主人と考え、忠臣すると同時に、兄のように慕ってもいる。

彼は、無手での格闘に高い実力を持つと前置いたが、同時に知略をも兼ね備えている。
その証明となるのが、彼の持つ宝具『タルムード』だ。
彼の宝具によって行使される〝口伝律法〟は、その特性上から効果が確実ではない。
例えば、盗みが善行と吹き込んだとする。
だが、ここで考えて欲しい。人間の中には別に盗みが悪行でも問題なく行なっている者たちはいる。
それと同じく、募金などが善行と解っていても、それに協力する人間は珍しいのではないか。
このことからも解るように、人は善行に対して怠惰な生き物であり、その行いは自身の裁量一つなのだ。
つまり、いくら盗みは善行と吹き込んだとしても、それが特筆したものになる訳ではなく、昼下がりの噴水前広場で募金を募る慈善団体くらいに日常的な事柄となってしまう。
そのせいもあって、盗みが善行だったとしても、人の思考は「だから? そんなこと常識じゃないか? それに今は別に必要な物はないし」という風になってしまうのだ。
そうそう都合よく、律法を伝えた瞬間相手に実行させることは難しいといえる。
常に律法を伝える相手側の真理を読んで、言葉を紡がなければならないという奥深さがあり、そういう意味でも、かなりテクニカルな宝具であると同時に、それを扱うアルトの技量と知略の高さが窺えるだろう。
ミッドナイトをして「法は【ロカ・ダ・トゥ】に息づく生命を律するためにある。なぜか? それは、この世に在りし生命の一片に至るまでが、等しく欠陥を抱える者たちだからだ。そして、タルムードは、それを効率よく反転する頭脳があって初めて機能する」と語らせるほど使用が困難な宝具であり、ミッドナイトですら使い手になる気が起きなかったほど面倒と思われている代物だ。

神族殺害、民衆扇動などの罪状により、現在、一億二千ドラクマの賞金で指名手配を受けている。
因みに、アルトが行なった神族殺害は、宝具によるものではないが、自らが持つフォーンの力によって成した罪であり、人ならざる神の片鱗を用いたことから、神殺しではなく神狩り行為として認識されている。

普段からアサトと行動を共にしており、ヘルヘイムとミドガルドを往復する生活が続いているようで、身体的に大丈夫かと部下から心配されることも多いようだ。
結構無理をする性格でもあり、何度か倒れたことがあるらしく、その度に、アサトは「もう連れまわさないから」と言っては寝ずの看病をしている。
もっとも、数日後には、また連れまわしている訳だが。
ヘルヘイムに滞在するあいだは、仕事も完璧にこなしているようで、指揮系統に乱れがないと定評があるほどだ。
ルナリアヴァルドと仲がよく、中央支部に備えられた連絡用端末で連絡を取り合っていることもあるらしい。特に、ルナリアは結構頻繁に遊びに来ているとか。

枝話であるが、ヘルヘイムの名物料理を紹介しよう。もっとも、ヘルヘイム支部の名物は、料理とは言えないが。
ヘルヘイムの名物料理は〝ヘルワイン〟である。
これは完全に御酒だが、使われている材料は、地方のワイン樽に〝哀愁の雫〟と呼ばれるとても貴重なアイテムを混ぜて寝かせたもので、一杯二百ドラクマと驚くほど高額である。
因みに、ヘルヘイム、ミドガルドなど人間の雇用体系が確立している国で働く一般庶民の日給は、約二百五十ドラクマであるから、一杯で一日の稼ぎが飛んでしまう恐るべきワインなのだ。
〝哀愁の雫〟は、かつて勇敢に戦い、散って逝ったあらゆる種族の英雄が流した涙の雫と云われ、世界を探索しても発見は極めて難しく、更に生前の英雄と近しい気質を持つ人物でなければ、雫に触れた瞬間に蒸発してしまうという。
〝哀愁の雫〟を含んだ〝ヘルワイン〟を一口飲めば、たちまち英雄が駆け抜けた世界を追体験させる不思議なワインである。
しかし、〝哀愁の雫〟を零した英雄ということは、すでに死んでいる故人ということでもあり、あまり深酒が過ぎると追体験の終着点である英雄の死に際を体験してしまい、辛い想いをすることがあるのだとか。
それ故に、その名は〝ヘルワイン〟と呼ばれ、英雄の死を求めてこれを口にする物好きもいるという話だが、まず御勧めは出来まい。
万が一、〝ヘルワイン〟を飲む機会に恵まれたのなら、深酒は控えるよう、ここに忠告しておく。

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