「帰還」
アマルフィ村での戦いを経てついに三つの種子を手にしたストライク一行。帰ってきた彼らを、ラクロアの人々が暖かく出迎えた。
「皆さん、お帰りなさい。」「「「「「「「おかえりなさい!」」」」」」」
「ラクス王女、ラクロア騎士団長フラガ以下4名、ただいま戻りました。」フラガを筆頭に5人が跪く。
「おかえりなさい、ご無事で何よりですわ。バスターも。」
「えぇ、王女には後で色々とお話が」と言いかけるバスターを見て群衆の一角がざわめく。
「おい、隊長が二人居るぞ!どういうことだ?」
「お前ら落ち着け、きっと隊長は双子だったんだよ!」
「マジか!? す げ ぇ ! 」ラクロア騎士団闘士隊だった。慌てふためく出迎えた方のバスターに帰ってきた方のバスターが近づき、肩に手を置く。
「今までよくやってくれたな。」その言葉を聞いた出迎えた方のバスターのアゴの辺りから水滴が落ちる。
「ウゥッ・・・隊長、たいちょおぉぉぉおおお!」仮面を外し、そこから現れるのは涙でくしゃくしゃなバスターダガーの顔。
「これからは俺の代わりではない、副隊長バスターダガーとして生きてくれ・・ありがとう。」その光景に驚いている者、
呆気にとられている者と様々であったが、
「グレイトォ!とにかくみんな帰ってきてよかった、飯の準備ができてるぜ!」ディアッカの言葉で皆沸きあがり、
国を挙げての祝宴が始まった。まるで『あの日』をやり直すかのように。
「皆さん、お帰りなさい。」「「「「「「「おかえりなさい!」」」」」」」
「ラクス王女、ラクロア騎士団長フラガ以下4名、ただいま戻りました。」フラガを筆頭に5人が跪く。
「おかえりなさい、ご無事で何よりですわ。バスターも。」
「えぇ、王女には後で色々とお話が」と言いかけるバスターを見て群衆の一角がざわめく。
「おい、隊長が二人居るぞ!どういうことだ?」
「お前ら落ち着け、きっと隊長は双子だったんだよ!」
「マジか!? す げ ぇ ! 」ラクロア騎士団闘士隊だった。慌てふためく出迎えた方のバスターに帰ってきた方のバスターが近づき、肩に手を置く。
「今までよくやってくれたな。」その言葉を聞いた出迎えた方のバスターのアゴの辺りから水滴が落ちる。
「ウゥッ・・・隊長、たいちょおぉぉぉおおお!」仮面を外し、そこから現れるのは涙でくしゃくしゃなバスターダガーの顔。
「これからは俺の代わりではない、副隊長バスターダガーとして生きてくれ・・ありがとう。」その光景に驚いている者、
呆気にとられている者と様々であったが、
「グレイトォ!とにかくみんな帰ってきてよかった、飯の準備ができてるぜ!」ディアッカの言葉で皆沸きあがり、
国を挙げての祝宴が始まった。まるで『あの日』をやり直すかのように。
夜。夕方から始まった宴も大分盛り上がっていた。
「大きいとか、小さいとか・・・そういう見方で物事を判断するのは・・・ストライク、聞いていますか?」
「誰だラクスに酒飲ませたの!」「ホッホッホ、若いうちは色々経験するもんじゃ。」
「へいっ、バスタースペシャルお待ちっ!」「隊長ォ!ちょっと食わせてくださかReeeeeee!!」
「大丈夫かー!」「・・・・ゴクリ。」「いやぁ、ナタルさんお久しぶり、元気だった?」
「えぇ・・・団長殿もお元気そうで。」「ほら飲んだ飲んだ。」「いや、ちょ・・・あの。」
「マリューさん、これから私に乗って夜景でも・・ヒッ!?」 「・・・・。」
宴の盛り上がりも佳境となり、騒いでいる者もほとんどいなくなった頃。
「いいですか、ストライク。時を重ねればどんなものもいずれはその美しさを失います。
ならば小さくともその美しさを保っている方が大事だとは思いませんか?」
ストライクは乾燥させたフランスパンに卵白・粉糖・レモン汁等の味付け用のアイシングを塗り、
オーブンで焼き色をつけた食べ物を食べながら話を聞き流すが、
少し考え込むと決心したようにラクスの方へ向き直る。
「・・・ラクス、大事な話があるんだ。」
「何ですの?私の話より大事ですか?」
「まじめに聞いてくれ。旅の話だ。」真剣な顔になるストライク。ラクスも多少酔いは醒めたようで黙る。
「旅の途中、水晶で何度か話はしたけどずっと言おうか迷ってた事だ。・・・兄さんは、本当にザフトの側についてしまったみたいだ。」
「イージスは・・イージスには会いましたか?」
「いや・・会ってない。」首を振るストライク。
「そうですか・・・デュエルは、元気でしたか?」ストライクはその言葉に対し、
かなり険しい表情をして喉の奥からやっとその言葉をしぼりだす。
「兄さんは・・・俺を殺しに来た。俺は仕方なく兄さんと戦って・・顔に傷をつけて、次に会った時はまるで別人で・・・戦わなければ殺されてしまいそうだった。」
嗚咽をもらすストライク。その姿は種子を使い戦う姿とは程遠い、弱弱しい青年だった。
「次に戦ったら俺は兄さんを殺してしまうかもしれない。」ストライクが体を震わせる。
「そんな事はありませんわ。貴方達は、たった二人の兄弟ではありませんか。」
「怖いんだ・・・兄さんも、俺には強すぎる種子の力も。」その後もストライクは胸に抱え込んでいた事を全て打ち明け、次第に落ち着きを取り戻すと楽しかった事や他の国のことを話し出す。
ラクスもまた、それらを全て聞いた後王女として国を引っ張っていく辛さやストライク達が居ない間に起こった出来事を話す。
二人はまるで子供の頃に戻ったかのように楽しそうにしていた。そしてそれぞれの部屋に帰った二人は夜空を眺めながらお互い子供の頃とは違う現実を受け止めると新たな決意と共に眠りについたのだった。
「大きいとか、小さいとか・・・そういう見方で物事を判断するのは・・・ストライク、聞いていますか?」
「誰だラクスに酒飲ませたの!」「ホッホッホ、若いうちは色々経験するもんじゃ。」
「へいっ、バスタースペシャルお待ちっ!」「隊長ォ!ちょっと食わせてくださかReeeeeee!!」
「大丈夫かー!」「・・・・ゴクリ。」「いやぁ、ナタルさんお久しぶり、元気だった?」
「えぇ・・・団長殿もお元気そうで。」「ほら飲んだ飲んだ。」「いや、ちょ・・・あの。」
「マリューさん、これから私に乗って夜景でも・・ヒッ!?」 「・・・・。」
宴の盛り上がりも佳境となり、騒いでいる者もほとんどいなくなった頃。
「いいですか、ストライク。時を重ねればどんなものもいずれはその美しさを失います。
ならば小さくともその美しさを保っている方が大事だとは思いませんか?」
ストライクは乾燥させたフランスパンに卵白・粉糖・レモン汁等の味付け用のアイシングを塗り、
オーブンで焼き色をつけた食べ物を食べながら話を聞き流すが、
少し考え込むと決心したようにラクスの方へ向き直る。
「・・・ラクス、大事な話があるんだ。」
「何ですの?私の話より大事ですか?」
「まじめに聞いてくれ。旅の話だ。」真剣な顔になるストライク。ラクスも多少酔いは醒めたようで黙る。
「旅の途中、水晶で何度か話はしたけどずっと言おうか迷ってた事だ。・・・兄さんは、本当にザフトの側についてしまったみたいだ。」
「イージスは・・イージスには会いましたか?」
「いや・・会ってない。」首を振るストライク。
「そうですか・・・デュエルは、元気でしたか?」ストライクはその言葉に対し、
かなり険しい表情をして喉の奥からやっとその言葉をしぼりだす。
「兄さんは・・・俺を殺しに来た。俺は仕方なく兄さんと戦って・・顔に傷をつけて、次に会った時はまるで別人で・・・戦わなければ殺されてしまいそうだった。」
嗚咽をもらすストライク。その姿は種子を使い戦う姿とは程遠い、弱弱しい青年だった。
「次に戦ったら俺は兄さんを殺してしまうかもしれない。」ストライクが体を震わせる。
「そんな事はありませんわ。貴方達は、たった二人の兄弟ではありませんか。」
「怖いんだ・・・兄さんも、俺には強すぎる種子の力も。」その後もストライクは胸に抱え込んでいた事を全て打ち明け、次第に落ち着きを取り戻すと楽しかった事や他の国のことを話し出す。
ラクスもまた、それらを全て聞いた後王女として国を引っ張っていく辛さやストライク達が居ない間に起こった出来事を話す。
二人はまるで子供の頃に戻ったかのように楽しそうにしていた。そしてそれぞれの部屋に帰った二人は夜空を眺めながらお互い子供の頃とは違う現実を受け止めると新たな決意と共に眠りについたのだった。
翌朝、ストライクがキラに稽古を頼みメビウスゼロがメンデルの大森林で見つけた石版に書かれていた文字について調べていた頃、王の間ではバスターがラクスに潜入の結果得た情報を報告していた。
「・・・というわけです。」「なるほど、ザフトにも強硬派と穏健派がいるのですね。」
「穏健派やレジスタンスとはほとんど接触できませんでした。やはり強硬派の勢力が強いようです。」
「強硬派の中心はクルーゼという方・・・今までストライク達が戦った相手は全てその方が関わっているというのは間違いないのですね?」
「えぇ、それは間違いなく。他にも色々とやっているようですがガードが固く・・・申し訳ありません。」
「気になさらないで。何のために、誰と戦うのか。これがわかったのはとても大きい事です。貴方は本当によくやってくれました。」
「いえ、私が謝罪せねばならないのは、任務を途中で放棄した事です。ラクロア騎士団闘士隊の隊長として失格です。」跪き頭を下げるバスター。
「だけど、貴方はアマルフィ村の方々のために戦ったのでしょう?私はその選択が間違いでないと思います。」
「王女様・・・。」バスターが顔を上げる。
「それでこそ、ラクロア騎士団闘士隊の隊長だと、私は信じたいですわ。ねぇ、バスター?」
「・・私は、この国のために戦える事を誇りに思います。」バスターもまた、新たな決意を胸に立ち上がったのだった。
「・・・というわけです。」「なるほど、ザフトにも強硬派と穏健派がいるのですね。」
「穏健派やレジスタンスとはほとんど接触できませんでした。やはり強硬派の勢力が強いようです。」
「強硬派の中心はクルーゼという方・・・今までストライク達が戦った相手は全てその方が関わっているというのは間違いないのですね?」
「えぇ、それは間違いなく。他にも色々とやっているようですがガードが固く・・・申し訳ありません。」
「気になさらないで。何のために、誰と戦うのか。これがわかったのはとても大きい事です。貴方は本当によくやってくれました。」
「いえ、私が謝罪せねばならないのは、任務を途中で放棄した事です。ラクロア騎士団闘士隊の隊長として失格です。」跪き頭を下げるバスター。
「だけど、貴方はアマルフィ村の方々のために戦ったのでしょう?私はその選択が間違いでないと思います。」
「王女様・・・。」バスターが顔を上げる。
「それでこそ、ラクロア騎士団闘士隊の隊長だと、私は信じたいですわ。ねぇ、バスター?」
「・・私は、この国のために戦える事を誇りに思います。」バスターもまた、新たな決意を胸に立ち上がったのだった。
「へいらっしゃ・・ん?ダンナ、ダンナじゃねえですかい!」ラクロア一の名工・マードックが営む鍛冶屋に
ラクロア騎士団長フラガと剣士マリューが姿を現す。手にはそれぞれの装備。先の戦いでほとんど破壊されたといって良い代物だった。
「久しぶりっ。」「お久しぶりです、マードックさん。」
「どうしたんですかい、お二人とも?」
「や、ちょっと頼みたい事があってね。コレを見てくれりゃわかるかな?」二人は手に持った装備を差し出す。
「顔の傷は?」
「いやこれは関係ないよ。」マリューに睨まれ慌てるフラガ。
「あーあ、こりゃまたどえらい事に・・・。」二人の装備を預かり呟くマードック。
「長い間使ってたしねぇ・・・化け物ばっか相手にしてたし。」
「とにかく、私達には新しい装備が必要なんです。修理、お願いできます?」
マリューの言葉を聞いたマードックは表情を変える。
「修理だぁ?マリューちゃん、誰に向かって言ってんだい!前より強化してやるよ!」
「本当かい?じゃあ頼むよ!」「お願いしますね。」礼をして出て行く二人を見送ると、マードックは頭を抱える。
「そのまま使えそうな部分がほとんどねえや・・・こりゃしばらく徹夜か。」
ラクロア騎士団長フラガと剣士マリューが姿を現す。手にはそれぞれの装備。先の戦いでほとんど破壊されたといって良い代物だった。
「久しぶりっ。」「お久しぶりです、マードックさん。」
「どうしたんですかい、お二人とも?」
「や、ちょっと頼みたい事があってね。コレを見てくれりゃわかるかな?」二人は手に持った装備を差し出す。
「顔の傷は?」
「いやこれは関係ないよ。」マリューに睨まれ慌てるフラガ。
「あーあ、こりゃまたどえらい事に・・・。」二人の装備を預かり呟くマードック。
「長い間使ってたしねぇ・・・化け物ばっか相手にしてたし。」
「とにかく、私達には新しい装備が必要なんです。修理、お願いできます?」
マリューの言葉を聞いたマードックは表情を変える。
「修理だぁ?マリューちゃん、誰に向かって言ってんだい!前より強化してやるよ!」
「本当かい?じゃあ頼むよ!」「お願いしますね。」礼をして出て行く二人を見送ると、マードックは頭を抱える。
「そのまま使えそうな部分がほとんどねえや・・・こりゃしばらく徹夜か。」
「なんとかなりそうで良かったですね。」
「まぁ、武器防具は彼に任せとけば・・・お?バスター。」
「よぉ。」城に戻る途中の二人はバスターと出会う。その姿は先日までのボロボロの鎧とは違う、
本来の鎧を着けていた。。
「おめかししてどちらへ?」フラガが茶化すように言う。バスターは気にする事なく
「マードックの所へな。」と答えた。
「バスターも何か直してもらうの?」マリューが怪訝そうな顔で尋ねる。
「秘密だな。」少しだけ楽しそうな顔をするバスター。
「ま、楽しみにしてるよ。じゃあ。」
「あぁ。」バスターと別れた二人は再び城へ向かって歩き出す。
「少しゴキゲンでしたね、彼。」
「あぁ、なんかあったのかね・・・とにかく、あいつも何かやろうとしてるみたいだ。」
「私達は装備に頼らないともう限界だけど・・・。」
「それでもまだ、やれる事はあるさ。きっとね。」
「そうですね・・。」この後メビウスゼロの手伝いをされるとは思ってもいなかった二人であった。
「まぁ、武器防具は彼に任せとけば・・・お?バスター。」
「よぉ。」城に戻る途中の二人はバスターと出会う。その姿は先日までのボロボロの鎧とは違う、
本来の鎧を着けていた。。
「おめかししてどちらへ?」フラガが茶化すように言う。バスターは気にする事なく
「マードックの所へな。」と答えた。
「バスターも何か直してもらうの?」マリューが怪訝そうな顔で尋ねる。
「秘密だな。」少しだけ楽しそうな顔をするバスター。
「ま、楽しみにしてるよ。じゃあ。」
「あぁ。」バスターと別れた二人は再び城へ向かって歩き出す。
「少しゴキゲンでしたね、彼。」
「あぁ、なんかあったのかね・・・とにかく、あいつも何かやろうとしてるみたいだ。」
「私達は装備に頼らないともう限界だけど・・・。」
「それでもまだ、やれる事はあるさ。きっとね。」
「そうですね・・。」この後メビウスゼロの手伝いをされるとは思ってもいなかった二人であった。
「・・・で、俺にどうしろって?」再びマードックの鍛冶屋。マードックは腕を組みながらバスターを不満そうに見る。
「だから、この鎧の強化を頼みたい・・・後は、新しい武器だな。」
「この鎧の何が不満だってんだ!それに、お前さんにどれだけ武器を作ったと思ってんだ、ボウズなんか昔作ってやったナイフを未だに使ってるじゃねえか!」
「不満はないさ・・・ただ、今のままではアイツを止めるのは難しいんだ。」
「アイツ?」
「・・・デュエルだ。ヤツの鎧はかなり厄介なんでな。」
「詳しく聞かせてみな。」バスターはアマルフィ村でデュエルと戦った時の事を話す。
「・・なるほど、霊気を操る鎧か。そいつぁ厄介だな。」
「その他身体能力もかなり向上している。俺にあの攻撃を避ける俊敏性はない。高い防御力で耐えるしかない。」
「そういう話なら、ちょっと面白いモンがある。試してみるか。」
「面白いモノ?」
「あぁ、この前まで鍛冶を教えてやってたガキと、変な赤いMS族の二人組からもらった金属を使ってみよう。」
「詳しく。」
「また今度な。とにかく、鎧は何とかなるかもしれねえ。問題は、武器だな。」
「あぁ・・・一応こういうモノを考えてはいるんだが。」バスターが持ってきたスケッチブックを見せる。
「・・・ほー、さすがいろんな武器を使ってるだけはあるな。ただ、時間がかかるぞコレは。」
「構わん。ザフトとの決戦までに間に合えばいい・・・とにかく、頼んだぞ。」出て行くバスターを見送り、
マードックは再び頭を抱え込んだ。
「くっそー、こりゃ本気で寝る暇ねえなぁ・・・。」
ラクロアへと帰還したストライク一行。彼らは決して休む事なく、各々ができる事をやろうとしていた。
全ては、一日も早く平和を手にするために。
しかし数日もしないうちにラクロアへ助けを求める使者が現れ新たな戦いが始まる事を知る者は、まだ誰もいない。
「だから、この鎧の強化を頼みたい・・・後は、新しい武器だな。」
「この鎧の何が不満だってんだ!それに、お前さんにどれだけ武器を作ったと思ってんだ、ボウズなんか昔作ってやったナイフを未だに使ってるじゃねえか!」
「不満はないさ・・・ただ、今のままではアイツを止めるのは難しいんだ。」
「アイツ?」
「・・・デュエルだ。ヤツの鎧はかなり厄介なんでな。」
「詳しく聞かせてみな。」バスターはアマルフィ村でデュエルと戦った時の事を話す。
「・・なるほど、霊気を操る鎧か。そいつぁ厄介だな。」
「その他身体能力もかなり向上している。俺にあの攻撃を避ける俊敏性はない。高い防御力で耐えるしかない。」
「そういう話なら、ちょっと面白いモンがある。試してみるか。」
「面白いモノ?」
「あぁ、この前まで鍛冶を教えてやってたガキと、変な赤いMS族の二人組からもらった金属を使ってみよう。」
「詳しく。」
「また今度な。とにかく、鎧は何とかなるかもしれねえ。問題は、武器だな。」
「あぁ・・・一応こういうモノを考えてはいるんだが。」バスターが持ってきたスケッチブックを見せる。
「・・・ほー、さすがいろんな武器を使ってるだけはあるな。ただ、時間がかかるぞコレは。」
「構わん。ザフトとの決戦までに間に合えばいい・・・とにかく、頼んだぞ。」出て行くバスターを見送り、
マードックは再び頭を抱え込んだ。
「くっそー、こりゃ本気で寝る暇ねえなぁ・・・。」
ラクロアへと帰還したストライク一行。彼らは決して休む事なく、各々ができる事をやろうとしていた。
全ては、一日も早く平和を手にするために。
しかし数日もしないうちにラクロアへ助けを求める使者が現れ新たな戦いが始まる事を知る者は、まだ誰もいない。