「よく希望を捨てず、生き残ったな。お前は魔法使いとなる資格を得た」
【詳細】
白いローブに身を包み、宝石を模した仮面を顔に付け、
白い魔法使いドライバーを腰部に装着している。
自身が保護したコヨミの身柄を晴人に託し、彼にウィザードライバーや
ウィザードリングを授け、ウィザードとして戦力を与えた。
ウィザードと同様に指輪と
白い魔法使いドライバーを使う事で魔法を操れる魔法使いであり、空間を操る高度な魔法を使いこなす高い実力の持ち主。
ハーメルケインという横笛型の剣を持ち、それによる接近戦に関しても非常に強い。
単純な戦闘力以外にも、
ウィザードラゴンの魔力を限界まで引き出す魔道具を作成するなど技術も高い。
その戦闘力は高く、上記の通り空間を操る魔法で同じく空間操作を得意とする
ベルゼバブに押し勝ち、また「アーキタイプ」と称される仮面ライダービーストに対しても圧勝するほど。
得意とするエクスプロージョンの威力はビーストハイパーのシューティングミラージュと互角以上の攻撃力を誇り、ビーストとは何度も戦っているがいずれも勝利している。
フレイムドラゴンリングの元となった魔法石を使い魔を通して密かに渡したり、
ファントムに苦戦するウィザードにドラゴタイマーを授けるなどウィザード達に助力しているものの、
23話でオールドラゴンとなったウィザードを「一人完成した」としたが、31話にてインフィニティースタイルの力を得ると「面倒なことになった」と発言しており、
少なくとも純粋に晴人達の味方というわけではない。
当初はその正体や目的など謎に包まれていたが、39話を皮切りに謎が次々に明らかにされていく。
本名は
笛木 奏(ふえき そう)という茶色いコートをまとった壮年の男性。
晴人や凛子のモンタージュを元に木崎が調べた結果、魔法に関する研究を行なっている関係者でも、
ファントム事件の関係者でもない、全く関係のない物理学者ということが判明した。
また「笛木京子」なる人物の名前も画面に登場し、さらには43話では子供の頃のコヨミと関係をもつ小説家の西園寺の
アンダーワールド内で彼女の父であることも判明した。
「
ファントムを全て倒す」ことが目的のようだが、絶望を乗り越えた人間を
魔法使いに勧誘するだけでなく、時には無理やり拉致するなどそのためには手段を選ばない。
ワイズマンも彼の正体をほのめかすような発言を14話で口にし、後に
ソラが白い魔法使いのいる場所として連れてきた所が
ワイズマンが根城にしている場所と同じ撮影現場であった等、
両者の関係性についての情報は度々登場していた。
第27話で
メデューサによって絶望させられそうになるが、晴人と同様に
ファントムを押さえ込んだ稲森真由に
魔法使いの適性を告げ勧誘。
その後40話にて彼女は
魔法使い、
仮面ライダーメイジとなり、続く41話にて
ファントムを押さえ込んだ少年、譲を同じように勧誘するが拒否されたためビーストを蹴散らし彼を拉致。
執拗に
魔法使いを集めようとはするものの、しかし同じ
魔法使いであるはずのビーストは彼の眼中に無く、「アーキタイプに要はない」と言い放ち容赦の無い攻撃を加えていた。
そして第48話にて明らかになった彼の目的は、既に死んでしまった娘であるコヨミを生きかえらせること。
笛木はもともと上記にある通り物理学者であったが妻を早くに亡くし、唯一の肉親である暦も不治の病で亡くなってしまう。
それによって狂気に染まった彼は研究を行い
カーバンクルという人造のファントムを作り出すことで科学と魔法の融合に成功。
カーバンクルを自身の体に埋め込むことで、
魔法使いとしての力を手に入れ、賢者の石を埋め込んだ暦の人形に魔力を注ぎ込むことで生き返らせようと、ゲートと
グールを用いたサバトを行うも予想以上に魔力が足りず失敗。
その結果暦は生き返らず賢者の石に魔力がある限り動き続ける人形としての限定的な復活となってしまい、さらに集めた
ゲート達も
ファントムとなってしまった。
しかしその中で唯一
ファントムを抑えこんだ操真晴人に目をつけ、より魔力を持った自分と同じ
魔法使いを増やすことでさらに大規模なサバトを行うことを思いつく。
そのために必要な魔力を温存するため晴人の前に現れコヨミを託し、度々晴人に助力し彼の
魔法使いとしての成長を促進させつつ、
裏では
ファントムのトップであるワイズマンとして君臨し魔法使いとなる人間(=絶望しきらず
ファントムを抑えこんだ
ゲート)を増やすために暗躍していた。
ゲートを見つける貴重な人材である
メデューサを用済みとして消し去り全ての事実を明らかにした後、揃えた4人の
魔法使いを使って東京全土を巻き込んだ前回とは比べ物にならないほど大規模なサバトを決行。
魔力が溜まり始め目的の遂行までもうすぐ…となった時に、集まった魔力を目印にし仁藤が駆けつけ、圧倒されながらもハーメルケインでビーストドライバーの封印を破壊し、
解放したキマイラに集まった魔力を喰わせ消滅させるという大胆な奇策によりサバトはまたも失敗。
そのことに激高しビーストを痛めつけ、怒りに燃えるウィザードも圧倒するが、コヨミが自分が生き返ることを拒み、さらには
グレムリンがコヨミを奪いに来たため彼を撃退。
腹部にハーメルケインをつきたて串刺しにするも、その際コヨミがどこかへ走り去るのを目撃しハーメルケインを突き立てた
グレムリンをその場に放置して追いかける。
そしてかつての思い出の湖にてコヨミから晴人自身の魔法、インフィニティースタイルとなったウィザードと最後の激闘を繰り広げ、キックストライクによる相打ちとなったが、
突如出現した
グレムリンによって腹部の
白い魔法使いドライバーもろともハーメルケインによって破壊され致命傷を負い、コヨミの前で娘の名前を呟きつつ煙のように消滅した。
結局のところ
仮面ライダーウィザードという物語における
ファントムと
魔法使いの戦いの構図は全て笛木という身勝手な男による大規模な自作自演であり、
すべての悲劇の元凶であるが、彼自身は自分が娘を失った哀しみに比べればなんてことはないと発言している。
その中でアーキタイプと見下していたビーストに自分の立てた綿密な計画をぶち壊され、
魔法使いのなり損ねであり単なる手駒に過ぎなかった
ファントム、
グレムリンによって殺害されてしまった。
その最期は娘の目の前で目的半ばで消滅することになったが、ある意味、それが彼にとっての救いになったのかもしれない。
【余談】
第14話でブラックケルベロスはコヨミを誘導し
ワイズマンの寝室に放置されていた魔宝石を見つけさており、その後
ワイズマンが「やるじゃないか」と呟いているなど、
ワイズマンと白い魔法使いが同一人物であるにしては若干矛盾があるような描写も見られる。
この魔法石をコヨミに見つけさせたことに関しては本人や彼の使い魔の手で直接届けた方が合理的と考えられるが、もともとウィザード側に魔法石を流すつもりであり、
それを使い魔がコヨミを誘導する形で成し遂げたことに対するねぎらいの言葉とも考えられる。
なお彼はビーストをアーキタイプと称して用はないと言っていたが、おそらくビーストはキマイラが封印されていたドライバーを装着することで
魔法使いとなった、
いわば外付けハードによる
魔法使いであり自力で魔力を生産できないためだと思われる。
コヨミを晴人に預けたのも晴人が魔力を自己生産できプリーズウィザードリングにより賢者の石に魔力を補充できる存在であるためだったことからもそう考えることは可能。
ちなみに過去の事件で本来の肉体を失いそれを助けるため他者を巻き込んだと言う点について
仮面ライダー龍騎に登場する
神崎士郎との類似性がある。
最終更新:2022年09月22日 00:33