「お前の命」
【詳細】
地球に棲むシロアリに似た能力を持つワーム成虫態。
優秀な外科医である若林龍宏に目をつけ彼の姿に擬態しているのだが、マキシラを含むフォルミカアルビュスワームらは彼の「自身を待つ患者のために一ヶ月だけ殺すのを待ってほしい」という懇願を聞き入れ、同個体群で纏めて若林に擬態、本人を含めて4人で入れ替わりながら多くの手術をこなして人間を救ってきた異色のワームである。
通常のワームであれば擬態が成功した時点で本物を始末する(
ランピリスワームが擬態後本人を殺害しようとしている)のだが、何の気まぐれか命乞いを聞き届けた上、本人の願いまでも聞いて実際に人間の命を救うという変わったワーム。
こういった怪人は善玉怪人を含めても極めて珍しい。
しかしフォルミカアルビュスワーム達は決して人間のことを気に入ったとか、好きになったというわけではなく、ローテーションから外れた個体達は関係のないところで人間を襲っては殺害していた。
何故かは不明なものの、若林の懇願を聞いただけで、機械的に彼のやることをなぞっていただけで本質的にはワーム以外の何者でもなかったのだ。ある意味昆虫的ともいえる。
このワーム達の擬態は完璧で本人の記憶までもコピーできるワームの特性故に手術の技量までも完璧。
おまけに酒を飲むときの癖や、行きつけの屋台の店主に対する絡みまでもが全くの同一故に外見から擬態を見破るのは困難で、ある事情から単独でワームを倒そうと意気込んでいた加賀美は頭を抱えていた。
しかし天道は「酒を飲んだ若林は、本人のみ手術前にナースに気合いを入れてもらう」という習慣があることを見抜き、本物の特性に成功。
本物の若林から事情を聞いた天道達の前に擬態した状態で現れ、約束を守ったことから彼の命を奪おうと迫る。
天道と風見がカブト、ドレイクに変身して応戦し、
フォルミカアルビュスワームがドレイクに倒されると逃走を図るが、最期は追い掛けてきた加賀美が必死で放ったゼクトガンの銃撃を受け爆散した。
……ように当の本人は思い込んでいたが、実はクロックアップしたカブトが猛攻を加えた末に弾丸が着弾する直前に放ったライダーキックを受け倒された為、ゼクトガンが直接の死因ではなかった(加賀美は「自身が倒した」と勘違いし小躍りしていた)。
クロックアップ状態の存在は時間の流れから切り離されることで視認が通常では不可能になるため、
加賀美は目の前で行われた攻防を認識できていなかったのである。
【余談】
「マキシラ」は小顎の英語名(maxilla)から。
「フォルミカアルビュス」はラテン語の「Formica(
アリ)」と「Albus(白い)」を組み合わせたもの。
その為にシロアリをモチーフにしたと思われるが、アリとシロアリは全く異なる昆虫とされる(アリは
ハチ目の昆虫、シロアリは
ゴキブリ目の昆虫)。
演じるモロ氏は平成仮面ライダーシリーズでの出演は今作が初となる。
後に『仮面ライダーW』にて
ライアー・ドーパント役として出演した。
最終更新:2023年09月20日 01:04