叫べ!RX


 クライシス帝国により、宇宙空間へと放り出された南光太郎
 だが、南光太郎の体内に埋め込まれたキングストーンは太陽の光を浴び、奇跡を起こした。
 仮面ライダーBLACKは仮面ライダーBLACK RXへと進化を遂げたのである。
 RXとなった南光太郎の新たな戦いが始まる。

『叫べ!!RX』

 そして、今、光太郎はビルの屋上へといた。
 クライシス帝国の尖兵である神崎士郎との戦いのために、仲間を集めるためである。
「よし」
 南光太郎はカラオケマイクを持ち、声を発した。
「みんな、俺は南光太郎といいます。この殺し合いを止め、神崎士郎、そして、クライシス帝国の野望を砕くための仲間を、同志を探しています。
 奴らを恐れることはありません。奴らを恐れず、人間らしい心を保つことが大切なんです。俺に力を貸してください。そして、一緒に奴らと戦いましょう!」
 熱い心のうちをマイクに込め、解き放った南光太郎。しかし、今いる彼の位置から声が届いたのはわずか3人に過ぎなかった。
 そして、そのうちのひとりは南光太郎のすぐ後ろへと迫っていた。
「誰だ」
 一瞬、賛同者かと期待する。だが、その期待は泡沫の如きものだと理解できた。
 後ろにいた男からは殺気しか感じなかった。
「神崎士郎に賛同した奴か」
 男は答えず弓を構え、すぐさまそれを撃った。
「変身」
 南光太郎は後ろへ飛びつつ、変身の言葉を紡ぐ。だが、彼の姿が変わることはなかった。
「なにっ!うわっ!!」
 南光太郎は放たれた矢状の光弾に貫かれ、ビルの屋上から真っ逆さまに落下していった。
 このとき、南光太郎は知らなかった。首輪をしたものには変身制限がかかり、一度変身すると2時間の変身制限がかかることを。
 変身した状態で、ホールに集められた彼には既に2時間の変身制限がかかっていたのだ。
 このまま、南光太郎は最後の時を迎えてしまうというのだろうか?立ち上がれ、南光太郎!変身せよ、仮面ライダーBLACK、RX! 


 善戦むなしく、ビルから落下した南光太郎に迫る怪しい影。

 果たして、一体何者なのか?

 一方、神崎士郎に賛同した怪人たちは次々と凶行を重ねていく。

 立ち上がれ、南光太郎!君の助けを大勢の人が待っている!

 変身!仮面ライダーBLACK RX


 ぶっちぎるぜ!



ロイヤルストレートフラッシュ



「他愛もない。あれではまず助かるまい」
 物陰から男―カリスをこの場へと誘導した張本人、ジェネラルシャドウが姿を現す。
「やはり仮面ライダーというのはブラフだったか」
「次はお前だ」
 カリスはカリスアローを、今度はジェネラルシャドウへと向ける。
「残念だが、それは遠慮しよう。どうやらお前に勝つためにはこのカードが必要なようだ」
 ジェネラルシャドウは2枚のカードを引き抜く。そのカードはスペードのAとクラブの8。
「このカードを手に入れてから、また改めてお前の相手をしよう」
「ふざけるな」
 カリスアローから光弾が放たれ、見事、ジェネラルシャドウへ命中する。しかし、ジェネラルシャドウは命中すると同時にふたつに弾けた。
「何!?」
「シャドウ分身」
 ふたりになったジェネラルシャドウはシャドウ剣を構えると、素早く間合いを詰めるとカリスを横薙ぎに切り裂く。
 切り裂かれた腹から、緑色の血が吹き出る。
「ぐっ、くっ、がぁぁぁぁぁ!」
 痛みを力に変えるべく、カリスは咆哮する。
 右腰に付けたカードケースからカリスは二枚のカードを取り出す。ハートの5と6。

『Drill』

『Tornado』

 リーダーに通されたカードはカリスの身体に解けこむように消えると、彼に敵を穿つ回転と風の力を与える。

『Spinning Attack』

「うぉぉぉぉっ、はぁぁ!」
 自ら風の弾丸となったカリスは、ふたりのジェネラルシャドウに向かい、突撃する。
「ぬぉ」
 カリスはふたりのジェネラルシャドウを貫き、更には後ろの障害物をも破壊する。
 ゴォォォンと凄まじい轟音が響き、砂煙が巻き起こる。
「やったか」
 確かに貫いた。だが、手応えは……
「フッフッフッ、やるなジョーカー。やはりお前とはまだ戦わない方がよさそうだ」
 何処からかジェネラルシャドウの声だけが聞こえる。周りを見回すがその姿はない。
「心配せずともお前とはいずれまた戦うことになる。だが、その時がお前の最後になるがな、フフッ。
 首を洗って待っているがいい。ハァッハッハッハッ!」
「くっ!」
 カリスはハートの2を取り出すとベルトへと通し、人間の姿、相川始の姿へと変身する。
 ジェネラルシャドウから受けた腹の傷が疼く。だが今はその疼きが心地いい。
 自分は人間ではない。全てを混沌へと導く殺戮者だと、ジョーカーだと示してくれる。
 いいだろう。いずれまた戦うことになるというなら今度は逃がさない。

 死ぬのはお前だ。


「奴も人間でも、アギトでもない」
 隣のビルの屋上から様子を眺めるのは水のエルであった。
 偶然にも南光太郎と同じビルに飛ばされた彼はしばらく様子を見ていたが、ジェネラルシャドウ、カリスという闖入者を受け、素早く隣のビルに移ったのだ。
 それにしても実に珍妙だ。アギトという異端のものを滅し、主の愛する人間だけの世界に戻すことが我が使命。
 だが、ここには人間でもアギトでもない者が大勢いる。あやつらも滅するべきなのか?
 ひとしきり考えた後、水のエルはとりあえず無視することにした。
 自分の使命はアギトの種を持つものを殺すこと。それ以上でもそれ以下でもない。


 ジェネラルシャドウは適当な建物へ入ると腰を下ろした。 
 その白いスーツには微塵の汚れさえない。当然だ。シャドウ分身でふたりに分かれた時、既に3人に分かれていた。
 カリスが狙ったふたりはどちらも虚像。ダメージはない。しかし、その表情には疲労の色が色濃くにじむ。
 エネルギーの消費が激し過ぎる。
 これからは更に慎重にことを運ばなければならない。連戦は禁物だ。
 なんにせよ次の行動は決まっている。スペードのAとクラブの8を探すこと。彼らと接触することは必ず俺にプラスに働くと出ている。
 少し休んで、捜索に向かうとするか。と、その前に。
 ジェネラルシャドウは自分に渡されたディパックの中身を探る。自分の手札を確認することはゲームの基本中の基本だ。
 改めて確認したディパックの中にあったのは地図と名簿、方位磁石に食料。そして、
「これは……なるほど、やはりジョーカーとの戦いは避けられぬようだ」

 ジェネラルシャドウの支給品はラウズカード。

 ハートの10 ハートのJ ハートのQ ハートのK


【南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:黎明】
【現在地:市街地D-4】
【時間軸:第1話、RXへのパワーアップ直後】
【状態:気絶。でも健康】
【装備:なし】
【道具:カラオケマイク】
【思考・状況】
1.気絶中につき思考停止。
【備考】
黒幕はクライシス帝国、神崎はその手の者であると勝手に確信している。
参加者名簿は未確認。


【相川 始@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:黎明】
【現在地:市街地D-4】
【時間軸:本編後】
【状態:腹部に切傷】
【装備:ラウズカード(ハートのA、2、5、6)】
【道具:未確認】
【思考・状況】
1.ジェネラルシャドウを含め、このバトルファイトに参加している全員を殺す。
2.この戦いに勝ち残り、剣崎一真を蘇らせる。


【ジェネラルシャドウ@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:黎明】
【現在地:市街地E-4】
【時間軸:37話前後】
【状態:健康】
【装備:シャドウ剣、トランプ内蔵ベルト】
【道具:ラウズカード(ハートの10、J、Q、K)】
【思考・状況】
1.スペードのA、クラブの8が暗示するものを探す。
2.ストロンガー、ジョーカーを倒す。
3.他の参加者は手段を選ばず殺す(マシーン大元帥優先)。


【水のエル@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:黎明】
【現在地:市街地D-4】
【時間軸:アギト43話、敗北後】
【状態:健康】
【装備:怨念のバルディッシュ】
【道具:オルゴール付き懐中時計】
【思考・状況】
1:アギトを抹殺する。
2:アギトを抹殺することができれば、誰が勝とうが、自分が死のうがどうでもいい。ただし、邪魔する奴は容赦しない。

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最終更新:2018年03月24日 09:57