瞳を逸らさず
「……よっと。」
シャドウは眠ってしまった冴子を助手席に座らせる。
何の気なしにシャドウは睦月の方を向いた。
「おい……ここは一体何エリアだ?」
いきなり睦月が震えた声で聞いてくる。
「D7エリアだが・・・・・・どうしてそんな事を聞いたんだ?」
「……ウワァァァ!!」
突如睦月は声を上げ、方向を急転換させた。
「おい、落ち着け!一体どうしたというんだ!」
突然の奇行に、シャドウは声を上げた
一方の睦月は、この場所について一切動じないシャドウに苛立ちを覚えていた。
「放送を聞いてないのか!ここは今朝七時、既に禁止エリアになっているんだよ!」
「何を言っている、七時に禁止になったのはA1エリアだろう!」
「何だって!?」
シャドウのその言葉に睦月は自分の耳を疑った。
「それって……どういう……」
「聞いたとおりの意味だ。」
明らかに驚いた顔をする睦月に、淡々と言うシャドウ。
「ま、とりあえずジャークには伝えておくがな。」
そう言ってシャドウは奥へと引っ込んでしまった。
「………ッッ!」
シャドウの姿が奥へと消えた後、睦月はある事を考えた。
(確かに
キングはD7エリアが禁止エリアだと言った。)
キングの言った言葉は今でも耳に残っている。
ここに来てはじめて死の恐怖を味わった瞬間でもあるからだ。
だからこそ、自分はそれを信じて進んできた。
(だがシャドウはA1エリアが禁止エリアだと言った。)
二人の間に生じる食い違い。
もう一度
キングの言った事を思い出す。
『何か珍しいものをレンゲルがもっていたら、トレードしてあげるよ』
キングはそう言って言葉巧みに自分をゲームに乗せた。
今考えれば、
キングが約束を守るとは限らない。
彼は仮にもアンデッド。しかもカテゴリー
キング。
その気になれば、今生きている参加者の何割かを殺すのだって可能なはずだ。
最強のライダーである自分でも、生身を襲われたら勝てるかどうかわからない。
ならば、どうしてのあのとき自分を倒さずにゲームに誘ったのか。
それは別に考えがあったという決定的な証拠。
そして、シャドウには今の自分を騙す理由がない。
これから導き出される結論は――――。
「あいつ……この俺を騙しやがったな……」
そう。
キングは、自分に対して嘘をついた。
言いようのない怒りがこみ上げてくる。
もう、許さない。
例え約束どおりラウズカードを持ってきたとしても。
今すぐ
キングを倒したい。
自分をコケにした
キングを倒したい。
これまで感じたことの無い憎悪が睦月を支配する。
今、車を運転していると言う事さえ忘れさせるほどに。
「……しまった……」
いくら倒したくても、場所がわからない。
深く考え込むと、睦月はある事を思い出す。
『3回目の放送までにH3の遺跡付近で待ってるよ』
そうだ。確か
キングは場所を指定していた。
丁度方向は今向かっている場所と同じ。
場所が近づいたらそこで降ろして貰えばいい。
睦月はとりあえず安堵する。
そして憎悪は、心の奥底に沈んでいった。
―――睦月は気付いていなかった。
―――その憎悪こそが、カテゴリーエースの欲しているものだということに。
◆
「ジャーク、ちょっといいか?」
シャドウが衝突に口を開いた。
禁止エリアの件を伝えるためだ。
「ん?何事だ?」
ジャークが近づき、話を始める。
ガライは、壁に寄りかかって目を閉じている。
起きてはいるようだが、ほとんど何のアクションを起こさない。
その中で、
リュウガは脱出の考えを練っていた。
(睦月とあの女は前に居るからいいとして……。)
頭を上げガライの方を見上げる。
(こいつは確かに強いが頭に血が上りやすい、扱うのは簡単だろう。)
ちらりとジャーク将軍とシャドウのほうを見る。
(問題なのはこの二人だ。一人一人なら何とかなるかもしれないが、二人同時だと流石にまずいな。)
リュウガが頭を捻っていると―――。
「ちょっと!返事位しなさいよ!!」
「……おわッ!?」
甲高い小沢の叫びで無理矢理現実に戻される。
深く考えすぎて呼びかけられていることに気付かなかった。
「いつまでボサッとしてるの?さっさと始めるわよ。」
「……どういうことだ。」
小沢の余りに突拍子もない発言に、
リュウガの頭には疑問符が飛び交った。
「あなたが戦うの。あいつらに一泡吹かせてやるのよ。」
作戦を語る小沢の目は、とても生き生きとしていた。
「だが、こんな状態ではどうにも・・・・・・。」
「あら、もう紐は解けてるわよ?」
……は?
一瞬、
リュウガは小沢の言っていることが理解できなかった。
「よく見てみなさい。」
「……!」
小沢の言うとおり、いつの間にか手を縛っていたロープは解けていた。
「一体、どうやって……。」
「あれくらい、根性があればどうにでもなるわよ。」
すぐに答えを返してきた小沢に、
リュウガは心底呆れた。
「こんなもの、目隠ししてだって取れるわよ。それと……ハイ、これ。」
「これは……」
「カードデッキ。あなたが持ってたカードは中に入れておいたから。」
「…………どうやって取った?」
嬉しい反面、
リュウガは素直に
小沢澄子と言う人間に驚いた。
「そこに置いてあったわ。まだ変身は出来ないだろうけど、持ってなさい。」
「………流石だ。」
リュウガがカードデッキに向かって手を伸ばすが、小沢はその手を掴み、呟く。
「約束して。城戸君の分も生き延びて、必ずこの戦いをぶっ壊すって。」
この答えに意味はない。なぜなら何が帰ってくるかがわかっているからだ。
少しの沈黙の後、返事が返ってくる。
「……勿論だ、俺は約束した。ひよりを守り抜くと。」
期待通りの答えを聞くと、小沢が少しだけ満足げな表情を浮かべた。
「OK、それじゃあ手筈通りにね。」
◆
「ねぇあなた。」
小沢がガライに向かって話しかける。
「……何だ。」
うまく話しに乗ってくれた。ここまでは作戦通り。
「少しは動いたらどうなの?ずっと同じところに居て目障りったらありゃしないわ……あなた人形?それともマネキンか何か?」
「……………………っ!」
小沢は口から出るままにガライを煽る。
見る見るうちにガライの頭に血が上っていく。
「それに何?その耳飾おしゃれのつもり?悪いけどぜんぜん似合ってな……!」
「貴様……頭に乗るなよ……」
ガライが小沢の胸倉を掴み上げる。
「…………今よ。」
不適に笑い、小沢が短く呟く。
「ハァッ!」
同時に、ガライ目掛けてすばやく
リュウガが足払いをした。
「……!?」
その顔に驚愕の色を浮かべるガライ。
「……フン!」
ガライが体制を崩している間に、人間で言う鳩尾の所に素早く拳を叩き込む。
予想外の攻撃を受けたガライは、そのまま眠るように気絶した。
「……凄いわね。お見事。」
「お陰様で。」
小声で驚きの声を上げる小沢に、相槌を打つ。
「待て。」
臨戦体制に入るシャドウをジャークは静かに下がらせる。
「何故だ。一人より二人の方が……」
「お前は先程の戦いで体力を消耗しすぎている。」
シャドウは反論するが、短く切り捨てられてしまう。
「……大丈夫だ。変身は出来ずとも、生身の人間に遅れは取らん。」
余りに自信に満ちた言い方に、シャドウはもう言うことが無くなってしまった。
「……わかった、俺は手を出さん。だが、負けるなよ。」
「フン、余を誰だと思っている?クライシス帝国最高司令官、ジャーク将軍ぞ!」
背中越しに聞こえるその声は、とても威厳に溢れていた。
「おい、御託は終わったか?」
声がする方に顔を向けると、
リュウガが武器を構えて立っていた。
その手に握られているのは装甲声刃。
ガライに支給された、鬼戦士を強化する武器。
「そう急かすな、どうせすぐに終わるのだからなァッ!」
刹那――――ジャーク将軍が
リュウガの頭を掴み、床に叩きつけた。
じたばたともがく
リュウガを静かに見下ろす。
「安心せい、苦しむのは一瞬だけだ。すぐに――――」
ジャークは
リュウガを砕かんと杖を振り上げる。
「あの
天道総司の元へ送ってやる!」
「!?」
間一髪、頭すれすれで杖はGトレーラーの床を貫いた。
「おい、今なんて言った!」
リュウガは感情のままに疑問をぶつける。
「ウヌ、まだ言っていなかったか。
天道総司は死んだ。」
「そんな……天道君が……」
小沢が消え入りそうな声を上げる。
「グゥッ!」
突所ジャーク将軍が苦しそうな声を出した。
見ると、
リュウガの足が的確にジャーク将軍の後頭部を捉えていた。
「決まった、これでますます死ねなくなった。」
ジャークから開放された
リュウガが改めて決意を新たにする。
装甲声刃で切りかかるも、ひらりと身をかわされてしまった。
「ここでは戦うにはちと狭いな……ついて来るがよい!」
言うが早いか、ジャーク将軍は後ろの扉を開けて天井へと姿を消す。
リュウガもそれに続いて上ると、ジャーク将軍は悠然と立ちはだかっていた。
「さぁ、始めようではないか。」
ジャーク将軍が楽しそうに語りかける。
「……此方から行くぞ!」
いきなり、
リュウガはジャーク将軍に向かって蹴りを入れる。
「ハァッ!」
が、その蹴りはその腕によって止められてしまった。
「そちの力はその程度か?」
ジャーク将軍があざ笑うように言う。
だが、本当の攻撃はここからだ。
右足を掴ませたまま、それを軸にして左足をジャーク将軍の即頭部へとめり込ませる。
「グォッ……」
軽い脳震盪を起こすジャーク将軍。
その隙に
リュウガはジャークの手から脱出する。
「誰の力がこの程度だって?」
リュウガが軽い皮肉を込めて呟く。
「これは失礼した、その力本物のようだな。」
その口調は落ち着いているが、仮面の下の目は反撃のチャンスを伺っている。
一触即発の空気が張り詰めた、その時、
ピ~ン♪ポ~ン♪パ~ン♪ポ~ン♪
場違いな音が天から鳴り響く。
一瞬、二人の意識がそちらへと向けられる。
今日三回目となる、放送の為だ。
その内容は、ジャーク将軍にとって衝撃的なものだった。
それもそのはず。死んだはずの人間が、今目の前に立っているのだから。
「馬鹿な!?
城戸真司が死んだだと!ならばそちは一体……」
ジャークは困惑の色を浮かべるが、次の一言によって全てを悟った。
私たち、一人参加を隠している人がいたのです。
「そうか……そちが神崎の手の者、ジョーカーだな?」
「元……だがな。」
ジャークは、その一言で自分の考えが正しいことを確信する。
「一応名を聞いておこう、そちの名は?」
「……
リュウガだ。」
その会話が合図となり、互いに獲物を構えて走り出した。
装甲声刃とジャークの杖が交わり、互いの体に衝撃が走る。
鍔迫り合いの最中、ジャークが話しかけてきた。
「一つだけ聞かせて貰おう!
リュウガよ、そちが
城戸真司でないのなら、そちは一体何者だ!」
その問いに、
リュウガは短く答える。
「……俺は俺さ。五十ニ番目のライダー、
リュウガだ!」
会話を済ませると、両者同時に飛び退く。
「中々やるようだな……ならばこれはどうだ!?」
言葉と共にジャーク将軍のマントが伸び、視界を覆う。
そのマントが晴れたとき、其処には誰もいなかった。
「……何処だ!?何処に居る!!」
周りを見渡すも、その姿は見えない。
すると、後ろから声がする。
「後ろががら空きだ!」
しまった――――――――!
リュウガが反応する前にジャーク将軍の攻撃が決まる。
ガンッ
小気味よい音を立てて、杖が左腕に命中する。
「グァァァァァァッ!!」
叫び声を上げ、その場に蹲る
リュウガ。
右手で左腕を押さえる。
「どうだ、折れるまではいかなくとも、しばらくは動かんはずだ。」
ジャークが杖を構えながら歩み寄ってくる。
それは、
リュウガ自身が一番理解していた。
ヒビが入った状態で、無理に動かせば骨は簡単に折れてしまう。
(ここまでか……………ッ!)
リュウガまで後数歩という所まで近づいたとき――――。
ガタン!
Gトレーラーが大きく揺れる。
あわせて、ジャーク将軍の体が揺らいだ。
「おっと……」
瞬間、ジャークにわずかな隙が生まれる。
その隙を
リュウガは見逃さなかった。
「ッハァ!」
最小限の動作で足払いをし、態勢を崩させる。
「グゥ……」
ジャークが鈍い声を出す。
一瞬だけ怯んだ隙に懐へ――――。
「ゼヤァァァァァァ!」
「グゥオッ!」
カァンッ!
甲高い音が鳴り響き、装甲声刃がジャークの杖を下の扉に弾き飛ばす。
「……チェックメイト、だな。」
装甲声刃を構え、
リュウガはさっきまでとは打って変わってじりじりと迫っていく。
一方、ジャークはどんどん追い詰められていった。
「……!」
突如ジャークが何かを察知したらしく、下へと飛び降りる。
「待てッ!」
リュウガもそれに続き屋根から飛ぶ。
――――その時だった。
「グァァァァァァッ!!」
刹那、風の様に現れた黒い影が
リュウガを外へと突き出す。
腹に当たったものはレンゲルラウザー。
それを持っているのは、生身の睦月だった。
「ム、よくやったぞ睦月!」
それを見たジャークが賛美の声を上げる。
ジャークはこれを見越して飛び降りたのだ。
「………クッ!」
間一髪、扉を掴むことが出来た。
足がうまく地面を蹴れずに時折浮くが、この際しょうがない。
「さっさと落ちろッ!」
睦月がレンゲルラウザーで執拗に攻撃を加えてくる。
何度も、何度も。
「……しつこいんだよッ!!」
一際強い一撃が額に直撃した。
「グアッ…ッ!」
額から暖かいものが流れる。
頭で考える前に、目の中に流れ込んで広がる赤い色が、血だと教えてくれた。
「……ウォォォォッ!」
一瞬でハッチから手を離し、レンゲルラウザーの刃部分を掴む。
そのまま腕の力だけで跳ね上がる。
そして、その勢いで睦月の眼前に向かって――――――。
「……グァッ!」
――――――有りっ丈の力で、頭突きを食らわせた。
「……このォッ!!」
睦月は
リュウガ目掛けてレンゲルラウザーの刃を突き出してきた。
(当たった――――!)
その手ごたえで確信する睦月。
――――それはYESであり、NOだ。
確かに刃は、
リュウガの手のひらを的確に捉えていた。
だが、
リュウガは意にも介さず、刃に握力を掛けていく。
どんどん刃が手に食い込んでいき、その手からはダラダラと止め処なく血が流れていく。
バキッ、と耳障りな音を立てて、レンゲルラウザーの刃はあっけなく砕けた。
その間にも
リュウガの手からはぽたぽたと血が流れ、床に小さな水溜りを作る。
「……ヒィッ!」
余りの出来事に、睦月は腰を抜かした。
額から血を流しながら、頭突きを食らわせてくる。
そして尚、幽鬼のように立ち上がり、こちらににじり寄って来た。
その様を見て、ジャーク将軍は無意識のうちに呟いた。
「……何という執念……」
―――執念。
今
リュウガは、恐ろしいまでの執念の力で立っていた。
例え体の至る所に傷を負っていようが、だ。
「ウワアアアアアッ!」
怯えた睦月は無茶苦茶にラウザーの刃を振り回す。
が、刃は皮膚の表面や服を切るだけでなかなか当たらない。
「当たれ!当たれよォッ!」
其の思いとは裏腹に、刃は虚しく空を斬った。
「ええい、埒が明かぬ。シャドウ!烈斬をくれ!」
言葉と同時にジャーク将軍は手を出してくる。
「ん……あ、ああ……」
言われたとおりに烈斬を投げ渡すシャドウ。
――――――どうしてこの時やるべき事をせずに此処で止まっていたのだろうか。
この事を、後にシャドウは後悔することになった。
「これで、終わりだッ!」
烈斬を片手にジャーク将軍が叫ぶ。
ズブッ。
肉に硬いものがめり込む音。
刃が腹部を突き刺したのだ。
額だけでなく、口からも血が溢れる。
「ッ……」
一瞬、意識が飛ぶ。
だが、死んだ天道と城戸の顔が頭をよぎり――――――。
「ウォオォォォオォオオォッ!!」
渾身の力を込めて、烈斬に装甲声刃を叩きつけた。
バキィッ!
音を立てて、真っ二つに折れる烈斬。
「クッ……」
今の一撃で、
リュウガは限界を感じる。
「フンッ、落ちろ!」
リュウガに―烈斬を捨てて杖に持ち替えた―ジャーク将軍の一撃が決まる。
――
リュウガが、ここまで傷を負っていなければ、或いは避けられたかも知れない。
だが、体中ボロボロの今の
リュウガにとっては、避けるのは愚か攻撃するのも無理難題と言う物だった。
「ッ、アァアァァアアアァアァ!」
ついに車体から投げ出された。
体が宙に浮き、薄暗くなった空が視界に入る。
遠ざかっていくGトレーラー。
リュウガの目には、それがまるでスローモーションのように見えた。
(天道、城戸――――――)
再び、二人の顔が頭に浮かぶ。
(――――――今回は、助けられたな。)
朦朧とする意識の中で、
リュウガはそんな事を考えていた。
「リュウガーっ!」
朦朧とした意識の中、声が聞こえてきた。
声のした方を向くと、小沢が何かを持っている。
そしてそれを投げつけ、
リュウガは無我夢中で掴む。
視認する暇もなく、地面に転がり込んだ。
「それを持って、みんなのところに戻って!」
小沢が叫ぶ。それに答えるが如く、
リュウガは右手を天に掲げた。
「……おい!今何を投げた!?」
「まぁ、待て。何を渡したかは大体見当がつく。」
我に返った途端、すぐにでも掴みかかりそうな睦月を、ジャークは静かに押さえる。
「……フン。」
「慌てずとももうすぐ研究所につく。我等以外にここが研究所だと知るものは居ないから、先を越されることもなかろう。」
地図を広げて、確認する様に指さす。
――――その指の先にはJ3エリアの廃屋を指していた。
「そして、こいつに首輪を外させる。」
小沢の顔を見て、ジャーク将軍はにやりと笑う。
「そうすれば、この面倒な制限ともおさらばよ!ハハハハハハ!」
すっかりご機嫌になり、大声で高笑いを上げた。
その高笑いの脇で、浮かない表情をした者が二人。
「あなた……気付いてる?」
「………ああ。」
小沢がシャドウに話しかけ、答える。
「どうしたのだ?言いたいことがあるのならいってみよ。」
その様子に、ジャークが尋ねた。
「……あー、つまり、その……」
狼狽ながら目を逸らすシャドウ。
やがて意を決したらしく、小沢が口を開く。
「……今……」
「…………今、このGトレーラーは誰が運転しているの?」
言ったそばには、溜息をつくシャドウの姿。
ジャーク将軍と睦月が顔を見合わせる。
「「……あ。」」
――――――運転手のいないGトレーラーが木にぶつかったのは、その直後。
【
小沢澄子@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:G3-X完成辺り。
[状態]:多少の打撲と火傷。
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:城戸を救えなかった後悔。
2:首輪の解析(道具と仕組みさえ分かれば分解出来ると考えています)
3:天道の死に悲しみ。
4:ザビーゼクターを修理する(パーツと設備、時間さえあればザビーゼクターを修理可能だと考えています)
5:Gトレーラーをもうちょっと大事にしてほしい。
6:神代に怒り。
[備考]
※1:クライシスと神崎士郎が手を組んでいる可能性は低いと考えています。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【ジャーク将軍@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:ジャークミドラに改造後。
[状態]:頭部に中程度のダメージ。三十分変身不能。
[装備]:杖、変身後は大刀。
[道具]:支給品のデータブック(ハイパーゼクターを除く支給品のデータが記載されています)
ネタばれ地図。首輪(ヨロイ)。ライダーブレス(コーカサス)。変身鬼弦・音錠。
ハイパーゼクター。ベルト(カブト)。壊れたザビーゼクター。精巧に出来たモデルガン。
ディスクアニマル(ルリオオカミ、リョクオオザル、キハダガニ、ニビイロヘビ)
トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能)。3人分のディパック(ジャーク、グランザイラス、城戸)
[思考・状況]
1:睦月、お前という奴は……。
2:もうひとつの研究所(J-3エリア)へ向かう。
3:ラウズカードを集め、戦力の強化。
4:首輪の解析。
5:
上城睦月の闇を引き出す。
6:神崎士郎を殺し、脱出する。
7:RXを殺す。
8:
リュウガを始末する。
※1:ジャーク将軍は睦月より、ブレイド世界の情報と剣崎、始、橘、
キング、伊坂、北岡、
リュウガの情報を得ました。
※2:ネタばれ地図には支給品以外のラウズカードの隠し場所も書かれています。
※3:支給品のデータブックは、支給されたアイテムの効果が記載されています。
余裕ができ、中身を確認したのはGトレーラー内が初めてです。
各参加者の初期支給品も記載されています。
【ガライ@仮面ライダーJ】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:本編開始前。
[状態]:火傷(中程度。再生中)。 気絶中。三十分変身不能。
[装備]:ガライソード。
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ジェネラルシャドウからサタンサーベルを奪い、勝つ。
2:どんな手を使っても生き残る。
3:ジャーク将軍と協力して、首輪を解除する。
4:ついでに生贄を手に入れる。
5:神崎士郎は残酷に壊す。
6:脆弱な生き物と組むのは気に入らない。
7:さっさとこの首輪を外したい。
※折れた烈斬はD-7に放置されています。
【
上城睦月@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:本編後。
[状態]:背中に大火傷。頭部に打撲。その他、身体に軽傷多数。疲労困憊。
カテゴリーAに取り込まれかけています。三十分変身不能。
[装備]:レンゲルバックル。ラウズカード(スペードのJとQ、ダイヤの3とQ、クラブのA~6、10とJ)
ギャレンバックル。ラウズカード(ダイヤのA、2、5、6)
[道具]:配給品一式(橘)。Gトレーラー(G3ユニット、GM-01、GG-02、GS-03、GK-06、ガードアクセラー)
[思考・状況]
1:じ、事故った……。
2:ジェネラルシャドウからカードを奪う。
3:ジャーク将軍に対する僅かな信頼。今は言うことをきく。
4:自分を騙した
キングへの怒り。
5:ジョーカーを倒す。
6:橘さんが死んだ?
※1:睦月は橘を偽者だと思っています。
※2:睦月は無免許でGトレーラーを運転しています。
※3:レンゲルラウザーの真ん中の刃が砕けました。
※4:
キングとの約束のため睦月はH-3エリアに着くとGトレーラーを降りるつもりです。
※5:橘と戦ったことは忘れています。そのため、ジャーク将軍にもそのときのことは話していません。
ただし、何かの拍子に思い出すかも知れません。
【ジェネラルシャドウ@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夕方】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:37話前後
[状態]:多少の打撲と大火傷。三十分戦闘不能。
[装備]:サタンサーベル、トランプ内蔵ベルト
[道具]:ラウズカード(ダイヤの4、8。スペードの4。ハートの3、4、7、10、J、Q、K。クラブの7、Q、K)
麻生勝の首輪(但し、分解済)。配給品一式×5(シャドウ、ドラス、立花藤兵衛、麻生勝、天道)。
[思考・状況]
1:睦月を叱り付ける。
2:ジョーカーを倒す。
3:明日、ストロンガーと決着をつける。
4:情報収集のため、ジャークと情報交換。
5:スペードのA、クラブの8が暗示するものを探す。
※シャドウ剣はF2エリアの壁に刺さっています。
【
影山冴子@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:本編最終話あたり
[状態]:肩にかなりの深さの裂傷。睡眠中。三十分変身不能。
[装備]:オーガドライバー(オーガストランザー付属)
[道具]:首輪(
園田真理)。アドベントカード(SEAL)。配給品一式。
[思考・状況]
1:生への執着。
2:ジャーク将軍の下で、首輪の解除方法を探す。
3:あきらと巧に復讐。
※冴子は最初からずっと寝ていたので今回のことは何も知りません。
「クッ……」
一歩一歩足を出すたび、口から声が漏れる。
だが、今はそれに構っている暇はない。
じわりと熱を持つ腹部が、どんどん意識を蝕んでいく。
今は、それが足を動かす糧となる。
「待っていろ……必ず助けに向かうからな……」
転びそうになるが、その度に強く足を踏みしめ歩きだした。
(天道……見ていてくれ。お前の守ろうとしたひよりは、俺が絶対に守り通す。)
時折立ち止まり、今は亡き大切な仲間に思いを馳せる。
(……城戸。お前の死に際に立ち会えなかったのは残念だ。)
そして、ついに会えなかったもう一人の自分を想う。
(……だから、俺が何時かそっちに行ったとき。その時が、戦いの時だ。)
顔を上げ、再び戦う決意を固める。
こんな所で死んでたまるか。
一刻も早く仲間の下に辿り着き、この戦いを終わらせる。
その信念だけが、今の
リュウガを突き動かしていた。
龍は進む。助けを待つ仲間のために。
龍は進む。守るべき者を守るために。
(それまで、これは俺が使わせてもらうぞ。)
その手の中に、二つのカードデッキを持ちながら。
【
リュウガ@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地D-7】
[時間軸]:劇場版登場時期。龍騎との一騎打ちで敗れた後。
[状態]:体の所々に負傷。特に背中。応急処置済み。左手の骨にヒビ。額、腹部、右掌から流血。かなりの疲労感。三十分変身不能(
リュウガ)。
[装備]:カードデッキ(龍騎)。カードデッキ(
リュウガ)。装甲声刃。
[道具]:なし
[思考・状況]
1:皆の元に戻り、一刻も早く小沢を助ける。
2:必ず生き残り、バトルロワイアルを終わらせる。
3:自分の今の感情の名を知りたい。
4:天道の遺志を継ぎ、ひよりを守るために戦う。
5:神崎に反抗。
6:城戸の死んだ現場に行きたい。
[備考]
※1:ドラグブラッカーの腹部には斬鬼の雷電斬震の傷があります。
※2:コンファインベントは
リュウガのデッキに組み込まれました。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
※Gトレーラーは、前方部分(運転手側)を破損しました。再び同程度の衝撃を同じ場所に受けると動かなくなる可能性があります。
最終更新:2018年11月29日 17:45