地獄から来た恐竜野郎 ◆KZsK6H.L4U
深遠の闇の中で、アバレキラー・仲代壬琴は目を覚ました。
自分は確かに、一度死んだ。だが、今こうして金髪の男が言う「殺し合い」
の舞台に立たされている。
見知らぬ者ばかりの、集まりを出て仲代は広大な異世界へ放り出された。
「この俺が・・・ゲームの駒だと?ふざけやがって・・・」
あくまで冷徹に、怒りを内に秘めて呟く。月明かりが、それを嘲笑うように光り輝くのを見あげながら。
不意に地面を見る。1枚のコインが月明かりに照らされて輝くのが見えた。
仲代はそれを拾い上げ、爪で弾きながら宙に投げ飛ばす。
それをキャッチし、また投げる―
「賭け、をするか。」
表なら、殺し合いに乗らずゲームマスターを殺す。
裏なら・・・殺し合いに乗ってゲームマスターも殺す。
「さぁ・・・どっちだ?」
コインが宙を舞い、そそれが手に戻ろうとする。
手の中にある、今のコインは”その時は”確かに裏を向いていた。
だがその時、後方からの不意の衝撃に仲代はバランスを崩し倒れてしまった。
――――――――――
「いたたた・・・一体何なのよさっきからぁ~!!
変な金髪に殺し合いしろとか、そんなの給料の中に入ってないわよ!!
でも・・・これって労災降りるのかしら?」
仲代が顔を上げると、そこには尻餅を付いて倒れこんだ女の姿があった。
背はかなり高く、ショートカットでボーイッシュな姿が彼女の性格を物語るように思えた。
仲代が投げたコインは、何とか彼の手に納まり運命を変えていた。
彼がそのコインを見た時、コインは表側を向いていた。
彼女との不意の出会いが、彼自身のその後さえも変えてしまったのだ。
「お前・・・なんなんっ!?」
仲代が質問を終える前に、短髪の女・
志乃原菜摘は仲代の顔をまじまじと見つめ笑った。
「あなた、顔はちょっと悪人っぽく見えるけど・・・今はそんなことどうでもいいわ。
私は、この殺し合いになんか乗るつもりはないの。だから、あなたとも戦うつもりはない。これだけは分かって欲しいのよ、いいわね!?」
仲代が、コインを見つめながら面倒臭そうに頷く。コインで答えを出すというルールを決めた以上、それに従うのがゲームだ。
短髪の女は安心したように微笑むと、手を差し出した。
「私は、イエローレーサー。
志乃原菜摘っていうの。宜しくね!」
仲代は「やれやれ」と言った顔で菜摘の顔を見て、握手を平手で叩き返した。
「俺は、仲代。仲代壬琴だ。俺はアバレ・・・」
仲代が全てを言い終える前に、菜摘が更に言葉を返す。
「アバレ・・・アバレーサーってのはどう?カーレンジャー7人目の戦士にして
あげてもいいわよ!?」
仲代は溜息を吐きながら、女の後を着いて行く。
(何なんだこの女は・・・まぁ、いい。殺し合いに乗らないなら乗らないなりに
楽しみ方はある。それに、あの男の好きなようになるのも気に食わないしな。)
女のペースに振り回される中でも、仲代のゲームマスターとしてのロンへの
対抗心が静かに燃え上がっていく。
―ゲームをするのなら、駒選びには用心しろ。ゲームマスター、お前を倒すのは、俺だ―
「・・・ときめくぜ。」
転生した戦士、アバレキラー改めアバレーサーの白いコートが夜風に翻る。
運命とは、どう転ぶのか・・・1秒先まで分からない。
【名前】仲代壬琴@爆竜戦隊アバレンジャー
[時間軸]:ファイナルアバレゲーム 死亡後
[現在地]:J-10採掘場 1日目 黎明
[状態]:健康、ゲームの駒にされた事による静かな怒り
コイン占いにより殺し合いには乗らないと決める
ロンを倒し、このゲームを破壊する
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考]
基本方針:殺し合いには興味ない。ゲーム(殺し合い)の頓挫を狙う。
第一行動方針:
志乃原菜摘と共に行動。現状を把握する。
第二行動方針:西へ移動
【名前】
志乃原菜摘@激走戦隊カーレンジャー
[時間軸]:最終回終了後
[現在地]:J-10採掘場 1日目 黎明
[状態]:健康、出会った謎の男(仲代)と共闘の意志の確認
とりあえず、仲間を集める
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考]
基本方針:殺し合いには乗らない。仲間を集めて状況を打開したい。
第一行動方針:仲代と共に行動。仲間(
陣内恭介・
シグナルマン)を探す。
第二行動方針:西へ移動
最終更新:2018年02月11日 01:14