デストロンライダーマン
「
結城丈二」
俺の名前が呼ばれた。50人程いたこの部屋も残るは俺と、神崎士郎、そして……
「早く行ったらどうだ
結城丈二ぃ」
ヨロイ元帥!この男だ。
「ヨロイ元帥、お前がどうやって蘇ったのかは知らない。だが、何度蘇ろうとも仮面ライダーとして、俺がお前を倒す」
「蘇った?何のことだ。それにお前が仮面ラーイダとは何の冗談だ」
そう言い捨てるとヨロイ元帥は俺を嘲笑する。だが俺は、そんなヨロイ元帥の態度にふと違和感を感じる。このヨロイ元帥の反応、何かがおかしい。
「無駄話はそこまでだ。お前も行くがいい」
神崎が俺にディパックを投げつける。その瞬間、俺の体は光に包まれ、霧散した。
「ここは?」
俺の目の前に広がるのは荒野。目ぼしい障害物はなく、それでいて、俺のいる場所を見下ろすことができそうな丘がある。
まずい。早くここから離れなければ。俺のような後続組みが一番気をつけなければいけないのは……
「アーバラーーー」
待ち伏せだ。俺は自分の勘に負かせ、素早く右へと飛ぶ。その瞬間、今まで俺がいたところに一筋の閃光が走った。ドガガという爆音と共に閃光が大地をえぐる。
「わしの攻撃をかわすとは少しはやるようだな」
高台の丘から青い甲羅に包まれた蟹の化け物が現れる。頭にセットされたレーザー砲と、手にもつ巨大な斧と盾。カニレーザー、ドクトルGか。
「同じデーストロンのよしみだ。楽に殺してやる」
「ふざけるな。……ヤー!」
俺の叫びと共に右手に仮面が現れる。それを被ることで俺の腕が、脚が、戦士の姿へと変わっていく。
復讐のために誕生し、正義の大切さを知り、仮面ライダーとなった戦士、ライダーマン。
「ヌォ、お前も変身できるのか?」
「問答無用だ、いくぞ!」
カートリッジを右腕にセットすることで俺の右腕が武器へと変わる。
「ロープアーム!」
俺の声に応じて発射されたロープがカニレーザーの脚を捉えた。そして、俺は渾身の力を込め、ロープを引っ張る。
「ヌワァァ」
バランスを崩したカニレーザーは体勢を崩し、丘から滑り落ちる。
「次はこれだ、マシンガンアーム!」
今度は腕をマシンガンに変えた俺はカニレーザー目掛けて、銃弾を撃ち放った。
ダダダダダッ!
後々のために弾は節約したいところだが仕方ない。相手はデストロンの大幹部、全力で戦わなければ負ける!
ダダダダダッ!ダダダダダッ!ダダダダダッ!
「アバラーー、その程度の攻撃でわしが倒せると思うのか」
カニレーザーは盾を構えると猛然と突進してくる。馬鹿な、効いてないのか!?
「フン!」
一瞬で俺との間を詰めたカニレーザーの斧が俺の体を薙ぎ払う。たちまち俺を身体は宙に舞い、地面へと叩きつけられる。
つ、強い……さすがデストロンの大幹部。一筋縄ではいかないということか。
「少しはやるようだが相手が悪かったな」
カニレーザーは倒れ伏す俺に近づくと、首筋に巨大な斧を当てた。こ、ここまでか。
「とどめだ!」
俺は自分の死を覚悟した。だが、斧は振り下ろされなかった。
「と、言いたいところだが、その力、惜しい。どうだ、わしの部下になるというのは?」
「何?」
「
結城丈二。噂は聞いている。我がデーストロンの有能な科学者のトップに立つ男。その忠誠心から首領の信頼も厚く、将来は大幹部への昇格も噂される。
わしとて馬鹿ではない。これだけの人数、あのラーイダV3いるというのに、たった一人で勝ち抜くのは非常に困難だ。だが、幸運にも我らデーストロンは3人もいる。
偉大なる首領のためにも我らデーストロンは勝ち抜かなければいけない」
なんだ?こいつは俺が仮面ライダーとは知らない?……そうか、ヨロイ元帥の時に感じた違和感はこれか。よし。
「なら、何故俺を襲った?」
「試したのだ。単なる足手まといは必要ないからな。だが、お前はある程度の戦闘力もあり、十分な頭脳もある。さあ、どうする?」
「俺の答えは決まっている」
そう決まっている。そういう状況なら俺にとっては好都合だ。
「わかった。デストロンの勇者ドクトルGになら仕えるのも悪くない。デストロンのため、首領のため、協力しよう」
「ふふっ、ものわかりがよくてなによりだ。期待してるぞ
結城丈二」
俺とドクトルGはお互いに変身を解くと、ドクトルGが見つけたという隠れ家へと歩き出した。
ヨロイ元帥たちは蘇ったわけじゃない。生きていた時間から連れ去られたんだ。
【
結城丈二@仮面ライダーV3】
【1日目 現時刻:深夜】
【現在地:採掘場D9】
【時間軸:仮面ライダーBLACKRX終了後】
【状態:健康。終盤までいたため、出発時の状況から参加者の性格を若干把握しています。】
【装備:カセットアーム】
【道具:トランシーバー×3(現在地から3エリア分まで相互通信可能)】
【思考・状況】
1:現在置かれている状況を調査し、脱出方法を探る。
2:同一時間軸から連れて来られたわけではないことを理解。ドクトルGを利用することを模索。
3:ヨロイ元帥を倒す。
【ドクトルG@仮面ライダーV3】
【1日目 現時刻:深夜】
【現在地:採掘場D9】
【時間軸:死亡後】
【状態:致命傷ではないが、マシンガンアームの攻撃を受け、傷を負ってる】
【装備:斧、盾】
【道具:ラウズアブゾーバ】
【思考・状況】
1:デーストロンのため、絶対に勝ち抜く。
2:
結城丈二を全面的に信頼しているわけではないが、勝ち抜くためにしばらくは共闘しようとしている。
3:ヨロイ元帥を探す。
最終更新:2018年03月22日 23:15