■基本的な造形に問題は殆ど無いが、劇中のシルエットと異なる背部装甲の展開位置、ザビーゼクターの翅のギミック省略など細かな部分のツメが甘い。気になる人向けの加工。最低限刃物と接着剤の使用が要求されるため、最低限ガンプラを説明書通りに作れる程度の慣れは必要かも。接着は原則瞬間接着剤を使用。足首に関してはライダー系BJ足首可動範囲拡大を参照。
ライダー系肩アーマー独立改造は実質セット扱い。
ライダー系肩アーマー独立改造は実質セット扱い。
これは劇中スーツのバランスに極力近づける事を目的としているため、元々の商品のスタイルやバランスが気にならない人には意味が無いかも。拘る人や、より良くしたい人向け。
■翅(背部装甲)のピンを移植する。
難易度:☆☆☆
単体改造では少々効果が薄い。加工する場合は後術のエフェクト着脱・胸部ボリュームアップを全てを行う必要あり。出来ればライダー系肩アーマー独立改造も施すと尚可。
①エフェクト付き装甲の軸を切り離す。ナイフで根元の全周に切り込みを入れてから指でへし折れば簡単。飛ばさないように注意。切り離した部分は多少変形して広がってしまう場合があるので、その場合はやすりで整ええると良い。気にする人は最後までナイフを使って切り取ると良い。
飛ばないようにするには両面テープをボール部分に巻きつけてから洗濯ばさみで掴む等工夫すればいい。
②ピンを移植する。移植場所は翅の根本、表側から見て丸いでっぱりのある方向で、元々ピンの生えていた部分から直線に移動させて接着するといい具合。なお、エフェクト付装甲のピンは傾斜が付いているので、移植の際に本来の向きとは逆(つまり翅の先端)側に傾斜を付けて接着すると、スーツと同じように正面に回り込むような角度で装着しやすくなる。
ただし、肩アーマー独立改造を施していないと干渉するため注意が必要で、外側に翅を移動する、という目的とは微妙に反するため(デフォよりは目立つが)ピンの向きは好み次第。本来の向きに傾斜を付けるとボールジョイントの受けが目立つようになるがさらに横に広がり、ピンを90度回す(翅の外側に傾斜するように向きを付ける)とピンが真っ直ぐ刺さっている時に装甲が前方に倒れるような形になる。
参考までに劇中のスーツは“前に回り込みつつ前方に倒れるように取り付けられている”ため、ピンの傾斜を逆向きにするか90度曲げるかのいずれかが再現しやすい。
ちなみに芯棒を通したり窪みを作らなくても高い所から落としたりピンにダイレクトに力を加えるなどしない限り、着脱程度の負荷ではそうそう折れないため心配はいらない。接着が甘かったり無理な力がかかって取れてしまった場合は、ラジオペンチなどで摘まんで外して、再接着しよう。ニッパーでも代用出来るが間違って切ってしまわない様に。それほど力はいらない。
これらの加工で、正面から見た時背部装甲の露出面積が増えるためスーツの印象に近くなる(この改造だけでは不完全気味なので、後述の肩アーマー加工が必要)。
未改造だとエフェクト付きでも殆ど目立たないが、この加工で正面から見てかなり目立つようになる。
フィギュアーツアレンジでは何故かエフェクトパーツはともかく翅自体が殆ど正面から見た時存在感が無くスーツと印象が異なるためそれを補う改造。ちなみに見える見えないは別としてこんな位置で翅を回転させてるのは筆者が知る限りフィギュアーツだけ。
デフォでも肩を一番上まで上げた状態だとそこそこ見えるため、肩アーマー独立改造で胴体に限界まで肩アーマーを密着する形で装着すればこの改造なしでも一定以上目立った形でいられる。
そのため拘る人向けの改造と言える。また、ピンを接着して移動しているだけなので、慣れてしまえば接着したピンを接着し直すことでデフォルトの位置に戻すことも出来る。
■エフェクトパーツ着脱改造
難易度:☆
①エフェクトパーツ付き装甲の合わせ目に精密マイナスドライバーの先端などを入れ、パーツを歪めないように慎重に抉る。
②エフェクトパーツを慎重に取り外す。接着剤は瞬着に近いのか外れる時はペキペキ言う。ちょっと怖いけど壊れたためし無し(3体ほど加工経験あり)
③エフェクトパーツが外れないようにしていたピンを綺麗に切り飛ばす。
④装甲を元通り合わせて接着する。
こうすれば差し込みでエフェクトパーツの着脱が可能になるので、エフェクトなしのHCU形態で飾りたい場合でも自由度の高いエフェクト付装甲を使用出来る。エフェクトが付けられない装甲はノーマル用と完全に割り切れるため、ポーズを付ける時干渉してイライラすることが少なくなる。
エフェクトパーツは割れやすいので注意。触っていると手垢などで汚れたり退色するのか色がくすむこともあるので、クリアーを吹いて保護しておくのも良いかも。
エフェクトパーツは割れやすいので注意。触っていると手垢などで汚れたり退色するのか色がくすむこともあるので、クリアーを吹いて保護しておくのも良いかも。
■ザビーゼクターの翅改造
難易度:☆☆(稼働を盛り込む場合は☆☆☆)
①アートナイフをゼクター本体と翅の間に当てて切断する。パーフェクトゼクター取り付けようのピンが邪魔になるのでピンが通る台座を用意するなどして安定させないと非常に危険。
別に動かなくて良い場合は立てた状態で接着して作業終了。
②切り離した翅をセロハンテープで位置がずれないように本体に固定(翅が後ろに倒れたデフォルト状態だとずれにくい)してからピンバイスで真横に本体ごと開口する。1mm推奨。
③はみ出さないように長さを調整した真鍮棒を通す。
これでガンモード時にサイトのように立てる事が出来るようになる。ナイフで切断すれば翅が自然と外側に広がるように変形するため(極々わずか)可動クリアランスの確保は不要。先に切り離すのはナイフで切断するため変形による破損を極力避けるため(先に穴を開けると粘りの少ないクリアーパーツだと割れてしまう危険が非常に高い)。
真鍮線は同径のプラ棒でも代用可能。
なお、撮影プロップではソードモード時に本商品の様に寝ているか、マスクドフォーム時の位置に倒れているか、設定通りに立っているかがシーンごとに異なって統一されていない。ただ、ガンモード時やゲームグラフィックではソードモードでも必ず立っているため、意識しておくと良いかも。最低でもここだけは手を加えておきたい場所。
■HCU時の胸部ボリュームアップ
難易度☆
①HCUモード用の穴の内、下のピンが入る穴を瞬間接着剤で少しだけ穴をきつくする。ピン側には絶対に接着剤を付けない、ピンの抜き差しが出来る程度の硬さにする。
以上。こうすると装甲が下のピンだけでも保持出来るようになるので上側のピンを差さなくてもよくなる。こうすると、スーツと同じボリューム感が出るだけでなく、HCUモード時に顎が装甲に干渉しにくくなって首を回しやすくなる。
さらに肩が干渉しにくくもなるため、ライダー系肩アーマー独立改造との相性が良くなり、背部装甲のピンを伸ばさなくても肩の自由度が上がる。
さらに肩が干渉しにくくもなるため、ライダー系肩アーマー独立改造との相性が良くなり、背部装甲のピンを伸ばさなくても肩の自由度が上がる。
横から見ると隙間が出来てしまうものの、実際のスーツでも結構隙間が見えるので再現といえば再現になる。穴をきつくした後仕様通りピンを奥まで差し込むと硬くなって抜けなくなり、破損の危険もあるため加工後は穴を緩くしない限り奥まで差し込まない方が良い。
下のピンを差しただけでも上側のピンが穴に引っかかるため装甲が簡単に回転することはない(下のピンの差し込みが甘いと触った時に回転する程度)。
下のピンを差しただけでも上側のピンが穴に引っかかるため装甲が簡単に回転することはない(下のピンの差し込みが甘いと触った時に回転する程度)。
■足りない彩色の追加と剥げた色の塗り直し
難易度☆
省略されていたり間違っている彩色を追加するだけ。かなり見栄えが変わる。ハイパーゼクター全般、パーフェクトゼクターの目と鍔とドレイクゼクターの先端、各手首が彩色追加。複眼は色を落としてから調色して塗ると良い(色の作り方はライダー系クリアアイ塗装方法のページ参照)。複眼の色を落として塗り直すのが面倒なら、表面から薄めたクリアグリーンを塗るだけでも良い。退色している場合はむしろ手を加えなくても良いかも。
面相筆は必須。
塗装はタミヤのアクリル塗料を推奨し、プロテクターの黒はフラットブラック、メタリックレッドは上塗りならクリアーレッド、下地も塗りなおすのならミスターカラーのスーパーシルバー下地にクリアーレッド、またはアクリルのシルバーにクリアーレッドを混ぜて下地を塗ってからクリアーレッドを塗ると良い。色味が異なるため自分が気に入った方を選ぶと言い。クリアーで保護しておくと汚れ難く変色もし難い。
ゼクターも基本はシルバー下地にクリア塗料(ザビーならイエロー、ドレイクはブルー)で構わないため調色は不要だが(レッドの2例目の塗り方ではシルバー混合の色を用意する必要あり)、サソードはシルバーに普通の(クリアーで無い)パープルを混ぜてからクリアーレッドを少量混ぜることで類似した色を作れる。クリアーパープルを作ってからシルバーを混ぜたりシルバー下地で塗っても同じような色にはならない(実証済み)。
塗料は基本的にアクリル推奨。
ラッカーは元々の塗装を溶かしてしまうので推奨出来ないが、シルバーだけはミスターカラー(ラッカー系)のスーパーシルバーを推奨する。発色に雲泥の違いがあり塗膜も強いため(元々の塗装は薄いのか弱いのか、かなり簡単に剥がれてしまうためポーズによっては干渉でガリガリ剥がれる)。また、筆者がアクリルのシルバーを塗ったところ塗料の金属粒子が後に浮いて他の部分を汚したためである。塗料の状態にもよると思われるが一応報告。