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銀の意志Ⅲ

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銀の意志Ⅲ ◆JvezCBil8U



『…………』

「嘘だとでも思うか?」

話を終えても反応がない相手に、軽い口調で話しかける。
とはいえ、その心配はあまりしていない。

『……いえ、こんな嘘をつくのはリスクが高すぎますからね、あなたがそうするとは思えない。
 それに、作り話にしては適度にあやふやで適度に的を射ています。
 これでもう少し設定を作り込みすぎていたり、あるいは破綻していたりしたら遠慮なく突かせてもらっていたんですが』
「それは怖いな。まあ、とっさの創作にしては中々上出来だと思わないか?」
『意地の悪い事を。
 僕があなたを歩さんだと指摘してからの僅かな間に作ったにしては真実味がありすぎますよ。
 ……やれやれ、どうやらあなたを歩さんだと認めざるを得ないようです』

呆れたような口調の相手は予定が外れて心外だとでも言いたげだ。
よほどこちらに対して優位に立ちたかったと見える。
仮定はどうあれ、相手に十分すぎるほどの信頼を与える事は出来ただろう。

『しかし、火澄氏の殺害には示威的なものを感じますね。
 “神”があなた達にとって火澄氏の死がどういう意味合いを持つのか知らなかったとは考えがたい』
「……やはり、あんたもそう思うか」

語調を切り替え、秋瀬或は歩から聞いた話についての素朴な疑問を口にする。
戯れ合いは終わりという事だろう。
歩もまた、自身と同じ結論に或が思い至った事に頷きを返す。

『当然です。しかし、僕にはその意味を推し量るだけの情報が足りない。
 どうです? 全てを語ってしまっては?』
「さあな」

もっと情報をくれという或に対し、素っ気無く返す。
どうやらまだ秘匿している情報があるのはバレているらしい。
自分たちがクローンである可能性や、それを通じて見える兄の目的などについては一切を黙秘している。
当然、個々のブレード・チルドレンの名前や人物評もだ。
ただ、殺し合いに乗っているか否かは別として、或なりに“神”について考えようとしているのは事実のようである。
とは言え、これ以上は流石に迂闊に話すわけには行かない。

と、クスクスと小さな笑いを見せて或はそれ以上追求しない。
最初から期待はしていなかったらしい。

『警戒する事はありませんよ、僕も引き際というものは知っています。
 それに、この情報は秘匿すべき類のものだ。
 とくにあなたを希望と信じている、つまり火澄氏の存在すら知らないブレード・チルドレンに聞かせたならば、彼らの暴走を招きかねません。
 そして、彼らが殺し合いに参加している可能性は非常に高い。
 どこから耳に入るともしれない以上、僕は誰にもこれを語るつもりはありませんし、聞きだすつもりもありませんよ』
「話が分かるな、助かるよ」
『いえ、ただのリスクマネジメントです。
 ……持っている情報から考えても、僕よりあなたの方がこの殺し合いの動機面に関して迫る事には適任そうですね。
 どちらかといえば論理――ロジックの分野ですから、そちらに関してはお任せします。
 僕は危険人物や首輪などについての、具体的な証拠のある目前の脅威の方が得意ですし』

意外な反応だった。てっきり自分で踏み込んでいくかと思ったが。
いや、所詮は口約束だ。おそらく今は、彼にとって直接的に利のある事をより優先させているだけだ。
秋瀬或ならば、言葉面ではこう言っていても彼なりのやり方で“神”について踏み込んでいくだろう。
……場合によっては、彼にもう少し詳しい事を話してもいいかもしれない。
ただ、今がその時でないことは確かだ。

『……そろそろこちらも改めて自己紹介させていただきましょうか。
 秋瀬或。そうですね、世界一の探偵を目指す前途有望な若者、と名乗っておきましょう。
 さて、早速ですがひとつ頼みがあります』

やはり食えない相手だ、と歩は苦笑する。
向こうがこちらを信じた事を示す意思表示として、堂々と頼み事をしてくるとは。
損して得取れを忠実に実行している。
おそらくその頼み事は、今度はこちらに向こうを信じさせる手段でありつつ、なおかつ向こうに多大なメリットがあるものだろう。

「まだ天野雪輝と未来日記のことについて聞いてないんだけどな。
 こっちが鳴海歩である事を示したら、話してくれる約束じゃなかったか?」

先約の確認をして、こちらのペースに乗せられないか試みる。
効果は期待していない。
あくまで単純に先方に唯々諾々と従いはしないという牽制だ。

『もちろんお話します。
 こちらの頼みというのは、まさしくその天野雪輝君と未来日記の話題の核心に関わる事なんですよ』

やはり思ったとおりの展開だ。
王道というのはいつも回避しづらく、そして存外重い。
多分、こちらが聞いてもいない情報まで教える代わりに、頼みを聞かせようとする算段だろう。

「……分かった、聞かせてもらおうか」
『――感謝します。
 頼みというのは他でもない、ガサイユノから彼女の未来日記――“雪輝日記”を手に入れてもらいたいのですよ』

“雪輝日記”――? と、口の中で反芻する。
今の言葉だけでも重要な情報が2つも手に入った。
一つは、ガサイユノも未来日記を持っていると言う事。
もう一つは、

「……やっぱり、未来日記ってのは複数あったのか」
『ええ、未来日記所有者は全部で12人。正確には11人+2人1組、ですね。
 その内、ガサイユノは未来日記所有者2ndです。
 彼女の持つ未来日記、“雪輝日記”の能力は無差別日記に比べれば遥かに弱い、と言っても過言ではありません。
 ですが、』

他の所有者について語るつもりはもちろんないのだろう。
しかし、未来日記の数が分かったのは収穫だ。
12〜13個。加えて+αがいくつか。
それだけの数の未来予知の出来る道具が、この会場内にばら撒かれている可能性がある。
相手の言動の内容を分析しつつ、言葉を区切った向こうの言葉の続きを促す。

「どうした? 秋瀬」
『歩さん、あなたは無差別日記の弱点をご存知ですか?』

唐突な問い。
それに対し、コンマ秒単位で答えを見つけ、口に出す。

「――そういう事か」
『ええ、そういう事、です』

雪輝自身の未来は予知できないと言う説明書き。
それは明らかな弱点であり、わざわざこの場でそれを持ち出すという事から導かれるのは実にシンプル。

「……“雪輝日記”、と銘打つだけあって、天野雪輝の予知に特化しているんだな?」

弱点をカバーできる能力についての説明でしか有り得ない。

『ご明察。彼女と話した事があるなら、どんな性格の持ち主かはおおよそ気付いているかと思います』
「……そうだな、言い方は悪いがストーカー気質、って感じだったな」

苦笑して同意する。
殺し合いも辞さず、雪輝のためならばなんでもする、といった印象だった。

『……気質、は付かないんですよね、異常なことに。
 まあ、雪輝君への想いだけは本物ですし、彼もそれを受け入れてしまいましたので元と付けるべきかもしれませんが』

絶句。

「あー……、なんだ。それは確かに警戒すべきだな」
『……言葉になにか実感が篭っていますね。女性関係で苦労しておいでで?』

おそらく天野雪輝は相当に苦労性だろう。
タイプこそ違えど、似たようなのに付き纏われている事から非常に彼に共感できる。
そして同時にそういう女の厄介さも身に染みて理解できるのだ。
とりあえず、地味に人間関係を聞き出そうとする或はしたたかだと判断しつつ、無視する事にする。

『雪輝日記は無差別日記と組み合わせる事で周囲の完全予知を実現します。
 ……そして、あなたからお聞きした限りガサイさんは最初から雪輝日記を手にしている。
 雪輝君の動向は完全に把握されていると思っていいでしょう。
 そう遠くないうちに、雪輝君とガサイさんは合流する事に違いありません』

ここまで聞いて、思い当たった事が一つ。
やはり或は無差別日記に使用制限がかかっている事までは気付いていない。
あるいは気付いていない振りをし、敢えてこちらにどんな使用制限がかかっているかを言わせようとしているのだろう。

「悪い、一つ黙っていた事があるんだが。実はこの無差別日記は制限がかけられてるんだ。
 一度雪輝が所有しないと効果を発揮できないらしい」

仕方ない、その思惑に乗る。
とりあえずは制限については話しておく事にした。
誰に対しても不利益にしかならない情報なら、共通認識として持っておくべきだからだ。

『成程、合点がいきました。
 ある程度の雪輝君の安全は確保できたと思っていたんですが、雪輝日記にも似たような制限がかけられていたならガサイさんの探索効率は著しく落ちる。
 最初から雪輝日記が使用可能なら、彼女と雪輝君にとってアドバンテージが大きすぎますからね。
 ……いい事をお聞きしました。これは僕の方でも何らかの対策を考えねばならないようです。
 あ、お礼代わりにもう一つ未来日記についてお教えしましょう。
 未来日記は所有者の主観情報を反映します。
 従って前提となる主観が誤情報を与えられていた場合、事実と相違する予知がなされるようです』

おそらく、未だに雪輝がユノまたは自分と合流していない理由を把握したかったのだろう。
少なくとも一つ分かった事がある。
秋瀬或は意外と律儀だ。信頼度を少しだけ上げる。
しかし、予断は許さない。警戒を緩めることなく疑問を呈す。

「……感謝する。ガサイユノの持つ未来日記については分かったが、一つ聞いていいか?」
『ああ、分かっています。それも今から説明しますから』

先んじられた。
事あるごとに機先を制そうとするのは、秋瀬或にとっては当然のことなのだろう。
この流れで聞こうとしたのは、彼が無差別日記と雪輝日記を交換させたがる理由そのものだ。
何一つ言葉にしていないのに、秋瀬或は的確に端的に説明をしてみせる。

『彼女に対する抑止力が欲しいんですよ』

「抑止力……?」

思わず聞き返した歩に、或は語調を改めてきた。

『……これは、あなたを信頼しているからこそ話す事です。
 僕以外に絶対に他言はしないで下さい。あなたのお仲間も含めてです』

頷く。
これは、相手にとっての切り札だ。
これを聞いたらおそらく自分はこの相手の要求を受け入れねばならないだろう。
だが、その価値はある。
これまでの応答は、良くも悪くも秋瀬或は情報の価値を知っている人間だと理解するに十分だ。
心して、頷いた。

「ああ」

沈黙。
その僅かな間隙の意味するものは何か。
よもや躊躇いという事もあるまいが、それだけ口にしづらい内容なのか。


『……未来日記の破壊は、本来の所有者の死を意味します』


耳に届いた内容は、まさかとは思っていたが流石に実際に耳にすると重みが違う。


「…………成程な。……確かにそれは、十分すぎる理由になる」

この事から分かる事がもう一つ。
秋瀬或は、それだけガサイユノを危険視していると言う事だ。
だが、彼女はそこまでの脅威なのだろうか。

『未来日記……未来の記述を傷つける事は、自分の未来を傷つけるのと同義。
 あなたが今握っているそれは雪輝君の命そのものであり、ガサイさんに関しても同様です。
 あなたが雪輝日記のオーナーとなるなら少しは彼女も自制するでしょう。
 無論、無差別日記と雪輝日記がひとところにあるのは危険だというのも理由のひとつですが』

……嘘は言っていない。だが、全部を話したわけではないとも感じている。
自分だって同じ事をしている以上、それを指摘するつもりはないが。

「俺の事をそこまで信じてしまっていいのか?
 例えば今この場で無差別日記を破壊するかもしれないぞ?」
『そんな無意味な事をあなたはしませんよ。メリットが全くないですしね。
 いい加減、自分を疑えと言わんばかりの言い方はよした方がいいと思いますよ?』

お節介に苦笑する。

「……やれやれ」

とりあえずは、納得のポーズを示す事にした。
今はそれで妥協する――、落とし所としては適当だろう。
真実を全て追究する必要がないのはお互い同意の上だ。

「手段はどうする? 悪いが力づくなんてのは俺には無理だからな」

戦闘能力がこちらにない事を示し、具体案を提示させる。
当然、向こうも織り込み済みだろう。

『無差別日記との交換の形が一番無難でしょう。
 彼女の行動原理は雪輝君を至上としている。実際、彼の為なら平気で命を投げ出した事もあります。
 それに、雪輝君は未来日記を用いた戦闘を一番多くこなしている所有者です。
 日記の使用のエキスパートと言っても過言ではない。間違いなくあなたより有効に活用できるでしょう。
 確かにあなた達が無差別日記を持ち続けるメリットもありますが、それ以上に彼に無差別日記を渡した上で協力関係を築いた方が得るものが大きいはずです』

……言動に綻びがある。命を平気で投げ出すなら、他者による日記の保持は完全な抑止力には成り得ない。
同一人物から発せられた、取ってつけた理由と性格の差異――どちらがより正しいかと言えば後者だろう。
まあ、案そのものはこちらにとっても利点が確かに存在しているので黙っている事にする。
おそらく、少々の矛盾ならこちらは飲み込むと分かっていて相手も論を展開しているはずだ。

『それと、僕とあなたの繋がりは極秘裏に……。
 特に、ガサイさんに対しては気取られないよう気をつけて下さい。
 当然、あなたが未来日記のルールについて詳細を知っている事は伏せた方がいいでしょう。
 偽名ももう使わず、正直に鳴海歩と名乗った方がリスクは減ります』

……そんな黙秘は発覚したときに恨みを買う事に繋がらないか。
一から十まで相手の提案を鵜呑みにするわけにはいかない。逐一検討していく。

「あんたが彼女に電話して直接交渉するって手はどうだ?
 あんたを仲立ちに取引できれば、むしろ余計な誤解を生まずに交換できそうなもんだが」

『それは僕も最初考えたのですが、難しいですね。
 もし僕が彼女に電話したならばいやに敏い彼女のこと、必ずこう考えます。
 “あの秋瀬或が自分の携帯電話に電話する前に、雪輝の携帯電話に電話しないはずがない”とね。
 既に彼女があなたと連絡を取ってしまっている以上、僕たちの繋がりが見えてくるのは自明。
 即ちあなたが先刻よりも未来日記について知っている事まで彼女に悟られてしまいます』

確かに、ちょっとでも頭が回れば誰でも思いつくことだ。

『最大の問題は、あなたの手に無差別日記――雪輝君の命が握られてしまっている事ですね。
 そしておそらく、彼女はあなたが未来日記の破壊=死亡というルールを知らないからこそあなたとの一時協調に乗ったんです。
 だから、ここで僕があなたに未来日記についての情報を与えたと彼女が知ったらどうなるか、全く読めないんですよ。
 僕が恨まれるだけならまだいい。ですが、あなた達まで相当危険な橋を渡る事になるでしょう。
 少なくとも良い方向にはならないのは確かです。
 そして同時に、日記破壊=死亡のルールを把握したあなたに雪輝日記を渡す事も彼女の選択肢から消失します。
 あなたがガサイさんと無差別日記と雪輝日記を交換できるのは、日記破壊のルールを知らない事が前提なんです』

歩は口を挟まない。
ガサイユノとは少し話しただけの彼には、彼女の行動傾向について言えることは何もない。
秋瀬或の話しぶりから、まさしく爆弾のような存在だと窺い知るので精一杯だ。
どこまで本当かはともかく、一度きりの会話から得たプロファイリングにおいては否定する要素は何もない。

『――歩さん。
 いずれ彼女たちから合流の知らせがあった際、あなたから僕のこの番号に連絡して取引場所を教えていただければ幸いです。
 ……僕達は有事に備えてすぐ近くに潜むつもりですので、できれば今僕たちのいる北西エリアから向かえる距離で取引して欲しいですね。
 彼女の暴走を抑えるには雪輝君がどうにかするか、彼女以上の暴力で押さえ込むかしかありませんから。
 幸い、僕には非常に心強い仲間がいます。彼ならばガサイさんを止める事も可能でしょう』

或は取引現場に近づきたがっているとの言質を取った。その意味を考える。

ガサイユノを警戒しているから、取引における暴走を未然に防ぐ?
……それは確かだろう。しかし、この言動が心から自分を心配してのものとは考えづらい。
ただ、自分を騙まし討ちする可能性は、おそらくないとは思う。
それならば無差別日記と雪輝日記の交換の場を設けるよう薦めるなどという回りくどい方法を取る必要はない。
そして、完全な抑止力とならない以上ガサイユノの命である雪輝日記を自分が握る事にも大した意味はないだろう。

ならば答えは一つ。
雪輝日記の直接的な効果こそを、秋瀬或は警戒している。
懸念しているのはおそらく、ガサイユノの雪輝への裏切りの可能性だ。
その一方で、警戒しているガサイユノを殺すという選択肢を匂わせてはいない。
これはおそらく、雪輝からの感情を考慮したものか。
取引現場に近づきたがるのは、その辺りの微調整を場合によっては行う為だろう。
……大きな収穫だ。
少なくとも、秋瀬或は雪輝の敵に回りたがってはいない。
ならば、彼の動向が大きくスタンスを左右するはずだ。


「……そんなに彼女は好戦的で狡猾なのか?
 確かに危うい感じはしたが、雪輝を裏切りそうにはなかったけどな」

だとするともう一人の雪輝に近しい人物、ガサイユノについてのより詳細な情報を聞き出さねばなるまい。
雪輝を愛しているのに裏切りの可能性があるとはどういうことか、カマをかける。


無言。

おそらく、不意打ちだったのだろう。
少しだけ引き攣った声で、秋瀬或が続ける。

『……僕の言動からそこに気付くとは、本当あなたには驚かされます。
 裏切る可能性は……0ではない、といったところです。
 彼女は、自分の記憶を自分の意志で改竄できるんですよ。
 都合の悪い事を、なかった事にできるんです。彼女の中ではね。
 つまり、雪輝君が彼女を拒絶すれば……、後は言うまでもないですね』

「……精神的に相当キてるやつだな」

……そこまでヤバい相手だったとは、流石に想定外だった。
そんな女を受け入れている雪輝にも相応の警戒が必要かもしれない。
その心配を見越しているのだろう、秋瀬或は雪輝のフォローに入る。

『ついでに雪輝君の性格についても、もう少しだけ詳しくお教えしましょう。
 彼は確かに臆病ですが、決断力には欠けてもいざと言うときの行動力はガサイさんに勝るとも劣りません。
 彼もまた必要ならば殺人すら辞さない性格と言えます。
 とはいえ、基本的に彼は常識人です。あまり倫理観に触れる事は望まないでしょう。
 殺人を犯すのは、あくまで必要だと判断したときだけ、です。
 直接的にガサイさんを制御できる唯一の人間という事もあり、彼に的を絞って交渉するのが無難だと思います。
 よほどの事がないと生存を第一に考える人ですから、まずこの殺し合いに乗ってはいないと思いますよ』

雪輝の心配をするなら当然の配慮だ。
しかし、おそらく色眼鏡が入っているとはいえ、作り事とは思い難い。
雪輝がガサイユノに比べ話の通じる人間なのは確かだろう。

『先ほども言いましたが、一応、ガサイさんの愛情だけは本物です。
 それだけが彼女を一つの人格として繋ぎとめているといっても過言ではありません。
 もうお分かりでしょうが、僕は雪輝君の味方として立ち回っているんですよ。
 その意味で彼女は頼りがいのある仲間であり、それ以上の具体的な脅威でもあるわけです。
 下手に殺したくはありませんが、こちらを噛む危険性だけは出来る限り少なくしておきたい。
 これから相対する事になるであろうあなたに警告しておきます。
 彼女には躊躇いというものが存在しません。その癖、判断力や直感は異常に冴えています。
 しかも雪輝日記がある以上尚更危険です。
 予知対象は雪輝君限定とは言え、雪輝君がその場に居合わせるならまず彼女を助けるよう動くでしょう。
 つまり、状況は常に彼女に追い風が吹く形で流動する事になります。
 ですから僕でも次の展開が読めない。
 歩さん、たとえあなたに仲間がいたとしても彼女相手では油断は出来ないんです。
 いや、むしろ仲間がいたならば立ち合わせない方がいいかもしれません。
 こうして僕と対等以上に立ち回れるあなたならともかく、他の方は彼女を刺激しかねない。
 危険な状況になった時、あなたの命も守れるよう尽力します。
 ……僕が取引現場付近で待機する事を許可していただけますか?』

今ともにいる2人を考える。
安藤は信用できる。
……しかし、話の通りのガサイユノ相手では間違いなく場慣れしていない彼を危険に晒す事になる。
東郷はどうか。
彼の性格を考えれば、危険と見なしたら容赦はしないだろう。
先刻の自己紹介で自分の事を臆病だと言っていたが、それはつまり危険の芽を優先して潰す事でもある。
ガサイユノは真っ先に排除対象となるに違いない。
彼はキレ者ではあるが、融通の利かない人間だ。柔軟な立ち回りは期待できない。
生存という優先順位に勝るものはないはずだ。

それらの事から、とある決断を歩はする。

その上で、秋瀬或の提案を検討した。
結論は一つしかない。

「……分かった。その申し出を受ける事にする」

この秋瀬或が信頼を寄せるほどに、相当の実力を持つ仲間がいるのだろう。
そしてまた、約束を破るとも思い難い。

『……ありがとうございます。
 本当は、何事もなく日記の交換を終えられるのが一番なんですけどね。
 その方が僕としても雪輝君と合流しやすいですし』

婉曲的に雪輝を心配していると言う事を仄めかす。
なるほど、合流を目的としているなら自分との繋がりは確かにないほうがいい。
どうやら雪輝に関して心配しているというところだけはかなり信用してよさそうだ。
つまり、一連の提案に関しても嘘の可能性は限りなく低いだろう。
ならば、取引に際して詰めておかねばならない穴も存在する。

「俺が雪輝日記の存在を知った経緯はどう説明するんだ?
 あんたの人物評通りなら、ガサイユノは間違いなくそこを不審に思うぞ」
『ガサイさんも日記所有者であろうというのはムルムルと雪輝君の言動、
 そして無差別日記の存在とガサイさんが己の携帯電話を持っていることから十分推測できる事ですよ。
 カマをかけた事にしておけば不自然ではありません。
 雪輝日記と明言しなくとも、ガサイさんの未来日記と引き換えと言えばまず問題ないでしょう。
 無差別日記はその存在だけで相手にプレッシャーを与え得るアイテムです、無償で手渡すと言うのはむしろ怪しまれる原因になるかと』
「こっちは未来日記という事は推測できても雪輝しか予知できない日記だとは知らない事になるはずだからな。
 ……向こうにとっても利点の方が大きく感じられるわけか」
『……ええ。とにかく、僕との会話は存在しなかったというフリを徹底してください。
 そして、僕との会話で得た情報を最大限に活かせるよう、立ち回ってください。
 あなたならそれが出来るでしょう』

皮肉気に笑う。

「随分と買われたもんだな」
『当然です。この僅かな時間の会話であなたは僕を何度も出し抜いた。
 それだけで賞賛に値する事ですよ。
 いや、尊敬と言ってもいいかもしれませんね』
「それじゃあ、尊敬ついでにもう一つだけ聞いていいか?
 ちょっと有事の際に必要になるかもしれない事なんだが」

未来日記所有者と交戦することになった際に、備えておきたい事。
慎重に慎重を期して損はない。

『…………。どうぞ。
 ただ、質問次第ではこれ以上の情報は差し上げられないかもしれませんが、それでもいいですか?』
「ああ、駄目元で聞くだけだ。
 俺も認めるよ、あんたは賢い。賢すぎるくらいにな。
 だから未だに――、あんたという個人そのものは要警戒だと思ってる。
 情報の確度は別としてな」

……鳴海歩は最後の最後まで、疑う姿勢を崩さない。
そう、だからこそ。

『く、くくくくくくく……!
 よく本人の前でそんな事が言えるものです!
 いや、あなたは本当にもっと自信を持つべきだと思いますよ』

……だからこそ、秋瀬或からすら信頼を勝ち取ったのかもしれない。
敵でもなく、単純な味方でもなく。
敢えて言葉にするならば、敵の敵、という関係だからこそ築ける信頼を。

「褒め言葉と受け取っておくよ。それで、だ。聞きたい事は簡単な事なんだ。
 未来日記に示される未来ってのは、覆す事が出来ないのか?
 例えば死が明示された場合、確定した未来しか示されないのならどんなに足掻いても死ぬ事から逃げられない。
 それじゃあ、ゲームの要素がない。なのに“前のゲーム”とやらでは殺し合っていた。
 その辺りの説明が欲しいんだ」
『“前のゲーム”、と来ましたか。ムルムルの言葉からの推測ですか?』 
「ああ。……これは俺の予想でしかないから話半分に聞いてくれ。
 新しいゲームは前のゲームの見立てになっているんじゃないかと俺は考えてる。
 だったら、前のゲームについての情報を少しでも知っておきたい」

前のゲームと新しいゲームについて、見立てである可能性を言及する。
これは、色々情報をくれた相手への置き土産のようなものだ。
もしかしたら、秋瀬或も見立ての可能性から何かを思いつくかもしれない。

『おそらくは、あなたの推測通りですよ。
 未来日記に示される未来は、記述と異なる行為をした時点で書き換わります。
 未来は可変性です。絶対の運命だって、奇跡を引き寄せたなら覆せるんですよ』


――その言葉が歩にとってどれだけの意味合いを持っていたのか。
多分、僅かなりとも推し量れる人間は多くない。
ただ、歩はこう告げた。

「……ありがとう」

或は気付いていないだろう。
運命は覆せる、という事が保障されるその意義に。


『それでは僕も最後にもう一つだけ。
 今から言うURLにその携帯電話やPCなどの端末からアクセスしてみてください。
 きっとあなたの手助けになるかと。ちなみに、この携帯電話はとある施設で調達しました。
 ……それでは、取引場所に関する連絡を期待していますよ』

置き土産への返礼だろうか。
英字の列を並べ置いた後――、秋瀬或はぷつりと電話を切った。

「自信を持て――、か」

つー、つー、と電子音を呟き続ける携帯電話を耳から遠ざけ、鳴海歩は一人ごちる。


「そいつは無理な相談だ。だって、俺の強さは奪われてきたものの強さなんだからな」



「さて、しばしのお別れだな。お互い無事に再開するまで頑張ろうじゃないか」

風が吹き、少年の髪を揺らした。
すきとおったその瞳はどこまでも真っ直ぐに、ただただ高みを見据えている。

「本当に、大丈夫なのか……? 殆ど丸腰だし、一人なんだぞ」

すぐ傍で安藤は、名残惜しそうに心配そうに、立ち竦んでいた。

「……さあな。何度も言うが、まあ、何とかなるだろ。
 それに、俺が死んでも俺の論理が生き残ればそれは俺の勝利だ。
 必要なのはそれを固める為の手段だ。だったら俺に躊躇いはない。
 じゃあな、弟と再会できるのを祈ってるよ」

片手を挙げて僅かに振り、歩は静かに踵を返す。


――これが、歩の決断だった。

歩がガサイユノ達との取引を終えるまでの、しばしの別行動。
自分が彼らとの交渉役を負う代わりに、彼らには街を探索してもらう。
携帯電話の複数確保も含めて、だ。

或から聞いたURLの行き着く先は、探偵日記という名のblogだった。
おそらく管理人は或本人だろう。
文章からして知り合いには隠すつもりがないようだし、いくつか有益な情報も得られた。

そしてインターネットが機能している事を知った歩は、ネット接続と会話のできる携帯電話の有用性も理解する。
或は携帯電話を“調達”したとわざわざ言っていた。
それはつまり、この会場内でも携帯電話の確保はできるという事だ。
ならば、情報戦を見越して携帯電話を一定数保持していた方が今後は有利に立ち回れる。
仲間が増えるなら重要性は更に増す。連絡手段として一人一台は持っておいた方がいい。

元々東郷はこれから街へ向かうところだった。
ならば、彼と、彼に同行させるつもりの安藤に携帯電話や他の有益な道具の確保を早い内に行わせるべきだ。
リソースは有限なのだ、誰かに独占される前に手に入れておかねば後々の行動に著しい制限がかかる。

神社の探索などは一人でも出来るだろう。
ならば自分が神社に向かい、その後は竹内理緒の足取りを追う事などを目的に動けばいい。
或たちのいるという北西に向かうのも一つの手だ。
とりあえず、安藤は雪輝の携帯電話の番号を記録している。
最初の一台を入手次第連絡を入れてもらえれば、電波が届く限り近況報告は容易なはずだ。
合流も難しくなくなる。
一応、第三回放送の頃に神社に集合、といういざという時の約束事もしておいたが。

こうした、携帯電話を用いた連絡網の構想と、未来日記というアイテムに関する基本的なルール及び所有者の情報。
そして、仮に参加しているならば協力できるかもしれない知人たちの個人情報。
これらの情報を全て用いた交渉で、東郷はようやく安藤への同行へ首を振ってくれた。
これで、安藤の安全はある程度保障される事だろう。

後は、それぞれの役割を果たすだけ。


「……鳴海!」

――背後から、呼びかけられる。

「ん……?」

振り返ってみれば、ぱしりと掌の中に何かが納まった。
確認してみれば、小さな筒状の道具が存在を誇示している。

「これ! お前が持っていってくれ!」

それは武器でも情報でもない、自分たちに支給された支給品。
しかし、いざという時には確かに役に立ってくれるだろう。

――チェシャキャット。

小型キルリアン振動機――いわばバリアーのような物だ。
攻撃力は期待できない、専守防衛の道具。
それでも何もないよりは、持っていた方がずっといい。

「安藤?」
「いや……、お前だけ丸腰ってのは、納得できなくて……」

何故か下を向く安藤に、歩は呆れたような溜息をつく。
きっと何か深い理由があった訳ではないのだろう。
ただ、この別れが永劫のそれになる可能性に思い至って、純粋な心配として身を守る道具を渡したかっただけかもしれない。

「分かった。預かっておくよ」

だからこそ、笑みを浮かべて敢えて歩はそれを受け取った。
自分が丸腰に近いのは確かなのだから。

「気をつけろよ、鳴海……」

……あるいは安藤は、後ろ暗い思いから逃げるように、そうすれば罪悪感を減らせるとでも言うように。
少しでも彼の力になる事で自己嫌悪から解放され、安堵したかったのかもしれない。
しかし、それは歩には知る由もない。

「そうだな、これはお節介なんだが」

それを悟っているのかいないのか、歩は話題を唐突に切り替える。
“彼女”はブレード・チルドレンの直接の関係者ではないが故に、東郷にも語ってはいない内容だ。

「おさげ髪で胡散臭くてやたらに行動力のある、企業秘密が口癖の見た目幼い変な女と出会ったらの話だけどな。
 まあ、頼りになりすぎるくらい鬱陶しいやつだから、一緒に行動して損はないだろ。
 ……あいつの事だから変装でもしているかもしれないけどな」

台詞とは裏腹のその表情に、自分の弟が恋人と共にいるときの顔を連想する。
穏やかな日々を思い出すと、久方ぶりに安藤は少し明るい気分になった。
その話題に乗って、面白がるような口調で聞きただす。

「へぇ、随分信じてるんだな。もしかして鳴海の彼女か?」
「……安藤、冗談はよしてくれ。
 実際あいつみたいなのが好みだったなら、俺自身余計な苦労を背負い込む事はなかったんだどな」

返事は期待したものとは違い、心底疲れたといった態度がアリアリと。
それでも歩の言葉には確かに信頼が篭っており、安藤はそれを照れ隠しと解釈した。
歩本人にとっては、それは真実有難くなかったかもしれないが。

「じゃあ。――またな」
「ああ。潤也に会ったら、助けてやってくれ」

そして、それきり言葉もなく二人は背を向ける。
きっとこの会話の続きをできるのだと、それを信ずるが故にもはや躊躇いはない。
後ろを向くことなく、数十メートル。
それだけの歩みを経てぽつりと呟く。

「……名前、聞き忘れたな。鳴海の彼女の」

鳴海にしてはらしくない失敗だなと僅かに苦笑を得る最中、安藤の背中に無骨な言葉が静かに届く。

「用は終わりか? 行くぞ」
「分かった」 

最初に向かう先は近場の旅館。
その次は未定だが、北か南かの2択ではある。
北に向かえば教会。神社と同じく神にまつわる建物である為、改めて探索してみる価値はあるだろう。
教会を出るきっかけとなった爆発は東郷が原因だったが故に、むしろ安心して行動できる。
南に向かえば街だ。デパートなどもあり、携帯電話などのリソース確保にはもってこいといえる。
ただし、その分危険は大きいだろう。


そして二人の姿は朝の霧に霞み、消えていく。


……安藤の心の中に、黒々とした汚泥を静かに落としこみながら。

【G-8/旅館付近/1日目/早朝】

【ゴルゴ13@ゴルゴ13】
[状態]:健康
[服装]:
[装備]:ブラックジャックのメス(10/10)@ブラックジャック、ジャスタウェイ(4/5)@銀魂
[道具]:支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、不明支給品×1(武器ではない)
[思考]
基本:安藤(兄)に敵対する人物を無力化しつつ、主催者に報復する。
 1:携帯電話やノートパソコン、情報他を市街地などで調達する。
 2:第一目標として旅館に向かう。その後に北上して教会に向かうか、南下して市街地に向かうかは状況次第。
 3:首輪を外すため、錬金術師や竹内理緒に接触する。
 4:襲撃者や邪魔者以外は殺すつもりは無い。
 5:第三回放送頃に神社で歩と合流。
[備考]
※ウィンリィ、ルフィと情報交換をしました。
 彼らの仲間や世界の情報について一部把握しました。
※奇妙な能力を持つ人間について実在すると認識しました。
※鳴海歩から、ブレード・チルドレンと鳴海清隆、鳴海歩、ミズシロ・ヤイバ、ミズシロ・火澄、
 並びにハンター、セイバー、ウォッチャーらを取り巻く構図について聞きました。
 結崎ひよのについては含まれません。
 歩の参戦タイミングで生存している人間に関しての個人情報やスキルについても含まれます。
 ただし、鳴海歩自身のクローン仮説や清隆の狙いなど、歩にとっても不確定な情報については黙秘されています。
※安藤の交友関係について知識を得ました。また、腹話術について正確な能力を把握しました。
※ガサイユノ、天野雪輝、秋瀬或のプロファイルを確認しました。
※未来日記について、11人+1組の所有者同士で殺し合いが行われた事、
 未来日記が主観情報を反映する事、
 未来日記に示される未来が可変性である事を知りました。
※探偵日記のアドレスと、記された情報を得ました。
※【鳴海歩の考察】の、1、3、4について聞いています。
  詳細は鳴海歩の状態表を参照。

【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:疲労(小)
[服装]:猫田東高校の制服(カッターシャツの上にベスト着用)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、バラバラの実@ONE PIECE
[思考]
基本:脱出の糸口を探す。主催者と戦うかはまだ保留。
 1:とりあえず、東郷と同行。
 2:携帯電話の調達のため、市街地などに向かう。第一目標は旅館。
 3:軽度の無力感。
 4:首輪を外す手段を探す。できれば竹内理緒と合流したい
 5:殺し合いに乗っていない仲間を集める。
 6:殺し合いには乗りたくない。とにかく生き残りたい。
 7:潤也が巻き込まれていないか心配。
 8:第三回放送頃に神社で歩と合流。
[備考]
※第12話にて、蝉との戦いで気絶した直後からの参戦です。
※東郷に苦手意識と怯えを抱いています。
※鳴海歩へ劣等感と軽度の不信感を抱いています。
※鳴海歩から、ブレード・チルドレンと鳴海清隆、鳴海歩、ミズシロ・ヤイバ、ミズシロ・火澄、
 並びにハンター、セイバー、ウォッチャーらを取り巻く構図について聞きました。
 歩の参戦タイミングで生存している人間に関しての個人情報やスキルについても含まれます。
 結崎ひよのについて、性格概要と外見だけ知識を得ています。名前は知りません。
 また、鳴海歩自身のクローン仮説や清隆の狙いなど、歩にとっても不確定な情報については黙秘されています。
※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。
※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については情報を得られていません。
※ガサイユノの声とプロファイル、天野雪輝、秋瀬或のプロファイルを確認しました。ユノを警戒しています。
※未来日記について、11人+1組の所有者同士で殺し合いが行われた事、
 未来日記が主観情報を反映する事、
 未来日記に示される未来が可変性である事を知りました。
※探偵日記のアドレスと、記された情報を得ました。
※【鳴海歩の考察】の、1、3、4について聞いています。
  詳細は鳴海歩の状態表を参照。



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077:銀の意志Ⅱ 秋瀬或 077:銀の意志Ⅳ
077:銀の意志Ⅱ 安藤(兄) 080:×☆☆☆
077:銀の意志Ⅱ ゴルゴ13 080:×☆☆☆
077:銀の意志Ⅱ 鳴海歩 077:銀の意志Ⅳ
077:銀の意志Ⅱ リヴィオ・ザ・ダブルファング 077:銀の意志Ⅳ

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