銀の意志Ⅱ ◆JvezCBil8U
*
「もしもし……」
『はい』
「待ってたぜ。秋瀬或――だろ?」
東郷に中断の旨を伝え、彼と距離をとった後に歩が電話に向かって放った第一声がそれだった。
“この”携帯電話は1stとやら、天野雪輝という人物のものだ。
だからこの番号を知っているのは、彼本人かその知人。
それも電話帳に登録されているくらい近しい間柄の人間だろう。
例えばユノと名乗った、あの女性のように。
“この”携帯電話は1stとやら、天野雪輝という人物のものだ。
だからこの番号を知っているのは、彼本人かその知人。
それも電話帳に登録されているくらい近しい間柄の人間だろう。
例えばユノと名乗った、あの女性のように。
好機。故にハッタリを仕掛ける。
電話を掛けてきた人間は声色からしておそらく男性。それも若年だ。
殺し合いの前に集められた空間で確認したシルエットから考えれば、天野雪輝はそれに該当する。
だが、それは否定される。声質があのときの1stとはまた違うものだったからだ。
ならば、可能性として残されるのは天野雪輝の男友達、といったあたりか。
電話を掛けてきた人間は声色からしておそらく男性。それも若年だ。
殺し合いの前に集められた空間で確認したシルエットから考えれば、天野雪輝はそれに該当する。
だが、それは否定される。声質があのときの1stとはまた違うものだったからだ。
ならば、可能性として残されるのは天野雪輝の男友達、といったあたりか。
電話してきた理由はいくつか考えられる。
そのいずれもが、未来日記の有用性と危険性、そして天野雪輝本人に関するものばかりだ。
無差別日記に課せられた制限、雪輝の手に渡らねば未来を知ることは出来ないという現実を、相手は知らないだろう。
だから、これが見知らぬ他人の手にあることを知った場合、彼が考えるだろうパターンは2通り。
そのいずれもが、未来日記の有用性と危険性、そして天野雪輝本人に関するものばかりだ。
無差別日記に課せられた制限、雪輝の手に渡らねば未来を知ることは出来ないという現実を、相手は知らないだろう。
だから、これが見知らぬ他人の手にあることを知った場合、彼が考えるだろうパターンは2通り。
まず、歩の近くに天野雪輝がいると想定した場合。
この時、未来日記は現在の持ち主である歩自身の未来も含めて予知をするはず。
故に、これから起こるやり取りも全てこちらが把握している事になる、と相手は考える。
更に雪輝が電話に出ない事から、こちらが雪輝と信頼関係にあるか、あるいは雪輝を力づくで従えているかを想定するだろう。
この場合、相手は下手に出てこちらを刺激しないよう立ち回るはずだ。
通話を始めてしばらくはこちら側が有利に立ち回れるだろう。
……だが、雪輝本人が実際にここにはいない以上、いずれボロが出る。
更に、通話相手から日記の情報を聞き出そうとしても、雪輝本人から未来日記の情報を聞き出さない事に違和感をもたれる可能性が高い。
結果的に、相手に不信を与えるだけだ。それは好ましくないし、情報も十全に得られまい。
この時、未来日記は現在の持ち主である歩自身の未来も含めて予知をするはず。
故に、これから起こるやり取りも全てこちらが把握している事になる、と相手は考える。
更に雪輝が電話に出ない事から、こちらが雪輝と信頼関係にあるか、あるいは雪輝を力づくで従えているかを想定するだろう。
この場合、相手は下手に出てこちらを刺激しないよう立ち回るはずだ。
通話を始めてしばらくはこちら側が有利に立ち回れるだろう。
……だが、雪輝本人が実際にここにはいない以上、いずれボロが出る。
更に、通話相手から日記の情報を聞き出そうとしても、雪輝本人から未来日記の情報を聞き出さない事に違和感をもたれる可能性が高い。
結果的に、相手に不信を与えるだけだ。それは好ましくないし、情報も十全に得られまい。
そして、歩の近くに雪輝はいないと想定した場合。
天野雪輝を中心とした予知である以上、未来のやり取りが歩たちには分からないだろう、と考える。
そうなれば後は駆け引きになるが、やはり自分達が未来日記について知見が少ない事が痛い。
必ず彼は、無差別日記を取り返そうとするだろう。それこそ誤情報やブラフを使って。
厄介な事に、自分たちにはその真偽を見極める術は雪輝から真実を聞くくらいしかないのだ。
場合によっては対価無しで無差別日記を引き渡す流れになりかねない。
天野雪輝を中心とした予知である以上、未来のやり取りが歩たちには分からないだろう、と考える。
そうなれば後は駆け引きになるが、やはり自分達が未来日記について知見が少ない事が痛い。
必ず彼は、無差別日記を取り返そうとするだろう。それこそ誤情報やブラフを使って。
厄介な事に、自分たちにはその真偽を見極める術は雪輝から真実を聞くくらいしかないのだ。
場合によっては対価無しで無差別日記を引き渡す流れになりかねない。
つまり、どちらにせよここで相手にペースを握られてはならない、という事。
その為に、思考を入れる間もなくブラフをかけるのだ。
天野雪輝本人でなくその知り合いならば、電話相手が雪輝かどうかを確かめるだろう。
最初のもしもし、で向こうはそれは確認できたはず。
だから相手の応答の直後、間髪入れず登録された人間の中から該当する名前を選んで呼びかけてみればいい。
ここで優位を得ておけば、情報を引き出しやすくなる。
その為に、思考を入れる間もなくブラフをかけるのだ。
天野雪輝本人でなくその知り合いならば、電話相手が雪輝かどうかを確かめるだろう。
最初のもしもし、で向こうはそれは確認できたはず。
だから相手の応答の直後、間髪入れず登録された人間の中から該当する名前を選んで呼びかけてみればいい。
ここで優位を得ておけば、情報を引き出しやすくなる。
相手が秋瀬或である可能性は五割以下だが、実際問題それが正解かどうかは合っているに越した事はない、程度のものだ。
要は、こちらが有能な人間であることを知らしめられればいい。
無差別日記がこちらの手にあることが一安心であると評価されれば、無闇に手に入れようとはしないだろうからだ。
信用はされずとも、信頼を得る事ができればいいのである。
要は、こちらが有能な人間であることを知らしめられればいい。
無差別日記がこちらの手にあることが一安心であると評価されれば、無闇に手に入れようとはしないだろうからだ。
信用はされずとも、信頼を得る事ができればいいのである。
……まあ、善良な一般人なら上の全てが杞憂であるのだろうが、備えあれば憂いなし。
いずれの場合であろうと、この相手からは得られるものを得ておかねばなるまい。
いずれの場合であろうと、この相手からは得られるものを得ておかねばなるまい。
――未来日記。
“神”の傀儡の一人、ムルムルに繋がる蜘蛛の糸であり、また重要人物と目される天野雪輝の『大切なもの』でもある。
何より、未来の情報を得られるという最高のアドバンテージをもたらすアイテムだ。
何より、未来の情報を得られるという最高のアドバンテージをもたらすアイテムだ。
東郷との交渉の最後の一押しにとって、これ以上の札はあるまい。
そして、もう一つ。
このアイテムの重要性を押し上げる要素がある。
このアイテムの重要性を押し上げる要素がある。
『――デウスはもういない。
そして新しい神が新しくゲームを開いただけじゃ。
人数は大幅に増えてしまったがな。やる事は今までと大して変わらんよ』
そして新しい神が新しくゲームを開いただけじゃ。
人数は大幅に増えてしまったがな。やる事は今までと大して変わらんよ』
このムルムルの言葉があまりに重要な意味を持つのだ。
フーダニットを考える際の、今のところの最大の手がかりとなる。
そして、この言葉の直前に1st、おそらく雪輝が言った台詞、
フーダニットを考える際の、今のところの最大の手がかりとなる。
そして、この言葉の直前に1st、おそらく雪輝が言った台詞、
『どうなってるんだよこれは? 日記は? デウスは!?』
これらについて、文脈を読み解いてみよう。
デウス、とは言うまでもなくラテン語で神を表す言葉だ。
ギリシア神話の最高神ゼウスの語源であり、
また日本のキリシタン間ではキリスト教の神を表す単語として定着している。
要するに、最高神や一神教の神を表す言葉として解釈するのが自然な言葉である。
ギリシア神話の最高神ゼウスの語源であり、
また日本のキリシタン間ではキリスト教の神を表す単語として定着している。
要するに、最高神や一神教の神を表す言葉として解釈するのが自然な言葉である。
そして、ムルムルの言葉の“新しい神”について。
前後の文脈から考えて、古い神デウスがいなくなり、新しい神が現れた、と読み取るのが自然だ。
同時に、新しい神が“新しいゲームを開いた”という事は、『前のゲームも存在した』という事も分かる。
前後の文脈から考えて、古い神デウスがいなくなり、新しい神が現れた、と読み取るのが自然だ。
同時に、新しい神が“新しいゲームを開いた”という事は、『前のゲームも存在した』という事も分かる。
……ムルムルに“やる事は今までと大して変わらない”と言われている事から、
おそらく1st、天野雪輝は、『前のゲームの参加者』なのだ。
それは相当に血生臭いもの――殺し合いであったのだろう。
しかも、『未来日記を利用した』殺し合いだ。
1stという呼び方は、おそらく『前のゲームの参加者』の1stだと推測できる。
未来日記が複数ある可能性を考慮すると、参加者全員にそれぞれ未来日記が配布されている可能性が高い。
おそらく1st、天野雪輝は、『前のゲームの参加者』なのだ。
それは相当に血生臭いもの――殺し合いであったのだろう。
しかも、『未来日記を利用した』殺し合いだ。
1stという呼び方は、おそらく『前のゲームの参加者』の1stだと推測できる。
未来日記が複数ある可能性を考慮すると、参加者全員にそれぞれ未来日記が配布されている可能性が高い。
つまり、未来日記は『前のゲーム』において、重要な位置を占めるギミックだったのだ。
そして、“やる事は今までと大して変わらない”という言葉からは、もう一つの推論が導ける。
それは、
【『新しいゲーム』は、『前のゲーム』の“見立て”ではないか】
という事だ。
見立てとはあるものから別の事物の要素を感じ取り、言い表す事を言う。
分かりやすいのはいわゆる見立て殺人だろう。
推理小説などに良くある、童謡や民話、伝説、碑文などの文面に沿って行われる殺人である。
見立て殺人は殺人の順番を錯覚させたり、過度の装飾で証拠を埋もれさせる、といった目的で行われるのだが、割愛。
そして見立ては、一種の様式美でもある。
仮に『新しいゲーム』が『前のゲーム』の見立てだった場合、『新しいゲーム』で一人だけを選別する意図が感じられないのは説明がつく。
『前のゲーム』では生き残れるのが一人だったから、『新しいゲーム』でも生き残れるのは一人、となるのはおかしい事ではない。
それは、
【『新しいゲーム』は、『前のゲーム』の“見立て”ではないか】
という事だ。
見立てとはあるものから別の事物の要素を感じ取り、言い表す事を言う。
分かりやすいのはいわゆる見立て殺人だろう。
推理小説などに良くある、童謡や民話、伝説、碑文などの文面に沿って行われる殺人である。
見立て殺人は殺人の順番を錯覚させたり、過度の装飾で証拠を埋もれさせる、といった目的で行われるのだが、割愛。
そして見立ては、一種の様式美でもある。
仮に『新しいゲーム』が『前のゲーム』の見立てだった場合、『新しいゲーム』で一人だけを選別する意図が感じられないのは説明がつく。
『前のゲーム』では生き残れるのが一人だったから、『新しいゲーム』でも生き残れるのは一人、となるのはおかしい事ではない。
だからこそ、『前のゲーム』を知ることは、『新しいゲーム』を打開するに当たって非常に重要なものとなる。
『前のゲーム』のルールと、未来日記がどう活用されており、どのような限界があるのか。
それを、電話の相手から引き出さねばならないのだ。
『前のゲーム』の見立てであるならば、『新しいゲーム』でも同じノウハウが生かせるのだから。
『前のゲーム』のルールと、未来日記がどう活用されており、どのような限界があるのか。
それを、電話の相手から引き出さねばならないのだ。
『前のゲーム』の見立てであるならば、『新しいゲーム』でも同じノウハウが生かせるのだから。
しばしの沈黙。
そして、相手の返答が返ってくる。
『……大した勘の良さですね、歩さん』
*
鳴海が、傍目から分かるほどに一瞬だけ眼を見開いた。
どうしたのかと踏み出そうとする前に、鳴海はさも平然とした表情を取り戻して流暢に言葉を繋いでいる。
多分、動揺したことは電話相手に全く悟られてないだろう。
どうしたのかと踏み出そうとする前に、鳴海はさも平然とした表情を取り戻して流暢に言葉を繋いでいる。
多分、動揺したことは電話相手に全く悟られてないだろう。
ああ、こいつでもこんな表情をするんだという安堵と嘲り、すぐに立ち直った事への尊敬と嫉妬。
黒い感情を抱いてしまった事に気付いて、どんどんと自己嫌悪が増してくる。
黒い感情を抱いてしまった事に気付いて、どんどんと自己嫌悪が増してくる。
さっきから、俺はおかしい。
*
「なに、それほどでもないさ」
冷静に考えれば偶然の可能性が高い。
自分の名前はあの時火澄がポツリと洩らしている。
今の状況下、ブラフとして名前を出すなら誰でも思いつく選択肢になってしまっているだろう。
ブレード・チルドレンの関係者以外には、だが。
自分の名前はあの時火澄がポツリと洩らしている。
今の状況下、ブラフとして名前を出すなら誰でも思いつく選択肢になってしまっているだろう。
ブレード・チルドレンの関係者以外には、だが。
そして、このことから浮上する可能性がもう1つ。
最初は天野雪輝、あるいは無差別日記に関する事項がこの電話の目的であると想定したが、
相手が何らかの手段で鳴海歩の情報を握っており、自分との交渉が目的であった場合も考えねばなるまい。
自分がこれまで本名を名乗った相手は安藤と東郷のみということから伝聞情報は除外していい。
故に、他の情報ソースとして、支給品あるいは『“神”陣営から直接情報を得ている』場合を想定。
最初は天野雪輝、あるいは無差別日記に関する事項がこの電話の目的であると想定したが、
相手が何らかの手段で鳴海歩の情報を握っており、自分との交渉が目的であった場合も考えねばなるまい。
自分がこれまで本名を名乗った相手は安藤と東郷のみということから伝聞情報は除外していい。
故に、他の情報ソースとして、支給品あるいは『“神”陣営から直接情報を得ている』場合を想定。
この場合、最も警戒しなければならないのは最後のパターン。
つまり、電話相手が“神”がこの殺し合いにわざわざ参加させた手駒だという場合だ。
殺し合いという状況そのものが目的ならば、場を撹乱させる内通者を紛れ込ませている可能性は極めて高い。
つまり、電話相手が“神”がこの殺し合いにわざわざ参加させた手駒だという場合だ。
殺し合いという状況そのものが目的ならば、場を撹乱させる内通者を紛れ込ませている可能性は極めて高い。
……そして、内通者を通じて“神”陣営が自分にコンタクトを取ってくる可能性は0ではないのだ。
一番最初の時、“あの”火澄を集衆監視の目の前で殺したのだから。
その意味は、あまりに重い。
一番最初の時、“あの”火澄を集衆監視の目の前で殺したのだから。
その意味は、あまりに重い。
殺し合いの参加者の選抜基準に意味があるのなら、わざわざ火澄を見せしめに選んだ事にだって相応の意味があるに違いない。
あれは明らかに、火澄が鳴海歩以外に殺される事の意味を知るものへのメッセージだ。
アサコ、と呼ばれた女性の場合は、単に彼女最初に反抗的な態度を取ったから見せしめにされたに過ぎない。
だが、火澄の場合は全く違う。
『ムルムルがトウモロコシを放り投げる事で見せしめを指定している』のだ。
ムルムル本人は火澄に対し運がない、という様な事を言っていたが、確かに彼は運がなかった。
あれは明らかに、火澄が鳴海歩以外に殺される事の意味を知るものへのメッセージだ。
アサコ、と呼ばれた女性の場合は、単に彼女最初に反抗的な態度を取ったから見せしめにされたに過ぎない。
だが、火澄の場合は全く違う。
『ムルムルがトウモロコシを放り投げる事で見せしめを指定している』のだ。
ムルムル本人は火澄に対し運がない、という様な事を言っていたが、確かに彼は運がなかった。
おそらく火澄は、見せしめにされる為だけにここに招かれたのだから。
あの時のムルムルの歪んだ笑みは、見せしめにされる火澄が運命を語った事を皮肉っていたのだろう。
考えれば考えるほど――嫌な予感が頭を掠めて仕方ない。
考えれば考えるほど――嫌な予感が頭を掠めて仕方ない。
いずれにせよ、だ。
名前には名前で切り返す辺り、どの場合でも相手の判断力と決断力は相当だ。
とはいえ相手が沈黙したところを見ると、やはり秋瀬或かその関係者の可能性が極めて高いだろう。
あるいは電話相手の背後から僅かに聞こえた男の声が或本人で、電話相手は別人なのか。
僅かでも話の内容を聞き取れたならある程度の確証の元に行動できるのだが、それを愚痴っても仕方ない。
今のところ、秋瀬或らしき人物には対話の意思がある。
仲間がいる事から考えて、殺し合いに乗っていたとしても対応次第で敵対は避けられる相手と判断。
名前には名前で切り返す辺り、どの場合でも相手の判断力と決断力は相当だ。
とはいえ相手が沈黙したところを見ると、やはり秋瀬或かその関係者の可能性が極めて高いだろう。
あるいは電話相手の背後から僅かに聞こえた男の声が或本人で、電話相手は別人なのか。
僅かでも話の内容を聞き取れたならある程度の確証の元に行動できるのだが、それを愚痴っても仕方ない。
今のところ、秋瀬或らしき人物には対話の意思がある。
仲間がいる事から考えて、殺し合いに乗っていたとしても対応次第で敵対は避けられる相手と判断。
そして、秋瀬或の声は続く。
『どうやらあなたはその携帯の機能に気付いているようですが……それをいったいどうする気か、単刀直入に聞かせていただいてもよろしいですか?』
……やはり目的は天野雪輝と無差別日記の可能性が濃厚。
“神”陣営の人間というのは杞憂だと思って差し支えあるまい。断定は早計だろうが。
“神”陣営の人間というのは杞憂だと思って差し支えあるまい。断定は早計だろうが。
やはり相手の情報が足りないな、と心の中で毒づく。
(あいつがいれば少しは楽なんだろうけどな……)
そんな事を思い、苦い顔をした。
確かに彼女が今隣りにいたならば、相手の事細かなプロファイルを炙り出してみせるだろう。
悔しい事に、頼りになるのは間違いない。
たとえ彼女の正体が自分の推理通りだったとしても、自分にずっと手を貸していてくれたのは事実なのだ。
それも、自分が危難を乗り越える事を信じて、時間稼ぎの為にリストカットさえしてしまうほどに。
確かに彼女が今隣りにいたならば、相手の事細かなプロファイルを炙り出してみせるだろう。
悔しい事に、頼りになるのは間違いない。
たとえ彼女の正体が自分の推理通りだったとしても、自分にずっと手を貸していてくれたのは事実なのだ。
それも、自分が危難を乗り越える事を信じて、時間稼ぎの為にリストカットさえしてしまうほどに。
(……あいつが巻き込まれてる可能性も相当高いか。
まあ、巻き込まれてなくても自分から首突っ込んでくるような奴だしな……)
まあ、巻き込まれてなくても自分から首突っ込んでくるような奴だしな……)
心配か、と聞かれたら全力で横に首を振る。
だが、巻き込まれていない方がいいかと聞かれたら、きっと否定できないだろう。
たとえ、彼女がどれだけ頼りになったとしても。
だが、巻き込まれていない方がいいかと聞かれたら、きっと否定できないだろう。
たとえ、彼女がどれだけ頼りになったとしても。
……とはいえ、今目の前にいない人間を頼りにしても仕方がない。思考を戻す。
僅かな会話からでも充分に分かる相手の性格は、大胆不敵にして冷静沈着。
論理的な思考と場のコントロールに長けた自信家だ。
厄介な相手だと判断。
僅かな会話からでも充分に分かる相手の性格は、大胆不敵にして冷静沈着。
論理的な思考と場のコントロールに長けた自信家だ。
厄介な相手だと判断。
「……兄貴のことを考えてる所に、兄貴に性格の似たヤツを相手取る、か。
やれやれだ」
やれやれだ」
ぼそりと電話から口を離して、本当に小さく呟く。
「まず初めに言っておこう。俺たちはこのゲームに乗る気はない。
とりあえずはこの首輪を外すつもりだ」
とりあえずはこの首輪を外すつもりだ」
まずはこちらの立場を表明する事で、相手が切って入ってきたのをそらし受け流す。
相手にペースを掴ませない。
今のところ、相手が殺し合いに乗っているという証拠はない。
その意味で協調できる可能性が高い相手であり、無闇な敵対をしたくはない。
向こうも同じだろう。
だが、相手はいささか我が強い。
全面的な信頼が出来ない以上、こちらも切るカードを慎重に選び、利用されるだけの捨て駒にならないよう立ち回る必要がある。
……いや、むしろ相手を上回る気概で望む。
自分も随分、強気になったものだと鳴海歩は思う。
妙な連中に毒されすぎでもしたのか、いつも信じてくれる人間を得たからか。
相手にペースを掴ませない。
今のところ、相手が殺し合いに乗っているという証拠はない。
その意味で協調できる可能性が高い相手であり、無闇な敵対をしたくはない。
向こうも同じだろう。
だが、相手はいささか我が強い。
全面的な信頼が出来ない以上、こちらも切るカードを慎重に選び、利用されるだけの捨て駒にならないよう立ち回る必要がある。
……いや、むしろ相手を上回る気概で望む。
自分も随分、強気になったものだと鳴海歩は思う。
妙な連中に毒されすぎでもしたのか、いつも信じてくれる人間を得たからか。
切ったカードは、言論の自由。
“その過程においては何の反則も無い”
ムルムルの言葉通りなら、首輪を外すことすらも“神”の想定内なのだ。
ならば、どんな発言をしようと粛清されることはないし、言論や表現に検閲が入る事だってまずありえない。
たとえそれが首輪を外すといった内容であったり、あるいは連中に反抗するものであったとしても。
“その過程においては何の反則も無い”
ムルムルの言葉通りなら、首輪を外すことすらも“神”の想定内なのだ。
ならば、どんな発言をしようと粛清されることはないし、言論や表現に検閲が入る事だってまずありえない。
たとえそれが首輪を外すといった内容であったり、あるいは連中に反抗するものであったとしても。
ああ、気分が良くない。
全てが誰かの掌の上で踊っているだけに過ぎないこの感覚を、鳴海歩は嫌になる程刻み付けられている。
全てが誰かの掌の上で踊っているだけに過ぎないこの感覚を、鳴海歩は嫌になる程刻み付けられている。
『……僕らもですよ』
或の言葉はとりあえずの不戦条約に等しい。
完全に信用が出来ない口約束だが、ないよりはずっとマシだ。
そして、僕“ら”と仲間の存在を認めるのはその証拠の提示だろう。
完全に信用が出来ない口約束だが、ないよりはずっとマシだ。
そして、僕“ら”と仲間の存在を認めるのはその証拠の提示だろう。
「鳴海、大丈夫か……? さっきから表情が難しいけど、俺が代わろうか?」
無言で背後に片手を突き出し、気にするなと意思表示。
言える訳がない。
ある男へのコンプレックスなど、ぶち撒けられる筈がない。
ある男へのコンプレックスなど、ぶち撒けられる筈がない。
だが、見立てという様式美の可能性といい“神”というあからさまな呼び名といい、
一人の男の姿を思い浮かべずにはいられないのだ。
自分のスタート地点が教会だったのも、誰かの意思の介在としか思えない。
一人の男の姿を思い浮かべずにはいられないのだ。
自分のスタート地点が教会だったのも、誰かの意思の介在としか思えない。
ミズシロ・火澄は、運命の構図を全く無視する形で死んだ。
それも、おそらくは全て“神”の意図に則って。
……だが、それは本当に構図を無視していたのだろうか?
それも、おそらくは全て“神”の意図に則って。
……だが、それは本当に構図を無視していたのだろうか?
あの男にも、火澄は殺せないはずだった。しかしそれが本当である保障はない。
自分が推理する限り、あの男の最終目的は自分にあの男自身を殺させることだ。
……構図上自分が火澄とあの男を殺し得るのなら、あの男が殺せるのもミズシロ・ヤイバだけとは限らないのではないだろうか。
そう、あの男が火澄を殺せないと断定することは出来ないのだ。
自分が推理する限り、あの男の最終目的は自分にあの男自身を殺させることだ。
……構図上自分が火澄とあの男を殺し得るのなら、あの男が殺せるのもミズシロ・ヤイバだけとは限らないのではないだろうか。
そう、あの男が火澄を殺せないと断定することは出来ないのだ。
ぐっ、と唇を噛み締め、余計な注意を払わないことにする。
電話の相手は想像以上に厄介で、気が抜けない。
今はそちらに注力すべきだ。
電話の相手は想像以上に厄介で、気が抜けない。
今はそちらに注力すべきだ。
「そこでこの携帯を手土産に『天野雪輝』と協力関係になりたいと思っている。
だが、俺たちは彼の事を知らない。
だから教えてくれないか? 彼がどういう人間なのか」
だが、俺たちは彼の事を知らない。
だから教えてくれないか? 彼がどういう人間なのか」
言論の自由を保証した代価として要求したのは、天野雪輝の人となり及び彼にまつわる周囲の環境。
即ち、それには未来日記についても含まれる。
当然ながら現状ではまず一から十まで教えられる事はないだろう。
しかし、この相手ならここで教えないという選択肢が悪手である事も知っているはずだ。
何故ならこちらは協力の意思を見せているだけ。しかも、無差別日記の所有すら認めているのだ。
何一つ教えないというのならこちらからの信頼を失うし、結果的におそらく友人であろう雪輝の不利にもなりかねないのだから。
即ち、それには未来日記についても含まれる。
当然ながら現状ではまず一から十まで教えられる事はないだろう。
しかし、この相手ならここで教えないという選択肢が悪手である事も知っているはずだ。
何故ならこちらは協力の意思を見せているだけ。しかも、無差別日記の所有すら認めているのだ。
何一つ教えないというのならこちらからの信頼を失うし、結果的におそらく友人であろう雪輝の不利にもなりかねないのだから。
無論、この秋瀬或が天野雪輝の敵となる事を選んだ可能性もある。
無差別日記は放置しておくにはあまりに危険だ、雪輝を始末しない保証はない。
……しかし、友人という立場ならやはり無差別日記を利用する方向性の方が有り得そうではある。
無差別日記は放置しておくにはあまりに危険だ、雪輝を始末しない保証はない。
……しかし、友人という立場ならやはり無差別日記を利用する方向性の方が有り得そうではある。
まあ、どう転ぼうとこの質問である程度は相手の立ち位置が見極められる。
『雪輝君からは、まだ連絡がないんですか?』
勿論、ない。
もしこれまでに連絡があったのなら、彼から得た情報を用いたブラフや駆け引きができる。
それをしないという事からの当然の疑問だろう。
……雪輝から連絡を受けた上で敢えて連絡がないふりをし、情報の確度が高められればよかったのだが。
次それをするとしたら雪輝相手にカマをかける事になるが、これまで連絡がなかった経緯から彼は電話のない場所にいると考えられる。
あるいは、この殺し合いの会場に無差別日記が存在する事すら知らないか、電話する事にすら思い至らなかったか。
とにかく、先刻のユノという少女の存在を考えれば、雪輝相手に下手な事をすると余計な敵を増やす事になりかねない。
もしこれまでに連絡があったのなら、彼から得た情報を用いたブラフや駆け引きができる。
それをしないという事からの当然の疑問だろう。
……雪輝から連絡を受けた上で敢えて連絡がないふりをし、情報の確度が高められればよかったのだが。
次それをするとしたら雪輝相手にカマをかける事になるが、これまで連絡がなかった経緯から彼は電話のない場所にいると考えられる。
あるいは、この殺し合いの会場に無差別日記が存在する事すら知らないか、電話する事にすら思い至らなかったか。
とにかく、先刻のユノという少女の存在を考えれば、雪輝相手に下手な事をすると余計な敵を増やす事になりかねない。
「ああ、だがユノって子とは連絡を取った。彼女が天野雪輝と合流したら再び連絡を取る手はずになっている」
『ユノ! ――ガサイユノですか、電話番号は確認しましたか? ……ええ、ええ。
……なるほど、彼女に間違いないですね』
『ユノ! ――ガサイユノですか、電話番号は確認しましたか? ……ええ、ええ。
……なるほど、彼女に間違いないですね』
他の知り合い、例えば雪輝に聞きただせば分かる事。
ここで他人に偽名を使う意味はない。ならば、ガサイユノはまず本名だ。
たとえ同じユノという名前の参加者がいたとしても間違う事はあるまい。
ここで他人に偽名を使う意味はない。ならば、ガサイユノはまず本名だ。
たとえ同じユノという名前の参加者がいたとしても間違う事はあるまい。
『雪輝君は……とても臆病ですが、運命と戦う気概を持っている少年ですよ。
僕も彼とは早く合流したいと思っています。
……が、』
僕も彼とは早く合流したいと思っています。
……が、』
……上手い言い方だ、と内心呟く。
臆病、という性格を教える事でこちらと相手の接触をスムーズに行えるよう取り計らい、
気概を持っている、と付け加える事で雪輝の魅力――言わば商品価値を演出している。
そのくせ、具体的な事は何一つ教えていない。
臆病、という性格を教える事でこちらと相手の接触をスムーズに行えるよう取り計らい、
気概を持っている、と付け加える事で雪輝の魅力――言わば商品価値を演出している。
そのくせ、具体的な事は何一つ教えていない。
そして、次に繋ぐ言葉だ。
おそらく、それが相手の本当の一手だろう。
おそらく、それが相手の本当の一手だろう。
『……この殺し合いが始まった当初、惜しい事に亡くなられた少年がいましたよね。
周りの方々の言葉によれば、火澄さん、と仰いましたか。
あなたが本当にアユムさんであるのなら、彼の話した『あなた以外には殺されない』という事がどういうことか、教えて下さいませんか?
それを話してくださったなら、僕はあなたの欲しい情報を必要なだけお話しましょう』
周りの方々の言葉によれば、火澄さん、と仰いましたか。
あなたが本当にアユムさんであるのなら、彼の話した『あなた以外には殺されない』という事がどういうことか、教えて下さいませんか?
それを話してくださったなら、僕はあなたの欲しい情報を必要なだけお話しましょう』
「…………!」
そうきたか、と歩は引きつった笑いを浮かべる。
これは踏み絵だ。
こちらが信頼できる相手かどうか、個人を特定するという的確に弱点を射抜く一撃。
先刻、歩と名指しされた時に敢えて否定せず平然と振舞ったのを逆に利用してきた。
自分が歩でないと否定すればその時点でこちらの弱みとなるし、自分が歩だと肯定するのなら黙っていては情報が得られない。
そして、火澄についてしっかりと説明する事ができるのは自分を含む僅かな人間だけ。
この相手なら適当な嘘をついても必ず僅かな綻びから嘘だと見抜き、指摘するに違いない。
しらばっくれるのはそれ以上に悪手。千日手になるだけだ。
これは踏み絵だ。
こちらが信頼できる相手かどうか、個人を特定するという的確に弱点を射抜く一撃。
先刻、歩と名指しされた時に敢えて否定せず平然と振舞ったのを逆に利用してきた。
自分が歩でないと否定すればその時点でこちらの弱みとなるし、自分が歩だと肯定するのなら黙っていては情報が得られない。
そして、火澄についてしっかりと説明する事ができるのは自分を含む僅かな人間だけ。
この相手なら適当な嘘をついても必ず僅かな綻びから嘘だと見抜き、指摘するに違いない。
しらばっくれるのはそれ以上に悪手。千日手になるだけだ。
今この電話をしているのが歩でないならばそれを認めて、相手の独壇場となるに任せるか。
歩であるならば火澄の情報について話し、イーブンに持ち込むか。
どちらの場合でも選べる選択肢はひとつしかなく、後者である可能性は参加者数に比べ非常に低い。
そもそも、歩という人間が参加しているかすら現段階では不明なはずだ。
見事な一手、としか言いようがない。
もし自分が歩を騙る別人だったら、情報という情報を搾り取られ、下手すれば無差別日記を手放す羽目にすらなっていたかもしれない。
歩であるならば火澄の情報について話し、イーブンに持ち込むか。
どちらの場合でも選べる選択肢はひとつしかなく、後者である可能性は参加者数に比べ非常に低い。
そもそも、歩という人間が参加しているかすら現段階では不明なはずだ。
見事な一手、としか言いようがない。
もし自分が歩を騙る別人だったら、情報という情報を搾り取られ、下手すれば無差別日記を手放す羽目にすらなっていたかもしれない。
先刻の厄介という評価を取り下げる。
この相手は厄介どころじゃない。
手強い、と呼ぶのが相応だろう。
敵対しているわけではないのが救いだ。
この相手は厄介どころじゃない。
手強い、と呼ぶのが相応だろう。
敵対しているわけではないのが救いだ。
しかも、その対価として得られるのは最低限の情報だけ。
欲しい情報を必要なだけ、とは一見十分な情報を提供してくれるように思えるが、その実聞かれたこと以外は一切話しませんよということだ。
こちらの思惑外の情報をおまけでつけてくれる事は、この秋瀬或はしないだろう。
収穫があったとすれば、やはり先刻の名前の特定はカマかけであり、支給品や“神”から得た情報ではないということくらいだ。
欲しい情報を必要なだけ、とは一見十分な情報を提供してくれるように思えるが、その実聞かれたこと以外は一切話しませんよということだ。
こちらの思惑外の情報をおまけでつけてくれる事は、この秋瀬或はしないだろう。
収穫があったとすれば、やはり先刻の名前の特定はカマかけであり、支給品や“神”から得た情報ではないということくらいだ。
そして、火澄の事は東郷や安藤にも話していない事である。
“神”について確証のない今話すべき事ではないと判断したが故に、ブレード・チルドレンにまつわる一連の事こそ話しても個人単位での詳しい事は話していないのだ。
東郷にあの聖堂でのことを指摘される可能性もあったが、火澄も含んだ個人の情報はこれから依頼への『報酬』として語るつもりだった。
これを或相手にこちらから切る事が出来なかったのは中々に痛い。
“神”について確証のない今話すべき事ではないと判断したが故に、ブレード・チルドレンにまつわる一連の事こそ話しても個人単位での詳しい事は話していないのだ。
東郷にあの聖堂でのことを指摘される可能性もあったが、火澄も含んだ個人の情報はこれから依頼への『報酬』として語るつもりだった。
これを或相手にこちらから切る事が出来なかったのは中々に痛い。
だが、相手にも一つだけ誤算があるだろう。
それは、自分が本当に鳴海歩だという真実だ。
「了解だ。少し長くなるし、到底信じられないかもしれないが、いいか?」
切れるカードを失ったとはいえ、これは相手から十全の信頼を得る機会でもある。
鳴海歩だからこそ、言える言葉。
鳴海歩だからこそ、言える言葉。
相手に語るのはブレード・チルドレンの概要と、ヤイバと清隆の所業。
そして自分と火澄の対応関係について。
これならば個人の持つスキルなどを洩らす事はなく、情報流出によるリスクは非常に低い。
そして自分と火澄の対応関係について。
これならば個人の持つスキルなどを洩らす事はなく、情報流出によるリスクは非常に低い。
話しても痛くない情報を話す事で信頼を勝ち取れるのだから、利用しない手はない。
『え? え、ええ……。
あなたが歩さんだと確信できれば、それでいい訳ですからね』
あなたが歩さんだと確信できれば、それでいい訳ですからね』
淀みない返答に、秋瀬或は戸惑いを隠しきれていない。
いくらこの相手でも、こちらが本当に歩だったとは想定外だったのだろう。
情報の信頼性を高める為、わざわざフルネームで名乗り直す事にする。
いくらこの相手でも、こちらが本当に歩だったとは想定外だったのだろう。
情報の信頼性を高める為、わざわざフルネームで名乗り直す事にする。
「そういや、自己紹介がまだだったな。鳴海歩だ。
……いくつかの名前を使い分けてるから、あのユノって子にはミズシロ・ヤイバと名乗ったけどな」
……いくつかの名前を使い分けてるから、あのユノって子にはミズシロ・ヤイバと名乗ったけどな」
ユノが或に追求しても余計な疑惑を得ないよう予防線を張り、そして改めてミズシロ・ヤイバに端を発する呪われた血脈と神の兄弟の構図について語り始める。
*
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| 068:指し手二人 | 秋瀬或 | 077:銀の意志Ⅲ |
| 077:銀の意志Ⅰ | 安藤(兄) | 077:銀の意志Ⅲ |
| 077:銀の意志Ⅰ | ゴルゴ13 | 077:銀の意志Ⅲ |
| 077:銀の意志Ⅰ | 鳴海歩 | 077:銀の意志Ⅲ |
| 068:指し手二人 | リヴィオ・ザ・ダブルファング | 077:銀の意志Ⅲ |