唐書巻十八
志第八
嘉礼二
皇帝納皇后 皇太子納妃 親王納妃 公主出降 諸臣之子納婦
【皇帝納皇后】
皇帝納皇后。
太尉に勅して使とし、宗正卿を副とし、吏部はこれを受けて斎戒する。祭祀の一日前、担当官署は縣を展開し、机を設置し、車輿を
太極殿の庭に並べることは、元日と同様である。文武九品・朝集・蕃客の
版位は、すべて加冠の礼と同様である。受命する使者の版位を
大横街の南の道の東に設置し、西を班位の上とし、副はやや退き、北向きとする。侍中は「厳粛にしてください」と願い出る。群臣は入って位座に就く。使・副は入って、門の外の道の東に立ち、西向きとなる。黄門侍郎は幡・節を引き連れ、中書侍郎は制書の机を引き連れ、
左延明門内の道の北に、西向きとなり北を班位の上とする。そこで「外辦(お出ましになる準備は出来ております)」と奏する。皇帝は袞冕を着用して輿で御し、西房から出て、そこで座に御す。使・副は入って、位座に就く。典儀が「再拝せよ」と言うと、位座にいる者は全員再拝する。侍中が前に進み出て制を受け、降りて使者の東北に行き、西向きとなって「制が出されました」と言う。使・副は再拝する。侍中は制を宣り給って、「某官某氏の娘を納れて皇后とする。公らに持節して納采等の礼を行なうよう命じる」と述べると、使・副はまた拝礼する。主節は使者の東北に立てて、西向きとし、節を黄門侍郎に授け、侍郎は使者に授け、主節を付属し、後方に立つ。中書侍郎は制書の机を引き連れて使者の東北に立ち、制書を使者に授け、机に置く。典儀が「再拝せよ」と言うと、位座にある者は全員再拝する。使・副が出てくると、持節する者は前導し、机を持つ者はそれに次ぐ。侍中が「礼が終わりました」と奏じる。皇帝が入ると、位座にある者は順序によって出る。それより以前、使・副は輅車に乗り、鼓吹は準備されるも鳴らさず、従者は車に乗って従う。制書を油絡(車の糸縄)で荷車に縛って載せる。その日の夜明け、使・副は幄にやって来て、主人は廟もすくは寝で受ける。神席を部屋の戸外の西に敷き、いぐさで編まれた席に白い縫取りの縁があり、その上に雲気が描かれたものを縁どりにした五色の藻席(なめし皮で板を覆った敷物)が用意され、南向きとなり、右に机を彫る。使・副は門の西に立ち、北を班位の上とし、幡・節を持つ者は北に立ち、やや退き、制書の机を持つは南に立ち、雁を取る者は同じくその南にいて、いずれも東向きと鳴る。主人は大門の内に立ち、西向きとなる。儐者(案内役)は北向きとなり、受命する使者の左となり、出て門の東に立ち、西向きとなり、「お招きしてください」と言い、使者は「某は制を奉って納采(結納)します」と言うと、儐者は入って告げる。主人は「臣某の娘はこのような子ですが、勅を受けて来られたのですから、臣某は断ることができません」と述べると、儐者は出て報告し、入って主人を引き連れて出て、使者を大門の外の南で迎え、北向きになって再拝する。使者は返礼しない。主人は使・副に会釈して先に入り、階段に到着する。使・副は入って、幡・節を持つ者を導き、机を持つ者と雁を取る者は従う。幡・節を西の階段の西に立て、東向きとする。使者は階段から登り、両柱の間に立って、南向きとなる。副は西南にいて、机を持つ者と雁を取る者は同じく西南にあって、いずれも東向きとなる。主人は東の階段から登り、使者の前に当たって、北向きに立つ。机を持つ者は机を持って進み、使者に制書を授け、節を持つ者は衣を脱ぎ、使者は「制が出されました」と言う。主人は再拝する。制を宣り給って、主人は降りて階段の間に到着し、北向きとなり、再拝稽首し、登り、進み出て、北向きとなって制書を受け、左右の者に授ける。使者は雁を授けると、主人は再拝し、進み出て雁を受け取り、主人は雁を左右の者に授ける。儐者は答表の机を引き連れて進み、主人の後ろに立ち、やや西に、答表を主人に授ける。主人は進み出ると、使者に授け、退いて位座に戻り、再拝する。節を持つ者は衣を加える。謁者は使・副を引き連れて西の階段から降りて出る。
制文は版を用い、長一尺二寸(約28cm)、幅は四寸(約9cm)で、厚さは八分(約1.8cm)で、香合の家の答版もまたこれと同様である。
問名(女の名前を尋ねる)。使者が出た後、遂に内門の外の西に立ち、東向きとなる。主人は内門の内の東廂に立ち、西向きとなる。儐者(案内役)は出て何の用で来たのか尋ねると、使者は、「吉凶を卜筮するから、制を奉って名を尋ねに来た」と言うと、儐者は入って報告する。主人は、「臣某の娘はこのような子ですが、勅を受けて来られたのですから、臣某は断ることができません」と言うと、儐者は出て報告し、入って、主人を引き連れて出て、使者を迎えて入るが、主人に制書を授けること、答表はいずれも納采と同様である。使・副は西の階段から降りて出て、内門の外の西に立って、東向きとなる。主人は東の階段の下に立ち、西向きとなる。儐者は出て何の用で来たのか尋ねると、使者は「儀式は終わりました」と言う。儐者は入って報告すると、主人は「某公は制を奉って某の部屋においでになりました。某には先人のしきたりがありまして、従者の方にも礼させてください」と言うと、儐者は出て報告する。使者は、「某はすでに問名の事を行なうことができました。これで失礼させていただきます」と言うと、儐者は入って報告し、主人は、「先人のしきたりでございますから、是非礼をお受けください」と言い、儐者は出て報告すると、使者は「某が辞退いたしましてもお許しを得ることができませんから、従わないわけにはまいりません」と言うと、儐者は入って報告し、遂に主人を引き連れて登って序(正房の牆)の端に立つ。掌事者は机を撤去し、二筵を設けて東を班位の上とする。甒(とっくり)の中に入った酒を東房の西壁の下に置き、杓に冪(白布)を加え、坫(土製の高台)は尊の北にあり、酒で満たした觶(青銅製の小型の三升入飲料器)二、角柶(さじ)二、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)がそれぞれ一で、干し肉と塩辛で満たし、坫(土製の高台)の北にあった。また洗を東南に設置した。主人は降りて使者を迎え、西向きとなって会釈し、先に入る。使・副は門に入って左に、主人は門に入って右に行く。階段に到着すると、主人は、「某公の座席は登ったところになさってください」と言うと、使者は「某は辞退させていただきたい」と言い、主人がまた「お願いですから某公の座席は登ったところになさってください」と言うと、使者は「辞退させていただきたい」と言い、主人がまた「最後まで申しますが、某公の座席は登ったところになさってください」と言い、使者は「最後まで辞退申し上げたい」と言い、主人は東の階段から登り、使・副は西の階段から登り、北向きに立つ。主人は東の階段の上にて、北向きに再拝する。机を序(正房の牆)の端にて受け取る。掌事者は内に向かって机を払うこと三度、両端を奉って西北向きで進む。主人は東南向きで、外に向かって机を払うこと三度、袂を振るって、内にこれを持つ。掌事者一人は同じく机を持って従い、主人は進み出て、西北向きとなる。使者は序列によって進み、迎えて筵前にて受け、東南向きで待機する。主人は東の階段の上に戻り、北向きで再拝して見送る。使者は机を持って跪いて進み、北向きに跪き、それぞれ位座を左に設置し、西の階段の上に退き、北向きで東を班位の上とし、答拝し、階段の西に立ち、東向きで南を班位の上とする。賛者二人は一緒に登り、觶(青銅製の小型の三升入飲料器)を取って降り、手を洗い、觶を洗い、升って、酒で満たし、觶に柶(さじ)を加えて覆いを被せ、柶の葉を手前にし、部屋を出て、南向きとなる。主人は酒を受け取ると、柄を表向きとし、使者の筵前の西に進み出て、北向きに立つ。また賛者は觶を持って従う。使者は西の階段の上に北向きとなり、それぞれ一度拝礼し、序列によって筵前の東に進み出て、南向きとなる。主人もまた幄によって酒を授け、使者は受け、共に西の階段の上の位座に戻る。主人は退き、また東の階段の上で、北向きに一拝して見送る。掌事者は塩辛・干し肉を筵の前にお供えする。使者はそれぞれ進み出て、筵にあがり、全員座り、左手に觶(青銅製の小型の三升入飲料器)を持ち、右手に干し肉を取り、塩辛を手揉みし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭り、それぞれ柶(さじ)を用いて醴(さけ)を祭ること三度、始めは一度柶(さじ)を挟んで祭り、また柶(さじ)を挟んで二度目の祭をし、立ち上がり、それぞれ柶(さじ)を用いて複数の觶を掻き合わせて奉り、手に持って筵を降りて西の階段の上に行き、共に北向きに座り、醴(さけ)をすすり、柶(さじ)を立て、それぞれ觶をお供えに捧げてから拝礼し、觶を持って立ち上がる。主人は答拝する。使者は進み出て、筵にあがって座り、それぞれ觶をお供えの東に捧げる。筵をおりて、序列によって西の階段の上に登り、東向きで南を班位の上とする。馬を牽く者は二頭の馬を牽いて門の内に並べ、その位置は庭の南北を三分してその一つだけ南のところにあり、北向きで西を班位の上とする。また掌事者は幣の篚(竹籠)を奉り、東の階段から登り、主人に授け、主人は序(正房の牆)の端にて受け取り、進み出て西向きの位座とした。掌事者一人は、同じく幣の篚を奉り、主人の後ろに立つ。使者は西の階段の上で、共に北向きとなって再拝する。主人は進み出て柱間に到着すると、南向きに立ち、使者は序列によって進み、主人の西に立ち、共に南向きとなる。主人は幣の篚を持って使者に授け、使者は受け取ると、退いて西の階段の上に立ち、東向きとなる。執幣者は同じく主人に授け、主人は受け取ると使・副に授け、使・副は受け取ると、退いて使者の北に立ち、共に東向きとなる。主人は東の階段の上に戻り、北向きとなり再拝して見送る。使者は降りて西の階段から、従者は迎えて幣の篚を受け取る。使者は庭に陳列された物品に対して馬に会釈して出て、馬を牽く者は従って出る。使者は大門の外の西に出て、東向きに立つ。従者は迎えて馬を受け取る。主人は門の東に出て、西向きに再拝して見送る。使者は退くと、主人は入り、東の階段の下に立ち、西向きとなる。儐者は主人に「賓は顧みることはしません」と告げ、主人は寝に戻る。使者は答表を奉って宮殿にやって来る。
納吉(うらないの吉を女の家に告げ納れる)。使者が挨拶して「卜筮し、占ったところ、日に従いよろしいとでました。制により使某もまた入って告げます」と述べると、主人は挨拶して、「臣某の娘はこのような子ですが、亀筮は吉と出ました。臣は見に備えている者ですから、臣某は謹んで典制を奉ります」と述べ、その他はすべて納采と同様である。
納徴(婚約のしるしとして使者をして幣帛を納めさせる)。その当日、使者は主人の門の外にやって来て、執事する者は入り、幕を内門の外に敷き、黒と薄赤の束帛を幕の上に並べ、六馬(種馬・戎馬・斉馬・道馬・田馬・駑馬)を幕の南に並べ、北向きで西を班位の上とする。執事する者は穀珪を奉って櫃を持ち、幕の東で待機し、西向きとなる。謁者は使者および主人を引き連れて大門の内の外に立つ。儐者(案内役)は進み出て命を受け、出て何の用で来たのか尋ねる。使者は「某は制を奉って納徴に参りました」と言うと、儐者は入って報告し、主人は、「制を奉った賜臣であるから礼を重んじよう。臣某はただ典制を奉るだけです」と言い、儐者は出て告げると、入り、主人を引き連れて出て、使者を迎えて入る。執事する者は座り、櫃を開けて珪を取り出し、黒と薄赤の帛を加える。馬を牽く者は従って入り、その位置は庭の南北を三分してその一つだけ南のところにあり、北向きで西を班位の上とする。珪を持つ者は馬の西にいて、共に北向きとなる。その他はすべて納采と同様である。
冊后(皇后を冊立する)。祭祀一日前、守宮署は使者の幄を皇后氏の大門の外の西に設置し、尚舎は尚宮以下の幄を皇后氏の閤(宮門)の外の道の西に設置し、東向きとし、障を用いて行帷とする。祭祀当日、臨軒して使に命じることは、納采と同様である。奉礼は使者の
版位を大門の外の西に設置し、東向きとし、使・副および内侍の
版位を使者の南に設置し、冊の置かれた机および宝綬をかかげる者は南にあり、差をつけて後ろに下げ、持節する者は使者の北にあって、やや退き、共に東向きとなる。主人の
版位を大門の外の南に設置し、北向きとする。使者以下および主人の
版位を内門の外にすることは、また同様である。内謁者監の
版位を内門の外の主人の南に設置し、西向きとする。司賛の
版位を東の階段の東南に設置し、掌賛二人は南にいて、差をつけて後ろに下げ、共に西向きとする。また一つの机を閤の外に設置する。使・副は輅車に乗り、持節し、儀仗を並べ、鼓吹は準備されるも鳴らさない。内僕局は
重翟以下を大門の外の道の西に進め、東向きとし、北を班位の上とする。諸衛はその部下に皇后の儀仗を布告させる。使者は幄を出て、
版位につく。主人は朝服を着用して東の階段の下に立ち、西向きとなる。儐者(案内役)は命を受け、出て何の用で来たのか尋ねる。使者は「某は制を奉って、皇后に備物・典冊を授けます」と言うと、儐者は入って報告すると、主人は出て大門の外で迎え、北向きに再拝するが、使者は答拝しない。使者は門に入って左に、持節する者は前導し、机を持つ者はこれに続く。主人は門に入って右に、内門の外の位座に到着する。冊の置かれた机および宝綬をかかげる者は進み、使・副に冊・宝を授ける。内侍は使者の前に進み出て、西向きで冊・宝を授け、東向きに内謁者監に授け、持って入り、閤の外の西に立ち、東向きに跪いて机に置く。尚宮以下は閤に入り、皇后の首飾り・
褘衣を奉り、傅姆(お守りの婆や)・賛は出て、尚宮は引き連れて降りて庭中に立ち、北向きとなる。尚宮は跪いて冊を取り、尚服は跪いて宝綬を取り、后の右に立ち、西向きとなる。司言・司宝はそれぞれ一人づつ后の左に立ち、東向きとなる。尚宮は「制が出されました」と言うと、尚儀は「再拝せよ」と言い、皇后は再拝する。冊を宣り給う。尚儀は「再拝せよ」と言うと、皇后はまた再拝する。尚宮は皇后に冊を授け、受け取って司言に授ける。尚服もまた宝綬を授け、受け取って司宝に授ける。皇后は座に登り、内官以下は共に降りて庭に立ち、二列に並んで互いに向かい合い、西向きとなる。司賛が「再拝せよ」と言うと、掌賛は伝令を受け、全員が再拝する。それぞれの侍衛が登り、侍位に立つ。尚儀は進み出て跪き「儀式は終わりました」と奏ずると、皇后は座を降りて入る。使者は復命する。
使者を派遣してお迎えする。その当日、侍中は「厳粛にしてください」と版奏(額を掲げて君主に報告する儀礼行為)する。皇帝は冕を着用して出て、御殿に登り、文武の官の五品以上は東西の
朝堂に立つ。お迎えの一日前、守宮署は使者の幄を大門の外の道の右に設置し、使・副および内侍の幄を使者の幄の西に設置し、共に南向きとする。尚舎は宮人の幄を閤(宮門)の外の道の西に設置する。奉礼は使・副・机を持つ者・雁を持つ者・持節する者および奉礼・賛者の
版位を設置することは、冊后と同様である。また内侍の
版位を大門の外の道の左に設置し、西向きとする。また宮人以下の
版位を堂の前に設置する。使・副は朝服で、輅車に乗って持節し、大門外の幄に出て、宮人らはそれぞれの幄でお迎えする。尚儀は「皇后は厳粛にしてください」と奏する。傅姆(お守りの婆や)は皇后を導き、尚宮は進み出て引き連れ、堂に登る。皇后は出ようとすると、主婦は房の外の西に出て、南向きとなる。文武官のお迎えする者は全員大門の外に陪立し、文官は東に、武官は西におり、全員北を班位の上とする。謁者は使者を引き連れて大門の外の
版位に行き、主人は内門の外の堂の前の東階段の下に立ち、西向きとなる。儐者(案内役)は命を受けて、出て何の用で来たのか尋ね、使者は「某は制を奉って、今日が吉日であるから、職官を率いてお迎えに参りました」と言うと、儐者は入って報告し、主人は「臣は謹んで典制を奉る」と言い、儐者は出て告げ、入って、主人を引き連れて門の南に出て、北向きに再拝する。謁者は引き連れて内門の外の堂の西階段に到着し、使者はまず登り、両柱の間に位座し、南向きとなり、副は西にいて、机を持つ者・雁を持つ者は西の南にあって、共に東向きとなる。主人は東の階段を登り、使者の前に到着すると、北向きで立つ。使・副は制書を授け、「制が出されました」と述べると、主人は再拝する。使者は制を宣り給い、主人は降りて階段の間にやって来て、北向きに再拝稽首する。登り、進み出て、北向きに制書を受け取る。主人は再拝し、北向きに立つ。使・副は授を授けると、主人は再拝し、進み出て受け取り、そこで北向きに立つ。儐者は二人を引き連れて対となって答表の机をかかげて進み、主人は表を使・副に授け、再拝し、西の階段から降りて出て、門の外の位座に戻る。奉礼は「再拝せよ」と言うと、賛者は伝令し、使・副は共に再拝する。使者は「令月吉日、臣某らは制を承って、職員を率いてお迎えいたします」と言い、内侍は受けて入り、司言に伝え、司言はこれを受けて奏聞する。尚儀は皇后に奏請して再拝する。主人は入り、東の階段から登り、西向きに戒めて「よく勉めよく謹んで、夙夜家の内のことに違ってはなりません」と言い、主人は退くと、東の階段の上に立ち、西向きとなる。母は西の階段の上で戒め、衿を施し裂を結びつけて、「よく勉めよく謹んで、夙夜家の内のことに違ってはなりません」と言い、皇后は輿に登ってから降り、
重翟に登るのに机を用い、乳母は麻布でつくった打掛を着せ、内宮侍従および内侍は導き引き連れ、乗車で従者としたがわせるべきことは鹵簿と同様である。皇后の車は大門の外に出ると、順序によって車馬に乗って付き従う。
同牢(夫婦が共にする食事)の日、内侍の部下は皇后の大幄を皇帝の御するところの殿門の外の東に設置し、南向きとする。夕方になろうとすると、尚寝局は皇帝の御幄を室内の奥に設置し、東向きとする。地に席を敷き茵を重ね、障壁を施す。黄昏時、尚食は洗を東の階段に設置し、東西は東の軒先から南に延長した線上にあたり、南北の距離は堂の奥行きに等しくなるようにする。皇后の洗は東房の、北に近いところに設置する。お供えを東房の西壁の下に設置し、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)はそれぞれ二十四、簋(脚付きの青銅蓋物)・簠(穀物を盛る方形の祭食器)はそれぞれ二、豋(肉を盛る祭器)はそれぞれ三、俎は三である。尊を室内の北壁の下にし、玄酒(酒の代用とする水)は西にある。また尊を房の戸の外の東にし、その場合玄酒はない。坫(土製の高台)は南にあり、四つの爵、合巹(酒杯にするため瓠を二つに割いて合わせたもの)を加える。器はすべて黒漆塗りで、合巹は匏を用いる。皇后は大門に配流と、鍾・鼓が鳴らされる。永巷(掖庭)から大幄の前まで、車を回して南向きとし、障壁を設置する。尚儀は進み出て車の前に行くと、跪き降車を願い出る。皇后は降りると、幄に入る。尚宮は引き連れて殿門の外に到着し、西向きに立つ。尚儀は跪いて「外辦(お出ましになる準備は出来ております)、座を降りて礼し迎えてください」と奏上する。皇帝は座を降り、尚宮は前に引き連れ、門内の西に到着すると、東向きに皇后に会釈して入る。尚食は玄酒を酌んで三度尊に注ぎ、尚寝は席を室内の西に設置し、東向きとする。皇帝は皇后を導いて西の階段から登り、室に入って席につき、東向きに立つ。皇后は入ると、尊の西に立ち、南向きとなる。皇帝は西の洗で手洗いし、皇后は北の洗で手洗いする。お供えが入ると、醤を席の前に設け、塩辛はその北にあり、俎三つを豆(高坏形の青銅盛器)の東に設置し、豚の俎の生贄は北にある。尚食は黍を醤の東に設置し、稷・稲・粱もまたその東にあり、湆(羹の煮汁)を醤の南に設置する。皇后の対席の醤を東に設置し、俎の生贄に対して、塩辛はその南にあり、北を班位の上とする。黍を豚の俎の北に設置し、その西を稷・稲・粱とし、湆(羹の煮汁)を醤の北に設置する。尚食は蓋を開いて簠(穀物を盛る方形の祭食器)・簋(脚付きの青銅蓋物)の南にあおむけにし、対となる簠・簋は北とし、匙・箸を加え、尚寝局は対席をお供えの東に設置する。尚食跪奏「饌具」。皇帝は皇后に会釈して登り、席を対にし、西向きとなり、全員が座る。尚食は跪いて韮の酢味噌漬けを取って塩辛を手揉みして皇帝に授け、韮の酢味噌漬けを取って塩辛を手揉みして皇后に授け、二人とも受け取り、豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭る。尚食もまた黍の実を左手で取って、あまねく稷・稲・粱を右手に返し、皇帝に授け、また黍・稷・稲・粱を取って皇后に授け、二人とも受け取り、豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭る。またそれぞれ骨のついた干し肉の絶末(先)を取って皇帝・皇后に授け、共に豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭る。尚食はそれぞれ骨のついた干し肉を俎に加える。司飾二人は巾を皇帝および皇后に授け、共に手を清める。尚食はそれぞれ跪き、序列によってお供えを食べ、黍を移して席上に置き、序列によって背骨のついた干し肉を授け、皇帝・皇后はすべて食べ、三飯して、食べ終わる。尚食二人は共に手を洗って爵を房で洗い、室に入り、尊に酌み、皇帝・皇后に授け、共に受けて祭る。尚食はそれぞれ肝を持って従い、皆爵を捧げ、振り祭り、肝を食らう。尚食は皆受け取り、俎・豆(高坏形の青銅盛器)を満たす。それぞれ爵を取り、皆飲む。尚儀は空となった爵を受け取り、坫(土製の高台)に捧げる。再び酒をお注ぎすることは最初の通りで、三度目の酒をお注ぎする際には合巹(酒杯にするため瓠を二つに割いて合わせたもの)を用いることは、再び酒をお注ぎするのと同様である。尚食は共に東の階段を降り、爵を洗い、登って、戸の外で酌み、進み出て、北向きで爵を捧げ、立ち上がり、再拝し、跪き爵を取って酒を祭り、遂に爵を飲み干して、捧げ、遂に拝礼し、爵を持って立ち上がり、降り、篚(竹籠)に捧げる。尚儀は北向きに跪き、奏上して「以上で儀礼が終了します。お立ちください」と言うと、皇帝・皇后は共に立ち上がる。尚宮は皇帝を引き連れて東房に入り、冕服を脱ぎ、常服を御召になる。尚宮は皇后を引き連れて幄に入り、服を脱ぐ。尚宮は皇帝を引き連れて入る。尚食はお供えを撤饌し、東房に設置することは、最初の通りである。皇后の従者は皇帝のお供えの余り物を食べ、皇帝の侍者は皇后のお供えの余り物を食べる。
【皇太子納妃】
皇太子が妃を納れる。
皇帝は使者を派遣して主人の家に到着するが、持節せず、制書はない。その納采(結納)・問名(女の名前を尋ねる)・納吉(うらないの吉を女の家に告げ納れる)・納徴(婚約のしるしとして使者をして幣帛を納めさせる)・告期(時期を告げる)は、すべて皇后の礼と同様である。
冊妃。祭祀の一日前、主人は使者の幄を大門の外の道の右に設置し、南向きとする。また宮人の幄を使者の西南に設置し、共に東向きとし、障壁で行帷とする。奉礼は使者の
版位を大門の外の西に設置し、副および内侍もおなじくその南とし、冊の机をかかげる者および璽綬、命服者もまた南に、差をつけて後ろに下げ、共に東向きとする。主人の
版位を門の南に設置し、北向きとする。また
版位を内門の外に設置するのはこれと同様である。典内の
版位を内門の外の主人の南に設置し、西向きとする。宮人の
版位を門外の使者の後ろに設け、二列に並んで東向きとし、北を班位の上とし、障壁で行帷とする。賛者二人の
版位を東階段の東南に設置し、西向きとする。典内は一つの机を閤(宮門)の外に預け置く。使・副は朝服で、輅車に乗って持節し、鼓吹は準備されるも鳴らさない。妃氏が大門の外の幄に到着すると、掌厳は
褕翟の衣および首飾りを奉り、内厩尉は
厭翟を大門の外の道の西に進め、東向きとし、北を班位の上とする。諸衛はその部下を率いて儀仗を敷き並べる。使者が幄を出ると、持節して前導し、宮人・典内はいずれも
版位に就く。主人は朝服で、大門の外に出迎え、北向きとなって再拝する。使者は門に入って左に、机を持って従う。主人は入って右にし、内門の外の位座に到着する。冊・宝の机を奉る者は進み出て、使・副に冊・宝を授け、内侍は西向きに受け取り、東向きに典内に授け、典内は持って入り、跪き閤(宮門)内の机に置く。衣服を奉る者および侍衛する者は従い入り、全員が典内の南に立ち、共に東向きとなる。傅姆(お守りの婆や)は妃を助けて出て、庭中に立ち、北向きとなる。掌書は跪き玉宝を取り、南向きとなる。掌厳は首飾り・
褕翟を奉り、諸宮の官・侍衛の者と共に順番に入る。司則は前に進み出て妃を助けて再拝し、北向きに冊・宝を掌書より受け、南向きに妃に授け、妃は司閨に授ける。司則はまた助けて再拝し、そこで妃に座に登ることを願い出る。宮官以下は全員降りて庭に立ち、二列に並んで、北向きで西を班位の上とする。賛者は「再拝せよ」と言うと、全員再拝する。司則は前に進み出て「儀式は終わりました」と申し上げる。妃は座を降り、室に入る。主人・儐者(案内役)・使者は礼賓の儀と同様である。
臨軒して醮戒する。祭祀の一日前、衛尉は幄を東
朝堂の北に設置し、西向きとなる。また宮官の帷を
重明門の外に設置する。その当日、皇太子は
袞冕を着用して出て、
金輅に登り、
承天門で輅車を降り、幄に就く。祭祀の一日前、担当官署は御座を
太極殿の東階段の上に設置し、西向きとする。群官の幄を
朝堂に設置し、縣を展開し、車輅を並べる。その当日、尚舎は皇太子の席位を戸・壁の間に設置し、南向きとし、いぐさで編まれた席・藻席(なめし皮で板を覆った敷物)とする。尚食は酒の尊を東序(正房の東の牆)の下に設置し、また干し肉が入った籩(高坏)を一つ、塩辛が入った豆(高坏形の青銅盛器)を一つ並べ、尊の西にある。日暮れの三刻前、群官の
版位を内に設置し、奉礼は
版位を外に設置することは、朝賀の礼と同様である。侍中は「厳粛にしてください」と版奏(額を掲げて君主に報告する儀礼行為)する。祭祀の三刻前、諸侍衛の官・侍中・中書令以下は共に閤(宮門)に到着してお迎えする。典儀は賛者を率いて先に入って
版位に就き、吏部・兵部の賛羣官は幄を出て、門の外の
版位に就く。侍中は「外辦(お出ましになる準備は出来ております)」と版奏する。皇帝は
通天冠・
絳紗袍を着用し、乗輿は西房から出て、御座について西向きとなる。群官は入って
版位に就く。典儀が「再拝せよ」と言うと、賛者は伝令し、位座にある者は全員再拝する。皇太子は縣の南に入ると、典儀は「再拝せよ」と言い、賛者は伝令し、皇太子は再拝する。階段に到着すると、舄(くつ)を脱ぎ、席の西に登り、南向きに立つ。尚食は酒を順番に酌み、進み出て皇太子の西に到着し、東向きに立つ。皇太子は再拝し、爵を受け取る。尚食はまた干し肉・塩辛を席前にお供えする。皇太子は席に登って座り、左に爵を持ち、右に干し肉を取り、塩辛を手揉みし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭る。右手に酒を祭り、立ち上がり、席の西に降り、南向きに座り、酒をすすり、爵を捧げ、立ち上がり、再拝し、爵を持って立ち上がる。尚食奉御はからの爵を受け取り、尚食直長はお供えを撤饌し、房に戻る。皇太子は進み出て、御座の前にあたり、東向きに立つ。皇帝は命じて、「行ってお前の助けとなる妻を迎え、我が宗廟の祭祀を受け継ぎ、妻に対しては敬意をもって接し婦道を踏み外させぬようにつとめひきいよ」と言うと、皇太子は「臣は謹んで制旨を奉ります」と答え、再拝し、西の階段から降り、舄(くつ)をはいて、門を出る。典儀は「再拝せよ」と言うと、賛者は伝令して、位座にある者は全員再拝し、序列によって退出する。侍中は前に進み出て跪き「儀式は終わりました」と述べる。皇帝は入る。
皇太子は命を受けると、燭を取って馬に先立って行き、鼓吹をならし、妃氏の大門の外の道の西の幄に行き、輅車をまわして南向きとする。左庶子は跪いて奏じ、輅車を降りて幄に行く。主人は机・筵を設置する。妃は
褕翟・
花釵を着用し、東房に立ち、主婦は房の戸の外の西に立ち、南向きとなる。主人は
公服を着用して出て、大門の内に立って、西向きとなる。廟にあっては祭服を着用する。左庶子は跪いて「請就位」と奏上する。皇太子は門の西に立ち、東向きとなる。儐者(案内役)は命を受けて、出て何の用で来たのか尋ね、左庶子は伝令して跪いて奏じ、皇太子は、「この初昏(たそがれ)をもって、私の父が某として来迎のことを行わせました。どうかお許しの命令を承けさせてください」と言うと、左庶子は俯いて伏せ、立ち上がり、儐者に伝え、入って告げ、主人は「某は前から気をつけて準備をして、今日という日をお待ちしておりました」と言うと、儐者は出て、左庶子に伝えてこれを奏じた。儐者は入り、主人を引き連れて門外の東に迎え、西向きに再拝し、皇太子は答えて再拝する。主人は皇太子に会釈して先に入り、掌畜者は雁を持って左庶子に授け、これを皇太子に授け、雁を持って入る。内門におよび、主人は謙譲して、「皇太子はお入りください」と言うと、皇太子は、「某は先に行くわけには参りません」と言うと、主人はまた強く願い、皇太子はまた「某はもとよりさきに行くわけには参りません」と言い、主人は会釈し、皇太子は門に入って左に、主人は門に入って右にいく。内門におよび、主人は会釈して入り、門内の庇に着くと、曲がろうとするたびに会釈し、階段を登ろうとするたびに会釈し、皇太子はすべて会釈を返す。階段に到着すると、主人は、「皇太子はお登りください」と言い、皇太子は「某は辞退させていただきたい」と言い、主人は強く願うと、皇太子はまた「某は強く辞退させていただきたい」と言い、主人は最後まで願うと、皇太子もまた「某は最後まで辞退させていただきたい」と言い、主人は会釈し、皇太子は会釈を返す。主人は登り、東の階段の上に立ち、西向きとなる。皇太子は登ると、進みでて房の戸に前あって、北向きとなり、跪いて雁を捧げ、再拝し、降りて、出る。主人は降りずに見送る。内厩尉は
厭翟を内門の外に進め、傅姆(お守りの婆や)は妃を導いて、司則は前に出て引き連れ、母の左に出る。先生と乳母は右にいて、保姆(お手伝いさん)は左にいる。父はやや進み出て進、西向きに戒めて、「必ず身を正しくすること、この衣のようにしなさい」と言い、「よく勉めよく謹んで、夙夜家の内のことに違ってはなりません」と命じ、母は戒めて西の階段の上にいて、衿を施し裂を結びつけて、「よく勉めよく謹んで、夙夜家の内のことに違ってはなりません」と命じ、父の妾である庶母は身分が低いので廟の門内まで送っていき、鞶(おおおび)を施し、重ねて父母の命を言い、「よく敬み恭い、よく聴いて、お前の父と母の言いつけを守り貴び、夙夜過つことがないように、この衿や鞶(おおおび)をよく見て思い出しなさい」と命じ、妃は後に内門を出て、輅車の後ろに到着し、皇太子は綏(ひも)を授けようとすると、乳母は辞退して受け取らず、「まだよく教えておりませんので、同じように礼を行なうことができません」と言う。妃は輅車に登り、乗車に机を用い、乳母は麻布でつくった打掛を着せる。皇太子は馭して三周をめぐり、馭者はこれに代わる。皇太子は大門を出て、輅車に乗って宮に帰り、妃は後に続く。主人はその部下に妃を見送らせ、一族を従える。
同牢(夫婦が共にする食事)の日、司閨は妃の幄を閤(宮門)内の道の東に設置し、南向きとする。皇太子の御幄を内殿の室内の西の廂に設置し、東向きとする。席を設けて茵を重ね、障壁を設置する。同牢の席を室内に設け、皇太子の席を西廂にし、東向きとし、妃の席は東廂にし、西向きとする。席間に多くのご馳走を入れる。洗を東の階段の東南に設置し、妃の洗を東房近くの北に設置する。お供えを東房の西柱の下にし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)はそれぞれ二十、簠(穀物を盛る方形の祭食器)・簋(脚付きの青銅蓋物)はそれぞれ二、鈃(酒の器皿)はそれぞれ三、土器の豋(肉を盛る祭器)は一、俎は三である。尊は室内の北の柱の下にあり、玄酒(酒の代用とする水)は西にある。また尊を房の戸の外の東に設置するが、玄酒はない。篚(竹籠)は南にあって、四つの爵、合巹(酒杯にするため瓠を二つに割いて合わせたもの)を満たす。皇太子の車は左の閤(宮門)にあり、輅車を回して南向きとし、左庶子は跪いて「輅車をお降りください」と奏ず。入って内殿の門外の東で待機し、西向きとなる。妃は左の閤(宮門)の外にあり、輅車を回して南向きとなり、司則は妃が輅車を降りるよう願い、前後に扇・燭が付き従う。幄について内殿の門の西に立ち、東向きとなる。皇太子は会釈して入り、西の階段から登り、妃は従って登る。扇・燭を持つ者は東・西の階段の内に陳列する。皇太子は席につき、東向きに立ち、妃は西向きに立つ。司饌は進み出て階段の間にやって来て、跪いて「ご馳走を並べるよう」と言うと、司則は伝令を承けて「了承した」と言い、遂にお供えを設置することは皇后の同牢の礼と同様である。司饌は跪いて「お供えが備わりました」と言う。皇太子と妃は共に座る。司饌は跪いて干し肉を取り、韮の酢味噌漬けを取り、塩辛を手揉みして、皇太子に授け、また取って妃に授け、二人とも受け取り、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭る。司饌は跪いて黍の実を左手にとり、まんべんなく稷を取って右手にかえし、皇太子に授け、また妃に授け、それぞれ受け取り、漬物・干し肉の間にする。司饌はそれぞれ立ち、骨のついた干し肉を取ってすべて絶末(先)で、跪いて皇太子および妃に授け、二人とも受け取り、また漬物・干し肉の間に祭る。司饌は共に骨のついた干し肉を俎に加える。掌厳は皇太子妃に巾を授け、手を清める。柶(さじ)を用いて上鈃(酒の器皿)をかき混ぜ、まんべんなく手揉みし、上豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭る。司饌は序列によって妃のお供えを食べ、黍を移して席の上に置き、序列によって跪いて背骨のついた干し肉を授ける。皇太子および妃は湆(羹の煮汁)・醬を食べ、三飯し、食べ終わる。司饌は北向きとなって酒を進めることを願い、司則は令を承けて「了承した」と言い、司饌二人は共に手を洗って爵を房で洗い、室に入り、尊に酌み、北向きに立つ。皇太子および妃は共に立ち上がり、再拝する。一人は進み出て皇太子に授け、一人は妃に授け、皇太子および妃は共に座り、酒を祭り、酒をかかげ、司饌はそれぞれ肝を持って従い、司則は進み出て空の爵を受け取り、篚(竹籠)に捧げる。司饌もまた共に爵を洗い、酒を酌み、二度酒をお注ぎし、皇太子および妃は共に爵を受け取って飲む。三度目の酒をお注ぎする際には合巹(酒杯にするため瓠を二つに割いて合わせたもの)を用いることは、再び酒をお注ぎするのと同様である。皇太子および妃は席の後ろに立ち、司則は共に東の階段から降り、爵を洗い、登り、戸の外で酌み、北向きとなり、共に爵を捧げ、立ち上がると、再拝する。皇太子および妃は共に答拝する。司則は座り、爵を取って酒を祭り、遂に飲み、爵をすすり、捧げ、拝礼し、爵を取って立ち上がり、降り、爵を篚(竹籠)に捧げる。司饌は「撤饌します」と奏上する。司則は前に跪いて「司則の妾姓が申し上げます。殿下はお入りください」と奏上し、皇太子は東房に入り、冕服を脱ぎ、
袴褶を着用する。司則は妃に申し上げて帷幄に入り、皇太子はそこで室に入る。媵は皇太子のお供えの余り物を食べ、御は妃のお供えの余り物を食べる。
【親王納妃】
親王が妃を納れる。
その納采(結納)・問名(女の名前を尋ねる)・納吉(うらないの吉を女の家に告げ納れる)・納徴(婚約のしるしとして使者をして幣帛を納めさせる)・請期(時期を尋ねる)、使者の
公服、牛車に乗ること、妃氏の家に行くこと、主人が廟で受けるのを寝でするようにすること、その賓主の相見、儐賛の出入登り降り、その礼賓は、大抵すべて皇太子の使と同様であるが、副がいない。聘は黒と薄赤の束・乗馬を用い、玉は璋を用いる。冊命の日、使者は持節するが、副はいない。
親迎(新郎がみずから新婦の家に出かけて迎える)。王は
袞冕を着用して輅車に乗り、妃氏の門の外に到着すると、主人は席を室の戸の外の西に敷き、西を班位の上とし、右に机を置く。また戸の内に席を設け、南向きとする。甒(とっくり)の中に入った酒を東房の東北の隅に設け、篚(竹籠)は尊の南にあり、觶(青銅製の小型の三升入飲料器)一・角柶(さじ)一を満たし、干し肉・塩辛もまたその南にある。妃は房内で席につき、南向きに立ち、乳母は右に立つ。主人は戸の東に立ち、西向きとなる。内賛者は觶で醴(さけ)を酌み、柶(さじ)を加えて覆いを被せ、柄を表にし、筵の前に進み出て、北向きとなる。妃は席を降りて西にいき、南向きに再拝し、觶を受け取る。内賛者は干し肉・塩辛をお供えし、妃は席に登り、跪き、左手に觶を持ち、右手に干し肉を持ち、塩辛を手揉みし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭り、遂に柶(さじ)を用いて醴(さけ)を祭ること三度、始めは一度柶(さじ)を挟んで祭り、また柶(さじ)を挟んで二度目の祭をし、立ち上がり、筵の端で跪き、醴(さけ)をすすり、柶(さじ)を立て、觶を捧げてから、筵の西に降り、南向きに再拝し、席について立つ。主人はそこで賓を迎える。その他はすべて皇太子の迎と同様である。
初昏(たそがれ)に、洗を東の階段の東南に設置し、また妃の洗を東房付近の北に設置する。東房にお供えし、帷を障壁とする。豆(高坏形の青銅盛器)は十六、簠(穀物を盛る方形の祭食器)・簋(脚付きの青銅蓋物)はそれぞれ二、豋(肉を盛る祭器)はそれぞれ二、俎は三、羊と豚で、干し肉は羊と豚の節を折り、尊・坫(土製の高台)は室内の北壁の下にし、玄酒(酒の代用とする水)は西にある。また尊を房の戸外の東に設置するが、玄酒はなく、坫(土製の高台)は南にあり、四つの爵、合巹(酒杯にするため瓠を二つに割いて合わせたもの)を満たす。王が到着すると、車を降りて待機し、妃が到着すると、車を降りて北向きに立つ。王は南向きとなり、妃に会釈して入り、寝の門におよび、また会釈して入る。賛者は玄酒を酌んで三度尊に注ぎ、妃の従者は席を奥に設置し、東向きとなる。王は妃を導いて西の階段から登り、室に入り、席について東向きに立つ。妃は入って尊の西に立ち、南向きとなる。王は南の洗で手洗いし、妃の従者はこれに水をかける。妃は北の洗で手洗いし、王の従者はこれに水をかける。共に位座に戻ると立つ。賛者はお供えを設けて入り、西向きとなり、「お供えが備わりました」と告げる。王は妃に会釈し、向かいあった席につき、西向きとなり、全員が着座する。先に祭礼をして後で食事し、そこで酒をお注ぎして祭り、燭が入ってくるのは、すべて太子納妃の礼と同様である。
【公主出降】
公主出降。礼はすべて王妃と同様だが、納采(結納)・問名(女の名前を尋ねる)・納吉(うらないの吉を女の家に告げ納れる)・納徴(婚約のしるしとして使者をして幣帛を納めさせる)・請期(時期を尋ねる)は、主人はすべて寝にて礼を受ける。その賓の挨拶に「国恩により、室(つま)として某公の子にくださることになりました。某公には先人からのしきたりがありまして、某を使いとして請わせるためにさしむけました」と述べ、主人は賓に命じて、「寡人には先皇のしきたりがございます」と言う。
【諸臣之子納婦】
諸臣の子で、一品から三品で父から一等を降す場合は、黒と薄赤の束・乗馬で、玉を璋とする。四品から五品で一等を降す場合は、黒と薄赤の束・二頭の馬で、璋はない。六品から九品までで一等を降す場合は、黒と薄赤の束・一対の鹿皮が二で、馬はない。一対の鹿皮は二で、内側に畳んで、毛は内側にあるようにし、首を左にし、幕の南に立つ。その他の納采(結納)・問名(女の名前を尋ねる)・納吉(うらないの吉を女の家に告げ納れる)・納徴(婚約のしるしとして使者をして幣帛を納めさせる)・請期(時期を尋ねる)は、大抵すべて親王納妃と同様である。
親迎(新郎がみずから新婦の家に出かけて迎える)の日、早朝、婿の父・娘の父は亡き父の廟もしくは寝に告祭する。まさに出発しようとする時、席を東序(正房の東の牆)に敷き、西向きとなり、また戸の窓の間に、南向きとなる。父は
公服を着用し、東序に座り、西向きとなる。子の服はその上服で、一品は
袞冕、二品は
鷩冕、三品は
毳冕、四品は
絺冕、五品は
玄冕、六品は
爵弁。庶人は
絳公服である。西の階段から登り、進に出て席の西に立ち、南向きとなる。賛者は酒を酌んで進み出て、北向きとなって子に授け、子は再拝して爵を受け取る。賛者は干し肉・塩辛を席の前にお供えし、子は席に登り、跪き、左手に爵を持ち、右手に干し肉を取り、塩辛を手揉みし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭る。右手で酒を祭り、爵を持って立ち上がり、席を降りて西にし、南向きに跪き、爵を飲み干すと、再拝し、爵を持って立ち上がる。賛者は空の爵を受け取って尊の所に戻る。子は進み出て父の席の前に立ち、東向きとなる。父は「行ってお前の助けとなる妻を迎え、我が宗廟の祭祀を受け継ぎ、妻に対しては敬意をもって接し婦道を踏み外させぬようにつとめひきい、亡くなられたわが母を嗣がせよ。そしてお前自身も常道あるようにせよ」と子に命じる。
庶子の場合、ただ「行ってお前の助けとなる妻を迎え、妻に対しては敬意をもって接し婦道を踏み外させぬようにつとめひきいよ」と言う。子は再拝して、「命を忘れるわけには参りませぬ」と言い、また再拝し、降りて、出て、そこでお迎えする。
初昏(たそがれ)に、洗を設けること、お供えを陳列することはすべて親王と同様である。牲は
少牢および干し肉を用い、三つの俎・二つの籩(高坏)・二つの簠(穀物を盛る方形の祭食器)で、豆(高坏形の青銅盛器)の数は、一品は十六、二品は十四、三品は十二である。婿および婦は牢肉を共に食べ、婦の簋(脚付きの青銅蓋物)・簠(穀物を盛る方形の祭食器)および豆(高坏形の青銅盛器)・豋(肉を盛る祭器)の数については、それぞれその夫の例を見よ。室中の北壁の下に尊をおき、尊を房戸の外の東に設置し、冪(白布)・杓を加える、玄酒(酒の代用とする水)はない。夫婦は内で酌み、尊四つ、爵二つ、巹(酒杯にするための瓠)は概ね六で、夫婦はそれぞれ三度酒をお注ぎする。主人は
革輅に乗り、婦氏がいる大門の外に到着する。娘はその夫の服に準じて、
花釵・
翟衣を着用し、房に入り、觶(青銅製の小型の三升入飲料器)に醴(さけ)を酌むことは、王妃と同様である。主人は賓を迎えて入り、同牢(夫婦が共にする食事)は、すべて親王納妃の礼と同様である。
夜明けに、舅の席を東序(正房の東の牆)に敷き、西向きとする。姑の席を房の戸の外の西に設置し、南向きとする。舅・姑が席につくと、婦は竹籠の中の棗・栗を持って入り、西の階段から登り、東向きに再拝し、進み出て、跪いて舅の席の前に捧げ、舅はこれを撫で、婦は退いて、位座に戻り、また再拝する。西の階段から降り、竹籠の干し肉を受け取り、登り、進み出て、北向きに再拝し、進み出て、跪いて姑の席の前に捧げ、姑はかかげ、婦は退き、位座に戻り、また再拝する。婦は姑の西のやや北を席とし、南向きとなる。ただ尊・甒(とっくり)の中に入った酒を房内の東の壁の下にし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)が一つ、干し肉・塩辛で満たし、尊の北にある。洗を東房のやや北に設ける。婦は席の西に立ち、南向きとなる。内賛者は手を洗い、觶(青銅製の小型の三升入飲料器)を洗い、醴(さけ)を酌み、柶(さじ)を加えて、柄を表向きとし、北向きに婦の前に立つ。婦は進み出ると、東向きに拝礼して受け取り、位座に戻る。内賛者は西に階段を登り、北向きとなって拝礼して見送り、そこで干し肉・塩辛をお供えする。婦は席に登り、座り、左手に觶(青銅製の小型の三升入飲料器)、右手に干し肉を取り、塩辛を手揉みし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭り、柶を用いて醴(さけ)を祭ること三度、始めは一度柶(さじ)を挟んで祭り、また柶(さじ)を挟んで二度目の祭をし、柶(さじ)を觶に加え、柶の葉を手前にし、立ち上がり、席の西に降り、東向きに座り、醴(さけ)をすすり、柶(さじ)を立て、立ち上がり、拝礼する。内賛者は答拝する。婦は進み出て席に登り、跪き、觶を豆(高坏形の青銅盛器)の東に祭り、干し肉を取って、西の階段から降りて出て、婦氏の従人に寝門の外で授ける。
盥饋(手洗いして食事を贈る)。舅・姑は室に入り、婦は盥饋する。席を室の奥に敷き、舅・姑は席を共にして座り、共に東向きで南を班位の上とする。賛者は尊を室内の北壁の下に設置し、房内の西壁の下にお供えすることは、同牢(夫婦が共にする食事)と同様である。犠牲の肉の体はすべて節を折り、右は舅の俎に載せ、左は姑の俎に載せる。婦が入ると、西の階段から登り、房に入り、醤を進める。その他のお供えは、従者が設置し、すべて匙・箸を加える。俎が入ると、豆(高坏形の青銅盛器)の東に設置する。賛者はそれぞれ箸を授け、舅・姑はそれぞれ篚(竹籠)を用いて酢味噌漬けを醤で手揉みし、籩(高坏)・豆(高坏形の青銅盛器)の間に祭り、また飯を祭り終わると、そこで食べ、三度飯して、食べ終わる。婦は房に入り、手洗いして爵を洗い、室に入り、酒を酌んで舅にお注ぎし、進み出て爵を舅の席の前のやや東に捧げ、西向きに再拝し、舅は爵を取って酒を祭り、これを飲む。婦は爵を承けて戸を出て、房に入り、右に捧げる。手を洗って爵を洗い、酒を酌んで姑にお注ぎする。婦席を室内の北壁の下に設置し、尊は東向きとし、婦は撤饌すると、席を前に設けることは最初の通りで、西を班位の上とする。婦は進み出て、西向きに再拝し、退くと、席の登り、南向きに座る。余り物を食べようと、舅は醤を替えるよう命じ、内賛者はこれを替える。婦は姑のお供えの余り物を食べ、婦は祭り、内賛者はこれを助ける。祭り終わると、そこで食べ、三飯し、食べ終わる。内賛者は爵を洗って酒を酌んで婦にお注ぎし、席を降り、西向きに再拝し、爵を受け取り、席に登って座り、酒を祭り、飲み、爵を持って立ち上がり、席を東に降り、南向きに立つ。内賛者は爵を承け、坫(土製の高台)に捧げる。婦が進み出て、西向きに再拝し、爵を受け取ると、席に登って座り、酒を祭り、飲み終わると、爵を持って立ち上がり、席を東に降り、南向きに立つ。内賛者は受け取って篚(竹籠)に捧げ、婦は進み出て、西向きに再拝する。舅・姑は先に西の階段から降り、婦は東の階段から降りる。概ね庶子の婦、舅は降りず、婦は西の階段から降りて退出する。
最終更新:2026年03月21日 00:59