指導要録
指導要録
指導要録とは、児童・生徒の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し、その後の指導及び外部に対する証明等に役立たせるための原簿となるものである。その性質から
教育課程と深く関わりを持っており、その様式等については
学習指導要領の改訂と軌を一にして改訂されてきた。
概要
指導要録は
学籍に関する記録と指導に関する記録からなる。作成や保存などの取り扱いについては、
学校教育法施行規則第12条の3及び第15条の定めるところによる。児童等が進学、転校した際にはその写しを進学転校先の学校長に送付することとなっている。
次の項目は学籍に関する記録のものである。
● 学籍に関する記録
原則として
学齢簿の記載に基づき,学年当初及び異動の生じたときに記入する。
1 学級・整理番号、生徒の氏名,性別,生年月日及び現住所
2 保護者の氏名及び現住所
3 入学前の経歴(
小学校)
小学校に入学するまでの教育又は保育関係の略歴を記入する。なお,外国において受けた教育の実情なども記入する。
4 入学・編入学等
(1)入学
児童が第1学年に入学した年月日を記入する。
(2)編入学等
第1学年の中途又は第2学年以上の学年に,外国にある学校などから編入学した場合,又は
就学義務の猶予・免除の事由の消滅により就学義務が発生した場合について,その年月日,学年及び事由等を記入する。
5 転入学
他の学校(
盲学校,聾学校及び
養護学校を含む。)から転校してきた生徒について,転入学年月日,転入学年,前に在学していた学校名,所在地及び転入学の事由等を記入する。
6 転学・退学等
他の学校(盲学校,聾学校及び養護学校を含む。)に転学する場合には,そのために学校を去った年月日,転学先の学校が受け入れた年月日の前日,転学先の学校名,所在地,転入学年及びその事由等を記入する。
外国にある学校などに入るために退学する場合又は学齢(満15歳に達した日の属する学年の終わり)を超過している生徒の退学の場合には,校長が退学を認めた年月日及びその事由等を記入する。
なお,就学義務の猶予・免除をする場合又は生徒の居所が1年以上不明である場合は,在学しない者として取り扱い,在学しない者と認めた年月日及びその事由等を記入する。
7 卒業
校長が卒業を認定した年月日を記入する。
8 進学先・就職先等
進学先の学校(前期課程並びに盲学校、聾学校及び養護学校を含む。)、就職先名及び所在地を記入する。
9 学校名及び所在地
10 校長氏名印,学級担任者氏名印
各年度に,校長の氏名,学級担任者の氏名を記入し,それぞれ押印する。(同一年度内に校長又は学級担任者が代わった場合には,その都度後任者の氏名を併記する。)
また、学籍に関する記録は、卒業後20年間保存することになっている。
●指導に関する記録
校種によって多少異なるが、次のような項目を書き上げておく。
〇観点別学習状況
※観点別学習状について記入する。
I 観点別学習状況
小学校学習指導要領(平成10年
文部省告示第175号)に示す各教科の目標に照らして,その実現状況を観点ごとに評価し,A,B,Cの記号により記入する。この場合,「十分満足できると判断されるもの」をA,「おおむね満足できると判断されるもの」をB,「努力を要すると判断されるもの」をCとする。
また,特に必要があれば,観点を追加して記入する。
各教科の評価の観点及びその趣旨並びにそれらを学年別に示したものは別添1-1のとおりである。各学校においては,評価が効果的に行われるようにするため,これらを参考として,評価規準の工夫・改善を図ることが望まれる。
〇評定
※評定内容ついて記入する。
第3学年以上の各教科の学習の状況について,小学校学習指導要領に示す各教科の目標に照らして,その実現状況を総括的に評価し,記入する。
各教科の評定は,3段階で表し,3段階の表示は,3,2,1とする。その表示は,小学校学習指導要領に示す目標に照らして,「十分満足できると判断されるもの」を3,「おおむね満足できると判断されるもの」を2,「努力を要すると判断されるもの」を1とする。
評定に当たっては,評定は各教科の学習の状況を総括的に評価するものであり,「I観点別学習状況」において掲げられた観点は,分析的な評価を行うものとして,各教科の評定を行う場合において基本的な要素となるものであることに十分留意することが望まれる。その際,観点別学習状況の評価を,どのように評定に総括するかの具体的な方法等については,各学校において工夫することが望まれる。
※総合的が数の時間の内容を記入する。
総合的な学習の時間については,この時間に行った学習活動及び指導の目標や内容に基づいて定めた評価の観点を記載した上で,それらの観点のうち,児童の学習状況に顕著な事項がある場合などにその特徴を記入するなど,児童にどのような力が身に付いたかを文章で記述する。
評価の観点については,小学校学習指導要領に示された総合的な学習の時間の二つのねらい( 自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること, 学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること)などを踏まえ,各学校において具体的に定めた目標,内容に基づいて定める。(例えば,上記の二つのねらいを踏まえ,「課題設定の能力」「問題解決の能力」「学び方,ものの考え方」「学習への主体的,創造的な態度」「自己の生き方」などと定めたり,また,教科との関連を明確にして,「学習活動への関心・意欲・態度」「総合的な思考・判断」「学習活動にかかわる技能・表現」「知識を応用し総合する能力」などと定めたり,さらに,各学校の定める目標・内容に基づき,「コミュニケーション能力」「情報活用能力」などと定めたりすることが考えられる。)
※特別活動の時間の内容について記入する。
特別活動における児童の活動について,各内容ごとにその趣旨に照らして十分満足できる状況にあると判断される場合には,〇印を記入する。
各内容及びその趣旨は,別添1-2のとおりである。
※行動の記録の内容について記入する。
各教科,道徳,特別活動,総合的な学習の時間,その他学校生活全体にわたって認められる児童の行動について,各項目ごとにその学年別の趣旨に照らして十分満足できる状況にあると判断される場合には,〇印を記入する。また,特に必要があれば,項目を追加して記入する。
各項目及びその学年別の趣旨は,別添1-3のとおりである。
※総合所見及び指導上参考となる諸事項の内容について記入する。
まず、この項目は、 児童の成長の状況を総合的にとらえるため,以下のような事項などを記入するためのものである。
1、各教科や総合的な学習の時間の学習に関する所見
2、特別活動に関する事実及び所見
3、行動に関する所見
4、児童の特徴・特技,学校内外における奉仕活動,表彰を受けた行為や活動,知能,学力等について標準化された検査の結果など指導上参考となる諸事項
5、児童の成長の状況にかかわる総合的な所見
記入に際しては,児童の優れている点や長所,進歩の状況などを取り上げることが基本となるよう留意することが望まれる。ただし,児童の努力を要する点などについても,その後の指導において特に配慮を要するものがあれば記入する。
また,学級・学年など集団の中での相対的な位置付けに関する情報も,必要に応じ,記入する。
なお,
通級による指導を受けている児童については,通級による指導を受ける学校名,通級による指導の授業時数,指導期間,指導の内容や結果等を記入する。
※出欠の記録については、 以下の事項を記入する。
1 授業日数
児童の属する学年について授業を実施した年間の総日数を記入する。この授業日数は,原則として,同一学年のすべての児童につき同日数である。ただし,転学又は退学等をした児童については,転学のため学校を去った日又は退学等をした日までの授業日数を記入し,転入学又は編入学等をした児童については,転入学又は編入学等をした日以後の授業日数を記入する。
2
出席停止・忌引等の日数
以下のような日数を含めて記入する。
(1)
学校教育法第26条及び
学校保健法第12条による出席停止日数並びに感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第19条,第20条,第26条及び第46条による入院の場合の日数
(2)学校保健法第13条により,臨時に学年の中の一部の休業を行った場合の日数
(3)忌引日数
(4)非常変災等児童若しくは保護者の責任に帰すことのできない事由で欠席した場合などで,校長が出席しなくてもよいと認めた日数
(5)その他教育上特に必要な場合で,校長が出席しなくてもよいと認めた日数
3 出席しなければならない日数
授業日数から出席停止・忌引等の日数を差し引いた日数を記入する。
4 欠席日数
出席しなければならない日数のうち病気又はその他の事故で児童が欠席した日数を記入する。
5 出席日数
出席しなければならない日数から欠席日数を差し引いた日数を記入する。
なお,学校の教育活動の一環として児童が運動や文化などにかかわる行事等に参加した場合には,出席扱いとすることができる。
また,
不登校の児童が適応指導教室等学校外の施設において相談・指導を受け,そのことが当該児童の学校復帰のために適切であると校長が認める場合には,出席扱いとすることができる。この場合には,出席日数の内数として出席扱いとした日数及び児童が通所又は入所した学校外の施設名を記入する。
6 その他
出席停止・忌引等の日数に関する特記事項,欠席理由の主なもの,遅刻,早退等の状況,転入学した児童についての前に在学していた学校における出欠の概要等を記入する。
また、指導に関する記録は、卒業後5年間保存することになっている。
なお※に関しては、小学校児童指導要録に記載する事項に基づいての記入である。
www.mext.go.jp/b_menu/houdou/13/04/010425a.htm - 58k -より、一部引用
参考URL
ja.wikipedia.org/wiki/指導要録 - 21k –
りえ
最終更新:2007年02月27日 22:52