特別な教育のニーズ
特別な教育のニーズとは、
学習障害(LD),
注意欠陥/多動性障害(ADHD),
高機能自閉症等の児童生徒を中心とした、障害を持った子供が通常の学級に在籍するに当たって、特別に必要となってくる教育の必要性のことである。しかし、これは障害児に限られることではない。一般に知的な発達の遅れがないために,「できるのにやらない怠ける子」「しつけのできていない子」「わがままな子」「風変わりな子」と周囲から理解されずに苦しんだり,自信を失っていたりすることも多く、このように決めつけられ,責め続けられる結果,自己調整力も弱まり,対人関係等のトラブルを増幅してしまっている場合もある。このような子はもちろん特別な教育のニーズがある。そのため、特別な教育のニーズは障害児に限らず、一人一人の生徒と向き合えば向き合うほど、それぞれに対する特別な教育の必要性が見出せるだろう。したがって、各学校においては,これらの児童生徒の障害や性質を理解し,それぞれの特性に合った適切な指導をどのように進めるかが課題となっている。
また、それに対しての支援を特別な教育的支援という。つまり、児童生徒を教育していくに当たり,通常の一般的に行いうる教育的配慮にとどまらず,一人一人の児童生徒の抱える特別な教育的ニーズを明らかにして,そのニーズに対して教育的に支援することだ。特別な教育的支援を行うために重要なことが3つある。1つ目は個々の支援を必要とする児童生徒の特別な教育的ニーズの内容を明らかにすること。2つ目は、ニーズに応じた特別な教育的対応の内容を明らかにすること。そして最後は、
教育課程の変更を必要とするのか,同一の教材・題材で指導しながら課題や指導方法をどう考慮すればよいのか,教材・教具の開発及び施設・設備等の必要があるのかなどの検討である。またこれと同時に,その他の児童生徒に対しても,特別な教育的支援を必要とする児童生徒を受け入れ,必要な支援を検討することも大切である。
―これらの背景―
現代の学校の状況
→
不登校,
いじめ,非行,薬物乱用,自殺,校内外暴力,学習遅滞,
学級崩壊等,教育課題が山積。
↓(改善するために)
一人一人の児童生徒を大切にする。個性を尊重する教育の強調。
↓
特別な教育的支援を必要とする児童生徒への理解や取組は,徐々に広がっている。
通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒についても,そのニーズの独自性が把握され、他の児童生徒よりも特別な教育的支援を要することが認知され,学校が個に即した支援を手厚く行える態勢を整えることが求められるようになってきた。
しかし…
その一方で教師は,学級内で起こる児童生徒の行動や学習等の問題についての校内支援体制がないため,自分の指導法の不手際ととらえて一人で考え込んでしまっていたり,実態把握が十分にできないままに日々の授業に追われたり,効果的な指導ができていなかったりする等,依然として苦慮している実態もある。
りえ
最終更新:2007年06月20日 21:04