【桜の吹雪のその中で】
この季節は一番苦手だ
眠くて、眠くて…春って怖い
そんな事を考えながら
いつもの場所から城下を見下ろす
所々に淡い桜色が散りばめられ春一色
我ながらいい場所を見つけたと思い、午後の仕事まで昼寝決行
欠伸をしながら、優しい日差しと風にゆっくりと
意識を沈めかけた時
「弥助ー!!弥助!」
上総様からのお呼びだし
仕方なく、体を起こし上総様のもとへ
「はいはいはいはい…なんですか、上総様。」
「花見する「昼寝してきていいですか」お前も花見するに決まってんだろーが!!」
「ですよねー…」
サヨナラ俺の昼寝よ…
「2人で、ですか」
「花見は騒ぐのもいいが…ゆっくりするのも乙だろ?」
上総様お気に入りの中庭にある樹齢、百数十年のしだれ桜
満開の桜の下に杯セット
花見するき満々かよ…
ワクワクした表情を見せる上総様
どっちが年上なんだか…
そう思うと笑みが零れる
「弥助!はよ、来い!」
「急がなくても桜は逃げませんよ」
晴天に舞う桜を眺めながら
昼間から酒を煽る
酒を呑むのは構わないのだが
陽気と酒に徐々に睡魔に襲われる
やべぇ、眠い
「ふぁ…」
「弥助…眠いのか?」
気づかれないように欠伸したのだが、バレていたようだ
「平気ですよ…ふぁ…」
「よし!俺が膝枕してやる!」
忍如きにそんな事しなくていいのに…
手招きで呼ばれ、近づくと腕を引かれバランスを崩した
「わっ…ちょ、上総様」
「たまにはいいだろ」
理由になってない気がするが
今の俺にはツッコム気になるない
「最近、忙しかったからな…」
「へーきです…ってば…」
ダメだ、目蓋が思い…
「しばらく寝ろ…少ししたら起こすから」
「じゃ…少しだけ…」
優しく髪を撫でる手が気持ちよくて
それだけ呟くと意識を飛ばした
--------
静かに寝息を立てる弥助に微笑み残った酒を飲み干した
よく見ると綺麗に整った顔…
甘い匂い…
春の陽気のせいにして、弥助の唇にそっと接吻をした
この事は弥助に秘密にしておこう…
桜のもと、弥助に寄り添い目を閉じた
優しい春の日差しの中、2人で昼寝も…悪くない
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