「本当は金積まれたって御免だけど……お前の覚悟に泥塗ったら男が廃るってもんだよな。
いいぜ!お前の仕事、確かに任された!」
いいぜ!お前の仕事、確かに任された!」
差し出したアイテムを受け取り兄の元へと駆け出した陽介の後ろ姿を見送った時、確かに僕は嬉しかったんだ。
彼が味方で良かったと、掛け値なしに思える程に。
あり得ないこの後に、全部が無事に終わったら試合後にユニフォームを交換し合う様な晴れやかな気分での再開したいと夢見るほどに。
でもそんな幸せが許される訳がない。
ロロ・ランペルージの両手はそれほどに血濡れている。
彼が味方で良かったと、掛け値なしに思える程に。
あり得ないこの後に、全部が無事に終わったら試合後にユニフォームを交換し合う様な晴れやかな気分での再開したいと夢見るほどに。
でもそんな幸せが許される訳がない。
ロロ・ランペルージの両手はそれほどに血濡れている。
わたしにはさとちゃんしかいなかった。
わたしにむけてくれるやさしいえがお。
あたたかなまなざし、どんなおかしよりもあまいこえであいをささやくきれいなくちびる。
それだけでしあわせだった。
かりにしんじゃったとしても、それがさとちゃんといっしょならべつにかまわないってぐらいにあいしてる。
けどルルーシュがうばった。
さとちゃんをころした。
こうべしおとさとちゃんしかいないはずのせかいをくろいかめんライダーのベルトをつかってさとちゃんをころしてせかいをこわした。
ゆるさない。ゆるせるわけがない。
でも、そんなわたしがだいきらいなルルーシュがたいせつだっていうロロ君がじゃまをする。
でももし、ルルーシュがさとちゃんになにもしなかったらロロ君とはなかよくなれたとおもう。
だからちょっとざんねん。
あたまのいいさとちゃんならこのきもちをもっとじょうずにことばにできたのかな。
ロロ君のルルーシュとおそろい目がひかる。
うらやましいな、わたしの目はさとちゃんとおそろいじゃない。
きづけばわたしはころんでた。
ロロ君はまたくるしそうになっていた。
わたしにむけてくれるやさしいえがお。
あたたかなまなざし、どんなおかしよりもあまいこえであいをささやくきれいなくちびる。
それだけでしあわせだった。
かりにしんじゃったとしても、それがさとちゃんといっしょならべつにかまわないってぐらいにあいしてる。
けどルルーシュがうばった。
さとちゃんをころした。
こうべしおとさとちゃんしかいないはずのせかいをくろいかめんライダーのベルトをつかってさとちゃんをころしてせかいをこわした。
ゆるさない。ゆるせるわけがない。
でも、そんなわたしがだいきらいなルルーシュがたいせつだっていうロロ君がじゃまをする。
でももし、ルルーシュがさとちゃんになにもしなかったらロロ君とはなかよくなれたとおもう。
だからちょっとざんねん。
あたまのいいさとちゃんならこのきもちをもっとじょうずにことばにできたのかな。
ロロ君のルルーシュとおそろい目がひかる。
うらやましいな、わたしの目はさとちゃんとおそろいじゃない。
きづけばわたしはころんでた。
ロロ君はまたくるしそうになっていた。
正直、ルルーシュの邪悪の王っぷりにもロロのブラコンっぷりにも引いてた。ドン引きだった。
テレビ局に着いた後にロロがルルーシュからもらったっていう悪の組織の幹部みたいなマントを見せてきた時には早くイザーク達に来て欲しいと切実に願ったさ。
来てどうにかなるとも思わなかったけど。
その後テレビ局でも車の中でも碌に会話できなかったし、ルルーシュ以外で一番付き合い長い沙耶香ちゃん以外でちゃんと仲良い奴いないロロだけど、俺に任せるって誰より信頼してる兄貴から任されたもの全部を差し出す覚悟を……俺の相棒にもにた姿を見せられて断っちゃあ特別捜査隊の名が泣くってもんだよな。
今までイマイチ決まらなかった俺だけど、ここでバッチリルルーシュを勝たせて汚名返上と行くぜ!
だからお前も勝てよ、ロロ!
テレビ局に着いた後にロロがルルーシュからもらったっていう悪の組織の幹部みたいなマントを見せてきた時には早くイザーク達に来て欲しいと切実に願ったさ。
来てどうにかなるとも思わなかったけど。
その後テレビ局でも車の中でも碌に会話できなかったし、ルルーシュ以外で一番付き合い長い沙耶香ちゃん以外でちゃんと仲良い奴いないロロだけど、俺に任せるって誰より信頼してる兄貴から任されたもの全部を差し出す覚悟を……俺の相棒にもにた姿を見せられて断っちゃあ特別捜査隊の名が泣くってもんだよな。
今までイマイチ決まらなかった俺だけど、ここでバッチリルルーシュを勝たせて汚名返上と行くぜ!
だからお前も勝てよ、ロロ!
ルルーシュの忠実な弟、ロロ・ランペルージ対松坂さとうの最愛の人、神戸しお。
最初からすべてを奪われていた中でルルーシュに与えられた物と、ようやく松坂さとうと言う全てを手に入れたにも関わらずルルーシュに奪われた女の対決。
奇妙な因縁と因果を感じさせる好カードに思えるが、実の所泥試合の要素が強い。
最初からすべてを奪われていた中でルルーシュに与えられた物と、ようやく松坂さとうと言う全てを手に入れたにも関わらずルルーシュに奪われた女の対決。
奇妙な因縁と因果を感じさせる好カードに思えるが、実の所泥試合の要素が強い。
幾つか理由はあるが、まず使っている道具の差だ。
オリジナルの変身者たちが使った場合のスペックを数字にすると斬月がパンチ力10.2tキック力13.0tで100mを6.1秒、ジオウⅡがパンチ力25.2tキック力58.3tで100mを2.4秒となる。
実際にこの数字そのままではないだろうが、ベースとなるアイテムは半分同じなのでロロとしおの変身している状態でも上記スペックから微減微増程度の差しかないだろう。
オリジナルの変身者たちが使った場合のスペックを数字にすると斬月がパンチ力10.2tキック力13.0tで100mを6.1秒、ジオウⅡがパンチ力25.2tキック力58.3tで100mを2.4秒となる。
実際にこの数字そのままではないだろうが、ベースとなるアイテムは半分同じなのでロロとしおの変身している状態でも上記スペックから微減微増程度の差しかないだろう。
一番差がないパンチ力すら2倍近い差をつけられて斬月が負けている時点でロロの負けが決まっているように思えるかもしれないが、今のロロのドライバーはルルーシュがゼロワン系の技術も盛り込んで修理した物であり、恐らくロロ専用にチューンナップされている。
いくらしおの尽きることない愛と負の心意で真価を引き出したジオウⅡと言えど、手に入れたばかりの力。
最初から使い手に合わせて用意された斬月の方が先に使いこなせるに決まっている。
というか、ルルーシュは格上相手にもロロが十全に戦えるように態々零陽炎が無事なのに修復したドライバーを与えたのだ。
最初から使い手に合わせて用意された斬月の方が先に使いこなせるに決まっている。
というか、ルルーシュは格上相手にもロロが十全に戦えるように態々零陽炎が無事なのに修復したドライバーを与えたのだ。
次に変身者の差だ。
ロロは元々暗殺者という正面戦闘が本職ではないとは言えまともな訓練を受けた人間である。
幼少の頃より与えられたギアスを使って数々の要人を暗殺してきた。
このバトルロワイヤルにおいても先程まで零陽炎で問題なく戦えていたし、分身とは言え改修前の斬月に変身して黒崎一護やタギツヒメといった実力者相手に相手にドラグーンの熱線が降り注ぐ中防がざるを得ない攻撃を繰り出していたことからも単体戦闘能力においては決して低くはない。
対して神戸しおはただの小学生だ。
その異形と化した精神性を除けば特筆すべきことなど何もない。
ほとんどの参加者にとって支給品を加味しなければ鎧袖一触で殺せてしまう程度の強さしか持ちえない。
ロロは元々暗殺者という正面戦闘が本職ではないとは言えまともな訓練を受けた人間である。
幼少の頃より与えられたギアスを使って数々の要人を暗殺してきた。
このバトルロワイヤルにおいても先程まで零陽炎で問題なく戦えていたし、分身とは言え改修前の斬月に変身して黒崎一護やタギツヒメといった実力者相手に相手にドラグーンの熱線が降り注ぐ中防がざるを得ない攻撃を繰り出していたことからも単体戦闘能力においては決して低くはない。
対して神戸しおはただの小学生だ。
その異形と化した精神性を除けば特筆すべきことなど何もない。
ほとんどの参加者にとって支給品を加味しなければ鎧袖一触で殺せてしまう程度の強さしか持ちえない。
生きてきた重みが違うなどとは口が裂けても言え何が、くぐってきた修羅場の数は間違いなくロロの方が上だ。
パラド風に言うなら経験値が違う。
パラド風に言うなら経験値が違う。
勿論神戸しおの怨みの力……怨恨から来る火事場の馬鹿力は決して油断できる物ではない。
実際何の資格もないはずなのにジオウの力を引き出せている。
が、それは先程ノワルがもたらすはずだった破滅の否定に使ったばかりだ。
そう何度も乱発出来るものではない。
だからこそロロは守勢に回る。
実際何の資格もないはずなのにジオウの力を引き出せている。
が、それは先程ノワルがもたらすはずだった破滅の否定に使ったばかりだ。
そう何度も乱発出来るものではない。
だからこそロロは守勢に回る。
<ライダー!ライダー斬り!>
しおが二刀流に構えたうちの片方、サイキョウギレードの斬撃に対してスーツの伝える事象に対する結論の中から最適なものを選択し実行。
強化された斬撃を弾き、二の手で放たれたジカンギレードの突きを防ぎ、振り上げられた右脚を後ろに飛んで避ける。
ジオウⅡにはそれを上回る未来予知じみた力があるのだが、実は対策しようがある。
強化された斬撃を弾き、二の手で放たれたジカンギレードの突きを防ぎ、振り上げられた右脚を後ろに飛んで避ける。
ジオウⅡにはそれを上回る未来予知じみた力があるのだが、実は対策しようがある。
「っ!まただ……」
最初はしおの方がダメージを与えられていたが、今はそうではない。
タイミングを合わせて時間を奪い、確実にロロは防御する。
これは戦争の話だが、攻勢側が守勢を打ち破るのに2倍から3倍の戦力が必要だという話もあるのだ。
現状諸々のプラスマイナスを加味すればしおの現戦力はロロの約1.8倍。
耐えられない程の差ではない。
タイミングを合わせて時間を奪い、確実にロロは防御する。
これは戦争の話だが、攻勢側が守勢を打ち破るのに2倍から3倍の戦力が必要だという話もあるのだ。
現状諸々のプラスマイナスを加味すればしおの現戦力はロロの約1.8倍。
耐えられない程の差ではない。
「いくらそのライダーが強くても……あの時ノワル相手に使って見せた未来を支配する力があっても今この瞬間の時間を奪えるのは僕で、その仮面ライダーの変身者はたまたまベルトを手に入れただけの君だ。
いきなり枢木スザクみたいな無茶苦茶な動きが出来る様になる訳でも、僕のギアスに対処しきれる訳でもない」
いきなり枢木スザクみたいな無茶苦茶な動きが出来る様になる訳でも、僕のギアスに対処しきれる訳でもない」
仮にロロの絶対停止のギアスを加味した上で予想しようとそううまくいくものではない。
初見では卜部やナイト・オブ・ラウンズ、果ては紅月カレンすら翻弄され、トランクスすらロロの結界の中ではまったく動けない瞬間が存在する能力なのだ。
初見では卜部やナイト・オブ・ラウンズ、果ては紅月カレンすら翻弄され、トランクスすらロロの結界の中ではまったく動けない瞬間が存在する能力なのだ。
例え手の内が分かっていようとそう簡単に対策も対抗も出来ないからランペルージ兄弟のギアスは『絶対』の名を冠している。
しかもロロはその『絶対』を活かす為にジオウⅡに近接戦しか仕掛けていない。
近接戦における愚は一瞬の隙。
長い時間止めようと思ったらスペック差もあり無理だろうが、一瞬踏み込みを遅らせる、僅かに剣先を鈍らせることさえ出来れば撃ち合い程度なら問題なく行えるのだ。
シンプルな超パワーや超スピードならジオウⅡで封殺することができるだろうが、ロロの力はジオウⅡとは異なる形で時に手をかける力。
しかも基本的に能力のオンオフがロロに委ねられる以上どうしたってしおは後手になる。
近接戦における愚は一瞬の隙。
長い時間止めようと思ったらスペック差もあり無理だろうが、一瞬踏み込みを遅らせる、僅かに剣先を鈍らせることさえ出来れば撃ち合い程度なら問題なく行えるのだ。
シンプルな超パワーや超スピードならジオウⅡで封殺することができるだろうが、ロロの力はジオウⅡとは異なる形で時に手をかける力。
しかも基本的に能力のオンオフがロロに委ねられる以上どうしたってしおは後手になる。
(ただそれもぼちぼち限界かな……)
ルルーシュの絶対遵守が一度使った相手に二度は使えない様に、ロロの絶対停止のギアスにも弱点がある。
発動中はロロの心臓が完全に止まってしまうのだ。
実際ロロはこのデメリットのせいで一度死んでおり、今もあまり良い状態とは言えない。
神戸しおも体力的に余裕がない為、幸い時間が経てば経つほどこちらが不利になる訳ではないが、別に時間が味方してくれる訳ではない。
元にルルーシュがアップデートしてくれたスーツの生態維持機能がバイタルや予測される運動量を基にあと五回連続でギアスを使えば戦闘不能になると告げている。
だがそれでも十分に時間は稼げたはずだ。
あのノワル相手に聡明な兄がだらだらと戦いを長引かせるはずがない。
発動中はロロの心臓が完全に止まってしまうのだ。
実際ロロはこのデメリットのせいで一度死んでおり、今もあまり良い状態とは言えない。
神戸しおも体力的に余裕がない為、幸い時間が経てば経つほどこちらが不利になる訳ではないが、別に時間が味方してくれる訳ではない。
元にルルーシュがアップデートしてくれたスーツの生態維持機能がバイタルや予測される運動量を基にあと五回連続でギアスを使えば戦闘不能になると告げている。
だがそれでも十分に時間は稼げたはずだ。
あのノワル相手に聡明な兄がだらだらと戦いを長引かせるはずがない。
「ねえ、一つ気になったんだけど最期に良いかな?」
肩の力を抜き、剣を下ろしたロロを見て、ジオウⅡも歩を止めた。
どうやらルルーシュの弟にも関わらず遺言を聞き届けてくれる程度にはこちらに対する印象は悪くないらしい。
自分も逆の立場ならそうしていると思う。
どうやらルルーシュの弟にも関わらず遺言を聞き届けてくれる程度にはこちらに対する印象は悪くないらしい。
自分も逆の立場ならそうしていると思う。
「はぁ……はぁ……なに?」
「君の居場所に松坂さとう以外の誰かはいるのかい?」
<ライダーフィニッシュタイム!!
トゥワイズタイムブレーク!!>
トゥワイズタイムブレーク!!>
遠慮なしに大上段からの斬撃を叩き込まれた。
一瞬だけしおの時間をギアスで奪いその隙にスライディングしながらドライバーのカッティングブレードを操作する。
残り四回。
一瞬だけしおの時間をギアスで奪いその隙にスライディングしながらドライバーのカッティングブレードを操作する。
残り四回。
<イヨ~!メロンオーレ!>
ジオウⅡの脇をすり抜ける様にして避けた斬月が立ち上がりながら無双セイバーを振り抜く。
ジオウⅡは受け身も取れずに壁に激突した。
流石に効いたらしく、取り落としたジカンギレードをどうにか手繰り寄せて杖代わりにして立ち上がった。
ジオウⅡは受け身も取れずに壁に激突した。
流石に効いたらしく、取り落としたジカンギレードをどうにか手繰り寄せて杖代わりにして立ち上がった。
「いなかった……でもいまはルルーシュがいすわってる!
ルルーシュが、さとちゃんをころさなかったら二人しかしいなかったのにっ!」
ルルーシュが、さとちゃんをころさなかったら二人しかしいなかったのにっ!」
「松坂さとうや兄さん以外の誰かにいて欲しいとは思わないのかい?」
「そんなのいらない。
さとちゃんがあいしてくれればそれでいい!」
さとちゃんがあいしてくれればそれでいい!」
ふらつきながらも低姿勢で突っ込んでくるジオウⅡにロロはギアスを使った。
交差する一瞬だけ時間を奪いすれ違い様の攻撃を封じる。
あと三回。
交差する一瞬だけ時間を奪いすれ違い様の攻撃を封じる。
あと三回。
「このバトルロワイヤルに巻き込まれる前の僕だったら一瞬の躊躇もなく君に同意してたと思う。
けど、今の僕はそう思わない」
けど、今の僕はそう思わない」
一昔前の自分が聞いたら、自分のみならず今の兄やキャルたちが聞いても仰天しそうな台詞だ。
何せロロはかつて、ルルーシュの実妹ナナリーを謀殺しその立場を完全に奪おうとしたこともあったのだから。
だが、自分の頼みを「任された」と快く引き受けてくれた花村陽介の姿に兄に褒められた時ほどではないが、嬉しく思ったのは事実だ。
だから言える。
ルルーシュの隣にナナリーが居ても嫉妬はあれど不快感はないと。
あの場で兄を託せるのが陽介だけだった様に、結局ルルーシュを支えて癒せるのはナナリーだけなのだから。
人には人の居るべき場所とやれることがあって、それは簡単に奪えるものではない。
何せロロはかつて、ルルーシュの実妹ナナリーを謀殺しその立場を完全に奪おうとしたこともあったのだから。
だが、自分の頼みを「任された」と快く引き受けてくれた花村陽介の姿に兄に褒められた時ほどではないが、嬉しく思ったのは事実だ。
だから言える。
ルルーシュの隣にナナリーが居ても嫉妬はあれど不快感はないと。
あの場で兄を託せるのが陽介だけだった様に、結局ルルーシュを支えて癒せるのはナナリーだけなのだから。
人には人の居るべき場所とやれることがあって、それは簡単に奪えるものではない。
「わたしは、さとちゃんいがいいらない。
だからいらないルルーシュをころす。
ロロ君みたいによそ見しない!」
だからいらないルルーシュをころす。
ロロ君みたいによそ見しない!」
「なら僕はその余所見をできた幸運に感謝しよう。
兄さん以外の誰かを見ようとしなければ、この景色は見えなかった」
兄さん以外の誰かを見ようとしなければ、この景色は見えなかった」
目の前に神戸しおという女がいる以上、そして何より自分が罪を重ねた今となっては有り得ない仮定だが、もしナナリーや一護も無事で沙耶香たちと『ルルーシュとどういった関係か』という色眼鏡を外して、ただの友人の様に過ごせたならどうだっただろうか?
自分はナナリーや一護とどんな会話をしただろう?
自分を本当の弟だと思っていたルルーシュとの生活を思い出してみるが、あの時の出来事は自分が目にも足にもハンデがないからこそできたことも多いのであまり参考にならない。
でもだからこそナナリー本人に泣かれない程度に自慢したかった。
自分はナナリーや一護とどんな会話をしただろう?
自分を本当の弟だと思っていたルルーシュとの生活を思い出してみるが、あの時の出来事は自分が目にも足にもハンデがないからこそできたことも多いのであまり参考にならない。
でもだからこそナナリー本人に泣かれない程度に自慢したかった。
タギツヒメとはどんな関係になれただろう?
一護の件で負い目がある状態とは言え、表面上はそう悪くない関係を築けているが、あれが本当の関係になったら楽しいだろうか?
もう少し気安くてもいい気がする。
一護の件で負い目がある状態とは言え、表面上はそう悪くない関係を築けているが、あれが本当の関係になったら楽しいだろうか?
もう少し気安くてもいい気がする。
キャルと裏の読み合い以上の会話がなかったかもしれない。
沙耶香に車の中で少し教えてもらったキャルのニブチンな王子様のことでからかってやったら面白い反応が返って来るだろう。
そしたら今度は自分とルルーシュの関係をからかわれるだろうから覚悟がいるな。
沙耶香に車の中で少し教えてもらったキャルのニブチンな王子様のことでからかってやったら面白い反応が返って来るだろう。
そしたら今度は自分とルルーシュの関係をからかわれるだろうから覚悟がいるな。
そういえば陽介のバイクの運転は拙かったから、教えてあげたら喜んでくれたかもしれない。
いっしょにツーリングに出かけてどんな些細なことでもいいからいい思い出をもって帰る事が出来たら本当に嬉しいだろう。
いっしょにツーリングに出かけてどんな些細なことでもいいからいい思い出をもって帰る事が出来たら本当に嬉しいだろう。
沙耶香とは……本当の、までとも行かずとも兄妹の様に仲良くなれただろうか。
兄がナナリーにするように慈しみ、兄が自分にしてくれたように何かを教えて、ルルーシュともナナリーとも別の……いや、それはもうロシア紅茶を振る舞ってあげていた。
……冬の寒い日が来るたびに出会った事をロシア紅茶で思い出せる。
柄じゃないけどまるで詩の一節の様で素敵じゃないか。
兄がナナリーにするように慈しみ、兄が自分にしてくれたように何かを教えて、ルルーシュともナナリーとも別の……いや、それはもうロシア紅茶を振る舞ってあげていた。
……冬の寒い日が来るたびに出会った事をロシア紅茶で思い出せる。
柄じゃないけどまるで詩の一節の様で素敵じゃないか。
可奈美や舞衣とも、話してみたかった。
自分とは別ベクトルでコミュニケーションが得意とは思えない沙耶香が心を開く子たちだ。
きっといい子で、ルルーシュとも友人になってくれたんだろう。
せめて柳瀬舞衣だけでも無事に沙耶香と会って欲しいものだ。
自分とは別ベクトルでコミュニケーションが得意とは思えない沙耶香が心を開く子たちだ。
きっといい子で、ルルーシュとも友人になってくれたんだろう。
せめて柳瀬舞衣だけでも無事に沙耶香と会って欲しいものだ。
(本当に、本当に口惜しいよ。
どれだけ欲しがってもこの景色は手に入らないって、分かっているほどに欲しくてたまらない)
どれだけ欲しがってもこの景色は手に入らないって、分かっているほどに欲しくてたまらない)
胸を張って、ナナリーが自分の代わりにルルーシュを支え癒す様に自分がナナリーの代わりにルルーシュの為に戦い守るのだと言って兄を安心させたかった。
もう無理だ。
でも諦めたり歩みを止めるなんて選択肢はあり得ない。
もう無理だ。
でも諦めたり歩みを止めるなんて選択肢はあり得ない。
(なるほど、これが願いか)
神戸しおにはもうそれがない。
彼女の心には死んだ松坂さとうと殺したルルーシュ・ヴィ・ブリタニアしかありはしない。
心を自分とさとうの亡骸だけにするためにルルーシュを消滅させることは願いとは言わないし、今更言葉で神戸しおは止まらないだろう。
彼女の心には死んだ松坂さとうと殺したルルーシュ・ヴィ・ブリタニアしかありはしない。
心を自分とさとうの亡骸だけにするためにルルーシュを消滅させることは願いとは言わないし、今更言葉で神戸しおは止まらないだろう。
「わらってるなんてよゆうだね」
仮面越しのロロの顔を見透かした様にあどけない声が苛立ちの色を隠さず言う。
「そう見えた?
……実際今僕は笑ってるんだろうね。
多分、優越感で。
嫌だなあ、掃き溜め生まれなお陰で綺麗な言葉で例えられないや」
……実際今僕は笑ってるんだろうね。
多分、優越感で。
嫌だなあ、掃き溜め生まれなお陰で綺麗な言葉で例えられないや」
「なんでルルーシュとあえなくなるのにわらえてるの?」
「なんでって……僕には死んでも大切な思い出と願望が出来た。
これが叶わないのが今までの所業の罰だと言われたら納得するしかない程に素晴らしい願いを持てた」
これが叶わないのが今までの所業の罰だと言われたら納得するしかない程に素晴らしい願いを持てた」
「かなわないねがいにいみがあるの?」
「兄さんを倒そうなんて不可能な夢見てる君が言うかい?」
しおの怒気が一段回上がる。
ロロは盾を捨て、ロックシードドライバーから外した。
ロロは盾を捨て、ロックシードドライバーから外した。
「ごめんね、質問には答えるよ。
君にとってはくだらない物言いだろうけど、兄さんがナナリーにそそぐ愛を横取りしようとしたって結局兄さんは益々ナナリーを愛するだけなんだ。
だから僕は僕のやり方で兄さんを全力で愛する。
これを絶対、意味のある物にして見せる」
君にとってはくだらない物言いだろうけど、兄さんがナナリーにそそぐ愛を横取りしようとしたって結局兄さんは益々ナナリーを愛するだけなんだ。
だから僕は僕のやり方で兄さんを全力で愛する。
これを絶対、意味のある物にして見せる」
そう言って無双セイバーのスロットに装填ようとして……ロックシードが本来あり得ない光を放っているのに気付いてやめた。
「まさか……」
自分が先程体験したからしおにはわかった。
叶わないと分かりながら尚手を伸ばしたロロにヒースクリフの仕掛けが力を貸したのだ。
重用なのが燃え盛る心高だというなら、黒い火花と同じでほほ笑む相手を選ばない。
叶わないと分かりながら尚手を伸ばしたロロにヒースクリフの仕掛けが力を貸したのだ。
重用なのが燃え盛る心高だというなら、黒い火花と同じでほほ笑む相手を選ばない。
「させない!」
ロロの右目の不死鳥の紋様が光り、しおの時間が奪われる。
あと三回……いや、それなりに長い時間を止めるから二回分は使う。
後一回の使い所は決めているから実質これが最後の絶対停止だ。
あと三回……いや、それなりに長い時間を止めるから二回分は使う。
後一回の使い所は決めているから実質これが最後の絶対停止だ。
「聞いてくれる人もいないけど、宣言するよ。
僕は罪人で、幸せ者で……ナナリーに代わって兄さんを守る仮面ライダー!
お見せしよう……」
僕は罪人で、幸せ者で……ナナリーに代わって兄さんを守る仮面ライダー!
お見せしよう……」
<カチドキ!>
変化したロックシードをドライバーに装着。
仮面とメロンのアーマーが弾け、代わって頭上に展開されたライダモデルの鎧が出現する。
仮面とメロンのアーマーが弾け、代わって頭上に展開されたライダモデルの鎧が出現する。
「変身!」
ルルーシュがアークゼロに変身したのと同じポーズを取り、ドライバーを操作。
ライドウェアだけになったロロに鎧が被さり新しい仮面を形成する。
ライドウェアだけになったロロに鎧が被さり新しい仮面を形成する。
<カチドキアームズいざ出陣!
エイ!エイ!オー!>
エイ!エイ!オー!>
「────っ!しまった!」
「はぁっ!」
ギアスの解除と同時に新たに装備された火縄甜瓜DJ銃を片手に一息で距離を詰めると腹部にゼロ距離で光弾を叩き込んだ。
三半規管を殴打されたに等しいジオウⅡは仮面越しに口元を押さえながら後退る。
しかしすぐさま二刀持った剣を合体させ
三半規管を殴打されたに等しいジオウⅡは仮面越しに口元を押さえながら後退る。
しかしすぐさま二刀持った剣を合体させ
「おおぶぅ……う、ぁああああああ!!」
切り掛かる。
もうギアスは使えない以上ロロはそれを真っ向から受け止める。
左肩で派手な火花が爆ぜ、尋常ではない激痛に銃を落としそうになる。
だが歯を食いしばって耐え抜くと無双セイバーを右手で抜刀。
再びしおの腹部に激痛が走る。
どうせ剣筋や射線を予知されるなら攻撃箇所を絞ってダメージを蓄積させようという魂胆だ。
もうギアスは使えない以上ロロはそれを真っ向から受け止める。
左肩で派手な火花が爆ぜ、尋常ではない激痛に銃を落としそうになる。
だが歯を食いしばって耐え抜くと無双セイバーを右手で抜刀。
再びしおの腹部に激痛が走る。
どうせ剣筋や射線を予知されるなら攻撃箇所を絞ってダメージを蓄積させようという魂胆だ。
「まけない……ぜったいにまけない!」
「何が何でも君を止める!」
ロロも無双セイバーと火縄甜瓜DJ銃を合体させ、大剣にして構える。
今更だがカチドキアームズのスペックをもってしてもジオウⅡには届かない。
付け加えるならアーマーがゴツくなったせいで体重が増えてスピードがメロンアームズの時より落ちている。
だがまだ体力だけならロロが上であり、自分が同じ経緯で手に入れた力の程を分かっているしおは敵のパワーアップにどうしても焦る。
これがルルーシュ相手なら負の心意で一方的にゴリ押すことも難しくなかっただろうが、しおはロロをルルーシュ程は憎めない。
これがロロの愛だと知ってしまったから。
両者一歩も引かない大剣の斬りつけ合いが続く。
ジオウⅡは遮二無二振り下ろすばかりだが、ロロは何処を斬りつけられようと仮面にひびが入ろうと執拗に腹部を狙い続ける。
今更だがカチドキアームズのスペックをもってしてもジオウⅡには届かない。
付け加えるならアーマーがゴツくなったせいで体重が増えてスピードがメロンアームズの時より落ちている。
だがまだ体力だけならロロが上であり、自分が同じ経緯で手に入れた力の程を分かっているしおは敵のパワーアップにどうしても焦る。
これがルルーシュ相手なら負の心意で一方的にゴリ押すことも難しくなかっただろうが、しおはロロをルルーシュ程は憎めない。
これがロロの愛だと知ってしまったから。
両者一歩も引かない大剣の斬りつけ合いが続く。
ジオウⅡは遮二無二振り下ろすばかりだが、ロロは何処を斬りつけられようと仮面にひびが入ろうと執拗に腹部を狙い続ける。
「僕が兄さんを守って、絶対に勝たせる!!」
<イヨ~!カチドキスパーキング!>
「ルルーシュはぜったいにころす!
だれにもじゃまさせない!」
だれにもじゃまさせない!」
<ライダーフィニッシュタイム!!トゥワイズタイムブレーク!!>
光を帯びた双方の切っ先が双方を斬り『違和感』ぬいた。
同時に変身が解除される。
最後に立っていたのは……。
同時に変身が解除される。
最後に立っていたのは……。
「ばいばいロロ君」
神戸しおだった。
【エリアD-6/市街地/9月2日午後2時15分】
【ロロ・ランペルージ@コードギアス反逆のルルーシュ ロストストーリーズ】
状態:致命傷、罪悪感(大)、羂索たちへの殺意(大)、しおを止めるという決意(極大)
服装:ルルーシュの用意した制服とマント
装備:戦極ドライバー(斬月)、カチドキロックシード(KLS-02)
令呪:残り三画
道具:ホットライン、零陽炎の起動鍵@コードギアス反逆のルルーシュ ロストストーリーズ 一護の腕(レジスター付き)、一護のホットライン
思考
基本:兄さんを生還させる。
01:兄さんと共に記憶改竄能力者と、奴の狙う敵を倒す。
02:兄さんをこんなことに巻き込んだ連中は皆殺しにする。
03:黒い魔女は兄さんと陽介に任せる。
04:枢木スザクと二代目ゼロはそのうち殺す。
05:沙耶香にも舞衣にも悪いが、沙耶香を最大限利用するために『兄』を演じる。
その時が来たら……。
06:……こうなってしまった以上、タギツヒメも最大限に利用する。
それが…せめてもの。
07:色んな意味で、天鎖斬月を使う気にはなれない。
08:これは……もうだめだね
参戦時期:死亡後
備考
※沙耶香から「刀使ノ巫女」世界に関する情報を得ました。
※自身のギアスへの制限を自覚しました。極めて実力が高い相手には『完全な停止』までがいたらず、動き・知覚を大幅に遅延するにとどまります。
※タギツヒメから、黒崎一護越しではありますが「BLEACH」世界に関する情報を得ました。
※クラスカード(アサシン)@Fate/kaleid linerで作った分身は消滅しました。再使用できるか否かは後続にお任せします。
※花村陽介やキャルとも情報交換をしました。
※致命傷を負いました。そのままならあと五分足らずで死にます。
状態:致命傷、罪悪感(大)、羂索たちへの殺意(大)、しおを止めるという決意(極大)
服装:ルルーシュの用意した制服とマント
装備:戦極ドライバー(斬月)、カチドキロックシード(KLS-02)
令呪:残り三画
道具:ホットライン、零陽炎の起動鍵@コードギアス反逆のルルーシュ ロストストーリーズ 一護の腕(レジスター付き)、一護のホットライン
思考
基本:兄さんを生還させる。
01:兄さんと共に記憶改竄能力者と、奴の狙う敵を倒す。
02:兄さんをこんなことに巻き込んだ連中は皆殺しにする。
03:黒い魔女は兄さんと陽介に任せる。
04:枢木スザクと二代目ゼロはそのうち殺す。
05:沙耶香にも舞衣にも悪いが、沙耶香を最大限利用するために『兄』を演じる。
その時が来たら……。
06:……こうなってしまった以上、タギツヒメも最大限に利用する。
それが…せめてもの。
07:色んな意味で、天鎖斬月を使う気にはなれない。
08:これは……もうだめだね
参戦時期:死亡後
備考
※沙耶香から「刀使ノ巫女」世界に関する情報を得ました。
※自身のギアスへの制限を自覚しました。極めて実力が高い相手には『完全な停止』までがいたらず、動き・知覚を大幅に遅延するにとどまります。
※タギツヒメから、黒崎一護越しではありますが「BLEACH」世界に関する情報を得ました。
※クラスカード(アサシン)@Fate/kaleid linerで作った分身は消滅しました。再使用できるか否かは後続にお任せします。
※花村陽介やキャルとも情報交換をしました。
※致命傷を負いました。そのままならあと五分足らずで死にます。
【神戸しお@ハッピーシュガーライフ】
状態:右ひざに切り傷(処置済み)、ルルーシュへの殺意(極大)トランクスへの生理的嫌悪感(極大)、疲労(極大)、腹部を中心としたダメージ(大)
服装:いつもの
装備:ジクウドライバー&ジオウⅡライドウォッチ@仮面ライダージオウ
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~1、天使の杖@ドラゴンボール超、ホットライン
思考
基本:ルルーシュを殺す。
ゲームに勝ってさとちゃんを生き返らせる
01:ルルーシュは絶対に許さない 絶対に殺す
02:そのためにはトランクスくんと一緒にいるのも我慢しなきゃ。
03:ばいばいロロくん。
参戦時期:さとうと共に飛び降りを決行する直前。
備考
状態:右ひざに切り傷(処置済み)、ルルーシュへの殺意(極大)トランクスへの生理的嫌悪感(極大)、疲労(極大)、腹部を中心としたダメージ(大)
服装:いつもの
装備:ジクウドライバー&ジオウⅡライドウォッチ@仮面ライダージオウ
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~1、天使の杖@ドラゴンボール超、ホットライン
思考
基本:ルルーシュを殺す。
ゲームに勝ってさとちゃんを生き返らせる
01:ルルーシュは絶対に許さない 絶対に殺す
02:そのためにはトランクスくんと一緒にいるのも我慢しなきゃ。
03:ばいばいロロくん。
参戦時期:さとうと共に飛び降りを決行する直前。
備考
【アイテム紹介】
- メロンロックシード→カチドキロックシード(KLS-02)
…ロロの何が何でもルルーシュを守るという心意によって変化したロックシード。
メロンアームズからスピードを犠牲に装甲とパワーが跳ね上がり、新たな武装に登旗と火縄甜瓜DJ銃が装備され火力も上がる。
ロロは世界を蝕む悪意に屈しない覚悟を決めたわけでも、高貴なる者の責務を果たす為に戦う訳でもない。
それでもこの力が与えられたのは、どちらかと言うと斬月の変身者の縁者が『命捨てるほどの覚悟でもって大切な人の大切な場所を守る』という行為に理解を示したからではないだろうか。
メロンアームズからスピードを犠牲に装甲とパワーが跳ね上がり、新たな武装に登旗と火縄甜瓜DJ銃が装備され火力も上がる。
ロロは世界を蝕む悪意に屈しない覚悟を決めたわけでも、高貴なる者の責務を果たす為に戦う訳でもない。
それでもこの力が与えられたのは、どちらかと言うと斬月の変身者の縁者が『命捨てるほどの覚悟でもって大切な人の大切な場所を守る』という行為に理解を示したからではないだろうか。
096:厄災ばかりの攻略未来 ―孤独の雪が王を迎える | 投下順 | 097:I'm a KAMEN-RIDAER 影色ダンサー・イン・ザ・ダーク |
時系列順 | ||
覇世川左虎 | ||
ノワル | ||
アスナ | ||
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア | ||
ロロ・ランペルージ | ||
花村陽介 | ||
トランクス(未来) | ||
神戸しお |