戯言語 ◆VxAX.uhVsM



え?始まってたのか。



僕が目を覚めたのはいつもの部屋だった。
「あれ…?夢オチ?」
そんな訳はない。
目の前で起きた事を思い出せば、それが現実であった事が分かるだろう。
「人が死ぬのを見る事くらい、覚悟してたけどね」
現に、大事な人間が何人も死ぬところを見てきた。
姫ちゃん、巫女子ちゃん、萌太くん。
まだまだ数え切れないほど死んだところを見てきた。
それでも、くぐりぬけてきた。
他人を犠牲にして。

「戯言だけどね」

うん、ここにいても仕方ない。
知り合いがいるかもしれないから動いた方がいいからな。
せめて潤さんとかがいればな……。
「ま、どうなるかはわからないし」
とりあえず、部屋の外に出る。
「うん、そっくりだけど…違うな」
外に出たら分かったが、全然違う。
周りの景色がまったくと言っていいほど違っていた。
「まあ、別にただのアパートなんだけどね」
そして、階段を下りるとそこには

女の子がいた。




さて、目の前に女の子がいる。
  たたかう
  にげる
  さらう
⇒ はなしかける
うん、さすがにこんな状況で女の子を置いて行くのは人間がなってない。
しかし、僕は年上の人が好きなんだ。
決してロリコンじゃない。
でもとりえず声はかけないとな。
「ねぇ、そこの君、ちょっといい?」
少女はこちらに気付いたようだ。
少女は振り返り、こう言った。




「話しかけないでください、あなたの事が嫌いです」






なんということだ。
まさかいきなりこんな事を言われるとは。
というか初対面で嫌いって。
どういうことだ。
「うん、そうか分かった」
よし、この子は無視しておこう。
なんでこの結論に至ったかなんて言うまでもないだろう。
「ちょっと待ってください!」
さっきの少女が声をかけてきた。
「……」
「なんであのままどこかに行こうとするんですか!主人公的にそれはないでしょう!」
いや、主人公って。メタ発言じゃないか。
なんて危なっかしい子供だよ。
「とにかく!こんなにかわいい子供を無視するって!どういう事ですか!」
おいおい、どれだけ自惚れてんだよこいつ。
相手するのがめんどくさくなってきた。
もう逃げようかな?
そう思い始めていたところで。

「さて、話を元に戻しましょう」

戻されたよ。
これじゃあ逃げるわけにもいかない。
「あなたは、この状況を把握してますか?」
無理だろう。
まず把握できる事が一つもない。
「まあ、そうでしょうね私もわかりません」
当たり前だ。
小学生くらいの子供に分かってたまるか。
というかこの子が分かって僕がわからなかったら僕はどれだけ知能が低いんだよ。
「まあ、私は探したい人がいるので、協力してくれませんか?」
「その人がいるという確証でも?」
「こういう面倒な事には必ずいるんですよ」
面倒なこと…ね。
あながち、僕と似たような人かもしれない。
でも、似ている人間はいてもそのままそっくりな人間はいない。
その探している人については知らないが、手伝ってやるか。
「ああ、分かったよ。手伝ってやるよ」
「本当ですか!?」
やっと彼女がにっこりとした笑顔を見せた。
ああ、この笑顔、あいつそっくりだな。
僕は、もし友がいて死んでしまったら……。

どうするんだ?

もし、あいつが死んでしまったら?でも、いないかもしれない。
分からない、分からない、分からない。
…戯言だけどね。
「よし、じゃあ行こうか」
「あ、まだ自己紹介がまだでしたね。私は八九寺真宵です」
いきなり前振りもなくかよ。
まあ自己紹介に前振りなんかいらないけど。
「真宵ちゃんか、僕はいーちゃんとよく呼ばれている」
「あれ?本名は何なんですか?」
「……聞くな」
「え?教えてくださいよ」
しつこいな…
「ねぇ、戯言さん?」
「こっちにはいろいろ事情があるんだよ」
「ほう、過去のなんとかというやつですか」
そんなことわざあった覚えはない。
「過去なんて捨てちゃいましょうよ!」

「じゃあ、もし名前を知ったら死ぬなんて事があったら?」

「……え?」

「そう言うことだ。忘れてくれ」
「いえ、問題ないですよ」
は?問題ない?
死ぬかもしれないのに?

「私はもう死んでますから」

え?
今何て言った?死んでいる?
あ、あり得るはずがない。
「さあ!過去なんて捨てて!私に教えちゃってください!」



は?



過去を捨てて?


何を言ってるんだこいつは。
過去を捨てろ?
何を言ってんだよ。
ふざけるな!



「黙れっ!!!」



八九寺が黙りこんでしまった。
やってしまった。

……ごめん。

いまさら言っても遅いだろうがとりあえず謝るのが先だろう。
「問題ないですよ」
しまったな、つい頭に血が。
……ていうかこれくらいでな。
落ち着きがない証拠だ。
「じゃあ、今度こそ行こうか」
「はい…」

【一日目/深夜/H-6骨董アパート前】
戯言遣い@戯言シリーズ】
[状態]落ち着きがない、八九寺に対する苛立ち。
[装備]なし
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いをする気はないし、あの爺さんをどうにかする気もない。
1:八九寺と行動。
?:友が死んだら…?
[備考]
※ネコソギラジカルで西東天と決着をつけた後からの参戦です。

【八九寺真宵@物語シリーズ】
[状態]戯言遣いに対する恐怖
[装備]なし
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いをする気はない。
1:戯言遣いと行動、でも怖い…。
2:阿良々木暦の探す。
[備考]
※傾物語終了後からの参戦です。




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最終更新:2012年10月02日 07:52