一寸先は口!? ◆xzYb/YHTdI


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確かに現実は残酷だ。
ただしそれは君に対してだけだ。

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妖怪の類の話をしよう。
そもそも妖怪とは、普通の世界で人々によって語り継がれる
奇怪な現象を引き起こす非日常的な存在のことだ。
まぁしかしあくまで、普通の世界だけの話でありその普通の世界からみたら
暴力の世界なんて妖怪だらけといっても過言ではないだろう。
それはともかく、妖怪などは結局は信じるか信じないか。これにつきると思う。
写真に変なものが写ったって、それを悪戯とかとみるか、妖怪とみるか
それによってだいぶ印象は変わってくる。ドアが勝手に動いた。
それは妖怪のせいだ。風のせいだ。そんな見方によって心情は変わるだろう。
かつてER3でも妖怪の研究をやってはいたらしいが最終的に答えはなかった。
そのぐらい存在するのかどうかもわからない曖昧な存在だ。
そのくせに人によっては怖がられ、人によっては求められ。と。
いろんな人の人生に、無意識に、無為式に、干渉し続ける存在だ。
ちなみにぼくは信じない。…というかさ。
ぼくはそこで思考をやめて目の前の少女を見る。
「う~ん。なんか難しいな。こういう類の話は」
「何か言いましたか?」
少女はこちらを向き、ぼくの至極どうでもいい呟きに反応した。
「いや、何も」
「そうですか」
さて。さっきのことも踏まえて彼女について説明しよう。
名前は八九寺真宵。簡潔にいうと幽霊らしい。
彼女がそう言ったのは少し前のことだった。
一応遡ること5分前…


「いきなり、怒鳴ってごめんね。確か…真宵ちゃん」
「い、いえ。わたしこそ無理に聞いてすいませんでした」
まだ小さいのにえらく礼儀正しい子だな。どっかの姫ちゃんとは大違いだ。
「では、わたしはあなたのことを、さっきのまま
戯言さんとお呼びしますけど、よろしいですか?」
「うん別に構わないよ」
というかそこはもういまさらな感じだから結構どうでもいい。
それよりもぼくが気になっているのは。
「それで、さっきの。もう死なないうんぬんって、どういうこと?」
「あぁ、あれはですね。そのままの意味ですよ。
わたしはすでに死んでいて幽霊になってます。なぜか今は生身みたいですけど」
うん。なんか慣れちゃったな。死人が生き返るのって。
出夢君とか、真心とかのせいだな。全く、ぼくの常識を変えやがって。
…まぁ、だからといって、いきなり、幽霊だ。といわれて
そうだったのか。とかえすほどぼくは終わってはいない。
「へぇ。けど今は生身なんだよね。君が嘘を言っているとぼくは考えるけど」
「むぅ。そんな小さいこと言うのは、主人公としてどうかと思いますよ」
だからなんだ主人公って。メタばかりじゃないかこの子。しかしでも。
「ふぅん。まぁそういうことにしといてあげる」
子どもの冗談に乗ってあげるのは大人の役目だろう。
ぼくはあの一連のことを通し成長したんだから。このぐらいなんともないさ。
「まぁ。分かればいいんですけど」
意外と単純な子だった。純粋というべきかな。
「そんなことより、もっと重大なことがあります。戯言さん」
なんかさっぱりしすぎじゃないかな。君の存在そのものの話だろう。
しかし、彼女がいいというのならば別にいいんだけどね。
「なんかあったかい」
「あなたの呼び方噛みづらいです。戯言さん。
キャラ殺しをしないでください!主人公でしょ!」
…それはぼくのせいなのか。噛みづらいのはいいことじゃあないのか。
ちなみに主人公はもうスルー。仏の顔も三度までってね。
そして、そもそもキャラってなんだよ。小説の登場人物みたいなことばかりいうなこの子。
幽霊とか、メタとか、キャラとか。それとも早くも中二病にかかっちゃったのかな?
ならば、子どもの間違いを正すのも大人の役割だろう。ここは一肌脱がなければ。
「おいおい。真宵ちゃん。勘違いしちゃあいけないよ。そもそもキャラというものは
自分一人でも成立するような独特性のことをいうんだぜ。
それなのに他人の手を頼るようじゃあ、まだまだ半人前だよ」
「なっ!なんですと!?そ、そうだったんですか!知りませんでした」
割と本気でショックを受けている真宵ちゃん。結構適当にいったのになぁ。
けどなんか面白かったので、そのまま続けてみる。…ぼくってMのはずなんだけど。
「全くそんなんであんな偉そうにキャラとか言ってたの?
言っておくけどね。ぼくの周りは出オチの人でももっとキャラ濃かったよ」
ノイズ君とか、玉藻ちゃんとか。
「ホントですか!」
「本当だよ。けどまだまだ人生長いからね。まぁこれからも頑張れ!」
励ましの言葉を忘れない。これが大人というものだ。…嫌味に近いけど。
というか間違いは正せたのか。
「は、はい。頑張らせていただきます」


ということがあったんだけど。
ここまで思い出さなくってもよかったかもしれない。
今後は気をつけなきゃな。剣呑剣呑。…相変わらず使い方は違う気がするけど。
それはともかく。幽霊。と彼女は言った。
だからといっても特に確証は無い。というか。今もあんまり信じていない。
別に彼女は壁を通り抜けるとかもできないし、普通に触れる。
そんな彼女を幽霊として扱うのがそもそもおかしいのではないか。
これも彼女を幽霊と信じれば確かに幽霊だが、
信じなければただの少女だ。それ以上なにものでもない。
そういうわけで、よし。自己完結だ。ぼくは幽霊を信じない。これでよし。
…まぁ戯言だけどね。
そして。意外と楽しかった話はもうおしまい。店仕舞いの時間だ。
今からは案外真面目に嫌な現実。
「それで、まず真宵ちゃんの探している人って誰?」
「えぇと言ってませんでしたっけ?じゃあ言いますね。
阿良々木暦という人です。変態です。変態という名の紳士をやっている方です」
…どうしよう。一気にやる気なくしちゃったなぁ。回復アイテムでも落ちてないかな?
「どのくらい変態かというと、彼女をもちながら、エロ奴隷を引き連れて、
女友達の胸を揉もうとしたらしいですし、二人の妹のファーストキスを奪ったらしく、
中学生にブルマやスク水を借りたり、そして何より、わたしに会うたんびに
抱きついてきて胸を触ったり、パンツを脱がそうとするぐらいの変態です」
…………………今ならまだ逃げれるかな?
やる気が、どうしようもなく湧いてこないぞ。どうしようかな。
「…まぁ今の説明だけでしたら、ただの変態ですけど、一応恩人といえる人ですからね。
信用もできますし信頼もできます。なによりこういう時に彼がいると安心するんです」
……ここで断ったらぼくはただの人でなしじゃないか。ヒドイ話だ。
まぁぼくとしても知り合いの一人くらい見つけたいし、ここは乗っておくか。
「うん。分かった。暦君だね。よし、彼が死んでない内に探し出すか」
「不吉なことをいわないでください!しかし大丈夫です。
そんな現実があっても、私がそのふざけた現実をぶち殺す!!」
………………………………………………………………………。
「………………………………………………………………………」
「………………………………………………………………………」
漫画だったら枯れ葉が風に流され、ヒュー、という擬音がついただろう。
しかしぼくは優しいのでスキル「スルー」を使わせてもらおう。
「よし。じゃあ探しに行くか」
「ちょっと待ってください!スルーはやめてください!悲しいです」
なんだよ。せっかく気を利かせてやったのに。
ツッコミを入れるとしたらまた微妙にアレンジくわえているところがまた。痛い。って感じかな。キャラ作りの一環かな?なら駄目だしをしてあげなきゃ。
「パクリキャラはやめたほうがいいと思います」
「なんで敬語をつかっているんですか!」
「うん。君のことを凄いと思ったからだよ」
いろんな意味でね。彼女が輝いてみえるよ。
「うぅ、まだまだ修行が足りませんか……」
今、この殺し合いでやることではないと思うけど。まぁ、なにはともあれ。
「そろそろ動くか。真宵ちゃん」
「次は…。ってはいはい。行きましょう。行きましょう」
「それじゃ。いっちょ気合いを入れて、
殺して解して並べて揃えて晒しに行くか」
「パクリは駄目だと思います」
…なぜ知ってるんだ。
 2

ちなみにあそこで前みたくすでにやられたと思った?
いやいや甘ぇよ。でもそんな甘さは大好きだけどさ。
なんて戯言を遣っている場合ではなくなった。
目の前にいるのは、少女。外見は、ノースリーブのシャツに長ズボン。
鴉のような黒く艶のある髪。真宵ちゃんとそう大差ない体躯。
ある一部分を除けば、普通の少女、真宵ちゃんとそう変わらない。
まぁその一部分が厄介なんだけど。
口いや、むしろ牙の塊といっても過言じゃないかもしれない。
そんなものが額に一個両手の甲に各一個ずつ。しかも、時折蠢く。
真宵ちゃんなんかよりよっぽど妖怪っぽい姿だ。そんな彼女は
「君たちは、なんの魔法をつかうの?」
と。なんの前触れも言わず、ただそう言った。
………どうしよう。どう対処しよう?魔法だって。
「ぼくは、なにも使えないよ。強いて言うなら、戯言を遣っているけど」
「わ、私もなにも使えません。強いて言うなら、言葉を巧みに使います」
…自分で言うな。
「は?えっ!?君たちどこに住んでいるの!?」
「ぼくは、京都に住んでいます」
「わたしは住所不定です」
まだ引っ張るのか。幽霊の話。
「はあぁ!?九州ですらないの!?どういうこと!?」
というかさっさとどっか行ってほしい。襲ってこないから殺意はないみたいだけど。
「なんでもいいけどその危なかっしい口しまってもらえるかな?」
「う~ん…まぁいいわ。それで一応聞くけど戦う気は?」
「襲ってこない限りありませんよ」
「うん、じゃあいいや。武器も持ってないし。閉まってあげる。それよりも君、面白いね」
といいつつ両手の牙は消えて、額の牙は絆創膏によって封じ込められた。
「何がかな?」
「魔法も知らない人がこれをみても、眼も閉じず、そこまで怖がっていないなんてね」
「まぁ。似たような体験は結構していますから」
病毒を遣われたり、空間を変えられたり、平手打ちでコンクリ破壊されたり、いろいろ。
「ふぅん。いいね。面白いね。…よし決めた。君たちについていこう」
「…は?」
柄にもなく聞き返してしまった。
何をみてそんな結論に至ったたんだ。途中式を書いてください。
「だ・か・ら君たちについていくの」
「なぜに?」
「気分♪」
どうしよう。厄介なのに目をつけられたな。昔だったら問答無用で逃げるのに。
「ついてこないで。と言ったら?」
「君たちを食らう」
…普通にやりそうだからなぁ。この子。
「わかった。ついてきていいよ。真宵ちゃんもいいかな?」
「………はい」
あきらかに怖がっている。
「じゃあ。そういうことで!私はツナギちゃんでーす。よろしくぅ!」
巫女子ちゃんみたいなノリだ。なんかやりづらい。
「ぼくのことはいーちゃん、いーたん、いっくん、いの字、戯言遣い
他にもあるけど、そんな感じで呼んでくれればいいよ」
「…わたしは八九寺真宵です。よろしくお願いします」
「うん、いーくんに真宵ちゃんね。わかったよ。あと真宵ちゃん。
私は味方には、攻撃しないから安心していいよ。というより
信頼してくれなきゃ、こうだ!うりうりぃ」
愛情たっぷりの頬ずりを受けている真宵ちゃん。
「ざ、戯言さぁん」
助けを求める声が聞こえるが、大人としては、
心を鬼にして真宵ちゃんの友達づくりに協力しなきゃね。
「ほら。真宵ちゃん。仲良くしなきゃ」
「そ、そんなぁ」
「ほれほれ、いーくんもそういってんだから」
まぁそんな感じでツナギちゃんに会って五分ぐらい。
なんか味方?が増えた。
しかし、真宵ちゃんと違い彼女は人を殺せる。
油断しちゃあいけないな。注意はしておかないと。
さすがにうっかり油断して後ろからガブッ、ていうのは嫌だからね。
気をつけて進まなきゃ。

「まぁ、戯言だけどね」

【一日目/深夜/G-6】
【戯言遣い@戯言シリーズ】
[状態]健康、落ち着きは大分取り戻せた
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いをする気はないし、あの爺さんをどうにかする気もない。
 1:真宵ちゃんとツナギちゃんと行動
 2:ツナギちゃんを観察
 3:暦君を探す
 4:友はどうしているかな…

【八九寺真宵@物語シリーズ】
[状態]健康、ツナギさんに対する恐怖
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:殺し合いはしない
 1:戯言さん、ツナギさんと行動。…怖い
 2:ここにいたら阿良々木さんを探す

【ツナギ@りすかシリーズ】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式、ランダム支給品(1~3)
[思考]
基本:襲ってくる奴は食らう
1:面白そうなのでいーくん、真宵ちゃんと行動
2:二人との親睦を深める
3:タカくんとりすかちゃんがいたらそっちと合流する
[備考]
※九州ツアーの最中からの参加です
※魔法の制限に気づいています(どのくらいかは、これ以降の書き手さんにお任せします) 
※処理能力の限度についてもこれ以降の書き手さんにお任せします


出陣だ 時系列順 アヒル、赤乗せ陸に往く
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最終更新:2013年05月04日 04:02