躊躇なくパクる姿勢 ◆fRBHCfnGJI




「…………普段は酒を飲らないんだが、今日だけは特別に飲りたい気分だ」
都内某所、高層ビルの一室。
ワイングラスを片手に外界を見下すは緑髪の男。

「ほんの少しだ、ほんの少しだけ……あの音声ファイル指定ミスを起こさせてやることで、
あの著作権料集金装置<バトル・ロワイアル>は見事、私のために働いてくれた」

アルコールに酔うことはなく、ただ己に酔いながら独白を続ける。
口取りは傲慢で、しかし人間味を伺わせないものであった。
いや、人間と呼べる存在ではないのだろう。
彼が言葉を放つと同時にうねうねと波動く緑髪は触手の様相を呈していた。
彼の名は――いや、いいだろう。
ただ、一つ明らかなのは彼こそがJASRACという"冷血"に著作権料を集金する"党"の長であるということだけ。

「彼女達のように、あの機械じかけの神のように、現実と虚構は混ざりあい、
そしてほんの少し――ほんの少しだけ、世界のバランスは崩れようとしている
核戦争が、あるいは新たなるノアが、もしくは転生の日が、またはワルプルギスの夜が、
いや、突然に神のゲームが、あるいは電子世界では無く現実で政府主導による殺し合いが行われるかもしれない」

天上人の独白は、地上の民には聞こえない。

「聖櫃<アーク>……方舟<ノア>……ならば次は……ならば次は何が来る?何を騙る?
最も、全ては私のために捧げられる事となるのだがな…………」

ただ――

「さて、これから新世界を祝って盛大な花火を打ち上げてやるとするか…………ギンスキー一族ッ!
因果応報……精々、輝かしい芸術に成れることを喜んで、この世界から消滅するが良いッ!」

言葉は届かずとも、裁きの雷は届く。
部屋の片隅のワープゾーンより、巨大潜水艦ジャガン・ナートへと移動したJASRACの長は、某国巨大シェルターへとミサイルを放たんとする。

巨大シェルターに暮らすとある一族と、JASRACの長の因縁、
放たれたミサイルの結末、
そして、巨大シェルター防衛のために動き出した巨大ロボ。

ここまで語っておいてなんだが、
それらは全て、このバトルロワイアルと関係はなかった。

そして、更に言うのならば――

とあるバグによって、ミサイルの発射自体が阻止されようとしていたのである――――


桐山和雄は背景キャラである。
更に言うのならば、かなり空気の方の背景キャラである。
他の背景キャラとは違い、殺されることもなく、喋ることもなく、ただただ背景としてコインを弾き続けていた。
原作での彼は殺し合いに乗るか反るかをコインの出た面で決めていた、
ならば、コインを弾き続けている彼は、表裏を永遠に曖昧にしたままでいるのだろう、
殺し合いに乗ることも反抗することもせず、永遠の中立者で在り続けたのであろう。
本来ならば。

この殺し合いの打破は、彼のような背景キャラにも大きな影響を――否、ほんの少しの風を与えた。
ただ、ただ、ほんの少しの風。
彼がコインを受け取るのに失敗する、ただそれだけの風。
コインが地面に落ち、表裏がはっきりするだけの風。


コインは表だった。





風が吹____



消えていく世界の中でかr____

「表が出t____



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                                                                   レ/
                                                                     j/



こうして色々頑張って脱出した桐山もまた、ネットの海へと泳ぎだしたのである。
その結果、ジャガン・ナートのミサイル発射装置へと移動することとなり、
ミサイル発射を食い止め、結果的に世界を救うこととなるのだが――

やはり、このバトルロワイアルと関係はなかった。

【桐ヤマグロ 和雄 JASRACとの死闘を繰り広げる】


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最終更新:2013年01月28日 15:30