やっぱりリアル(現実)には勝てなかったよ… ◆Z9iNYeY9a2
「ふぁ…、ああ、よく寝たぁ…」
一人の少女が目覚める。
金髪でそれなりの長さになる髪をぼさぼさにした状態で、ふわっとした表情を浮かべている。
服のほうもだらしないもので豊満な胸が見えるか見えないかという状態にあるYシャツを着ているだけだ。
「おはようございます」
「おはようございます」
そんな彼女が最初に見たのは、修道服を着た少女。
顔を洗い、服を着替え、その少女の傍に座り、
「じゃあ、お願いできるかしら?」
「分かりました。『凶(まが)れ』」
そう言ったと同時、金髪の少女の髪付近に螺旋状の魔力が渦を巻き、その髪をくるくる状の形に整える。
「ありがとう、藤乃さん」
「気にしないでください。巴さん」
巴と呼ばれた少女、臙条巴――ではない、巴マミ。
藤乃と呼ばれた少女、浅上藤乃。
この2人が出会い、始めたこと。それは――
「では始めましょうか。反省会を」
◆
「結局何がいけなかったのかしら?」
「飛竜さんにケンカ売ったことだと思います」
反省会終わり。
「そうね…じゃなくてっ!!!」バン
「台パンは怒られますよ」
「もっと根本的なところに問題があったと思うのよ」
気持ちが落ち着かないのか、ティーカップをカチカチさせながら紅茶をすするマミ。
「ほら、藤乃さんところの主役キャラ、格ゲーにも出演しているじゃない?
やっぱり問題はそこだと私は思うのよ」
「メルブラですね」
「確かに藤乃さんじゃ格ゲー栄えはしないと思うけど、世の格ゲーを見てみなさい。
非戦闘員にも格ゲー補正かかって戦えるようになるかもしれないじゃない?
その点魔眼(イヴィルアイ)持ちの藤乃さんや魔法少女たる私、巴マミは可能性高いと思うわ!」
「なるほど。
でもですよ?例えば、例えばです。そのゲームがクソゲーだったらどうします?」
「え?」
「私の知り合いの友人に、格ゲー出演者がいるんですけど。
そのゲーム、とてつもない世紀末ゲーって言われるようになったんです」
「北斗以上に?」
「北斗どころかBASARAXを超えたって聞いてます」
「えー…」
「このゲームカプコン製らしいんですよね」
「なるほど、敵を知り、己を知ればとかいう孫子のアレね!」
そう言って藤乃はパソコンを取り出す。
Fate/unlimited codesの対戦動画が映っている。
「すごいわねこれ。言峰とセイバーが殴り合ってるなんて。
うわっ…、このコンボ拾いすぎ…」
「巴さんFate分かるんですね」
「面白かったわ!熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)とか刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)とかなんて素晴らしい名前じゃない!」
「でもバランスはイマイチなんですよね。
サーヴァント相手なら相性のいいはずの桜さんが下位キャラだったり、バーサーカーさんとギルガメッシュさんは積みダイヤでしたり。
ほら、こんな感じに」
「うわぁ…。でもバーサーカーって俊敏Aランクだったと思うんだけど…」
「ああ、これですね」
そう言って藤乃が取り出したのは、PS Vita。Fate/stay night [R?・alta Nua]の映像が見えている。
「このOPですね。私も驚きました」
ナニヲダキシメールー、ヨクボーノカゲーデー
「綺麗な映像ね」
「ufoですからね」
エーラーンダー、ツーヨーサデー、イツカータードーリツークソノバーーーショヲーーー
「速っ!」
「ufoさんが描くとこうなるんですよ」
「随分と誇らしげじゃない」
「私達にとっては神みたいなものですから」
紅茶をすする藤乃は、Vitaの映像を桜ルートOPから凛ルートOPの項目に移す。
「ちなみに件の英雄王vsバーサーカーさんの戦いはこっちですね」
カナシミノセーンリーツーヲーキボートーイウーコーエーニカエーテー
「距離一瞬で詰めてるわね…」
「でもバックステップでそれを回避するギルガメッシュさんもすごいです」
「もしこのバトルロワイヤルにバーサーカーいたとしたらゾッとするわね…。逃げられる気がしないわ…」
「あ、そうそう。イリヤさん、最近魔法少女始めたって言ってましたよ」
「え、嘘?!」
「アーネンエルベって喫茶店でバイトしてるって聞きました」
「へぇー。ぜひとも仲良くなりたいものね」
「今度アーネンエルベに一緒に行きませんか?」
「それいいわね」
「………」
「………」
「何の話だったかしら?」
「格ゲー化の話です巴さん」
「そうよ!格ゲーよ!
カプコンは宿敵としても、アークだったら世紀末化するかもしれない。でもギルティギアやブレイブルーのスタッフがやってくれればまだ可能性あるでしょ!」
「でもそうなると、やっぱり一撃技は必須ですよね…」
「トレーニングあるのみよ!呉さんだって覚醒して一撃技も搭載されたじゃない!
専用BGM持ちの私ができないはずはないわ!」
握りこぶしを前に突き出して立ち上がるマミ。集中線が書かれそうな立ち絵である。
「そうですか。頑張って下さい」
「あら、藤乃さんは?」
「私は格ゲーには懲りたので…。
乱戦の中で乱入くらって死亡とかもうこりごりです」
「そう…、まあ、でもあなたはあなたで頑張ってね!
私も頑張るんだから!」
「ええ、いつかまた会いたいです」
そう言って消え去る藤乃。
次に会えるのはきっと、自分が格ゲー化することに成功したときだろう。
「やってやるわ!!どんな魔女でもワルプルギスの夜でも、この私、巴マミが相手になるんだから!」
言うと同時、乱入メッセージが流れる。
魔法少女の姿をとり、戦いに備えるマミ。
「さあ来なさい!どんな相手でも、もう負ける気がしないわ!」
己の道を見定めた巴マミには、もう何も怖くなかった―――――
「あ、すみません。私JASRACのものなんですが。
こちらでFate/unlimited codesのプレイ動画、およびFate/stay night [R?・alta Nua] 桜ルートOPと凛ルートOPが使用されたと聞いて調査に伺いました。
間違いはないでしょうか?」
「あっ、はい」
「そうですか。こちら使用料になりますね。徴収させてもらいます」
【巴マミ JASRAC end】
【浅上藤乃 色んな意味で逃げた】
最終更新:2013年01月28日 15:34