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まーた見え見えの夢を見てしまうのか ◆wKs3a28q6Q




「ああ、起きた?」

のそりと上半身を起こす。
暑い。しかし熱くはない。
きつい日差しを背中に背負い、相馬光子がこちらの顔を覗き込んでいた。

「……夢、か」

夢。
確か、七原と共に殺し合いを脱した夢。
それを見ていた私は死んだはずなのだが――こうして、生きている。

「……そりゃそうか」

プログラムに巻き込まれる夢(まあ、今こうしているってことは、織田に殺られたアレも夢だったんだろう)や、
プログラムから抜け出すべく七原の手を取る夢。
織田や七原に潜在下でどんな印象持ってんだよと苦笑いはしそうになるが、まあ、それらは夢でも現実でもおかしくない。

しかし今見ていた夢は、どう思い返してもおかしい。
なんだよ、ボーナスステージって。
頭わいてんじゃねーの。現実なわけね-だろ殺すぞ。

「ちょっと、行ってきてくれない?」

だるい体を起こしながら、光子の“お願い”を聞く。
どうやら最近、私達の縄張りを荒らしまわってる車上荒らしがいるらしい。
私もワルだし車上荒らしはしたことがあるが、まあ、ワルにはワルの、クズにはクズの超えちゃいけないラインってのは存在するのだ。
縄張りの不可侵は、そーいうワルのルールに当たる。

「んじゃ、テキトーに強そうな男集めといてよ」

車上荒らしを捕まえてぼこり、ついでに金を巻き上げる仕事。
面倒だが、光子はリターンをくれる。だから受ける。
ちょっとだけ、夢で見た七原の顔を思い出して心が痛みはしたが、行かねばならぬという謎の使命感に何故かかられた。

「……あそこか」

光子に集めてもらった兵隊を引き連れ、荒らされてると噂の駐車場に出向く。
大勢のトップを張ってる気分になるので、この瞬間は気分がいい。
いいのだが……



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



ものすごく嫌な予感がするし、めっちゃ汗出るし、効果音も何かおかしい。
だが行かないわけにもいかない。
そんなことすれば、私がフクロにされる。

「こ、これはッ……!」

何故だろう。
“それ”には見覚えがあった。
車両を殴打する男女の背景に浮かんだものを、私は知っている。
ついさっき、夢に見ていた。





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「お前ら何やってんだ! 暴挙はともかく文字の意味を言えーーーーーーーッ!!」

思わず叫んでしまうほど動揺している。
なんだこれ。まだ夢でも見てるのか。

「行けー比呂乃ちゃん!」
「ぶっ殺せー!!」

そして連れてきた兵隊は、拳をあげて立ち止まった。

「……は?」

いや戦えよ。援護しろよ。何しに来たんだお前ら。

「いや、このゲームはタッグルールなんで」
「何だよゲームって!」
「ほら、ボーナスステージが終わって、姐サンの出番来ますよ!」

クールーキットクルーキットクルー

変なBGMが聞こえる。
何だよ、きっとくるって。何が来るんだよ。きがくるっとるの間違いじゃないのかよ。

「どかずば……死ぬのみ……だ。ショウ……ジョ」

柱の男とテレビ住まいの女のコンビが立ちはだかるッ!
もう何もかも意味がわからないのに、足は勝手に動いていくッ!
連れてきた兵隊はすっかり単なる野次馬となり、そしてステージの背景となる。

「なんっ……なんなんだよこれはよォォォーーーーーーー!!」

あたしは、助かったんだ。
夢だったから、助かったんだ――そう思ったのに!!

『ラウンド1 ファイト!!』

どこからか響く音声と共に、化け物二体が飛びかかってきた。






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「ちなみに姐サンの相棒であるマリオさんは、亀にはねられて重体だから遅れるそうです」
「井戸じゃなくて土管じゃねーーーーか!」


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最終更新:2013年01月28日 15:35