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だがそれがいい ◆EKhCqq9jsg




 前略

 田舎に住んでいるお父さん、お母さん、お祖母ちゃん、妹、隣のおばさん。
 みなさんお元気ですか?
 こちらでは雪が振りつつも、元気にやっております、今は。

 実は、僕の勤めている会社、アークシステムワークスと呼ばれるゲーム会社なのですが、
 先日多数の方にご迷惑をかけてしまいました。
(実際僕の会社は一切関係なかったのですがね)
 今はそれの後始末…… 関わってしまった企業へ謝罪を繰り返している所です。
 殆どの企業が『不慮の事故』として許していただけました。

 ですが、まだ、ある人物には謝罪を行なってはいないです。

 その人物は、見るものを圧倒させる姿を持ちつつも、劇画家と呼ばれる繊細な職業についております。
 今日僕はその人物に今回の件を謝罪しにいきます。
 どうしてそれだけのことに手紙をかくと言われますと。
 実は過去に一度、彼の人を凄まれてしまい、僕の同僚が東京湾に…… 言えなんでもありません、この部分は無視してください。
 とにかく、二度も不祥事を起こしたからには、大変なことになるに決まっております。

 お父さん、お母さん、みんな。
 もしかしたらこの手紙を読んでいる時は僕はもうこのこの世にはいないかもしれません。
 ですが決してその劇画家を恨まないでください。
 復讐などしようと考えないでください。
 僕はこれまでの人生は幸せでした。

 子の不幸をお許し下さい。
 それでは、さようなら。

☆ ☆ ☆

 遺書を書き終えた青年、アークシステムワークスの社員は原哲夫の前へいた。
 何のために?
 無論、謝罪としかるべき賠償のために。

「キミねえ…… 俺達の作品を有ろうことか二つも…… それに角田さんにまで迷惑かけて……」
「ま…… 誠に申し訳ございません……!」
「ああ゛ぁ!?」

 大声を声を上げるのはもちろん原哲夫。
 リクライニングチェアにおもいっきり寄りかかり、脚を組むその姿、まさに傾奇者である。

「まあ…… 責任はとってもらおうか……」

 ゴクリと息を飲み込むアークシステムワークス社員。
 その昔AC北斗の拳の数あるバグをだし、クソゲーにしてしまったことを謝罪に行った同僚が、酷い目にあったことは昔の話ではない。
 アークシステムワークス社員は死を覚悟した。

 ドサッ ドサッ ドササッ!

 自殺用の刃物か?
 いや違う、彼の目先には膨れ上がった大型封筒が5枚!

「これは……?」
「今回の件はアークシステムワークスに関係しないのはこちらも、どの企業も知っていることだ。
 だが、俺は…… 俺達はたしかに感じ取った……
 時代が何を求めているか、時代が何を欲しているのかを、だ」

 中身を見たまえと、原哲夫はアークシステムワークス社員に促す。

「こ…… これは……!?」

 中に入っていたもの、それは『北斗の拳』の版権関連の書類。


「あの盛り上がりを見て、確信したよ……
 北斗の拳の格闘ゲームは間違っていなかった。
 だから今こそ、北斗の拳を愛する者が……! 格闘ゲームを愛する者が……!
 そしてアーケードゲームを愛するすべての者が! 
 全ての者が楽しめる、新たなる『北斗の拳』の格闘ゲームを、作ってくれるかな?」

 AC北斗の拳の新作。
 誰しもが妄想したその夢が、北斗の拳の作者の口から語られたのだ!

「版権関連は全て俺が済ませてある、だから、思う存分作ってくれ」

 原哲夫は椅子から降り、アークシステムワークス社員の方へと近づき、手を差し伸べる。
 もちろんそれに答えるアークシステムワークス社員、その顔は感激しきっていた。

 一年後、某中野ブロードウェイの四階にある某ゲームセンターで『AC北斗の拳2』ロケテされた。
 それは大いに盛り上がり、誰しもがこのゲームの成功を予感させ、そして事実全国各地のゲームセンターで稼働された。

 ゲームセンターはそれ見たさに大勢の客を呼び寄せ、対戦や大会が幾度も開かれた。
 そう、格闘ゲーム業界は長い冬を越え、また春の時代が来たのだ。
 この北斗の拳2の出現によって……

☆ ☆ ☆

 アークシステムワークスが北斗の拳2の制作に乗り出したころ、
 原哲夫のもとにゲーム系の記事を集めるライターが訪ねてきた。
 ライターは原哲夫にこう問いただした。

「もしこれが失敗すれば、新潮社、及び自身が多大なる負債を背負うことも充分ありますが…… 何故今回ここまでこのゲームの支援をするのですか?」

 その質問に対して、そうだな、もしかしたら大失敗するかもなあとどこか黄昏れながらも、最後には笑顔でこう答えたそうな。


            \l|lrjr‐、川_|   l| l|トミミ:、
 そ           |7, |l |l`'トヾyv、! l||li`'ミlト、
 れ    だ   |lijlj|l l|vl|i l|l l|! l|`巡|! i!ト|li
 が    が   |{(i{li| l|lj|l||.lノ/l! リ l! リt、 l|l |l|l,
 い          |ミ:、Nソノ川ソ/ /l/ ,ィ゙l|ト! |!.||l|!
 い           |ミ:、ヾ}仁`勿ジノ__,r' ノ|!jl |!.l|ll|
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         /l|||!|ト、i|! l|i!l|ilil|lkミtミ三彡シ{|! l|i|!
      __〔:|l|!l||ll|lトli.l|l! l|li.l|ltlトlilトlミ三彡シ|l l||!
___/:ll|`:|l|::ltl|l|:l|i|:l|il|:l|トkい!l| ミ三シl|l|. l|!
ミ=孑 ::::::l|:l|:|l:::i|kl|::l||:|!l|::l|:|!トミ:、|! ミ三ソl|l|l  l|!
ミ三シソ   ,,,_!_l_|l ;lト、! l|l ljリ ル__,,,,、メ、 ミニジl| l|l  l|
|ト刋'゙  彡ー-、_,`'ーij l| k'´_,、_-‐'ミシ  洲 l|! l |l
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l|l.冽    ´´"~´´_;;r''゙| |N;;_``~゙゙`   ,!' / ll| l |
トi,ヾ|!     ‐'''"´l! i! |  `"'''    / /リ jl|l l
派、_ i!         j! ノ い       /f"/ ノ川 l
l リチ^!        {r-{,_ノァ′    / |ト//// |
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【アークシステムワークス AC北斗の拳2開発開始】
【前田慶次郎利益      原哲夫へ……】


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最終更新:2013年03月01日 17:00