コトリバコでググって、ついでにみつけた「記憶を追って来る女」を見て思わず書いた。正直ガ板向けかなあ。
記憶を追って来るゆっくり
その日、霧雨魔理沙は博麗神社の縁側に座っていた。
ふと、側を見るとお茶とお茶菓子が置いてあった。友人である博麗霊夢が用意したのだろう。
「おう。ありがとな、霊夢。」
「いいわよ、別に。それより話があるんだけど、いい?」
魔理沙はそこに、ただならぬものを感じた。
「……珍しいな。お前がそんなこと言うなんて。」
「最近、ね。」
背中越しに霊夢が語り出す。
「夢を見るのよ。」
「そりゃ結構なことじゃないか。」
「茶化さないで。真面目な話なんだから。」
その口調には鬼気迫るものがあった。
魔理沙はふと思い出す。夢といえば、ここ最近の霊夢は寝不足のようだった。いつも目の下に隈を作って――
「あいつが、追って来るのよ。」
霊夢の声に、魔理沙はふと我に帰る。
「あいつ?」
「最初は私が子どもの頃の夢。神社の境内にあいつがいた。次はこの神社を継いだ日の夢。障子越しに、あいつの影が見えたのよ。」
「おいおい、置いてけぼりにしないでくれよ。まずあいつって誰だ?第一、夢の中で有り得んことがおきても――」
「それが毎晩規則正しく起きるのよ!いいえ、『毎晩』は正しくないわね……正確にいえば眠る度に……!」
霊夢の様子はかなりおかしい。しかし、魔理沙はそんな霊夢の気迫に押されて何も喋ることが出来ない。
「その次はあんたと会ったときの夢。その次は紅魔館、白玉楼、永遠亭……。それも、夢に出る度に私に近付いてくるのよ……。」
魔理沙は気付いた。
「お前……だから寝てないのか?」
「ええ、そうよ。」
霊夢は調子の狂った声になっていた。
「けどそれももう無駄かもね。人間どうして寝てしまうものだし、それにもう……」
魔理沙はここまで、一度も振り向けなかった。ここまで取り乱す霊夢を、魔理沙は見たことが――正確には、感じたことがなかった。
「もう、現実に追いついちゃったのよ。」
「……霊夢?」
反応が無い。
「……おい、霊夢!ふざけてないで……」
言いながら魔理沙が振り向くと、そこには霊夢ではなく、ゆっくりれいむがいた。
「いったよ!げんじつにおいついたって……!!!」
そいつも目の下に隈を作っていたが、どことなく怪しげに笑っている様にもみえた。
こいつがいつからゆっくりしていたのか、魔理沙にはわからなかった。
- 引用元書いたほうがいいぜ? -- 名無しさん (2008-08-08 01:00:02)
- 別の題名でこの話の続きがあります。 -- 名無しさん (2008-12-01 13:07:57)
最終更新:2008年12月01日 18:59