注意
- この作品は露骨なパロディです。
- 一部ブロント語が使用されていますが、適当です。
- けっこうな駄作の危険性があります。
- もしかしたら期限内に後編が出来ないかもしれません
(……この根性なしのSS書きめ!と思った人は正しい。)
それでも宜しければ、どうぞ。
1:四月五日 フランス
フランスはパリ。
普段は静寂に包まれるこの街も、今宵ばかりは喧騒の中。
なぜならば、あの大福がいるからだ。
夜の街道を走る一台のスィー。
そしてそれを操る1頭のゆっくり。
彼……、いや、彼女……いや、もうそんなのどうでもいい。
やつこそが、世界に名を轟かせているとかいないとかの大怪盗。
まりさ・ザ・サードなのだ。
Marisa the Third 「スカーレット・ブルー」前編
トランクをスィーにのせ、まりさはパリの夜を走る。
隣にありすでもいれば大分ロマンチックなひと時を過ごせたかもしれない程の美しい夜。
「それにしちゃうるさいのぜ……。」
鳴り響くサイレンと共にまりさを追うのはパリ市警のみなさんと、
「ぼんそわーる?まりさ!」
まりさを追うICPO名物ゆっくり体つきのぱちゅりー警部である。
「よぉ、ぱっつあん。今夜は月がきれいなのぜ。」
「全くもって同意。けどまりさ。私には月を見るよりよりもあなたのお縄を頂戴したいわ!」
「【せっかくですが遠慮します】。」
その言葉とともに、まりさは一段とスピードを上げる。
ぱちゅりー警部と彼女の指揮するパトスィーの一団も、当然スピードをあげていく。
そして、いきなり右折したまりさ。
『ゆっくりしなかった結果がこれだよ!!!』
曲がりきれなかったパトスィーが次々とクラッシュしていき、後続までをも塞ぐ結果になった。
とはいえ、こんな初歩に引っかかるようではまりさを逮捕できるわけがない。
「Muck you!!!よくもやってくれたわね、まりさ!!!」
ぱちゅりー警部をはじめ、どうにか曲がりきれたパトスィー部隊はなんとか無事である。
「おーおー、しつっこいこったぜ。」
まりさはお下げの腕時計をちらり、と見る。
「……そろそろなのぜ……来た!」
前を見れば、見慣れたスィーとその搭乗者。
まりさの頼れる相棒、早うち0.⑨秒のガンマン、きもんげの姿である。
「きもんげちゃん、やっほ^^」
「やっほ^^ やあれへん。お宝のほうはどない?」
「バッチシなのぜ。ほおらよっと!!」
まりさはそう言うと、トランクをきもんげの方へと放り投げた。
「うわったぁ!なにするんこの塩大福!!私が落としたらどないするつもりや!!」
「きもんげを信用してるからこそ、だぜ?」
「信頼と文字通りの丸投げは違うんとちゃう?」
軽口をたたき合いながら、二台は距離を詰めていく。
「そんじゃま、いくのぜ。せーのっ、」
せ!でまりさはきもんげのスィーに飛び乗る。
「む、むきゅ!しまったわ!各員はきもんげのスィーを……」
「おーっと、その前に!」
まりさは帽子からおもむろにリモコンを取り出す。
「ぱっつあんには特製のプレゼントだぜ!……ポチっとな。」
「むきゅ?」
途端、まりさが乗り捨てたスィーは逆走を始めた。
「む、むきゅきゅ!?」
そしてパトスィーの一団に突っ込み、派手に大爆発。
「むっきゅー!!!」
「かーぎやー!」
「大丈夫なんかな、あれ……。警部もいい加減死ぬんとちゃう?」
サイドミラー越しにその様子にその様子を見ていたきもんげが、ポツリともらす。
「まぁーさか。ぱっつあんなら屁の河童だろうぜ。」
まりさはそう言って後ろを指差す。
「Muck you!おのれまりさ!こんどこそ捕まえてあげるわ!」
パトスィーの残骸の中から、ひょっこりと顔を出したぱちゅりー警部を確認すると、
きもんげは呆れながらスィーを加速させた。
「おいィ?予定の時刻より9分も遅いんだが?」
合流ポイントの路地裏で待機していたてんこが不満げな声をあげる。
「わりぃのぜ。今回もぱっつあんがうるさくってよ。」
「遅刻はヴァナでは原罪いじょうの大罪だからな天狗ポリスにつかまって10年は刑務所行きだろう
な」
「ここはパリやし、もうすぐ幻想入りしかねん場所やんか……。それよか、首尾はどない?」
「どちらかといえば完 全 無 欠英語でいえばコンプリート。」
「頼もしいこと。そんじゃたのむのぜ、てんこ。」
まりさの言葉をうけ、てんこは緋想剣を構え、目前の壁を睨みつける。
「ハイスラぁッ!!」
キンキンキンという金属音が響き、壁に幾筋かの火花が散る。
「……またつまらにいものを斬っちぇしまったんだが?」
その言葉とともにてんこがバラバラに引き裂いた壁の切れ目が露となり、崩れていく。
後にはズタズタにされ、スィー一台分が通る程の穴が出来上がった、茶褐色のザコ(壁)がいた(五
右ヱ門話)
「あんがとさんだぜ、てんこ。」
「天人ならこれぐらいチョロイこと。それよりはやくあいrすと合流すべきそうすべき」
「おおそうだぜ、ありすちゃんも待たせてたんだっけ!」
はぁやくいかなくっちゃなぁ~とのたまうまりさは、大層なスケベ顔になっていた。
「はぁ……今回は仕方ないけど、いいかげんありすは諦めたらどうや?」
「どちらかといえばてんこはそれに大賛成だなあちすは裏切りに定評があるからよ平気でうらぎるし
言いとこどりのポチッ^^もする。」
「ホンマ嫌気が差してきた……嫌いです……。兎に角や、ヤマからハブれとは言わへん、けど、や。
あの海千山千が相手や、もうちょい距離とるなり警戒するなり……」
「あら。ずいぶんないい様じゃないの。」
「ニャンッ?!」「おいィッ?!」「ゆほっ……!」
忌々しくも聞きなれた声を耳にして、、三匹は同時に素っ頓狂な声を上げた。
てんこが切り開けた穴向こうに、くだんのゆっくり、ありすがいた。
「しつれいしちゃうわね。」
「あ~りすちゃーん!まってたのぜー!!」
愛しのありすを目の前にして、思わずテンションの上がったまりさは目標にダイブする。
「ほーらい!」
「ホラーイ!」
ちゅどーん
ホーライ人形から放たれたビームが過ぎ去ると、あとには黒こげの金髪大福がいた。
「……ぷすぷす」
「まったく……でりかしーもへったくれもないわね。」
「アンタが言えたことやない。」
「五十歩乱歩というめいぜりふをしらないのかよ」
「……なによ、もう。それより、おたからのほうはどうなのかしら?」
ありすはキョロキョロとあたりを見回す。
「まぁーまぁー、そうあわてないでほしいのぜ。」
焦げから立ち直ったまりさは、ぴょんぴょんとスィーに戻ると、積んでいたトランクを引っ張ってき
た。
「んじゃまてんこ、お願い致しますのぜ。」
「おいィわかった」
てんこが言うと同時に、まりさはトランクを放り投げる。
「グランドヴァイパァ!!!」
てんこの緋想剣が閃くと、トランクは空中でバラバラに引き裂かれ、中に入れられた「お宝」が姿を
現す。
青く輝く大きな宝石。地面に落ちようとするそれを、まりさは華麗にお下げでキャッチする。
「ふぅ、あぶないあぶない……。ま、それは兎も角 しょくん。これこそが今回のおめあてメインディッシュ。
現存する世界最大のブルー・ダイヤ……『スカーレット・ブルー』なのぜ。」
奇妙な名前を持つこのダイヤだが、その由来はそれの放つ燐光にある。
かの『ホープ・ダイヤ』の持つそれに勝るとも劣らぬ程の鮮やかな赤は、
群青の青の中で燦燦と輝き、『スカーレット・ブルー』の名に恥じぬ美しさである。
~民明書房刊「ジョジョ四部の主役は露伴」より。
一時間後。てんこの開いたルートからパリのアジトに戻った四人は、テーブルの上に置かれたスカー
レット・ブルーをしげしげとながめていた。
「これ正に神の賜物だろ……美しいな流石ダイヤふつくしい……。」
スカーレット・ブルーの美しさに心奪われるてんこ。それを見て、きもんげにいやらしい笑みが浮か
ぶ。
「気ぃつけや。あの『ホープ・ダイヤ』をカットした時のの片割れ……っていう話やよ?」
きもんげの言葉を聞いたてんこは生まれて初めてほんの少しビビリはじめた。
「おいィその話マジですかだとしたらちょっとsYれならんしょ……」
「……初耳ね、それ。第一、ホープ・ダイヤは112カラットから69カラットを切り出してるのよ。
スカーレット・ブルーは50カラットあるんだけど。」
「……きもんげお前ふざけんなよお前マジで親のダイヤの結婚指輪のネックレスを指にはめてぶん殴るぞ」
「おおおぞいおぞい。……結婚指輪のネックレスってなんなん?」
「……ま、何にせよこの美しさは何物にも換えがたいのぜ……。おもわずべーぜしちゃいたいくらい!」
まりさはそう言うとダイヤをお下げにとり、
「ん~……ちゅ♪」
本当にダイヤに口付けした。
「おい馬鹿やめろはやくもこのダイヤは終了ですね」
「あちゃー……なにしてんのやこのアホは……」
「もうっ!価値が下がっちゃうじゃないの!!」
「……。」
散々言われたせいか、まりさは押し黙っていた。
「なによ。黙りこくるぐらいなら、最初から調子に乗らないでよね!」
「……。」
ありすに文句を言われても反応が無い。
「……どないしたん、まりさ?」
まりさのおかしな様子に気づいたきもんげが声を掛けた
その時だった。
「オウフ」「ニャン!?」「きゃあ!」「のぜ?!」
四人は「見えない何か」に突き飛ばされていた。
「あいたたた……み(↑)んな大丈夫?」
「おいィ……姿が見えないとかこれ絶対忍者の仕業だろ……。」
「いったぁ……一体なんなのよさっきの……。大丈夫?まり……」
頭だけのせいか、ころころと転がったありすは、同じく転がっていたまりさの方を見て、思わず呟いた。
「あれ?ダイヤは?」
まりさがお下げで持っていた筈のスカーレット・ブルーが、無かった。
「そういや……」「みあたらにいが?」
尋ねた皆に対して、まりさは一言。
「ああ、盗られちまったのぜ。」
「なんだ。そうなの……」
「「「ってえええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?」」」
「ちょっと、それホントなのまりさ!!」
「泥棒が逆に盗まれてしもたらアカンやろ!」
「ちょっとコレマジでsYレになんしょ……」
と、慌てふためく三人とは対象的に、
「まぁ落ち着くんだぜ。まだ慌てるような時間じゃない。」
当のまりさはいたって冷静だった。
「なんでそんなに冷静なのよ!!!横取りされたのは時価数百億は下らないダイヤなのよ!!」
「この日の為にさんざ下準備をしてきたんよ?!それが一瞬の不注意でパーやないか!」
「普通に血の通った人間なら、周到な準備のもと盗みだしたダイヤが掠め取られた絶望がどれほどの
ものかわかるとおもうんだが特にすあk-レットブルーの場合はそこらの一般宝石店の雑魚いダイヤ
じゃなくて世界で一番のブルータイヤ想像を絶するかなしみがてんこを襲った」
「まつのぜまつのぜ。ついさっき分かったことだけど、ありゃ本物じゃないのぜ。」
「「「え?!」」」
まりさ衝撃の告白に三人は絶句した。
「べーぜのときに分かったのぜ。熱伝導の高いダイヤにしちゃ、えらく冷たくなかったんだぜ。あ
りゃよく出来たレプリカなのぜ。」
「で、でも、ぱっとみたかぎりじゃ、スカーレットブルーそのもの……」
「いや、思い当たる節がないわけとちゃうよ。多分……」
その頃。
まりさによって壊滅させられた街道と、パトスィーの残骸から何人ものゆっくり警官が脱出&救出さ
れる中、
まりさ一味に逃げられ、身も心も満身創痍のぱちゅりー警部の後ろ姿を不安そうに覗き込むゆっくり
がいた。警部の右腕、ゆっくりこぁである。
「警部……大丈夫ですか……?」
いつものこととはいえ、流石に今回は堪えたろう。そう思って声を掛けると、やはり肩が震えていた。
「警部……泣くなんて、らしくないですよ。つぎこそ、まりさの奴をふん捕まえて……」
こぁがなぐさめようとしたそのときだった。
「……ぷ。……くふふ。…………むーきゅっきゅっきゅっきゅ!!!まりさめ、ざまぁwwww」
こぁは警部がいきなり発狂したと思い、即座に自分の中で訂正した。
だいたいいつもこんな感じである。
「大方、またぱっちぇはんの仕業やね……。」
「間違いないのぜ。ここまで精巧なものを作っときながら変なところが抜けてるとか、ぱっつぁんそ
のものだぜ。」
「あの警部万能すぎでしょう……?」
「……けど、今回は完全にしてやられたわね……。」
四人はガックリと肩を落とした。
「……で、これからどうするのよ、まりさ。」
「諦める……訳あれへんよね。」
「「」確かにな狙ったエモノは似がさない……男ならそれぐらいチョロイこと。」
ありす達に言われるまでもなく、、まりさは一度狙った獲物は諦めない主義だ。
「男かどうかはともかく……諦めないことに関しては同意なのぜ。こうなったら水際で手に入れるし
かないぜ……。」
「水際……ってなにするつもりなん?」
きもんげの問いに、まりさはにやりとして答える。
「水際というか、海上……なのぜ。」
2:四月十日
日本
「ふぅ……どうやら無事乗り込めたみたいやな。」
「どうやらそうお前全力で安心してよいぞ。」
豪華客船、ゆイタニック号の船内で、きもんげとてんこは胸を撫で下ろしていた。
まりさやありすとは別行動を取っているため、今は二人である。
「それにしてもぱっつあんは【いりません】なんでここにいるのか理解不能状態」
「せやな。まさかぱっちぇはんまで乗り込んでるやなんて……。」
というのも、先ほど乗船する際にぱちゅりー警部が何故だか船員といざこざを起こしているのを見かけたからだ。
思えば、警部は全世界の警察で恐らく一番早くまりさの行動をキャッチ……というか、山勘で当てて
しまう人物だから仕方ない。
人ごみの中、あの見慣れた姿を見たときは、むしろ安心したぐらいである。もちろんバレはしないか
とひやひやはしたが。
「また今回も難儀な仕事になりそうやね。」
「面倒を起こすんじゃない巻き込まれてしまうのが天人。」
二人はそう呟くと、合流予定地へと向かった。
きもんげが、いや、まりさ一味がこの豪華客船「ゆイタニック号」に乗り込んだのには訳がある……
といってもまぁ言わずもがな。
このゆイタニック号内の博物施設でスカーレット・ブルーが展示されるからなのだ。
『最後ってワケじゃないが、数少ないチャンスのひとつなのぜ。』
しかし、首尾よく盗め出せたとしても場所は船の中……つまり、海の上である。
『逃げ道ないやんか。どないするつもりなんよ?』
しかしそこはまりさ。それなりに考えてある。
ゆイタニック号がいくら大鑑巨砲主義の豪華客船とはいえ、それだけで世界一周が出来る訳ではない。
当然、必要に応じて食材・消耗品・生活必需品などの補給を行うため、何回か寄港しなければいけないだろ
う。
『そこが狙い目ってわけね?』
現地での補給にはトラブル、とまではいかなくとも、多少のゴタゴタはつき物なのだ。
その混乱に乗じて、あるものを搬入する。
『nice boat.ですね』
まぁそんなところである。潜水可能な特製の高速小型四人乗り船舶といった所。
お宝をいただくタイミングもまた寄港を利用する。
とはいっても、決行はその前日。ボートでたどりつける距離に来たところで奪取&脱出という手はず
である。
海上で動けないのはゆイタニック側も同じ。一度海に出てしまえば、こちらのものだ。
とはいえ、
「まぁホント毎度毎度とは言え、今回はえらくバクチやなぁ……。」
まりさとは数え切れない程の仕事をこなしてきたが、前回偽物を掴まされた上にわけの分からない相
手に横から掠め取られてしまったからだろうが。
とはいっても、きもんげには前途多難の不安はあれど、まりさとてんこ、ありすに加えて自分の
四人であれば、盗めないものはまずないだろうという確信があった。
「ま、ほんの少しばかり面倒なことになるんは」
「稀によくあることらしいぞ」
パンフレットを確認しつつ、目的地へと向かう。
「にしても、よく水際で正規のチケットなんてとれたなぁ……。」
きもんげが持っているチケットは盗んだものでもなければ、まりさやありすの作った偽造品ではない。
日本で別行動をとっていたきもんげとてんこ宛てに、郵便で送られてきたものである。
「とはいえチケットのこの仮名はsYレならんしょ……『てんこ・ゲインズブール』とか、コレ絶対
姉の仕業だろ……」
「『ディメンジョン・きもんげ』よかマシや。」
そんな会話をしつつ二人が辿り着いたのは、船内に設けられた『河城飯店』のゆイタニック号支店。
「およよ、まってたのぜ、ふたりとも。」
「おそかったじゃないの」
先に席についていたまりさとありすが声を掛ける。
きもんげとてんこも開いた席に座る。
「おいィかたじけにい。オアチュリー頚部がいたせいで身長になりすぎた感」
いさぎよい武の心が出てしまったてんこはそう謝罪した。
「いいのぜいいのぜ。……ってぱっつあんきてんの?」
「ま、私らのお仕事にはよくある話や。それにしても、水際でチケットを手に入れるやなんてどう
やったん、まりさ。」
「「」確かにな見事な仕事だと関心するがチケットはどこもおかしくはないな一体どうやって手にい
れたのか教えるべきそうすべき」
「「【え?】」」
きもんげとてんこの言葉に驚き顔になる二人。
「なんのこと?チケットを送ってきたのはそっちでしょう?」
「そうだぜ。まりさたちは送られてきたチケットでここに来たんだぜ。こっちこそどうやって手に入
れたのか不思議だったんだぜ?」
そう言ってまりさは帽子から封筒と、同封された手紙を取り出す。
きもんげとてんこに送られたものと文面も同じワープロで書かれた手紙。
ただひとつ違うのは、差出人の名前がきもんげに変わっている所である。
「罠、やね。」
少しでも手がかりを得ようと手紙を凝視しながらきもんげが呟く。
ちなみにありすの偽名は「ありす・きゃろる」、まりさは「まりさ・バーネット」となっていた。
えらく凝った偽名だとまりさは関心していたが、逆にいえば、相手はそれだけこちらを知っていると
いうこと。四人それぞれの現在地、アジトの住所までも把握していたことも考えて、相当なものだ。
「まったく……困っちまうのぜ。」
のほほんとまりさはいってのけ、お冷を飲み干す。
「でもどうするの?いまなら船は出航してないわ。」
「降りろっての?冗ー談じゃないのぜ。罠が怖くて怪盗なんてやってられないぜ。第一、『アレ』だって引っ張りだしてきたのぜ?埃を被せるどころか、寄贈しちまったら申し訳たたないのぜ。」
皆を見回し、まりさは言う。
「それに、偽モン掴まされたのはまだいいのぜ。けど、それすらも掠め取られちまった。それじゃま
りさの名が廃るってもんだぜ。」
「まりさは……夢盗まれちまったからよ。頼む。」
押し黙る三人。
「仕方、あらへんね。」
「てんこは不良だからよ。馬鹿みたいな理想にだって付き合うし、果たさせる」
「……馬鹿ばっか。けど、スカーレット・ブルーは諦めきれないわね。」
口々にそう言うと、それぞれお冷を飲み干す。
「そんじゃま、作戦開始!といくのぜ!」
かくして、怪盗まりさ・ザ・サードの一世一代の大勝負が始まった。
……それが、思いもよらぬ結果になるとは知らず……。
『連中の様子はどうだ?』
「はい。……どうやら、決行するみたいです。」
『だろうな。それが奴らだ。地獄から帰ってきた甲斐があるというものだ。』
「……。」
一方。
「やっと乗船できましたね……警部……。」
ひどく疲れたようにこぁが言う。
というのも、ぱちゅりー警部がチケットを忘れたため、船員が照会する羽目になったからである。
「むきゅう……もうしわけないわ。文庫本の栞にしたまま忘れちゃったみたい。」
「(何に使ってんのこの人……。)それにしても、まりさがこの船に乗り込んでるって本当ですかね?
「ふぅむ。ダイヤのこともあるし、わたしの勘もそう告げてるけど。匿名のタレコミってのが気にな
るわね……むきゅう。」
珍しく考え込むぱちゅりー警部。
「とはいえ、今回ばっかりはまりさと関係なく乗り込むはめになってたから好都合かしらね。」
でも結局は同じだった。
「(もうやだこの人……。)」
「んじゃま、飯食ったらキノコの森にいくのぜ!」
「まさかとはおもうけど、キノコは盗まんといてや。」
「チンケな理由でパクられたら松代の恥だべ。」
「それじゃ、私は『マーガトロイド』に行ってくるわね。自分より美味しいカスタードが食べたいの。」
――
ゆっくり怪談の人です。
チル裏での告知」通り、空を翔る一筋の流れ星な感じのSSを書いたら
ごらんのありさまだよ!!!
九日までに後編完成出来るんだろうか……不安になってきました。何も書いてない……。>ご存知の通りできませんでしたよ!
まりさ一味とぱちゅりー警部に関しては、十三日まで遊び呆けておりますので、使いたい方はお好きに使ってやってください。
- てんこのブロント語が最高すぎるwそしてぱっつあんバイタリティ高いなぁ -- 名無しさん (2009-06-10 13:20:26)
- てんこの声が五右衛門ボイスで再生されるんだが…… -- 名無しさん (2009-06-10 15:09:40)
- なぜに次元役がきもんげ? -- 名無しさん (2009-08-19 20:17:55)
最終更新:2009年08月19日 20:17