ゆっくりリグルの日常

ここはゆっくり達の住む森。その川辺の家でゆっくりリグルがカサカサと目を覚ました。
「ゆっくりおはよう!」
そんなリグルに川のゆっくりにとりが
「ゆっくりおはよう!」と返してくる。
リグルはゆっくりキスメ特製の桶に水を汲むと飛び立った。行先はリグルの花畑である。
桶の水をまき終えるとミツバチの巣に飛んで行った。
リグルは虫と会話する程度の能力でミツバチと交渉し、リグルは花畑を管理する代わりに、ミツバチたちはその代償に蜂蜜を分けるという契約だ。
リグルは蜂蜜を受け取ると森の奥にカサカサと進んで行った。先にはゆっくりの家があった。家の前には不安げな顔をしたれいむとまりさがいた。
「あっ、リグル!」
「お薬を持ってきたよ!」
二人が不安げな顔をしているのは子供が倒れてしまったからだ。ここ2~3日前から暑さのせいか子れいむはぐったりとして倒れてしまった。
そこでゆっくりにとって薬の効果がある蜂蜜を持ってきたのだ。
去年の冬、寒さに弱いリグルが行き倒れているところをこのれいむ親子が助けてくれた。
寒い冬の間すりすりをして温めてくれ、蜜を持った花を持ってきてくれた。今度は自分の番だ。
「ゆっくり飲んでいってね!」
文字通りとろけるような甘みが餡に染み渡る。みるみるうちに子れいむは元気を取り戻した。
「あま~い!しあわせー!もっとのませてね!」
この場合「良薬口に甘し」なので飲みすぎてしまうのが難点だ。
「もう!駄目でしょう!」親れいむの顔にも明るさが戻る。
「ありがとうなんだぜ!」まりさも喜びいっぱいだ。リグルは桶の中から花を出すと
「このお花は蜜がたっぷりあるからゆっくりちゅーちゅーした後はむーしゃむーしゃしていってね!」
そう言ってリグルは次の仕事へ飛び立った。

昼からはのうかりんの畑で他の虫と一緒に受粉を手伝った。虫たちは蜜を吸えるし、
のうかりんとしては手作業でやる受粉の手間が省けるというわけである。
「お~ごくろうさんだっぺ。」
仕事が終わるとのうかりんから報酬としてきゅうりとある袋を受け取った。

次にリグルはゆっくりの竹林にある「えいえんてい」に向かった。
「ゆっくりこんにちわ!蜂蜜を納めにきたよ!」
「あら、いらっしゃい」中からゆっくりえーりんが現れた。
リグルはゆっくりのお医者さんであるえーりんにゆっくりの薬にもなる蜂蜜を納めているのだ。
その代り仲間のゆっくりが怪我や病気をした時診てもらうのだ。
「あとこれは姫様にどうぞ!」
リグルが差し出した袋は「のうかりん印のポテトチップス」だった。ヒマワリ油でカラッと揚げたのうかりん自慢の一品だ。
えーりんが仕える“姫様”ゆっくりかぐやの大好物にとって大好物であることは言うまでもない。
「どうもありがとう、姫様も喜ぶわ。」えーりんは礼を言う遠くから袋を持ってきて
「今日はこの小麦粉を持って帰りなさい。怪我をした時水で練って貼れば治るし、いざという時は食糧にもなるわ。」
「ありがとう!」
夕方になりリグルは川辺の家に帰ってきた。
蛍のような光とカサカサという音からリグルだと気付くとにとりは
「ゆっくりおかえりなさい!」と声をかける。
「ゆっくりただいま!にとり!今日はおみやげだよ!」とキュウリを差し出す。
「ゆゆっ!キュウリさん!!」
河童のゆっくりであるにとりにとってキュウリはまたとない好物だ。
リグルはキュウリに蜂蜜をかけて食べ、「ゆっ!まるでメロンみたいだよ!」
そんなリグルを見ながらにとりは「ゆっ!キュウリはモロキュウにかぎるよ!」と丸かじりでむーしゃむーしゃしている。

「「むーしゃ、むーしゃ!しあわせー!」」


今日もゆっくりとした日が暮れる。

  • 助け合いゆっくりですね♪
    実によく表現されています -- 名無しさん (2009-08-18 12:29:09)
  • これが本当の平和かもな♪ -- 名無しさん (2010-03-15 15:57:23)
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最終更新:2010年03月15日 15:57