いやぁ、まさか3回目の公演にも来て下さるとは、
お客さん物好きだねぇ。
さて、ゆっくりの街には良いゆっくりも居れば悪いゆっくりも居る、
これは世の常、仕方のないこと、
ただ、その悪人も、一概に悪人とは言い切れない連中もいる。
え?どんな奴かって?
ほら、悪人から金を巻き上げ、貧しい人に配る泥棒…。
時代劇でお馴染みの、義賊って奴ですね。
今、ゆぶき町で話題になっているゆっくりも、そんな義賊の一人、
…が、そいつは義賊と言うべきかどうなのか、実に微妙な奴のようで…。
おっと、話しに入る前に忠告はさせてください、
この物語に出るゆっくりは皆、ロクなゆっくりではありません。
また、ゆっくりがひどい目にあったりする描写も出て来ます。
そのような事が受け入れられない方は席をお立ちに、
どんと来いやぁ!という方はそのまま席に座ってお待ちください。
てゐ魂 第5話 「変顔が個人的にお気に入りです。」
「むきゅ!あんた達も反逆ゆっくりの疑いが晴れてよかったわね!」
「もう、こんな所に来るのはゆっくりやめてくださいね。」
警察署の前で警察帽を被ったぱちゅりーとこあが、てゐとてんこに向かってそう言った。
「ハイハイ、解ってますよ。」
てゐはやる気のなさそうに、そう返事する。
それを聞いてぱちゅりーとこぁはすぐに警察署の中へと戻っていった。
2匹のゆっくりが警察署の中に戻った事を確認すると、てゐは深いため息をついた。
「はぁ、全くなんで、あたしの言い分を信じてくれないのかね、あいつら。」
「まぁ、てゐの様な胡散臭い奴の言葉を信じる奴なんてたまに稀なやつしか居ないからな、
あいつらがお前を疑って居たのは徹底的に明らか。」
「あんたもとことん疑われてたじゃん、警察に尋問されてるときぐらい、そのブロント語はやめておきなよ。」
「意識してもつい言ってしまうのがブロント語、一流のヴロンティストは自然とこの言葉が出てしまう。」
てゐ達はかわいいれいむのおうち爆破の主犯として警察に尋問されていた。
てゐ達は自分は巻き込まれただけだと主張するも、警察は疑いの眼差しを飛ばすばかり、
丸一日尋問されて、ようやく疑いが晴れたと言う所である。
「あ~もう!何か腹立ってきた!警察署の塀にタチションしてやる!」
てゐはそういうと、警察署の塀の前で身体を震わせて用を足す。
…その姿、マナーの悪い犬の散歩の如し。
「よし、なら私はゲロをはいてやろう。」
てんこにいたっては警察署の塀に向かって嘔吐物をはき始めている。
その姿、居酒屋で悪酔いして帰る途中で戻してしまったサラリーマンの如し。
…お前ら、腹立つ気持ちは解るが自重しろ。
「…ところで、れみりゃは何処だ?てっきりそこに居ると思ったのに居なかった。」
と、てんこがそんな疑問を口にする。
てゐとてんこは徹底的に怪しまれていたのに対し、れみりゃに対する疑いはあっさり晴れた。
理由をあえて述べるなら、『建物爆破なんて大それた事出来そうなオーラが無い。』
…失礼と言うべきかそうでないのか、判断に困る理由である。
まぁとにかく、れみりゃはてゐ達より先に釈放されたのだが…。
「ああ、れみりゃならたぶんこーまかんに戻ってると思うよ。」
れみりゃの姿が見えないことに疑問を抱いていたてんこに対しててゐはそう答える。
それを聞いたてんこは何だか難しそうな顔をする。
「おいぃ?つまりれみりゃは私たちに無断で勝手に自分の家に戻ったわけですか?
冷たすぎるにも程があるんですがねぇ…?」
「いや、一応帰る理由は先に私に伝えてくれたよ。」
「ホウ、どんな理由なのか教えてくださいお願いします。」
てんこにそう言われたてゐはこう言った。
「何かさ、妹が話したいことがあるって言ってきた、だってさ。」
~う~☆~
これでもかってくらい、暗く、怪しい雰囲気に包まれた不気味な館。
そんな肝試しや、度胸試しの舞台になりそうな館の扉の前にれみりゃは立っていた。
…だが、別にれみりゃは肝試しの為にこの屋敷にやってきたのではない。
「う~一日開けただけなのに、何だかこ~まかんが懐かしく感じるど~。」
この家は自分の家、帰ってくるのになんらおかしな所は無いのである。
実は、れみりゃの実家はゆっくり達の中でも屈指のカリスマ☆貴族………だった。
だった、と言う言葉で大体想像はつくだろうが、今は落ちぶれに落ちぶれた家系である。
この無駄にでかい館「こーまかん」はかつては貴族として名をはせていた名残、と言う訳である。
昔は大量の使用人があわただしく働いていたであろうこの館、
今住んでいるのは、一応は当主であるれみりゃと。
「う~、ふっらぁ~ん、かりしゅまおねーさまが帰ってきたど~。」
,.へ ___,.へ
__,,. --─'──`<.,,/:::::::ト、
,. '" `'く:::::::ト.
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V i__,.へ!_,./--'─'--'-<ヽi__/ Y | /」
__i. r'へ,.イ / ハ ハ i `ヽ7、.| .|/
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V /!〈rヘハ!|>,、 _____, ,.イハ ハ〉 レ'
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この物凄い不機嫌な顔をしているれみりゃの妹、ふらんどーる、通称ふらんである。
「…う?ふらん?そんなゆっくりしてない顔で出迎えて何のつもりだど?」
正門を開けてすぐの所にあるエントランスで、これでもかって顔で睨みつけてきたふらんに対して、
れみりゃは戸惑いながらもそう問いかける。
「おねーちゃん。」
こうもりみたいな羽のれみりゃとはまた違う、七色の羽。
ふらんはその羽の片方をゆっくりと天へと突きつけた。
その羽の先には一枚のカードが握られていた。
「ふ、ふらん!?そのカードは確か!?」
れみりゃはそのカードを見て顔色を真っ青に変えた。
魔剣「レーヴァテイン!」
ゴォアアアアアアアッ!
ふらんの身体の周りを真っ赤なオーラが包み込み、やがて、オーラは一振りの剣のような形へと変貌した!
「DVDぐらいちゃんと片付けろ!この駄目姉がぁあああああああ!」
一振りの巨大な剣となったふらんはその刃先をれみりゃに向けて振り下ろした!!
「ゆっくりしねぇええええええ!」
「うわぁあああああああ!?」
れみりゃは慌ててその刃先をかわした!
「何で逃げるんじゃこのくそあねがぁ!大人しくこの刃の餌食になりやがれこのヤロー!」
「何言ってるんだど!そんな事したらおねーちゃん死んじゃうど~!」
「こちとら端から殺す気じゃあぼけぇ!!」
ふらんはとにかく叫びながら巨大な剣となったその身を振り回す!
れみりゃは必死になってその刃から逃げ回る!
エントランスは滅茶苦茶になっていく。
「だ、誰か助けてだどぉ~~~!」
こうまかん中にれみりゃの絶叫が響き渡った。
~☆~
「と、言う訳でれみりゃに助けを呼ばれて急きょ私達はこーまかんにカカカッと駆けつけたのであった。」
「…てんこ、誰に向かって話しかけているの?」
明後日の方向を向いてしゃべるてんこに軽くつっこみを入れたてゐだった。
で、てゐ達を呼び出したれみりゃはてゐの後ろで脅えた顔で縮こまっている。
そして、そんな脅えきっているれみりゃを見つめるふらん。
ふらんと目が合ったれみりゃは、また身体を縮こまらせた。
「全くおねえさまッたら、そんなに脅えなくても良いじゃないの。」
「いや、あたしには何かふらんちゃんに脅えている理由が何となく理解できるんだけど…。」
てゐはそう言って、自分たちが今居るこーまかんのエントランスを見渡した。
…一体どうすればこんなに荒れ果てるんだ?と思えるくらい滅茶苦茶になっていた。
さっきれみりゃに何があったのか聞いてみたが、「ふらん怖い、ふらん怖い」としか答えてくれない。
全く、れみりゃも大変な妹を持ったものである。
「とりあえず、何があったのか教えてくれない?」
とりあえずてゐはふらんに事のあらましを聞いてみる事にした。
ふらんは怒りに満ちた表情でこう叫んだ。
「…この馬鹿姉が私の部屋のDVDデッキにエロDVDを入れっぱなしにしてたのよ!」
「…え、エロDVD?」
てんことてゐの視線が一斉にれみりゃに集まった。
「ち、違うど~!おぜう様はエロDVDなんて見ないんだど~!」
れみりゃは冷や汗交じりで弁解する。
「じゃああれはどう説明するって言うの!」
れみりゃは羽で指差した先には、大型のテレビがおいてあった。
「…誰がどう見てもテレビ以外の何者にも見えないんだが。」
「って言うか、この家エントランスにテレビを置いてあるの?」
「この家、広すぎて移動するのもメンドクサイかられみりゃ達は普段はエントランスでゆっくりしてるんだど~。」
確かに、良く見るとこのエントランスには胴無しゆっくりご用達のクッション型ベットや冷蔵庫まで置いて
ある。
フランが暴れた所為でどれもこれもボロボロになっているのだが、
何でテレビだけが無傷なのか不思議に思えてくる。
「とにかく、これを見て!」
フランはそういうと、テレビの電源をぽちッと押した。
「ア~ッ!ア~ッ!ア~ッ!」
「こ、これって…。」
「おいぃ!?これはちょっと下ネタが過ぎるでしょう!?」
テレビに映っていた映像を見て、てゐとてんこは思わず後ずさりしてしまった。
映っていたのは、鍛え上げられた肉体を持つお兄さん達二人が色々ヤバいことになっているビデオ、
まぁ、いわゆるゲイビデオって奴だった。
AVの中でも、かなり特殊な部類に入るのは言うまでもない。
「このDVDが繰り返し再生状態でデッキに入っていたのよ!家に帰ってガラさな見ようとしてスイッチを入れて最初に画像に映ったのが
野郎の尻だった私の怒りは何処にぶつければ良いのよ!」
フランはテレビを消して大声で叫ぶのであった。
「れ、れみりゃ、あんたこんなのが趣味なんだ……。」
「気色悪いです、近寄らないでくれますかねぇ…。」
れみりゃとてんこが妙に生暖かい眼差しでれみりゃを見る。
「うぁあああああああああああ!だから誤解だって何度も言ってるだどぉおおおお!」
れみりゃは半泣き状態でてゐ達に訴えた。
「とにかく、お姉ちゃんはふらんに不快なものを見せた罪として、永遠にゆっくりしてもらうの。」
「それ、仮にも身内に向かって言う台詞じゃないど!」
「マジで震えてきやがった…怖いです…。」
何ともヤバイオーラ全開のフランに対してれみりゃとてんこはかなり脅えていた。
これはマズイ、と判断したてゐはフランの前に出てこう問いかけた。
「まぁまぁ、落ち着いて、フランちゃんは何でれみりゃがDVDを仕込んだ犯人だと思ったわけ?」
「てゐさん、この屋敷にはふらんとお姉ちゃんの二匹しか住んでいないわ、DVDがフランの物じゃないの
なら、
お姉ちゃんが犯人に決まってるじゃない!」
フランは自信満々にそう答えた。
と、そのフランの言葉に対して、てゐが反論した。
「ホントにそうかな?そのDVDがれみりゃのものだって証拠は何処にあるの?」
「う・・・。」
「ホーら、何処にも無いんじゃん、見ろ、見事に返した。」
完 全 論 破
…したのかどうかはとにかく、ふらんはぐうの音も返せない、といった表情になって居た。
「お前調子こいた結果だよ?」
「うッう~カリスマおぜう様はエロイのとは無縁だもぉ~ん☆」
てんことれみりゃがそうふらんに話しかけてくる。
「…黙れ。」
フランのにらみつける!
「…すんません、調子に乗りました。」
「調子こいてスイアセンでした。」
れみりゃとてんこは思わず謝った!
「…じゃあおねーちゃんじゃないとしたら、犯人は誰だって言うの?」
「え?う、う~ん…。」
言われててゐは黙り込んでしまった。
いくら何でもその犯人なんてそんなすぐにわかる訳が…。
ガブ。
と、そんなてゐにいきなり噛み付いてきた奴が居た。
「・・・ってえ?うわぁあああああ!?」
てゐはそいつに頭を加えられたまま持ち上げられた。
「おぉ、相変わらず微妙なお味。」
「おぉ、きめら丸!」
てゐを甘ガミしたまま、頭上を持ち上げるてゐを見ててんこが大声で叫んだ。
「ちょ、ちょっと放しなさい!マジで!」
持ち上げられながらてゐはきめら丸にそう訴えた。
「おぉ、主人の僕のピンチを受けて爽快に助けに来たのに酷い言われよう、」
「うるさい、黙れきめら!」
「…って言うか、何かれみりゃがてんこの僕扱いされてるど…。」
「何処もおかしくは無いな。」
「いや、明らかにおかしいど!一体万屋の中でれみりゃはどのポジションに当たるんだど!」
「…世の中には知らない方が良い事もあるのです。」
「最下位か!?最下層なのかどぉおお!?」
「…いい加減この状態から解放されたい。」
…まぁ、とにかく色々あったが、きめら丸はてゐを甘ガミ地獄から開放した。
涎まみれの全身を、てゐは床に敷いたタオルの上をごろごろ転がって拭き取っていく。
「…で、何、あんたあたしを涎まみれにするためにここに来たわけ?」
コロコロ転がりながらてゐはきめら丸にそう問いかけた。
「おぉ、違う違う。
お嬢ちゃん、そのアダルトDVDを私に見せてくれませんか?」
「え?何でふらんがあんたに命令されなくちゃいけないのよ。」
「良いから早く、貴方は真犯人を知りたくは無いのですか?」
「…解ったわよ、でももしこれで真犯人が見つからなかったらあんたら血の海に沈んでもらうわよ。」
きめら丸に言われてふらんはDVDデッキからガチホモなDVDを取り出した。
ふらんはそのDVDをきめら丸に見せ付ける。
クンカクンカ…。
すると、きめら丸はそのDVDの匂いをかぎ始めた。
「ああ、なるほど、一話目と同じ手を使うわけね。」
「メタな発言はやめろと言っているサル!」
そうこうしている内にきめら丸は、何かに反応する。
「おぉ、天井裏、天井裏。」
きめら丸は上を向いてそう呟いた。
「天井裏に犯人が居るのかど!?」
「よっしゃあ!」
ガプ!
それを聞いたふらんはれみりゃの頭に噛み付いた。
「え?」
「せーのっ!」
そのままふらんは全身を派手に回転する。
「うわああああああああ!」
当然、れみりゃも派手に回転する。
胴無しゆっくり同士でジャイアントスイングを掛けたら、丁度こんな感じだろうか?
そして、何度も回転を続けた後。
「いっけええええええええ!」
ごおっ!
ふらんは全身の筋肉を使ってれみりゃを天井に投げつけた!
「ぎゃああああああああ!」
バキイッ!
れみりゃはそのまま天井をぶち破った!
「れ、れみりゃ!?」
「…あんまり過ぎる姉の扱いに、私は生まれて始めてほんのちょっとだけビビッた。」
てゐとてんこは天井に開いた穴を見つめる!
…暫くすると、穴からどさっと、二つの影が落ちてきた。
「…死ぬ、これはマジで死ぬど…。」
一方は先ほど天井に投げ飛ばされたれみりゃ。
そして、もう一方は…。
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「…あいたたた…クソッ!完全に油断した。」
…何だかよく解らない筒に入って変な顔をしている胴付きゆっくりだった。
「…何、これ。」
ふらんは現れたゆっくりを冷ややかな目で見つめた。
「…いやぁ~、まさか、天井裏に潜んでいたのを発見されるとは、私もまだまだ未熟という事か。」
そう言いながら胴付きゆっくりは、変な筒(ちなみにTEN○Aと言うらしい)から腕を出して、杯に入った
酒を飲んでいた。
…ちなみに、腕も杯も何か、ヌルヌルした液体にまみれている。
そんなゆっくりの周りを、てゐたちが全員で取り囲むようにゆっくりしている。
みんな、謎の胴付きゆっくりに近寄ろうとしない、ヌルヌルが何かいやだから。
「ん?お前達どうした?そんなくらい顔するな、どうだ?呑むか?」
胴付きゆっくりはそういって杯を差し出す。
勿論、全員断った、何が悲しくて、ヌルヌルが混じった酒を飲まなくちゃいけないのだ。
「…あの、あんた、一体誰だど?」
この状態になってから、ずーッとこのゆっくりが一方的に喋っていたが、
いい加減話を進めなくちゃいけない、と、言うわけでれみりゃが胴付きゆっくりにそう問いかけた。
「ん?私か?私はいのくまゆうぎだ、ゆっくりしていけ!」
ゆうぎと名乗った胴付きゆっくりはそう言って杯を差し出した。
「いや、ここお前の家じゃねーし。」
人間の世界では人の家にあがりこんでゆっくりプレイス宣言をするゆっくりがいるらしいが
そんな事された人間はこんな気持ちなるのだろうか。
てゐを初めとしたこの場にいるゆっくり達はみんなそう思った。
「…あ、思い出した!あんたあの時酒飲み勝負の!」
と、ふらんがゆうぎを見てそう叫んだ。
「え?ふらんこいつと知り合いなのかど?」
「ええお姉さま、私がゆぶき町のゆっくりバー「不夜城レッド」でホステスとして働いてるのは知ってるでしょ。」
「しってるど、それがどうしたど?」
「実は一ヶ月前ほど前…。」
~☆~
「ムキュ~…もう呑めない…。」
「ス、凄い!このこれでゆーぎさんが9人抜きだよ!」
「さすが、鬼だぜ!並の肝臓じゃないんだぜ!」
「フハハハハ!全くどいつもこいつもだらしないねえ、さあ!次の相手はどいつだい?」
「こ、これはまずいじゃお、このままでは…。」
「あら、店長さん、あっちの席何だか騒がしいわね、何があったの?」
「あ、今あっちではゆーぎッてお客さんがウチのホステス相手に酒飲み勝負をしているんじゃお。」
「あら、随分と景気の良いお客さんね。」
「いや、実はこっちにとっては景気の良い話じゃないじゃお。」
「どういう事?」
「もしお客さんが酒飲み勝負で10人抜き出来たらお代をチャラにしてあげるッて言っちゃったんじゃお…
。
このまま十人抜きされたらウチは大損だじゃお。」
「…そんな約束、破っちゃえば?」
「相手は嘘が嫌いな鬼のゆっくりじゃお!嘘をついて暴れだしたら百戦錬磨のこの私でも抑えられるかどう
か…。」
「な~んだ、じゃあ私に任せてくれない?」
「ふ、ふらん!?正気かじゃお!?」
「大丈夫よ、こう見えてお酒に強いほうだから。」
一時間後
「…ま、まだまだ呑めるぞぉ~…ガクッ。」
「うわぁあああああ!局長が酔いつぶれた~!?」
「ふう、こんなにしつこく飲むお客は初めてだったわ…。」
「やったじゃお、ふらんちゃん!でもかなり呑んでたけど大丈夫じゃお?」
「大丈夫よ、この位なら水を飲むのと同じよ。」
「…店中のお酒の半分は腹の中に収まったと言うのに、凄いこと言ってるね、君。」
「さ、あんたも酔いつぶれているみたいだし、さっさと酒代1976230円払って帰りなさい。」
「…あ、あれだけの酒を飲んで酒代の計算が正確に出来るほど、意識がハッキリしているとは…
正に酒豪、私の完敗だ…。」
~☆~
「…と、まぁ、そんな事があったわけよ。」
「…ふぅ~ん、なるほど、こいつとふらんの関係は解ったよ
…で、問題は何でこいつがこうまかんの天井裏に潜んでいた訳?」
てゐの問いに、ゆーぎは真面目な顔でこう言った。
「うむ、あの後、私を負かしたふらんに興味がわいてね、
こうしてこっそりとふらんの事を調べていたのさ。」
「…もしかして一ヶ月間、天井裏からふらんの様子を見つめていたわけ?」
「それだけではないよ、外出のときもこっそり後をつけていたし、
風呂に入っているときもこっそり見張っていたよ、
その甲斐あって今ならふらんのプライベートなら何でも解るぞ
例えば、お気に入りのゆっくりプレイスとか、体の何処に黒子があるのかとか…。」
「ゆっくり死ねえっ!」
ドゴアッ!
ふらんはゆーぎの顎に体当たりをぶちかました!
「ぐはあっ!」
ゆーぎは凄い勢いで吹き飛ばされる!
ドゴアッ!
その勢いは壁をぶち破っても留まることを知らず、庭の塀にぶち当たってようやく止まるほどだった。
ふらんはそのまま庭に出て、満身創痍のゆーぎに近寄っていく。
「さあ、苦しんで死ぬか、残酷に死ぬか、どっちかを選びなさい。」
ふらんはゆーぎに向かって死の選択を迫っていた。
怖い、恐ろしく怖い。
「ちょ、ちょっと待ちな!目がシャレになってない、落ち着けって!」
「黙れやる夫。」
「や、やる夫!?」
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: /'レ小(◯), 、(◯) 从l \ : \ ` ⌒´ /
: |('/ ̄ 'ー=-'  ̄///) : / \
↑ゆーぎ ↑やる夫
「ああ、確かにあの顔は何となく似てるど。」
「似てるのは確定的に明らか。」
同じく庭に出たれみりゃ達は何だか納得した顔をしていた。
「似てない!鬼の威信に掛けて絶対似てないと言いたいッ!」
それを聞いたゆーぎは涙目で叫ぶ。
…しかし、言っちゃ悪いが涙目で叫ぶその姿は…。
∧
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∠〃 {ノノ_ハ_V レ'、_i_l>\__>
/'レ小o゚((○) (○))゚o 从 \
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 ̄ / \ | | |r┬-| | |/V |
/ / | | | | | | | \ |
`ー'ォ
どう見てもやる夫です、本当にありがとうございました。
「黙れ、人の生活覗き見していたのだけでは飽き足らずあんなDVDを仕込むなんてやからは
美しく残酷にこの世界から消えてなくなれば良いのよ!」
そういってフランはやる・・・もといゆーぎに歩み寄っていく
「…!待ちな、DVDってどう言う事だい?」
そのとき、ゆーぎは大声でそう叫んだ。
「惚けるんじゃないわよ、人のDVDデッキにアダルトDVD(しかもガチホモ系)を仕込んだのはあんたでしょ!」
「…はぁ?何の話さ、あたいはあんたの生活を覗き見していただけでそれ以上のことはしていないよ。」
「だから惚けるんじゃないって何度言ったら。」
「…ふらんちゃん、そいつの言ってることは本当の事みたいだよ。」
と、ふらんの背後から話しかけてくる存在が。
振り向くと、そこにはてゐときめら丸が立っていた。
「どういう事?」
「ちょっと気になって天井裏を探っていたらこいつが出てきた。」
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./ ヽ _ン ヒ_ン )
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そういって、てゐがフランに見せたのは、何とも奇妙な帽子だった。
麦藁帽子に似た形の、黄色い帽子。
しかし、てっぺんに付けられた二つに目玉が、その帽子を異様なものに変貌させていた。
「DVDについていた匂いと同じ匂いが漂っています。天井裏から漂ってきたのはこの匂いですね。
ちなみに、そこに居るゆーぎさんからは何故か納豆と同じ匂いがしてきます。」
きめら丸はそう説明する。
「ああ、それはたぶん今朝飲んだ、納豆酒の匂いだ。」
「納豆酒ってなんだど!?普通に納豆は食えないのかど!?」
「どんなものでも酒に入れれば、そのおいしさは何倍にも引き立つんだ。」
「ア~それは解るね、どんべえに納豆をぶち込んで食べると、納豆のうまみが凄い勢いで跳ね上がるという
か。」
「はねあがらないど!ッて言うかてゐさん、そんなどんべえの食い方聞いたことないどぅ!」
「この世の全ての食物はどんべえに合うように作られてるんだよ!」
「む、無茶苦茶気持ち悪いど…。」
てゐ達が何か話を脱線させている間、ふらんは目の前に置かれた帽子をジッと見つめていた。
「この帽子の持ち主が犯人だってこと?一体誰がこの変な帽子をかぶるってのよ。」
ふらんがそんな事を考えていると、その頭上から声が聞こえてきた。
「お嬢さん、悪いけどその帽子を返してくれないかな?」
『!?』
いきなり聞こえてきた、この場にいるゆっくり以外の声。
てゐ達はビックリして辺りをキョロキョロ見渡す。
「あ!あそこを見て!塀の上!」
と、てゐが塀を上に視線をやる。
他のみんなも塀の方へと視線を集中させる。
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_ノ i=ハ ' (ヒ_] ヒ_ンハ.ノi i
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∠._ ノ |=ヽ、 ヽ _ン ノ!i レ
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「いや~やっぱりこの家に落としていたんだ、私もうっかりしてるね。」
そこに立っていたのは、一匹の胴着きゆっくりであった。
「…あ、あれは…義賊、諏訪小僧!」
「おや、私の名前を知っているゆっくりが居るなんて、私も有名になったもんだ。」
その胴付きゆっくりはそう言って、不気味な笑みを浮かべたのであった。
- エロネタということでこのゆっくりが出てくることはわかったw -- 名無しさん (2009-08-25 20:27:46)
最終更新:2011年02月05日 15:16