【リレー小説企画】ゆっくらいだーディケイネ 第16話-1

※編注:容量制限により分割

「一からやり直そう」

 あっさり。
 先輩に添削してくれといったのはこちらだが、簡単に言われても辛い

「ちょっと前の話と似てるというのもあるけど。ただ何ていうか、ディケイネが戦う相手にパンチが無いね!!!」
「今までの脚本家が、皆が上手く書きすぎるんですよ………」
「ディケイネらしい、とは言え斬新な悪役や、その終わり方って探るべきだと思うんだよ!!!」

 確かにその通りだ。
 7話の会話で、その姿勢やディケイネというヒーローの姿勢は、大きく凝縮されている気がする。

  「そうですねえ。しかしそもそも、何かと戦う必要って何だろう?」

 随分とスタートに戻ってしまった。 時間はないのに

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   ゆっくらいだーディケイネ 第16話 『 君が見た 』


無人の廊下。
開け放された一室。物のあまりない、シンプルで清潔な部屋。
中央にテーブル。横に寝台。何かの雑多な資料に混じって、何故か幼児雑誌が数冊と、ノートパソコン。
調理台の横に、恐らくトイレ兼浴室のドア。

  「どういう事なの・・・……?」

一旦紅里は入ってきた扉から出て、元来た廊下を戻り、また一呼吸置くとまた入った。
どこにでもあるようなアパート。

問題は、それが、自室の扉を開けた先に直結されて展開しているという事態だ

このアパートのの住人からすれば、外に出よう廊下を歩くと、玄関と繋がっている紅里の部屋へ入らざるをえなくなる。
少し進んで向かいの壁にある窓から外を見た。少し遠いが東京タワーに近いものが見えた。一階らしかった。
なおも、すぐに全体を把握できる狭い部屋を眺めると―――れいむとまりさがいないことに気がつく。
最近、よくはぐれる。
閉じられた空間だが、ゆイタニック号のように広くはない。非常に狭い。他の部屋は鍵がかかっているし、返事も無い。
だが、れいむもまりさも、見えない。
自室に戻ってみたがいない。

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

部屋中をくまなく探索するつもりで、周りをほじくり返そうとしたところで、開いている部屋の机の上のパソコンも覗いてみた。

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        スレ1周年企画
        ゆっくりしていってね!!! 創作発表スレ(旧可愛がるスレ)1周年企画
        「ゆっくらいだーディケイネ」

        <企画概要>
        私( えーきさまはヤマカワイイ )が作成・発表している『ゆっくらいだーディケイネ』の8話~最終話前までの
        エピソードを他の作家の方に書いていただく

        <企画形式>
        参加者を募って8話~最終話前までのエピソードを順番に作っていくリレー形式

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  「『一周年企画』……?」

自分が?

紅里は、瞬きもせずに目でページを追う。
概要から、規定、そして1話目 「戦士が 旅に 出る日」を読む。

そのまま、和室にいながらにして、外の暗闇に体ごと飲み込まれた気がした。

何だ?
何が 起こっている?
何の世界だここは?


何故、この世界では、  自  分  の  旅  が、 小 説  に  な  っ  て  い  る??


何故それぞれの「脚本家」である7人の人間 (かどうかも怪しい) は、それぞれの世界の旅の事を知っている!!?

夢中になって、一気に読んだ。
どれ程時間が経っただろう?
13話のCパート………自分のあずかり知らぬ所でのもみじとこいしの会話が記録されていた。

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―――「まったく、これだから世界意思って奴は始末に負えないよ! ―――
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世界意思。
何かが解りそうな気もしたが、それは決して知ってはいけない気がした。
ほぼ15.5話も読み終わったとき―――――浴室のドアが、開いた。
呆然としてこちらを見ている者がいる。大学生から高校生くらいの女子
こちらは明らかに不審者である。風呂上りか、浴衣のまま玄関から飛び出し、ややあって蒼ざめて帰ってきた。
紅里の部屋を見たのだろう。
ややあって紅里だけを見て、恐る恐る言った

 「あの、間違えでしたら申し訳ありません。床次紅里さんですか?」
 「あ…はい。そうです」

思わず敬語。
御互い顔を見合わせたが、言葉が見つからない。
ややあって、何とか少女は口を開いた。

「……………れいむさんと、まりささんは………?」
「しらない」
「ま、まずは、ど、どどどうしますか??」

 *******************************************************

 何やら怖いので、TVをつけ、適当にニュースを流している。この世界の大きな情報源となろうが、頭に入らない。
 二人は、ぎこちなくアパートの一室で何分間も向かい合っている。
 彼女はノートパソコンを抱えたまま異常に怯えたまま。
 少女の方から、ぽつりと質問を始めた

「あの、ゆっくらいだー ですよね?」
「 ――― 一応」
「更にもう少し質問を。旅立つ前にれいむを捕まえた生物は?」
「あれは鴉だったと思う」
「最初の世界で7人の河童に支給されたきゅうりの本数は?」
「13.5本(チルノ6本 ウィノス7.5本)」
「三回目の世界で、イナバは何人いました?」
「寝てたんでよく覚えてないが、100人以上。物置が壊れたから」

 とは言え、ネット上で公開されている小説を、端から答えられとしても、それは単なるマニアにでもできよう。

「ペンダント、あります?」
「ん。これね」
「変身できます?」
「―――――やだよ めんどくさい」
「ふるさと小包について・・・・・」
「あんたも、あの素晴らしさが解らないか?」

 そして、変身アイテムと胸を眺め―――――

「ああ、その態度と嗜好、サイズはやはり紅里さん」
「待てい   その前に、さっきのサイトもう一度見せてよ」

 「創発スレ一周年企画」

「これは何?」
「・・・・・・・・・リレー小説企画です・・・・・・」
「そもそも何で私達の事を書いてるの?その・・・・・・・・・・・どこで知った?」
「すみません…私達知らず知らずにあなたを偶然SSで描いていたんです。 信じられないと思いますが」

 非常に複雑そうな、悲しみとも呆れとも照れともつかない顔。
 重々しげに、紅里は口を開いた。

「私は、空想の産物じゃない。今までの旅は、私の意志よ。これは私の人生。誰かに上書きされたモンじゃない」

 言葉にはほんのり焦りがあった

「私だってそう思います! そのその、上手くは言えないんですが」

―――――いくつもの別の世界を渡り歩いてきた一行


「―――という事は、『紅里さんの旅が、たまたま創作リレー小説として ネット上に展開されている世界』だって
存在するかもしれないって」


 幾分濁った半眼から、いつもの鋭い目付きに戻る
 少し時間を置いて、ある程度の説明か加えられたためか、、最初の恐怖は多少消えいてた。

「紅里さんの気持ちも解りますけど、自分が創作していた架空の人間が、いきなり目の前に現れる羽目になった
 私も本当に怖い・・・・・・!」
「『自分の作者』に会うこっちも怖いわよ」

 娘は立ち上がりすらしていたが、自分以外に焦っている人間を見てか、紅里は冷静に腰を下ろさせた。

「・・・・・・・けど紅里さん、主人公にしてたからって落ち着きすぎじゃありません? 読んでどう思われました?」
「・・・・まあ、自分が子供の描いた漫画や話か、ホームビデオが商業作で晒されたみたいな気分じゃあったけど」


 実際に読んだ小説は、何かの意図は全く感じられなかった。
 前向きに生き生きと描かれる、旅先で会ってきたゆっくりや、友達の描写には、目頭が熱くさえなる。
  敵になって、本気で弾幕を撃ち合ったり
  一緒に肩を並べて何かに立ち向かったり
  船で生活をともにしたり
 思い出はいつも綺麗になってしまうというが――――写真など残しては来なかったけれど、こうして何かの記録が
どこかに残っているのは、思ったほど嫌な気分でもない。
 後ろめたい事は旅の先ではしていない。


  「こうして見ると、どいつもこいつも本当に変な奴ばっかりだけど、
       描いた連中は、よっぽどゆっくりと……… その・・・・・・・私等の事が好きだったのかしらね」
  「そうですよ、きっと」

 兎に角、紅里も娘も、慌ててはいなかった。 それだけ、気分のいい作品群だった。
 実際にSSとしての道筋を読んでいく内に、段々とこの状況も恐ろしいものではないと思えていた(15,5話など特に)。
 寧ろ、前々回に会ったプチぱるすぃが、何故か今までの旅のことを知っていた事の方が恐怖であろう。

「で・・・・・・あんたは、この 『えーきさまは~』って人? てかこれ名前?」
「いや、それは企画主さんです。最初に、『ゆっくらいだー ディケイネ』を書き始めた人ですよ」
「あぁあぁ。 最初に貧乳だのなんだの言い始めた訳ねえ。あんたじゃなく、この本人自身に会いたかったわ。
 ――何で、そこかしこに映姫の事が  描いてあるの? ディエイキ以外、ゆっくりえーき自身とも会った事ないけど」
「好きらしいです」
「で、あんたは誰?この『かに』って人?」
「いいえ」
「『かぐもこジャスティス』さん?」
「それも違います」
『「601』さん? 客観的に見ると、こんな状況だったんだって、随分驚いた」
「読んでる方が一番驚きでしたよ」
「じゃあ、あんたがsumigiだな? 他はいいけど、てめーは別だ 」

 ニコニコと笑いながら、恐ろしい力で肩を掴む

「あんなgdgdな恥ずかしい文章力と構成で、話の中で満身創痍の私を随分楽しげに」
「いやいやいやいや、それではなく。この下です」
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   5/17 ~ 7/5   えーきさまはヤマカワイイ (発起人) 第1話~第7話
   7/12 ~ 7/25  かに 第8話~第9話
   7/26 ~ 8/8   sumigi 第10話~第11話
   8/9 ~ 8/22  かぐもこジャスティスの人 第12話~第13話
   8/23 ~ 8/29  かに (2回目) 第14話
   8/30 ~ 9/12  601(仮) (第15話)
   9/13 ~ 9/19  TEN (1本予定) ←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←
   9/20 ~ 10/3  鬱なす(仮)の人 (2本予定)
   10/4 ~ 10/17 えーきさまはヤマカワイイ ※ 最終話
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「まだ、描いてないんです」
「このTEN ? 締め切りは・・・・・・・」

 部屋のカレンダーを見ると、明後日だ

「参加したはいいものの、アイデア浮かんでは消えて、知り合いに添削してもらっては没になり。やはり難しい・・・」
「リレーなんだし………まあ、私自身の事だから、お手柔かに頼むわよ」

 さてそれでは――――異変は何だ?
 空想上の人物が、実在するだけでもそれは異変と言えるが、ただこの世界を去るだけで済む話では無い事は解る。
 何かが待受けている。それに、れいむとまりさをこのまま野放しにはしておけまい。
 あるべきではないものが存在している事。
 沈んだはずのゆイタニック号しかり、何故か山で眠っていた宇宙恐竜ゼットンしかり。
 そう、あるはずのないものが、あるのは   怖い
 付けっ放しのテレビのニュースでは、アナウンサーが突然やや狼狽している声が流れ始めた

 外が若干明るくなった様に思えた
 空気の汚れた都会だが、月でも出れば多少変わるのかと、窓の外を見上げた。
 確かに、先ほどは見えなかった物が、出ていた
 丸く、月の様に堂々と空に溶け込むように浮かんでいる。


 ゆっくりまりさだった。


 月よりは小さいが、間違えるほど、大きい。正確なスケールが把握できないほど。
 実際に月面に行ったり、歪んだ月を直したりと、何かと縁はいままであった・・・・・しかしだ
 外では、皆が異常に気がついたようで、空に浮かぶ、大きすぎてスケールを把握しかねるまりさに、近所の人間達が
見上げながら騒いでいる。

「何?この世界のゆっくりは、あんなに大きいの?」
「・・・・・・・・」
「どういう現象?何かこう――――風物詩みたいなもん?秋になると膨らむ習性があるとか」
「これは―――――――――――そのどれでもありません。 いや、私もはじめて見ました

 気が動転して、上手く言えていないだろう。テレビでは

<――た情報によりますと、 『空に浮かぶ顔面らしきもの』は、各国でも同時に観測され――――>

 蒼ざめた顔で、TENは伝えた


「この世界における『ゆっくりしていってね!!!』は、生物でも妖怪でも妖精でもありません。『AA』です」


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 あれは、大学の知り合いに添削してもらっている昼下がりの事だった。

 ディケイネのエピソード・・・・・・・・ゆイタニック号の様に舞台に意表をつくこともできず、月の都の様にストレートな
熱いSFにもできず。直前の話の様に、トリックも使えず。
 特に、戦う相手、悪役がどうにも締まらない。原作から、地霊メンバーや守矢神社を引っ張り出す勇気も無く、
オリジナルも魅力的にならず。思い余って言ったのだった

「そもそも、何かと戦う必要って何だろう?」
「それ話してたら、夜明けまでかかる。逆に、どんな奴が悪役だったかな?」

他の人を参考にすると

  ①東方モデル         →   レイチェル・スカーレット
  ②東方ゆっくり        →    かぐや/えーりん・てんこ・すいか
  ③オリジナルモンスター    →   ケガレ
  ④オリジナルキャラクター   →   ローラ・エアハルト
  ⑤番外編          →   ゼットン

 ③④は無難なようで、非常に難しい。というか、描いてみて失敗した。
 ①②もいいが、後ろとネタが被るのも怖く、また③④以上に自信が無い。⑤は使いすぎると前と後ろに悪い
 と、なると

「重要な奴を忘れてる」

  ⑥オリジナルゆっくり    →   ウィノス

 実は、最初の敵。 そしてかなり自由な存在。本人は自分を「冬のゆっくり」とだけ言っていたが、ここに
余計な設定や説明は不要。そして、意外にも『和解していないボス』の一人でもある(生きてはいるだろうが)。
 正直彼女は、第2話でゆっくりゆゆこか、西行寺幽々子本人との対決を予測していた。
 それをすんなり翻しての最初の敵。
 正直、これがあったから、レイチェルもローラも、ゼットンも登場できたのではないだろうか?

「やってみますかね・・・・・・。でも、どんな奴に?」
「ウィノスは確かに悪だが、ゆっくり特有と作者のセンスによるコミカルさと、チルノの真剣さが合わさって、
違和感が無かったろう。逆の方向で考えてみたまえ」

 「悪いゆっくり」というのは、少し想像ができない。
 野生動物設定の話では時折非常に冷酷なゆっくりも登場するが、それは本当に動物の掟だ。
 かぐや・えーりん・てんこ・すいかは、多少違っても原作と言うバックボーンを持った行動指針があった。

「『怖いゆっくり』だ これヒントさ」

 と言って、探偵物語に出てくるような帽子を目深に被ったまま、ノートにゆっくりの絵を描き始めた。

「にちょりでも描くんです?」
「そういう単純なことではなく――――帰ってパソコンを開いたら、まとめwiki見て、この絵のAAを探してみてくれ
 やるんなら――――ディケイネを始末させろ。全力でな」
「そんな事はしないよ・・・・・・」
「少なくともEditerに保存しておけ。お前の回で、旅を終わらせろ」

 概略だったが――――それは、すぐに見つかった。

 これは・・・・・・・何か怖い!
 何かの参考になると思って、いつも使っている―――― 【ゆっくらいだーディケイネ16話「」】の名前で保存してある
あらかじめ参考に、いくつかのAAを保存していたEditerに、貼り付け
 そして、アイデアが浮かばないまま今に至る
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「元々AAだけの存在? だったら空に浮かんでるあの憎たらしいゆっくり顔は何!!?」
「解りません! 私も頭がどうにかなりそう!!!」
「生物とか妖怪とか、そんな次元じゃないでしょ?」

 叫びつつも、彼女は自分がしでかした事がそれとなく解っていた。

 そういえば・・・・あの時アドバイスしてくれた「友人」。あれは―――本当友人だったか?
 あんな帽子は普段被ってなかったし、声も低くないし、眼鏡も掛けてはいない筈。
 顔のフォルムも、体型もあんなに丸っこくない。 というか、人間だし、友達は女だった。 「ディケイネを始末」なんて何故言った?
 自分は 誰 か ら ア ド バ イ ス を 受 け て、AAを貼った!!?

 理屈や原理は不明だが、まずはあの時からの進まないEditerを開く。怒鳴られるのを覚悟で紅里に見せる

「あの」
「えっ?」

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│       ,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ' . . ゜ ゜       .    ヾ;;!;;!;;!;;!;!/         .   ..│
│        (  ,ハ    ヽ _ン   人!           .      i::::::::::!:::::::i            ..│
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「何これ?」
「いや、SSの参考に使えるかと思って保存していたAAなんですが」

 その「ディケイネ16話」というファイル名を見て、紅里は何かを納得した様子だった。

「もう16回もこんな事してるのね・・・・・・」
「あの、私どうすれば・・・・・・・まさか、Editerに描いたら、16話が現実になるなんて」
「ただAA貼っただけだけどね。他には何を貼って・・・・・・・・・・・・・・・・・」

┌──────────────────────────────────────────┐
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│   (つ    ノ⊃    (つ    ノ⊃    ⊂ヽ    ノ⊃    ⊂ヽ   と)    ⊂ヽ   と)       │
│   |  (⌒)      |  (⌒)       |   |        (⌒) |       (⌒) |       .│
│    し⌒          し⌒           し ⌒ J          ⌒J         ⌒J       │
└──────────────────────────────────────────┘

「お前は何を書こうとしていたんだ!!? 何この簡略したれいむの群れは」
「『怖いゆっくり』をテーマにしようと思いまして・・・・・・・」

 この時になって、紅里はようやく恐怖に満ちた声をあげた

「じゃ、こいつらと戦わなくちゃいけないっての!!?」

 怖いとか強そうとかゆっくりを傷つけるなんてではなく、単純に、 誰だってこんな軍団とは 戦 い た く な い。
 そうこうしている内に、外の野次馬達から悲鳴があがり、ニュースも新たな報告を・・・・・

<――――た、 『謎の生物らしきもの』に触れた一般市民が病院に搬送されましたが、命に別状は無いものの、
  非情に感覚が麻痺し、動きがゆっk――――>

 >   ゆっくり!!!    < _人人人人人人_
  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ > ゆっくり!!!< _人人人人人人人人人人_
 >   ゆっくり!!!    < _人人人人人人_Y^Y^Y^ ̄ > ゆっくり!!!<

 外には―――4歳児程の大きさの胴の付いた、饅頭としかいえないゆっくりれいむ顔の「何か」が、大量に練り歩いている。
逃げ惑う人間など気にも止めていないが、数が多すぎる。

「ごめんなさい!」
「あーでもこいつらに勝てば、異変解決に一歩かな? でももうやだこの世界」

 気持ちを奮い立たせるように、勢いよく窓から外に飛び出した紅里。


  「変身!!」
  『ユックライドゥ』


 ――――『ディケイネ!!』という音声は流れなかった

「「へっ!!?」」

 饅頭軍団は紅里に見向きもせずに、ただ大量にマラソンでもしてるようにどこからか流れてきては移動していく。

「変身できない!!?」
「これは、私が作ってしまった事・・・・・・」

 となれば。   ――― すぐにパソコンのブックマークから、ある場所へとつなぐ。
 それは、まとめwikiではない。
──────────────────────────────────────────────
    【ゆっくりしていってね!!! 創作発表Wiki (旧愛でWiki) 】
──────────────────────────────────────────────
 そこのTOPから、あるページに入り、すぐ様内容の一部をコピーして、Editerに貼り付ける

「紅里さん! もう一度変身を!!!」
「!!!?解った!」


『ユックライドゥ!』
『ディケイネ!』


 変身は成功

┌──────────────────────────────────┐
│   ∧/|  ∧、                                       .....│
│  |ヽ!、ゝ,.r'ニ、ンi                      ,- 、               ..│
│    . ゝ//||    \./||                      //出\\               │
│    _Ll1 . |ト.l1-[|-l1..||-l1              、 ー| l 永  | |‐-.,,_           │
│ /|三三三三三三三三三三∃        iv::||ヽ::| l 器  | | / ||:::゛''‐ ..,_/|     │
│〈/. .ゝ|| -||-||-||-.||-||-||イ          |,r'二ハ二ハ二7ニトァ-r_::::::::/::::::|      .│
│.γ´ ,....|| . || .||r⌒ || :|| :||ヘ           !:::||::::::::|| O .||::::::::|| :||'7''-<-r_:::::|    ....│
│.i  ,'":, ||ハ.|| .||.::::::l,|| :|| :||  ',        ∠;;|| :|| :|| O .|| :|| :|| :||||::\-7二ア'r:.  ......│
│.|  /::: /-ー - ヽ||:ノr - -i ::::,!          [>|| :|| :||_O_.|| :|| :|| :||:゙i:::゙i':-<i/ン     │
│.|. レイi:lj::;;lj;;::lj:〉lj ilj:;;lj;;:lji:/            ヽ j||-||-||-||-||-||-||-||ヘ:'J!、::゙iiY     ...│
│.|. (| | |'"ー - ,___, ー- 'イハノ          |ハi // ,___, /// !::Y::::::i:::::゙iJ     ...│
│.|  /i::|ハ    ヽ _ン   人:il              |::人   ヽ _ン    ハ::!゙i:::::'/     ......│
│|  ハ_l::|.,!>,、 _____, ,.イi::|            |:::ノ >., ,_____ 、, <イ;_トノ.         .│
└──────────────────────────────────┘

 AAを作ってくれた人には、感謝してもし足りない。
 変身する本人がいないのだが、ディエイキも現れた。が、状況がわからいのか、辺りを見回している。実は召還された別ゆっくりか?
 一つの生き物の様に行進を続ける饅頭達は、一旦歩みを止めて、一斉に何百と言う視線をディケイネに注いだ。

『あーvディケイネだぁ』
『みぃーつけたv』
『ディケイネー わたしたちとあそんでー』
『あはははははあ』
『にんげんさんたちはあそんでくれないのー』
『ゆっくりしていってよお』

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!?

「うわあああああ・・・・・・  何々?お前等そんなキャラな訳?てか、台詞もってるの?話せるの?」
『うふふふふ』
「いや、無理があるだろ。大体その顔でそれって無いわよ? 声SOFT TALKだし」
『うっせえなあ 今日はなんかそういう気分なんだよ』
『細けえことぁいいんだよ!!!』
『ゆっくりしていってよー ゆっくりしていってよー ゆっくりしていってよー ゆっくりしていけやあ』

 ディケイネ一人に向かって、突撃してくる饅頭達。その数数百単位? しかも、世界中から集まってくるように、
無限に沸いてくる。
 歯を食いしばり

 『ユックライドゥ!いいいいいく!』

 いくに変身

 『龍魚の怒り』!

 轟音!
 降臨した雷が防壁となって、飛び込んでくる饅頭達を弾き返していく。
 後続達は、これ以上進む事ができないと悟ったらしく、進行を止めた。


 これで終わりではない――――Editerには、もう一つAAが貼られていたのだ。

 饅頭達は、一気に一つの方向に向かって固まり始めた。店の前に、うず高く饅頭の塔、いや、本当に山が
積みあがっていく。
 そして――――一番下の部分にい連中が、ふわりと浮遊した。大量のゆっくりは、一つに固まり!

┌───────────────────────────────────────┐
│                                                         .│
│                   ,´ _,, '-´ ̄ ̄ ̄`-、._ `:                       ....│
│   _人人人人人人人_  'r ´           q_                         │
│   > ゆっくり!!! <  ,'==─-      -─==キ_人人人人_             ......│
│    ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄  i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ>  ゆっ! <             ...│
│                  レリイi (_ヒ_]:::::::::::::::ヒ_ン_) iリルノ ̄Y^Y^Y^Y ̄               .│
│                  | !Y!""   ,___,  ""'!Y!                        .│
│  _人人人人人人人_    | L.」.   ヽ _ン    L」 |  _人人人人人人人人人人_     .│
│  > ゆっくり!!! <    | | ||.ヽ、        ノ||. |  >  していってね!!!  <    .│
│   ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄    ルレ ル`ー----‐イルリノ   ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^    .....│
│                                                         .│
└───────────────────────────────────────┘

 下手をすれば、ゆイタニック号の船体並――いやそれ以上の大きさの生首が、夜空に浮かんでいた。

「TEN? あんたって子は何てAA貼ったの・・・・・・ いっそ、Editer 全部消せないかな?!」
「いえ、それはそれでとんでもない事になりそうです!!」

 れいむは、既に浮かんでいるまりさとは反対方向へ進み、膨張を続けていった。遠く離れ、また大き過ぎて
正確なサイズは解らないが、とにかくこの一画よりは大きい。
 しかも、ゆっくりとこちらを目指して降下している。
 月が、地球に接近したら、というシミュレーションを科学番組でやっていた気がするが――――
 壊滅的なダメージは、恐らく緋想天のそれでは済まない。
 「怖いゆっくり」―――それは、ゆっくり創作においては、原作キャラとの入れ替わりや、人間社会への潜入などの、
じわじわとした「侵略行為」として時折描かれる。妖怪や宇宙人の策略による、ソレにちかい。
 だがこれは、違う。
 何の事は無い。
 ゆっくりの持つ自由さや汎用性を利用して、こんなに馬鹿みたいに単純に、人間を滅ぼす方法もあったのだ。
 あのゆっくりれいむがもっと更に近づき、本気になればこんな小さな国など、短期間で潰れる。
 動きはゆっくりだが、多分自衛隊が動く前に、少なくともこの町は消える。

「だからって、人間もAAでもほっとけないのが宿命だわ」

 『ユックライドゥ!きめぇ丸!』

 きめぇ丸へと変身し、更にメダルを

 『スペルライドゥ!きめぇ丸!』

 弧を描くように、全力で上空のゆっくりれいむに向かって飛び立った!!!
 無茶だ。
 しかし、同時に動き出していた者がいた。

「一人で飛んでどうするのよ!」

 ディエイキである。
 どうやら伝子本人で、まるで今覚醒した様。メダルを取り出し、キーホルダーにはめ込んでいる

 『ユックライドゥ!  フラァン! ルゥーミア! ミスチィー!!』

 出現したのは、空を飛べる3体のゆっくり
 見る間もなく、3体は全速力でディケイネを追いかけ、同じく弧を描いて高々と飛翔した
 その姿も、小さく完全に見えなくなったが――――すぐにわかった

(うあああああああああ!!!)

 表情は変えないが、ゆっくりれいむが叫ぶと同時、そのまん丸の体に4点、よく解る凹みが生まれた。
 もの凄い、一点集中の凹みが、4箇所。
 極端に弾力素材のか、あの4体の貫通力が凄いのか・・・・・? が、こちらへの接近が止まる。
 しかし間もなく、その内の一点の凹みが元に戻り―――― るーみあが、弾き返され地上に落下してきた。
激突する前に、キーホルダーへと戻ったが・・・・・
 上空では、一人減ってもなおもディケイネ達が、地上への接近の食い止めている。
 全力で骨の軋む様な3体の必死さが、叫びとともにこちらまで伝わってきそう。しかし、それもいつまで持つか!!?

「ちょっとあんた!!」

 泣きそうなTENを、咎めるように厳しく怒鳴りつけたのは――空に昇ることのできない、もどかしげなディエイキ
であった。 とにかく緊急時とは言え、ゆっくりに攻撃を仕掛ける形を摂ってしまった事もあるだろう。

「これはあんたが作ろうとした物語でしょ?何とかできないの!!?」

 そう
 これは自分が作ろうとしていた世界の物語だ。
 ディケイネがピンチになっても、バッドエンドにしてしまっては、リレーなのに次につなげられない。世界も危ない。
 ディケイネを勝たせるしかない。でもどうやって!?

「ああ、本当に怖い・・・・・・・」

 月明かりの中、正面から見る形になるが、そのゆっくり顔は禍々しかった。特に大きく改悪された訳でもないのに、
何故こんなに怖いのか?
 あんなに小憎たらしくも、愛らしいはずのゆっくりが。
 そもそもAAからして怖い
 AAから・・・・・

「これって・・・・・・・・・・・・」

 迷っている暇は無い。
 そう、消去法だが、新しく貼るのではなく―――――――改変である

┌────────────────────────────────────┐
│                  i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ      【Before】        .│
│                  レリイi (_ヒ_]:::::::::::::::ヒ_ン_) iリルノ                  .│
│                  | !Y!""   ,___,  ""'!Y! |                  │
└────────────────────────────────────┘
                         ↓
┌────────────────────────────────────┐
│                  i イ iノ\イ人Mル/_ルヽイ      【After】       ....│
│                  レリイi (_ヒ_]     ヒ_ン_) iリルノ                   │
│                  | !Y!""   ,___,  ""'!Y! |                  │
└────────────────────────────────────┘

 たったこれだけの事だった。
 怖くしていたのは―――――今回の最大の敵は、「:::::::::::::」だったかもしれなかった。
 ゆっくりれいむは――下のディケイネに初めて気がついた様な素振りを見せた。動きも止まる。その顔は、やはり
憎たらしくも可愛い。
 そして――――Editerを改めて見ると、貼ったはずのないAAが現れていた。それはゆっくりではない。

┌───────────────────────────────────┐
│  ̄ヽ      ´ヽ           / ̄7ヽヽ      O    「 ̄ ̄7          .│
│  ̄ヽ  l l |   ´ヽ /    ̄  /    /     /  ヽ        /  ___   ..│
│  ̄ヽ   /   _/     _/    /    /   |  ウ  _/          ....│
└───────────────────────────────────┘

 これはまさか
 自分が、ディケイネを動かしていると思っていた。
 が、そうではない。


 彼女は、自力で物語を変えようとしている


 どうやら、ディケイネは、ただ力技で飛翔し、接近したのではないらしい。思い切り接近し、一点集中して潜り込みながら、
何かを狙っている。
 やがて、それぞれ離れてのめりこんでいた3体は、集まり、一点に集中して、更に全力で深いくぼみを作り始めた。
 遠く離れているが、声が聞こえた気がした。一文字AAとは違うが・・・・・

    ―――鬼符 「ミッシングパワー」!!!―――

 ゆっくりれいむと同じ程、突如現れた―――いや、巨大れいむに作った窪みの中で巨大化したゆっくりすいかが、その勢いごと
れいむを遥か彼方、まりさの方向へと弾き飛ばした!!!
 小さい饅頭達が、何体も雪の様にはらはらと舞い降りてきたが、その顔は全く怖くなかった。 本来のゆっくり顔だ。
 反動で弾き飛ばされた、ふらんとみすちーはキーホルダーに回収されたが、ディケイネは、途中で気を失ったまま、
変身も解けて落下してきた。

 「世話が焼けるわね・・・・・・!」

 咄嗟に―――――飛び出したディエイキは、全身でその身を受け止めたが―――衝撃は尋常ではなく、本人も森定伝子に戻り、紅里を
抱えたまま突っ伏してしまった。

 ――――恐らく、ここで戦い自体は終わったのだろう。
 しかし―――――こんな状態になってしまった、連れのれいむをどうすればいいものか。おそらく、最初から浮かんでいる
まりさも、あのまりさだろう。
 危険は去ったとしても、ここからどう落とすべきか。
 企画をもう一度見てみる。 こんな時は………「ゆっくりのいない世界」なので、「今日のでんこ」もちょっと危険なネタに
なってしまいそう。
 その時、一番重要な事項が目に留まった。

───────────────────────────────────
   <お約束
   あまりあれこれ言うのもどうかと思いますが、作品を作る際は以下2点を守ってください。
   一応ヒーローものですので  ゆっくりエンド  でお願いします
───────────────────────────────────

 と、なればあれしかあるまい。

 全てのゆっくり関連の場所にある、いや、無くてはならない、一番大切な文字列。
 TENの意志に呼応するように、天空のれいむとまりさは、ずるずると移動を始め、その距離を縮めつつある。
 そして、鉄壁のフォーメーションを作ろうとしていた。
 と――――― またしても、一人でEditerに、AAが浮かび始めた。


┌───────────────────────────┐
│   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_       ..│
│-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   <       │
│ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄       .│
│ |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______      │
│ |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、  ......│
│_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、  ....│
│::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i    .│
│r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |    │
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│,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|  ....│
│ (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /   .│
│,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´   ...│
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最終更新:2009年09月16日 19:24