―――――で
「この後、普通サイズに戻ったれいむとまりさと、紅里さんとTENの4人で御酒飲んで、大団円な訳ですね」
「あ、まあさっきよりマシだと思うよ!!? こういうメタな事ってまだ手を付けた人がいないからね!!!」
これで全部決まった訳ではない。が、有名作家のらんしゃま先輩の御墨付きである。
「大変だねえ。特撮の脚本ってのも」
「ディケイネは・・・・毎回、この話みたいにリレーでやってく番組なんです」
らんしゃま先輩は、遠い目で煙を吐き出した
「それにしても、 【ゆっくりが存在しない、『ディケイネ』がTV特撮でもなく、ネットのリレー企画で
―――――人間だけ 妖怪のいない世界】ね そっちの方が平和じゃない?」
「・・・・・・・・あんまりそういう事言うもんじゃないですよ。それに自虐的な」
帰る間際に言われた
「『妖怪がいない』って設定だけは変えな。検閲が入ったら怖い」
「はい」
「それにしても、随分設定細かいね。『ゆっくり創作発表WIKI』?ここの作者さんの名前から、話のタイトル、
内容まで考えたの?」
「何か天から啓示が・・・・・」
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そう・・・・・・ ゆっくらいだーは、現実にはいないのだ。
そして、この―――妖怪の過分な圧迫を――――特撮の脚本にまで圧力をかけるような――――受けざる
を得ない世界を――― 救ってくれるヒーローなんかいない。
頑張って、やるせない思いをぶつけ、紅里や他のゆっくり達を、魅力的にすればするほど、現実が辛くなる。
「変な話を描いてしまった・・・・・」
夕暮れの公園。
気晴らしの散歩のついでに通ると、もう夕焼けのチャイムが鳴る時間だと言うのに、子供達が遊んでいた。
人間が1人。ゆっくりが三人。ちぇん・ちるの・るーみあ。
相当遊んで使い古されたらしい、玩具のペンダントをつけたゆっくりちぇんを、他の子が囲む。
「さあ、はやくその リリーのうでわ をわたすのか~ ぜんじんるいにめいわくをかけてやるのか~」
「『ぜんじんるい・ゆっくり なすかけいかく』 だね!!!」
「わからないよ!!~ そんなことはぜったいにさせないよ~」
「お前ー なにものだあ!」
「『ゆっくりの力を使い 世界をゆっくりさせる者 ゆっくらいだーディケイネ! 』」
ゆっくりちぇん訛りもみせず、正確にあの最初期の名台詞を。
きっと、あの子供達は全員台詞を完璧に言えるのだろう。 よく見る光景だ。
「ふぁいなるふぉーむらいど! ぐぐぐぐぐうや!!!」
「ばいばーいい!!!」
確実に、この世界では ディケイネは愛されている。
だが本当に必要としているのは――――
これ以上、見ていられなくて、公園から出た時だった。やや離れた所から、騒がしい妖怪の一行が。
嫌な相手に出会ってしまった。
「首領(ボス)じゃないか・・・・・・」
とにかく、この小国の実質的な支配者は、この性質の悪い妖怪の首領(ボス)だ。はっきり言って、こいつをモデルに
ディケイネに成敗して欲しかったが、そんな事をしたら、自分の人生も、番組自体も終わる
何より、ディケイネの敵にはすごくふさわしくないし、「そんな奴を登場させても視聴者が不愉快になるだけ」だ。
このまま、商店街へ行きたかったが、方向転換をしようとした時――――
目に入ってしまった
同行している人間がいる。
若い女性。
髪型はポニーテール
作務衣
眼鏡
異様に男前
妖怪を横に、微塵も恐れを見せない
まさか まさか まさか
よく見ると、ボスは酔っていた。そして明らかに泣いていた。何度も、女性に謝ってすらいる。
酒でも一緒に飲んで愚痴をはきあい、意気投合したかのような空気。 ――そんな事ができる人間の女性がいるとすれば!
根城である山の入り口近くの神社。 その入り口付近で、妖怪達は全員丁寧に女性に頭を下げると、そのまま
飛び去ってしまった。
その後で解ったが、足元には、ゆっくりれいむとゆっくりまりさがいた。
「いや・・・・・・そんなはずは・・・・・・・・・・・あれは、私達が作った、空想上の話じゃないか」
3人は何かを話し、そして近くの竹薮へと入っていった。最後にボソリと聞こえた
「ここ、『なんのせかい』ってよぶ?」
「前の世界が、『リレー小説やってる世界』だったから『実写の世界』か『特撮の世界』でいいんじゃない?」
そんなはずはない、と思ったが、自分で書いたTENのボツ台詞が思い浮かぶ。
『これを描いてあなたに会っている 私自身が創作物の 世界』があって、その作者と会うこともありえるって事じゃ』
長くてくどいのでカットしていたが・・・・・それでは、これは、まさか
あの竹薮の中に―――各世界を旅してた部屋が、扉を開けているのでは
今からでも遅くはない!! 聞きたいこと、話したい事、 伝えたい事が、製作者の一人として、沢山ある!!
すぐさま覗いてみたものの―――――
早、そこには何の扉も、誰の姿も残っていなかった。
<今日の伝子>
「何もかも終わってるじゃない」
とりあえず、人間のへの干渉が度を越しすぎた世界だとは聞いていたが、実際は平和そのもの
住み分けが出来ているし、必要以上のお互いの敵意もそれ程無い様子だ。先にディケイネが解決したか?
ひとしきり町を観光した後、不意にレンタル店に入る。
そこで、腰を抜かしかけるほど驚いた。
特撮コーナーに、 【平成ゆっくらいだーシリーズ 10周年記念作品 「ゆっくらいだーディケイネ 」】なるDVDが、
8巻ほど・・・・・・
「あいつ何やってるの?」
とは言え、この前突然変身した状態で投げ込まれた世界は、どうも「自分達をリレー小説の主人公にしていた世界」
だったというから、もう驚かない。
が、ジャケットを見ると、ディエイキも映っている。
何やら気恥ずかしさを感じたが、表紙にいるのは、3巻まで・・・・・・・・裏側のスクリーンショットにもその姿は無い
「・・・・・・・・人気無いのかしら?まさか話の途中で死んだとかないわよね?」
ジャケットの紅里と伝子を演じる女優は、中々似ていた。特に胸の対比が・・・・・・
同じく、同シリーズのDVDを物色しにきた人間・ゆっくりの幼児にもさりげなく聞いてみた。
「皆は、ディケイネに出てくる ゆっくらいだーの中で、誰が一番好きかなー?」
「「「「「「ディケイネー!!!」」」」」
まあ、そう来る。こんな事でへそを曲げるような器ではない。
「2番目はー?」
「「「「「グウヤー!!!」193」」」
良い子だったしね
「ディエイキはー?」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやまあ・・・・・・・///////」」」」
子供が、何故・・・・・・・・・・・ここで気を使う。嫌いなのではないだろう。しかし、皆頬を赤らめている。素直に好きと言えない、
何があるのだ?
「あーディエイキかあ。 人気はあったんだけど、登場しなくなっちゃしたね」
「何で?」
「よく解らないけど、『子供のじょうそう教育に悪い』『HENTAI過ぎる』『TVで 少し出ちゃった・飛んじゃうって台詞はない』
とかクレームがあったって先生が言ってた」
「失礼ね」
早い所この世界から帰ることを考えつつ、伝子は遠い目で呟いた
「私の一体何処が HENTAI なのよ?」
- 前編でのでんこちゃんがかっこいいところ見せてくれたのに、
後編の、きょうのでんこでの扱いに泣いたw
あの子決めるときは決めるのにそれ以外の場面の印象が強すぎるからなぁ
-- 名無しさん (2009-09-16 23:38:41)
- 人気はあった、というレベルじゃなくて大人気過ぎてアウアウになったと思われw
恐らく番組裏でカルト的なファン活動が繰り広げられるのであろう…
しかしゆっくりの子供達と接触して大丈夫なのかー?
-- 名無しさん (2009-09-17 09:21:00)
- 流石にかたぎの人間の子供もいるから、歯を食いしばって耐えてるのだろう…… -- 名無しさん (2009-09-17 12:14:44)
最終更新:2009年11月08日 00:02