もう秋も半ばな今日この頃。
それが関係あるんだかないんだが
うちのちびれいむもちびなりにでかくなってきた気がする。
だもんでちょいと測ってみた所…
―10円饅頭がピンポン玉になってる
「ゆ~!」
案外育ってるもんだ。
となると行動範囲も広がるし、ここいらで風呂に慣れさすか。
―というわけで、これからお前を風呂に入れる
「ふろ?」
―洗って綺麗にする
「ゆ?ぺろぺろじゃないの?」
―こっちのがはやい。
風呂は鍋ん時に使う小鉢を使用、大抵推奨されるお猪口なんざ持っちゃないでな。
さらにこれをベランダに置けば、俺は窓際に寝転がって世話できて非常に楽ができる。
まだ不思議そうな顔をするちびを手に乗せ、小鉢風呂を見せてやる。
「ゆーっ…」
これまた不思議そうにじ~っと自分の入る水を見つめている、初風呂ってより初プールっぽい。
準備のできた所で…おっといかん。
―リボンとるぞ
「ゆっ、なくさないでにぇ!」
こいつはちょいと気をつけんといかん。
前にケチャップが付いて軽く洗った時の事。
最初は『綺麗になった!』と喜んでいたが、すぐに『お父さんとお母さんのにおいがしない…』とぐずりだし、
結果、バイトの時間ギリギリにアイツんちにすっ飛んでく羽目になった。
何気に様々な機能や役割を持つゆっくりの装飾品だが、
赤ん坊のうちはリボンや帽子が一番落ち着くおしゃぶりみたいな役割をするらしい。
まぁ、俺も小さい頃にお気に入りの枕で似たような経験がある。
気持ちのわかる分、放っておけんのであれは勘弁願いたい…
さて、準備ができたので今度こそ入れていく。
まず、ちびの耳をしっかり塞ぐようにして指でつかむ。
ふに「ゆー…」
そしてそのまま水に浸け、軽く左右に振りすすぐ。
チャプチャプ…「ゅゅゅゅ…」ぷくぷく…
そして直ぐに上げる。
チャパ「…ぷぁっ!」
これであらかたの洗浄完了。
今回が風呂に慣れさせるって事もあるが、
元からこいつらは汗をかかないからきつい臭いがないし、
何故か外に暮らす奴ですら目立つ汚れがないぐらい汚にくい。
洗剤や石鹸も必要なく、ちびが言ったみたいに舐め取ったり擦るだけで綺麗になる。
つまり…とてつもなく簡単キレイで経済的。ほんとどうなってんだか。
「ゅっ、ゆ?」
目をパチクリさせるちびを仰向けにし、今度は指先で髪を洗う。
「ゆー…ゆゅん♪」
さっきのと違って、髪を洗われるのが心地いいのかずいぶんご機嫌な様子だ。
…なんか手触りが習字ん時の筆掃除っぽい。「おにーしゃん…ゆっくりすりゅ~♪」
―そりゃよかったな
「ゆぅゅぅ~♪」
歌まで歌い始めた。
「ゆぅゅぅ~ゅっ♪ゅ♪ゅ~ゆっゆ♪」
ジ○ノメの湯名○?どこで覚えたんだ、ちびよ。
済んだら仕上げにタオルの上に転がす、
「ゆ~ゆ~ゆ~…」ころころ「…~ゆ~ゆ~ゆ」
リボンを付けて…あ、ちょっと右寄った…終了。
「ゆ!れぃむきれーになった?」
―…
「ゆ~…」
と、期待されても元々慣らす為で別に汚れてなかったし…
―特に変わらん。
「もっかいはいるー!」
―だから変わらんて、ふやけるだけだ
最終更新:2009年10月14日 22:37