てゐ魂第二十一話前編

子供は、地球の宝です!

いきなり何を言ってるんだとお思いでしょうが、私は事実を言ったまでです。

何故なら、子供というのは地球の未来をつなぐ、大きな宝なんですから。

…ですが。

彼らの存在は時に大人たちに大きなトラブルを引き寄せてしまいます。
今回のてゐの用に…。


このSSは銀魂のパロディです。
でてくるゆっくりにロクな奴がいませんし、
ゆっくりが酷い目に合う描写もでてきます。
それらを受け入れることが出来ない方は席をお立ちになって、
受け入れることが出来るという肩はそのまま物語をお楽しみください。


てゐ魂第二十一話「赤ちゃんゆっくり語は書き手にも読み手にも優しくない
            廃れた理由が本気で解る。」



※ここから暫くは脳内sofTalkでお楽しみください。


めざましゆっくりTVのおなじみのコーナー、めざましゆっくり調査!
最近の若ゆっくりの動向を調査するこのコーナ、本日のテーマは…。


「将来子供はこの形で産みたい。」


若ゆっくり達もいずれは過程を持ち、子を授かります。
その時、ゆっくりにとってもっとも重要なのはどんな方法で子供を産むか!
今回はゆぶき町の若ゆっくり達にどの形式で子供を授かりたいか、それを聞いてみましょう!


「れいむは胎児式だよ、やっぱりお腹を痛めて子供を産んでこそ、愛情がわくと言う物だよ!」

「私も胎児式だな、植物式って、なんだかうっとうしそうじゃん。」

「う~ん、マニアックと言われそうだけど、卵生式、かな、胎児式や植物式ってほとんど家からでれないし、
 卵にしておくと、とりあえず暖めておけばほったらかしでも大丈夫だからね~。」

「お手軽なコウノトリ式かな、申請に金と時間が掛かるけど、必ず優秀な子供が手に入るからね。」


一番多かったのは安心と信頼の胎児式、
しかし、10年前と比べると、植物式は減少傾向にあり、
代わりに手軽なコウノトリ式で子供を産みたいという若ゆっくりが増えてきています…。


「……。」


てんこは箸を口に咥えたまま、めざましゆっくりテレビを眺めていた。
「てんこ、箸を加えたままテレビを見ない、行儀悪いよ。」
てゐはそう言って皿に盛られた納豆ご飯を舌でキレイに平らげる。
てんこはそんなてゐに向かってこう問いかけた。


「てゐ、聞きたい事があるんですが。」

「…何さ。」

「このテレビでやっている胎児式とか植物式とか一体何ですか?」

「う…。」


てんこの問いかけにてゐの言葉が詰まる。
あれを子供相手に説明するのは…ちょっと抵抗がある。
どうしたもんかと悩んでいると、隣にいるゆっくりが口を開いた。


          , \, -─-- 、.,_
        ,.i (ヒ_]    ,___, `ヽ,. /
       ./        ヽ _ン   ヒ_ン )
     _,./__,,. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' .、`ヽ,ー:'
  ,. ''"´ /´ / ;'     !     ;`ヽ,ヽ、
  '.、  .;'   ', i ´ハ_ _ハ  ノ メ !,!ヽ,.ヽ.
    `Y    i Vレ'7;__,.!/ V !__ハ ハノ., ',ノ';
   _ノ     i=ハ ' (ヒ_]    ヒ_ンハ.ノi   i
   `.>'    iX|⊂⊃ ,___, ⊂⊃ノ!レノ
  ∠._   ノ |=ヽ、    ヽ _ン  ノ!i レ
      ,.ヘ,) | |>,、 _____, ,イ| |
         ' | !>;`ヽ、「、,ハ.| |

「あれはゆっくりの子供の産み方だよ、
 胎児式ってのは哺乳類のように性交してにんっしんっして、お腹の中で赤ちゃんを育てる。
 植物式は自分の頭に蔦を生やして木の実のように子供を生み出す。
 卵生式は卵を産んでその中で子供を育てる。
 コウノトリ式はうーぱっくで自分の子供を運んでもらう方法だよ。」

「ほう。」

「最近はお金が掛かるけど手軽に丈夫な子供が作れるうーぱっく式が流行りみたいだけど、
 私は自分に苦痛が伴わない出産は認めたくないね。
 どんな生き物でも、ちゃんとネチョって子作りしなくちゃ、家族を作る資格なんて無いと私は思っているよ。」

「成る程ね~。」

そんなやり取りを繰り広げながら朝ご飯を食べるてゐ達。
そして、てゐが更に一粒の米も残さず食べつくした瞬間…。
その両耳で、諏訪小僧の足を掴んだ。


「って、何ナチュラルに人んちで朝食食ってゆっくりの出産に付いて議論してるんだよあんたはー!」


ごわぁあああああああっ!


てゐは諏訪小僧をそのままジャイアントスイング!
「あぁあああああ…。」
投げ飛ばされた諏訪小憎は窓を突き破り、はるか彼方へと飛ばされていくのであった。


「おはよう何だど~…って、やっぱり朝から騒がしいけど何があったんだど?」


それと入れ替わるように、れみりゃが玄関から入ってきた。
てんこは目を輝かせてれみりゃに問いかける。


「すみません!私は今すぐ子供が欲しいんだが
 何処に行けば手に入りますか?」

「え!?えぇ~!?」

いきなりの問いかけに、れみりゃは混乱を起こす。
「気にしない方がいいよれみりゃ、朝のテレビに影響されているだけだから。」
てゐはそう言って、諏訪小僧が遣っていた食器を片付ける。

「…言っとくけどねてんこ、子供はアンタには早すぎるからね。
 ああ言うのは軽い気持ちで授かっちゃいけないよ。」

そう言っててゐは玄関の方へと向かう。
「?てゐさん、何処に行くんだど?」
れみりゃの問いかけに、てゐはこう答えた。

「ちょっと一発当てて来る。」

~☆~

「…それにしても、胎児式とか何とか、朝っぱらからする話題じゃ無いよね。」

一階に続く階段を一段抜かしで飛び降りながらてゐは呟く。
まぁ、確かにてゐの言う通り、朝の一家団欒の食卓の真っ最中、
テレビで妊娠だの何だのの話題が流れ、それで子供が「ねえ、胎児式とか植物式って何?」と問いかけてきたら…。
一家団欒の空気が冷え込むのは確実だろう。

「…ま、子供なんて、あたしには縁の無いものだけどねぇ。」

てゐがそう言って一階に下りたその時だった。


「ゆっくちしていっちぇね。」


…なんか、階段の裏からそんな声が聞こえてきた。
「…え?」
てゐは階段の方を見る。
最初は気のせいだと思ったが…。


「ゆっくちしていっちぇね。」


やっぱり聞こえてきた。
ゆっくりにとってはお馴染みのフレーズ、
しかし、その口調は明らかに舌ったらずのそれが。

嫌な予感を覚えつつ、てゐは階段の裏へと回ってみた。


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            r'`7ヽ,イ_スTゝ‐zヘjヽ.
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         _,ト'Tヽ_ノ、 メ、7イ-rヘいKス._
         ヽレv'ート、/7-、f`ナV-、ハノ、lヽィ′
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     イi イ人ルレ ン、 {/}
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      ー―――'レル'_{/}_
                i´‐一''┴─`i
              l∧ ∧∧ ∧l
              `l工 工 工l´
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       ニ/ / /  /  /  / ¦ |ニニ

「ゆっくちしていっちぇね!おとーちゃん!」

そこにあったのは、植木鉢に飢えられた、何かの植物。
その植物の先に、木の実のように実っているもの、
それは、紛れも無く生まれて間もない赤ちゃんゆっくりだった。

「………。」

「れーみゅのおとーちゃんはきみだっちぇおかーちゃんがいってたから
 キミはおとーちゃんなんだよ、ゆっくりちていっちぇね!」

赤ちゃんゆっくり、恐らく母親に吹き込まれたであろう言葉を喋る。
てゐ、その赤ちゃんゆっくりを見て黙り込む。
額には冷や汗が流れている。

「…イヤイヤイヤ、無い無い無い、あれはあれだったから無い、ホントに無い。」

冷や汗交じりで何かを否定するてゐ。
そのまま赤ちゃんゆっくりなんて最初から見なかったかのようにその場から離れて…すぐに戻ってくる。

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「ゆっくちしていっちぇね!」


…やっぱり赤ちゃんゆっくりはそこに居た。

「イヤイヤ無い!ホントに無い!あれはあれだったし、あれもそれだったから!ホントに無い!」

さっきより凄い勢いでその場を離れ、また戻ってくるてゐ。


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「さっきからおうじょうぎわがわるちゅぎるよ、おとーちゃん!」

…この現実は、変わる事はなかった。
って言うか、まさか赤ちゃんゆっくりからそんな言葉が聞けるとは思わなかった。

「イヤイヤイヤ!ホントにこれは無い!あれはあれで結局あれだったし!だからこれは無い!ホントにない!」

それでも必死で否定するてゐ。
さっきの赤ちゃんゆっくりの言葉では無いが、本当に往生際が悪すぎる。

「いいかげんにあきらめちぇね!」

「いや、だからここで諦めるわけには!」



「さっきから、店の外で何ゴチャゴチャやってるんだい!アンタは!」


        ,.へ                          、 -、       、-‐- .,      
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   _r-ヘ!/⌒ヽ!,.-、i__ r>'/!_                  |    !、,r'::::::::::::::::::ソ ゙i      ',   
  Σ\ヽ>┛┗:::::ハ/'ヽ!ィ/'7                  !、____、ゝ:::::::::::::::;:::::::::::::::;:\   i   
   ,!>'"/┓┏//^^!::|::i>'             三,r'\   二 ニ― ,.,r'!、::ィ:;__、゙i:\ '--〈    
   /:::::,:イ:::rr-!、   _,!::!::|          ____゙i  \ 二ー三 ,r'´` \、;ニ_ハ::::::゙i::::::::i    
   /::::〈r::::/,,r=-,::r=;ァ::!::|::|      三/        \  ) ̄´         !、.__ 'i::ヘJ:::::::ハ   
  /:::::::::::Y/:i       `iハ|/     三■{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_´{_ ゛|:l:::(,::::::::|   
/::::::/::::::/:rへ'ー=ョ',,.イ:::|       三'----------/ / ==゛'‐rー'‐-:::ッ´!、 、,r'ハ:::::::::::::(,   
                             三|/     !、ハ:::ト`:'i=r- ,<,r'ト:::゙i::::::゙i:::ト  
                                      〉:::'J,r'」二y´   `J::!:::::ヘr〉 


その時、あまりの五月蝿さに切れたみまがてゐにニンジンを思いっきり投げ付けたのだった。

~☆~

   ゝ,,,, \| ) )_,,....,,....,,....,.,,.    )\
    /_,,....,,_\、'::::::::::::::::::::::::::::r''''ヽ''ヽ  )
  _..,,-":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{   '  }r-''''フ           ,. -───-- 、_
  "-..,,_:r''''''''''''''''''''''''''''''''''''''( ( )____ノ::- ,,          rー-、,.'"          `ヽ、. 
    //   r  ;    ! ヽ i ヽ ',' |''"          _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
   .'    ';  i i  i  !  i  } }  i         く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、    }^ヽ、
    ,' i  ' ; ゝ、人人ノ/_ノノ / ノ   、      .r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>、_ ノ ハ } \
  i ヽ .| rr=-,:::::::::::r=;ァ / /  i  '、     /ヽ/ r'´ ィ"レ´○     ○  `!  i  ハ /  }! i ヽ
  ! | \| " ̄      ̄" ( /|   |   '、    / / ハ ハ/ ! ""       "":: i  ハ  〈〈{_   ノ  }  _」
  ヽ V 人   'ー=ョ    ヽ  人   '、   ⌒Y⌒Y´ノ /l   (_人_)    .:::::::: ハノ i  ヽ⌒Y⌒Y´
  、_)ノ ノ  >.、_    ,.イ/ ( ノ (._   ヽ      〈,.ヘ ヽ、       .::::: 〈 i  ハ  i  〉
  /  / ノ´ ,,.ィ''i ̄ ̄ノ こ  ノ |  ノ          ノ レ^ゝi>.、.,_____,,.::ィ´//レ'ヽハヘノ

「最低だど。」

「あまりに最低すぎるでしょ。」

それが一階の『バー封魔録』に呼びだされたれみりゃとてんこが赤ちゃんゆっくりを目撃した時に発した言葉だった。
「いや、私はこいつについては身に覚えは全く無いからね!」
てゐは思いっきり反論する。

「おいぃ!子供を作っておいて知らん振りとかゆっくりとして最低すぎるでしょう!」

「てゐさん、嘘にはついて良い嘘とついてはいけない嘘があるんだど!」

しかし、二匹ともてゐの言葉に耳を貸してくれない。

「だから私は今回はちゃんと、本当の事を言ってるからね!ッて言うかてんこ!
 あんた子作りの事を知らない割にはそういう事には耳年間だね!」
そう反論した後、みまの方へと振り向くてゐ。
「みまさん!あんたこっちの味方についてよ!二対一じゃあ勝ち目が無いから!」

「…悪いけど、これ、本当にあんたの子じゃ無いのかい?」

助けを求めるてゐにみまは冷たい言葉を言い放つ。

「ちょ、それってどういう意味!?」

「この赤ちゃんゆっくり、見てみなよ。」

そう言ってみまはてゐのほうに赤ちゃんゆっくりが実っている鉢植えを差し出した。
てゐは赤ちゃんゆっくりをじっと見つめている。

…見た感じ、赤ちゃんゆっくりはただの霊夢のように見える。
しかし、普通の赤ちゃんれいむとは違う特徴が一つだけあった。
その頭のてっぺんに、確かにあったのだ。

…兎の耳の先端を思わせる、小さなデッパリが。
この赤ちゃんれいむが成長を遂げたとき、その出っ張りは立派なウサギの耳へとなっているであろう。


    ,. -‐-、        ,.- 、
   /     i      /,   ヽ.
   /      ハ├──-//i    i
  ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |
  i   /:;:::::::::::::::;:::::::::::::::ゝ、____ノ
  〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈
  ||. i、|. | (ヒ_]    ヒ_ン) i リイj
  | iヽ「 ! ""  ,___,  "" !Y.! 
  .| |ヽ.L.」    ヽ _ン   ,'._.」 
  ヽ |イ|| |ヽ、        イ|| | 
   レ レル. `.ー--一 ´ル レ ~成長した赤ちゃんれいむ予想図~


そしててゐにも生えている。
正に兎そのものな、立派な二本の耳が。
「…やっぱりあんたの子じゃ無いのかい?」

「あたしはホントに身に覚えが無いってば!」

みまの言葉に、思いっきり反論するてゐであった。



「それにしても、こんなふうに鉢植えに実っている赤ちゃんゆっくりなんて初めてみたんだど~。」

れみりゃが鉢植えに実っている状態の赤ちゃんゆっくりを見てそう言った。

「恐らく、植物型の妊娠をしたゆっくりから移植したんだろうねぇ、
 母体が病気なんかで頭のツタを維持できないときは、こうやって鉢植えに植え替えて世話をするって聞いた事があるよ。」

「へぇ、そうなんですか。」

れみりゃ達の視線がいつの間にか赤ちゃんゆっくりに集合している。



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           r'`7ヽ,イ_スTゝ‐zヘjヽ.
         l`スZ_Y_い_,-ヘlイ_j、T,ゝ7
        _,ト'Tヽ_ノ、 メ、7イ-rヘいKス._
        ヽレv'ート、/7-、f`ナV-、ハノ、lヽィ′
        ,レ'Tー!7´ト、_K´Yヽノ、j-イ゙Y、
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            ´∥    /{/}\    `
        _   || __└v{/}v┘
      r , -`―'- 、イ、 {/}
     イi イ人ルレ ン、 {/}
 ・゜゜・ / =-  -=| i、 | ・゚・。
゜    .(" U Д U" []ノ i   ゜
       `ー―――'レル'一''┴─`i
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              `l工 工 工l´
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       ニ/ / /  /  /  / ¦ |ニニ


「…ゆ、ゆきゃ~!ゆきゃ~!」

と、突然赤ちゃんゆっくりが泣き出した。

「え!?え!?と、突然何だど!?」
突然泣き出したもんだから、混乱するれみりゃ。

「おにゃかがすいたよ~!」

赤ちゃんゆっくりが空腹を訴えてきた。
こういうとき、容易に意思疎通が出来るってのは、育児において非常に便利かもしれない。

「お、お腹が空いた!?ど、どうすればいいんだど!?」

「知らないわよ!ミルクをあげれば良いんじゃ無いの!?」

ことひめ(一応最初からいました。)の言葉に、れみりゃは立ち止まる。
そして、視線をてんこの方に向けた。
正確には、この場にいるゆっくりの中で唯一の胴付きであるてんこの上半身に。

「…お、おいぃ?」



         _  ト 、
          \ `ヽ! ,ハ
       ,. -─-\, | /,. -‐─-..、.,    /|
     ∠.,,__   `>'´::::::::::::::::::::::::::::`::、/ /
        __`>'´-‐-、::::::::::::::;:'´ ̄i`Y   ./__
        \__:;:. ''"´ ̄`○)i   ノ ハ/  __/   
        /         ´ ヽ、__ノ::::`''<i     
       /  .  /    __ ヽ.    \:::::::::::::\   
      ,' /  ,'   ,!   ,ハ` | |  |  ` ー--r‐'
      i. ! .i__!_ノ ''ァ‐テ‐、!__ハ |/  !      !
      | |  | (ヒ_]  レ'  ヒ_ン )レ/  /     !
      | 八 !!"" ,___,   ''" / , '       !
      |'/ \|',   ヽ _ン ∪  / /|      |
      ノ´ / ヽ、       / / ,ハ    |  |
       /  /  >.ー--イ/  ∠__!__/  |
     /   /  ,'r,ソr/ ̄/  ,'/     \  !
    /     /)/ 「7‐|7  .  /        `ヽ!
    ,'   /,.-'‐‐'ァくム!  ,'  /!       _   〉
    /   /  ,.-‐</:::/ | /  //   _ァ'"´::::::::`Y |
  /   /   -─イ!o:;' !/! ./〈    /:::/´ ̄`∨ .|
"´    ,!   _,..イ´!:::|{   レ'   !>‐〈:::∧    ', |_  _
     /    /ヽ| {|__|}           /-'ァヘ     ∨´ ̄ /
ー-<7   .ム /! }!:::|{     イ   ,〈 ,' ∧    ヽ.  ,〈


見られていることに気づき、動揺するてんこ。
「…イヤイヤ、無い。」

「あいつからは期待できない。」

しかし、れみりゃ達はすぐに視線をそらした。

「おいいいいいいいぃ!?私の何処が胸無いって証拠だよ!
 いいぞ!この私がそこのチビにミルクを奢ってやろう!」

怒りが有頂天に達したてんこは上を脱ごうとする!

「おいこらやめろ!アンタが無い胸さらしても何の解決にもならないって!」

慌てててんこの暴走を止めるてゐ。

「離せテヰ!母性があれば何でも出来るって言葉を知らないのかよ!」

「お前にはその欠片も無いからね!いっておくけど!」

「ゆきゃ~!ゆきゃ~!」

そんなアホなやり取りを繰り広げている間にも、赤ちゃんゆっくりは泣き続けている。
本当に収拾が付かなくなってきたその時だった。

「ハイハイ、ミルクなんて無駄だよ、この状態のゆっくりはまだ自分でご飯を食べることさえ出来ないんだからね。」



        ,ヘ
       ,l::::::\ ∧
        l>::::::::::: ■
       l__::::::△::■\ィ==ヘ
  ,ィ,==、l  \::::::::::::::::::\ `ヾ〉
 〈〈   l   l::::<l:::::::;r──k}
  ト_>イ'"´ ̄ ̄>ィ ̄`ヽ    `ゝ
 く     >'"/:::::∧/´ヽ!`r-,、ィ
  >く ._>'"/::/:::;/""`ヽ:i:::i::::|:::l
    |:::::|:::l::::i::/_,    、_|_::|:::l:::l
   . |:::::|:::i:::i (ヒ_]     ヒ_ン:|:::|::|
   .|::::::!:::l::::!'"  ,___,  "i::::|::|
   |:::::::!:::!::λ   ヽ _ン   ハ|/
  .|:::::i:ゝハ/::>,、 _____, ,.イ::::::|.

みまが頭の上にアンプルのようなものを乗せてやって来たのだ。
そして、赤ちゃんゆっくりの鉢植えにアンプルを突き刺した。

「…ゆ~、ゆ~…。」

赤ちゃんゆっくりは泣き止んで寝息を立て始めた。

「な、泣き止んだ…?」

「みまさん、あなた一体何をやったの?」

「園芸用の栄養アンプルを突き刺したんだよ。
 植物型はツタの方から栄養を吸収するのさ。」

「へぇ、そうなんだ。」

「勉強になります。」

みまの説明を受けて感心する一同。
またれみりゃ達は赤ちゃんゆっくりの周りに集まり始めている。

「う~良く眠ってるど…。」

そう言ってれみりゃは羽の先で赤ちゃんゆっくりのほっぺをつつく。
赤ちゃんゆっくりがまるで風鈴のようにゆらゆらと揺れた。

「やはり赤ちゃんはかわいいという事が良く分かったよ、因幡ゐ>感謝」

「…何だど、その因幡ゐって。」

「因幡とひななゐを掛け合わせたナイスな名前だ。
 名前が無いと呼び方に困るでしょう?」

「あ!何勝手に名前つけてるんだど!ねぇ因幡夜(いなばい)咲夜お前はあんな名前はイヤだよね。」

「お今テ!お前も勝手に名前をつけテルでしょう!って言うかその名前のセンスは無い!
 今すぐ因幡ゐに謝って!」

「ゆ…?」

「こら!あんた達が騒ぐからこの子が起きちゃったじゃ無いか!
お~よちよち、因幡雨はいい子だねぇ。」

「ゆっくらいだーイナバウアー、ゆっくらいだーイナバウアー!」

なんともほのぼのとした空気を作り出しているゆっくり達。
そんな中でてゐだけは青ざめた状態でそんなほのぼのとした光景を眺めて居た。

「まずい…まずいよこれ…このままじゃあ本当にあの赤ちゃんの親があたしって事になっちゃうんじゃないの!?
 だって、今挙がった名前、全部あたしの苗字が付いているし!」

と、言うか最後のことひめの奴は明らかにおかしいと思うんだ。
しかし、そんな事はどうでもいい。
今重要なのは、この状況を放っておいたら、確実にてゐは泥沼に嵌るという事だ。

「うぉおおおおお!」

てゐは行動に移った。
そのほのぼのした光景の中心へ、一直線に飛び込んだのだ!

「!?」

    
    
    
        ,-r_'Zヽ1Yヾ_ュ-、
       r'`7ヽ,イ_スTゝ‐zヘjヽ.
     l`スZ_Y_い_,-ヘlイ_j、T,ゝ7
    _,ト'Tヽ_ノ、 メ、7イ-rヘいKス._
    ヽレv'ート、/7-、f`ナV-、ハノ、lヽィ′
    ,レ'Tー!7´ト、_K´Yヽノ、j-イ゙Y、
    ,ゝiくヽレくY_ノvヽい'ーくメゝト!、
      ∥'人ノ`{二XX二}`;ヘレ′
   _ || __ /{/}\    `
  r , -`―'- 、イ v{/}v┘
 イi イ人ルレ ン、 {/}
 /ヒン   ヒン)| i、| {/}
〈   ワ  []ノ i  {/}
  ー―――'レル'_{/}_
        i´‐一''┴─`i
      ,. -l∧ ∧∧ ∧l   ,.- 、
     /  `l工 工 工l  /,   ヽ.
    /      _|_|_| //i    i
   ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |
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    〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈
   i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y
   ハ:::::::レヘ::i' rr=-,´   r=;ァハソ:::ハ 
   |::::::::ノ:::l:|〃 ̄      ̄ l:::::|::ノ
   ノ:::::::::::::ハヽ、   'ー=-' ノ::::i:::(   
  イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´イ:::ハノ
  〈rヘ:::::!::レ´   `y二」ヽレ':::〈

一瞬のうちに赤ちゃんゆっくりが実っている鉢植えを頭の上に乗せるてゐ。

「冗談じゃ無い!独身の身空でシングルファザーになれるかってんだ!
 コイツの親を突き止めて、押し付け返してやる!」

「お、おとーちゃん、ゆっくちできないのぉ?」

「うるさい!ちょッと黙ってろ!」

てゐは凄い勢いでスナック封魔録を飛び出した!
「た、大変だど!てゐさんが逃げたんだど!」

「あいつが父親の責任を放棄するのは確定的に明らか!すぐに捕まえテ!」

「逃がすんじゃないよことひめ!」

「解ってるわよ!」

れみりゃたちもてゐを追いかけるようにスナックを飛び出す。
「あの馬鹿は何処だぁあああ!」
そしてそのまま、散り散りになって走る抜けていくのであった。

「…行ったみたいだね、これで落ち着いて親探しが出来るってもんだ。」

「おとーちゃん、くちゃいよぉ。」

「黙ってて。」

そして、そんなれみりゃ達の様子を、スナック封魔録の横においてあったゴミ箱の中から
覗き見るてゐと赤ちゃんゆっくりであった。
てゐはすぐさまゴミ箱から脱出、れみりゃ達が探しに向かった方向とは別の方向に走り出した。

「おとーちゃん、ゴミが付いてるよ。」

赤ちゃんれいむに言われて、全身にくっついているゴミを落しながら。

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最終更新:2011年01月29日 17:38